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Posted by ブクログ 2021年05月15日
あさのあつこさんの初期の2作品が収められた文庫です。
「あかね色の風」は小学6年生の少女二人の短い出会いから別れまでのお話です。主人公の遠子のクラスに千絵という転校生がやってきます。そもそも田舎で1学年1クラスしかありません。古い靴屋を営むおばあさんの家に身を寄せ、化石が好きで、複雑な家庭環境も屈託...続きを読むに話す千絵に、遠子は不思議な魅力を感じます。
「ラブ・レター」は、主人公で小学5年生の愛美が、気になる隣の席の男子に、自分の純粋で真っ直ぐな想いを綴り、手紙を出そうとするお話です。
どちらの作品も少女たちの懐かしくも真っ直ぐな友情や恋心が、何か独特の想いとして心に響きます。
Posted by ブクログ 2019年10月20日
2019/10/20
児童文学作家として有名なあさのあつこさんの作品をはじめて読んでみました。バッテリーがすごく有名だったので、青春系の男の子の描写を書くのが上手いのかなーという印象でしたが、この本の主人公は両方とも女の子です。
あかね色の風の方は、主人公の遠子の近くに千絵が引っ越してきて、二人の仲...続きを読むが徐々に縮まっていく…ような縮まっていかないような…みたいな話です。千絵がお父さんの影響で化石が好きなので新種の化石が出た場所に二人で行こうと山越えしていくのですが…。どこか冷めたような感じの遠子も別にそんなつもりはないと言う絶妙な表現が面白いです。
ラブレターの方は、文字通り、小学五年生の愛美が同じクラスの好きな男の子にラブレターを書く話。ラブレターを書くために校則違反しちゃうところとか、愛美の姉もなんだか少しアウトロー的な雰囲気がありますが、親は真面目だったりと色々と主人公が際立つ周りの人々になっております。
とても読みやすい話でした。
Posted by ブクログ 2010年11月08日
5年生の女の子たちが口をそろえて面白いというので読んでみた。なるほど!確かにみんなが好きそうなのが分かる。とくに“ラブレター”の方は、等身大の5年生にぴったりくるようなドキドキするかわいいお話。いいお話だった。ときどきこっそりと「恋愛っぽいのが読みたい」と言ってくる女の子たちに手渡してあげたい。”あ...続きを読むかね色の風”の方は、友達について考えさせられるお話。子どもだって、この子と合いそうかどうかって見かけや雰囲気で判断したりするところがあって、でも自分と合うかどうかは実際に深くその子を知ってみないと分からない、というようなことをさりげなく教えてくれるお話だと思った。大人が読むと、自分が小学生だった頃の気もちを思い出したり、小学校高学年ぐらいの頃の気もちの揺れを感じたり、ああこのぐらいみんな複雑なんだよな、ということを再発見する感じです。周りに高学年の女の子がいる人におすすめの1冊。
Posted by ブクログ 2010年09月29日
ラブ・レターのほうのレビューが残っていたので転載。
とてもかわいらしくて爽やかな、それでいて心の奥が、ホットミルクを飲んだときのようにあたたかくなるお話でした。
主人公の愛美(まなみ)は小学5年生で、隣の席の楽(らく)くんの、大好きな馬の話をする声の嬉しそうな色とか、髪が太陽に透けて茶色に輝...続きを読むくことが気になって仕方ない。そんなとき、友達のともかちゃんから、今学校で「仲良しレター」がはやっていると聞く。だけど友達に送ってもどきどきしないんだもの、やっぱり好きな男の子に送りたいよね、とはにかむともかちゃん。そのきらきらした笑顔を見て、愛美は、自分も楽くんに手紙を送りたい、送ろう、と、つたない言葉でつづり始める……。
あさのあつこと言えば、児童書「バッテリー」で有名です。主人公・巧(たくみ)の、野球へのまっすぐすぎるまっすぐな思いが、読めば誰しも圧倒されるか強く共感するかだと言ってもいいほどリアルに描かれた作品。わりに最近出版された「福音の少年」も、そんな男の子たちの物語だった。だから私は、すっかりあさのあつこは「少年」の書き手なのだと思っていました。
