あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【今やもう手の届かない青春を見守れる本】
小さい頃から体が弱かった弟・青波の呼吸器療養のため、祖父のもとへ引っ越した新中学生になる巧。祖父は以前、地元高校を甲子園へと導いた監督だった。
新地でランニング中、道に迷い、今後中学校でバッテリーを組む豪と出会う。豪から小学生からの野球仲間を紹介されたが、素っ気ない態度を取る巧。その様子を見かねて、人の心理を考えることが野球にとっても大切だと、青波が兄に伝える。
野球はひとりでできない。周囲との関わりの中で、巧は仲間の大切さに少しずつ気づいていく。
病院の跡継ぎになってもらいたい豪に、身体と心がついていけないだろう青波に、野球をやめさせたい母親 -
Posted by ブクログ
揉み療治師お梅のシリーズ二弾。幼い頃に光を失った盲のお梅。人気の揉み療治師として暮らしている。
半年先まで予約でいっぱいのそんなお梅の元にある日突然是非すぐに治療をして欲しいという依頼があった。その武家は三日の後に切腹する事になっており、その為に動かなくなっている腕を治療して欲しいという。
なぜ切腹しなければならないのか、何があったのか、お梅は人に触れるだけで凝り固まった心や身体をほぐしていくことのできる力でその謎を探る。
悲しい運命の人たちと、武家である為の理不尽さなど、さまざまなことが描かれている。
最後は良きところに収まるけれど、やっぱり少し寂しさが残る。