あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても読みやすい。内容は何に分類されるのかわからないけど、ネズミや紫苑の心の葛藤がよく描かれている。とりあえずはやく助けに行ってほしいのだけれど…
舞台は未来都市と外部の地区だけど、地球の縮図のようだ。富裕層の残飯を貧困層が売買したり、食したりする。同じ人間なのに…ありえないことが現実には起きている。富裕層(先進国)が想像できないような世界が貧困層(発展途上国)には広がっている。富裕層が汚いところや悲惨なところを排除し、見て見ぬ振りを続けた結果が今の世界情勢ということを感じずにはいられない。
今の段階ではネズミが貧困層代表、紫苑が富裕層代表として話が展開している。二人の間には3巻までで既にお互いに情が芽生えている。1対1で話し合ったり、知り合ったりするとうまく行くことも、地域と地域、国と国になるとうまく行かないことが多すぎるのは何故だろう。我々は誰のための世界を作ろうとしているのだろう。 -
Posted by ブクログ
少年たちの息づかいと、空気の透明感と、昆虫たちとの距離がすごくリアルでふいにタイムスリップして昔に戻ったかのような感覚に陥ります。
あさのさんの言葉選びがすごく好きです。
さて、白熱した紅白戦もおもしろければ、例の試合もわくわくするし、野球って楽しいかも・・・!と素人にも思わせてくれます。年に1回くらいは野球観戦に行きますが、こんなに近い目線で野球を感じることってないですからね。
これがまた新鮮です。小説ならでは。
私はちいさい頃、はやく大人になりたいなぁってずっと思っていました。みんなで同じ授業を受けて、やりたくもない教科をやって、学校が嫌いなわけではなかったけど、窮屈だなあと思っていたのを思い出します。
なにせ、子どもは制限が多いですよね。
もちろん保護が必要なこともわかっていますがそれでもね。巧たちが感じるままならなさは、私も昔感じたものとまったく同じ。
それでいて、私はぼんやり窓の外を見ながら大人になる日を夢見ていたのに対し、巧たちの強行突破にも近い猛進具合に微笑ましさを通り越して憧れすら感じます。
巧と豪の絡みも濃くなってきましたね。
自我が芽生えればぶつかり合うこともあるでしょう。
今後は巧と青波の絡みも増えていきそうですね。
こちらの文庫版、何が素晴らしいって、文庫版だけの書き下ろし短編として青波目線で描かれた「樹下の少年」が収録されていること。
かわいい青波から見た世界はやっぱり透明感を持っていて、それでいて実は誰よりもしなやかで強いかもしれない逞しさが根底にはあって。
いつまでもかわいい青波ではないんだろうなと思うと、ちょっとさみしですね。既に親目線ですが。
続きが気になるところで終わっていてはやく先が読みたいのですが、購入済みなのはここまで。
はやく続きを買わなくちゃ。 -
Posted by ブクログ
ときどき、こんな人がいるのです。
山に入ったまま、帰ってこられなくなってしまった人が。
これはとてもすき。
自然って癒しとか優しいだけではない。不気味でおそろしい場所でもある。だけどその自然をただ忌避するのではなく、自然が畏敬の対象であることを改めて感じさせてくれる幻想的なはなし。
一番すきだったのは「四」。
そこでの朝の光についての文章がなるほどと思った。
わたしはそれまで朝の光と聞くと元気さだとか温かさを思い浮かべていたけれど、ここでは刺すような光だと表現されていた。それを自分で常に感じるほど山を近い存在として感じていたわけではなかったけど、なんとなくわかる。
不気味だけど美しい本だと思います。ぞわぞわする。
自分は現実と夢の間をみたことがない? -
Posted by ブクログ
進研ゼミの連載小説を書籍化だそうで、まぁ、進研ゼミらしいといえばそんな雰囲気の話で、あさのあつこさんらしい話というばそんな雰囲気の話でした。やはり、あさのあつこさんは中学生の心情を描くのが上手い。ちょっとしたことなんだけど、この年代の生徒にとっては大きな問題なわけで…。学校と会社と舞台は異なりますが、大人でもこのような環境に置かれて悩んでいる方も多いかもしれません。13歳の時にこの本に出会っていれば良かったなぁ~と思う方も多いのではないでしょうか。ヤングアダルト(YA)向けの一冊ですが、大人にもおすすめ。親子で感想を話し合うと楽しめそうだと思いました。