でもこの作品のなかで笑ったり反発したりしている少女たちの心の、なんてまっすぐなこと。
学校帰りに買い物をしたことがばれて先生に怒られたとき、ともかちゃんは「お金、わたしが持ってきたの、先生。愛美ちゃんに貸してあげました。わたしが、愛美ちゃんについてきてって頼んだから、貸してあげたの」。
お姉ちゃんは、玄関先で彼氏とキスをしていたのを見咎めた電話がかかってきて、お母さんに怒られたときに言った。「(その電話の主が名乗らなかったことに)わたし、そんなやつ絶対、許さない。自分は、絶対傷つかないとこにいて、他人のこと傷つけようとするやつなんか、ばかだよ」
ね、きれいでしょう。まっすぐでそこに迷いがなくて、自分にもこんな時期があったかな、でも今はどうなのと、赤くなってしまいそうな凛とした姿でしょう。
そんな人たちに囲まれて、愛美は毎日をすごしながら、少しずつ少しずつ、きっとそんなに整っているとは言えない字で、何度も消しては書き直しながら、楽くんに伝えたいことを手紙に込め続ける。きれいな夕日を見て、カレーの匂いを嗅いで、ピアノを弾いて、楽くんに伝えたいことを見つけては文字にしていく。
こうして手紙にする前、愛美の気持ちは、きっと「気になる」とか「もっと知りたい」とか、名前のつけられない感情だったように思います。
でも手紙に書くことをさがしているとき、彼女は知らないうちに、楽くんといっしょに町を歩き、空を眺めていたんじゃないかな。手紙を書きながらもどんどん、思いをふくらませて、どんどん楽くんへの気持ちを育てていた。
だから手紙の最後に愛美は、ちゃんと感情に、「好き」と名前を付けることができたんじゃないでしょうか。
楽くんも返事を書きながら、愛美への思いをふくらませたり、もうふくらまないと気付いたり、するんでしょうね。
続きが読みたい、ないとわかっていても、わかっているからこそ、そう思える作品でした。
Posted by ブクログ 2019年11月23日
小学生の少女の心の揺れをテーマとした2作品を収録。どちらも明るい作品で、テンポよく読み進めることができる。読んでいるとなんとなく「こうだったよな」と懐かしい気分になる。
どちらも高学年の少女を主人公にしているが、なぜか「ラブレター」は幼く見えてしまう。「あかね色の風」の主人公のほうがしっかりした...続きを読む感じがするからかもしれない。
Posted by ブクログ 2012年04月06日
読み終えました。
2作とも小学生の話で、今も昔も変わらないのか、共感できる!わかる!って思うことも多かった。
特にラブレターは本当に小学生が書いたように思えてきて、胸がきゅんきゅんきた!!
Posted by ブクログ 2011年10月15日
あさのあつこの初期の中篇。「ほたる館物語」と同じように小学校六年、五年の女の子が主人公。けれども一子のように、家族のことを心配する「いい子」じゃない。親の言うことは、ちがうぞ、と反発する自我を持った子供だ。そうしてたった半年だけど遠子はかけがえのない友を持つ。
遠子は「バッテリー」の原田巧の原型だ...続きを読むという説があるらしいが、むべなるかな、と思う。甘え上手の女の子がいて、自分の世界を守ろうとして突っ走ってしまう。巧のように素晴らしい才能があるわけじゃない。だから世界は広がらないけど、この中篇だけで私は書くべきことの多くは書けているのではないかと思った。あさのは無理やり中篇とか一冊の文庫にまとめてしまったほうがいいのを描けるのではないだろうか。
遠子と奇妙な友情を育む千絵は、化石探しに夢中である。化石拾いも土器拾いの考古学も本質は同じようなものだ。彼女にとても共感した。
Posted by ブクログ 2009年11月08日
ほんわ~かした感じの小説でした!!
ってか、姉妹っておもしろいですねー
一人っ子の自分からしたら姉妹って羨ましいって思った!!
