あさのあつこのレビュー一覧

  • スパイクス ランナー2

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    いろいろなものを背負い、走ることを恐れていた少年、加納碧李の復帰戦を描いた物語。
    あさのさんの作品でいつも感じるのが、登場人物の心の機微が、その人の身体感覚や周りの風景と融解している感じ、つまりその人の気持ちを体の一部の感覚や見える景色で妙に言い表している感じがものすごくうまいということだ。
    きっと心理描写と一言で言えることなのだろうけど、その変化が物語の中できれいにうねっていて、そのうねりがキャラクタリスティックでいいのだと思う。
    本作でも、主人公の走るまでの緊張感やもどかしさ、走り出してからの背負い込んだものがはがれていく様子、ゴール後の冷静と感覚的なものの入り混じった様子が見事に描かれている。
    そしてそれを見守る周りの人々についてもうねりをもった魅力的なさまで描かれている。
    次回作も早く読みたい。

    三浦しをんさんの解説も、素直にあさのさんの作品好きなんだなって感じてよかった。

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    2013年04月30日
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

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    ミヤマ物語完結編。ラストが若干駆け足だったので、もっと詳しく読みたかったなーと思います。でも、苦しくても皆が前を向いて、未来に向かって生きていく終わりだったので良かったです。ハギにもトオルにも幸せになって欲しい。あとは、カクテがちょっと可哀想でした(笑)

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    2013年04月22日
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

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    完結巻。
    面白かったけど、トオルの母親の心理描写がいやに具体的だったり、ジュブナイルなのか大人向けなのかわからない中途半端な感じになってしまったように思う。大人向けにもっとウンヌの設定を掘り下げて、ミドさまの正体とそこに至るまでの描写を増やしたりとか、もう一山あってもよかったように思うけど、最初はもっと単純なストーリーにする予定だったらしいので、仕方がないのかも。

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    2013年04月21日
  • 結界の森へ ミヤマ物語 第二部

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    ハギとトオルが出会い、物語は加速していく。草代さんが頼もしい。トオルもハギと出会ってから、急にしっかりしてきた感じがします。いじめや偏見や差別の他、家族や友人との絆や暖かさ、信じる気持ちの大切さなど、とてもメッセージ性のあるお話だなと思いました。でも押し付けがましくないので、お話を楽しみながらさらっと読めます。最終巻も楽しみ!

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    2013年04月21日
  • ミヤマ物語 第一部

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    ぐいぐい読めた。あさのさんの本は、どれもお話に引き込まれてしまうので、とても読み易い。階級のある社会で生きるハギと、登校拒否の少年透流の出会いの物語。新聞連載中は、毎日どのあたりで区切られていたのかが気になる…。

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    2013年04月21日
  • ありふれた風景画

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    内容的にはどろどろしているところも多いけど、作中の空気は澄んでいてきらきらしている感じです。瑠璃の気持ちを周子が分かっちゃって悩むところで、複線の敷き方がすごいなと思います。

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    2013年04月12日
  • ヴィヴァーチェ 宇宙へ地球へ

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    あさのあつこさんの作品は40作以上読んでいますが、この作品はあさのさんのいろんな作品を混ぜたような感じでした。例えば「No.6」に似たような場面も、あさのさんの短編に出てきていたような場面も見受けることができました。お話もこれからってところで終わっていて、正直物足りなさを感じています。ですが、やはりあさのあつこさんらしい書き方で、読者に大切な問題をなげかけているように感じます!自分と同じ人間であるのになぜ殺めるのか。なぜ裏切るのか。児童文学作家としては、本当に素晴らしい議題を私たちに与えてくれるなぁーといつも感心してしまいます。

    物語的には緊張感やスリルもあり、おもしろいです!夢中で読んでしまいました。人間関係として読んでいくなら、「バッテリー」は、部活仲間や家族のことが書いてあり、「No.6」は、壁の外と中の人のことを書いてるとしたら、「ヴィヴァーチェ」は家族・兄妹ってところですかね。考えさせられます。

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    2013年04月03日
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

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     3部作の完結編。
     人は一人では生きていけない、大切な人を持ち、その人を信じること、信じられること、人を支えること、支えられること、人と関わる上で大切なことが書かれている。どんな困難もあきらめず前へ進む勇気、とっさの判断力、そんなことを主人公の透流とハギは物語の中で教えてくれる。

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    2013年04月01日
  • ガールズ・ブルーII

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    恋愛要素がちょっと強めに
    それで前巻よりちょっと理穂たちの新鮮さ、みたいなものが薄れた気はしたけど嫌ではない
    他のメンバーは結構新たな一面が見えたけど
    美咲はぶれない…

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    2013年03月26日
  • 晩夏のプレイボール

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    野球の面白さを伝える作品。野球関連では、連作長編「バッテリー」が有名な著者ですが、本書は高校野球をモチーフにした短編集です。一作一作の質が高く、野球を背景にした人間ドラマに、沸き立つ興奮を感じました。高校時代は誰にとっても、青春そのもの。野球に関心がある無しに関わらず、ストレートに感性のストライクゾーンを刺激します。

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    2013年03月17日
  • ありふれた風景画