あさのあつこさんの小説ってなんかポカポカな感じなんですね~
Posted by ブクログ 2009年10月04日
あああーテスト前なのにまた読んでしまった。
まあ残り1教科(大物)だし、どうにか…なるよね?
あかね色の風/ラブ・レター の短編2編です。
どちらも小学生の女の子が主人公です。
あさのさんはやっぱりすごい!
どうしてこうやって、私たちが大人になって忘れていることを思い出させてくれるので...続きを読むしょうか。
小学生の女の子たちの何気ない、ありふれた日常を描いた作品なんですが、この普通さが逆によかったです。
心が暖まってほかほかする作品でした。
*あかね色の風
走ることが大好きだったけれど辞めてしまった遠子。
複雑な家庭環境にも関わらず好きな事に真っ直ぐ進む千絵。
そんな2人の距離感が素敵なお話です。
主人公の遠子は『バッテリー』の巧の原型らしいです。
*ラブ・レター
生まれて初めてラブレターを書く愛美のお話。
私はどちらかというとこっちの方が好きです。
話してドキドキする姿とか、必死に話題についていこうとする愛美がかわいらしかったです。
計算も媚びもなく純粋に書く手紙っていいなと思いながら読んでいました。
誰かにありのままの気持ちで手紙を書きたくなりました。
お姉ちゃんとその彼氏さんがかっこよかったです。
どちらの主人公も普通なんです。
でも2人も自分を持っていてかっこいい。
子供でも大人でも自分をきちんと持っているって素敵だと思いました。
うん、やっぱり児童書いい。
20歳になるのに辞められそうにないです。笑
純粋な気持ちになれる1冊でした。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
94年の「あかね色の風」と98年の「ラブ・レター」2本を収録した文庫。2007年刊。
北川遠子は12歳。
走るのが純粋に好きだったが、陸上部で不本意ないきさつで怪我をしてからヤケ気味。
そこへ、転校生の千絵がやってきた。色白でふっくらして家庭の事情もあるのに屈託のない千絵は、長身でとんがった遠子とは...続きを読む対照的。
一つしかない6年生のクラスではろくに口もきかなったが、化石が好きだという千絵と遺跡の発掘現場へ遠出をすることになる。
遠子はバッテリーの原型のようです。
「ラブ・レター」は高校生の姉の恋を見守りながら、自分も初めて好きな男の子に手紙を書こうとする話。自然な語り口で、いかにもありそうな、さりげなく充実した内容。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
なんか、懐かしい。小学生の時って、こんな感じだったかもしれないな、なんて。なんだか甘酸っぱいを通り越して、もはやなんだか恥ずかしい。二つの短編が入ってるけど、どっちも程よい児童文学の感じ。私は「ラブ・レター」の方が好きだったかな。ずっとずっと昔に、もう置き去って来てしまった懐かしい気持ちを思い出させ...続きを読むてくれる、そんな作品。
Posted by ブクログ 2010年03月07日
ラブレターとは何かを考えさせられた話であった。愛の言葉を書くだけがラブレターではなくて、日々に自分が何を思うか、楽くんが何を考えるのか…素直な言葉がとて大切なのだと思った1編だった。
Posted by ブクログ 2022年07月01日
『あかね色の風』と『ラブ・レター』の二作品が収録された青春小説。小学校高学年の女の子たちが主人公。恋や友情、複雑な想いに揺れ動く少女たちが描かれている。少女たちを通して、自分の小学校時代を思い出し、懐かしくなった。
Posted by ブクログ 2016年11月21日
バッテリーも読みましたが、なぜこんなにも少年少女たちの心情を描ききれるのか。。。と、思ってしまいます。
心の描写一つ一つが、あの頃であり、なぜかみんな心に持っているあの頃の情景がフワッと浮かび上がるようなそんな一コマたちがちりばめられており、知らず識らずに自分の少女時代がダブってくる。
あさのあ...続きを読むつこのそんな筆力と、描く力に不思議な気がします。
いつの間にか忘れてしまっていたような、子供心が蘇る。そんな一冊です。
恋とも言えない恋の行方。別れとも言えないような友達との別れ。
どうしてこうもうまく描ききれるものか。と、思う私でした。
Posted by ブクログ 2016年04月17日
今回は少女が主人公の物語二篇。あかね色の風では思春期の中学生を主人公に友達と自分との関わり合い方など心情を中心に描かれている。ラブレターでは小学生の少女が主人公で気になり始めた男の子にラブレターを頑張って書いてみるといようなストーリー。どちらも、私たちが一度は体験したことのあるような切なく甘酸っぱい...続きを読む物語。
Posted by ブクログ 2014年06月03日
小学6年生なんて、自分からしたら12年も前になる。特有の感性、悩み、風習や価値観。リアルタイムの共感ではなく、「こういうのあったなぁ」って懐かしむ自分がいた。大人になっちゃったなぁ。
Posted by ブクログ 2011年07月21日
バッテリーの文庫版最終巻の隣に並べられていてちょっと悩んだのですが買ってしまいました。買ってよかった、と思ってます。
バッテリーを読んで、あのシリーズの何が好きか、と言われると一番には大人の言うことは当てにならない、という点が結構自分の中ではウエイトを占めています。大人は大人で考えて子供のことを...続きを読む思って色々いさめたり、しかったり、怒ったりするのですがそのほとんどが見当はずれで何か違う。そんな子供のもどかしさが表現できるってすごいな、と思ったのを覚えてます。それは『ああ、そうそう。大人ってずるいよね』と読んで思うもののやはり今自分が小さい子に接するときに一般論で振りかざす言葉は『ずるい大人』の言葉になっていると思うからなのですが。
世間にずれていても一生懸命もがくようにその日その日を生きている。その苦悩とか誰にもいえない怒りとか。上手くやり過ごせたりする人にはわからないんだろうなあ、こういうもどかしさって、なんて思いながら読みました。
ラブレターは…ちょっと微妙でした。何で女の子って小学生でも中学生でも高校生でも恋愛が一番でなきゃいけないんだろう…←なきゃいけない、って訳ではないんでしょうけれども。そうじゃないと、みたいなステレオタイプとして描かれてしまっているのがちょっと残念です。
Posted by ブクログ 2010年11月06日
あさのさんらしい作風。
小学生の女の子が主人公のとてもシンプルなお話です。
バッテリーがとても面白かったのでので、これは物足りない感じがしました。
Posted by ブクログ 2011年07月17日
初あさのあつこ。淡々とした話で特に盛り上がりのない終わりで。小学生ってこんなんだっけと思いながら読んでいった。もっと可愛い気がするなとも思うが、いまどきの子供はこんな感じなのかもしれないな。
Posted by ブクログ 2010年05月24日
陸上部で怪我をして自棄になっている遠子のクラスに転校生の千絵がやってきた。複雑な家庭の事情も屈託なく話す千絵に、遠子は不思議な魅力を感じる。二人の友情と成長を描いた「あかね色の風」。大好きなクラスメイトに手紙を出そうとする愛美の純粋な想いを綴った「ラブ・レター」。思春期の少女達の揺れる感情を照らし出...続きを読むす、青春小説の金字塔。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
<あかね色の風>
あるある。
こいつとは合わないな。
って思ってた子と
ひょんなことから
すごく仲良くなること。
<ラブ・レター>
小さいころ。
自分が言いたいことが頭の中では
はっきりと、わかっているのに
言葉では言い表せなくて
言葉を必死に探してたのを思い出した。
今もそうだけど。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
面白くないわけじゃないけど、自分が未だに子供のままで客観的に見られていないのか、それとも昔のことすぎて忘れてしまっているのか、とにかく子供が主人公だと違和感ばかりが気になって駄目だ。
「えー。子供ってこんな考え方するか?」とか「いかにも大人が考えそうな子供像だよな」とか。
作者のせいではなくて、私の...続きを読む受け取り方の問題。
やっぱり向いてないってことかな。