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    悪い意味じゃないけど、「あさのさん、遂にやっちゃったかぁ……」という感じ。元々匂い系と評されていたものの、今作はド直球の百合で驚いた。瑠璃はあさのさんらしい、芯の強い子。だけど、周子はいわゆる天然、しかし中身はしっかりとした理知的な子で、今まで読んだあさの作品にいない女の子だと感じた。

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    2013年03月16日
  • 福音の少年

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    あさのさんの得意な同性同士の関係性を描いた作品。二人の少年の、友達とも恋人とも違う、名前の付けられない関係が魅力。ヒロインの少女の強さと美しさも印象的だった。

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    2013年03月15日
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

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    ミヤマ物語完結編。
    命の尊さに、重いも軽いもない。あってはならない。
    弱い者、小さい者を守ろうと自然に行動出来るのが本物の大人で、その後ろ姿を見て、子供たちは自分もそうなりたい、近づきたいと思う。

    三部通しての総テーマであると思いました。

    ラストをもう少し丁寧に書いて欲しかったのが残念でした。
    もう一章くらい増やしてもいいから、ハギとの再会シーン、透流とお母さんの再会、その後の親子関係の修復の様子、また、ウンヌの再生など読者の想像に任せるのではなく、三巻まで話が伸びたのならもう少し書いて欲しかったです。

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    2013年03月11日
  • 偽りの支配者 ミヤマ物語 第三部

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    ネタバレ

    思い出したように読んでたシリーズ、3作目で完結。
    これまで結構じっくり話が進んできた感じだったのだけど、後半から一気にいろいろおこったような?トオルとハギが出会ってからの日数の短さを感じつつ、濃い内容を感じたり。
    魅力的キャラがたくさんだったので、後日談的なのものがあったらうれしかったなぁ。

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    2013年03月07日
  • ぬばたま(新潮文庫)

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    高知の山奥に泊まったときに、旅の供として選んだ。山にまつわる恐ろしい話は私自身も聞いたことがある。すべてを包み込むような優しさと、すべてを呑み込んでしまうような恐ろしさで、山は人を狂わせる。。。おもしろかった。

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    2015年02月21日
  • NO.6〔ナンバーシックス〕 #7

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    #1から#7まで1週間一気読み。権力に飲み込まれ疑問も持たずに生きていく人々と、そこから弾かれ、あるいは収まりきれずにはみ出した人間との対比が面白いSFファンタジー。何よりも主人公の少年二人が魅力的。先へ先へと読みたくなる物語。早く続きを!2013.2

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    2013年02月04日
  • 燦 3 土の刃

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    燦シリーズの3巻目。

    燦と伊月の距離がだんだん縮まっていくとともに、不穏な影もちらつく感じが、次を期待させる。そして、だんだん伊月の主人である圭寿が良くわからない感じになってきた…。圭寿、何者?

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    2013年01月29日
  • 白兎2 地に埋もれて

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     白兎君が何者かとつい引き込まれた。千と千尋の神隠しのハクみたいな子だなあと思いつつ読んだ。
     自分で怒っているのか哀しいのかもわからない、自分がどうしたいのかもわからない生きているか死んでいるかわからないようなぼんやりした生き方をしていると死んでもさまよってしまうらしい。
    白兎が「俺のこと覚えてないんだ。」「忘れないっていったのにな。絶対忘れないって」といった場面だせつない。「悼む人」も忘れられるのがつらい話だった。忘れられつというのは、そんなにつらいものだろうか?
     白兎君の不思議がいいねえ。

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    2013年01月16日
  • ラスト・イニング

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    ネタバレ

    横手二中の二人もなかなか好き。萩と城野のバッテリーも気になる。青波と巧のキャッチボールがぐっときた。

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    2012年12月20日
  • バッテリーVI

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     野球でなくとも良かったのかもしれない。ピッチャーでなくとも。

     例えば、バイクのレースに出るライダー。
     コンマ一秒を削り取るために、バイクと一体化するために、
     そのためだけに走る。
     右手が、エンジンの爆発と、ドライブチェーンを通じて伝わる力をコントロールし、
     タイヤのゴムがアスファルトと擦れ合ってちぎれ飛ぶのを感じる。
     ただ、その思いで走る。

     あるいは、ソロギタリスト。
     指が弦をはじいて生まれる、それまでは存在もしなかった世界。
     強くも、弱くも。激しくも、優しくも。
     誰でもない、自分が一人で生み出す、一人の世界。

     ピッチャーをするために、球を投げるために生まれてきた。
     それ以外の諸々を、どこかに忘れて生まれてきた。
     それは魅力的であり、どんな道でも良かったとも思える。
     色んな道に立つ、巧の姿を想像してしまう。

     誰も、何も、介在できない、介在させない自分と対象だけの純粋な世界。
     完全を求める、不完全な世界。
     もろく、はかなく、でも美しくもある。

     巧だけでなく、周りのそれぞれが変わっていきます。
     それは自分を見直し、弱さを知り、傷を確かめ、前へ進むために必要なこと。
     成長でしょうか。大人になることでしょうか。


     やはり、野球で描くことがこの作品らしさなのだろう。

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    2017年08月16日