あらすじ
地方の落ちこぼれ高校に通う理穂も、3年生になった。まわりは着々と進路を決めていくのに、自分の未来はまだ見えてこない。成績のいいスウちゃんは家の事情で進学を断念したし、クール・ビューティーな美咲は病弱で、また入院。隣りに住む如月ときたら、今日も理穂の一家団欒に「うーっす」と現れチキンカツを頬張っている。ずっと一緒に育ってきた仲間たち。でも、覚悟して別々に動き出すべき時が迫っている…。前向きに、力強く一歩踏み出す彼らの夏。シリーズ第2弾!
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Posted by ブクログ
【本の内容】
<1>
落ちこぼれ高校に通う理穂、美咲、如月。
十七歳の誕生日を目前に理穂は失恋。
身体が弱く入院を繰り返す美咲は同情されるのが大嫌い。
如月は天才野球選手の兄・睦月と何かと比較される。
でもお構いなしに、それぞれの夏は輝いていた。
葛藤しながら自分自身を受け入れ愛する心が眩しい、切なくて透明な青春群像小説。
<2>
落ちこぼれ高校に通う理穂、美咲、如月も三年生になった。
高校最後の夏、周りは着々と進路を決めていくのに、三人は行く末をまだ決められない。
恋、友情、進学…タイムリミットが迫る中、私たちの答えはどうしたら見つかるのだろう。
未来へ一歩を踏み出す姿を清々しく描いた大人気女子高生シリーズ第二弾。
[ 目次 ]
<1>
<2>
[ POP ]
<1>
高校生の少女たちの生活が描かれる。
全編に漂う不安感が凄くリアルだ。
主人公は勉強ができるわけでもなく、特技もない。
主人公の親友は、美人で気が強いが病弱で、すぐに入院してしまう。
彼女らは、よくある青春小説のように楽観的に笑い飛ばしたりしない。
このままでは何にもなれない。
どこにも行けない。
そんな閉塞感を持ちながら、それでもたくましく生きるのだと自らを叱咤する。
進学でも、就職でも、一度取り残されたらそこから抜け出すことは難しい。
特に今の時代は。
それでも私たちは楽しみを見つけて、自分たちは無敵だと信じるしかないのだ、と思おうとする。
現代の少女たちの、こういった気持ちを掬い上げられる作者はとても稀有な存在だと思う。
<2>
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
「十八歳の夏が、一生に一度しかない夏が、容赦なく過ぎていく。―悔しい。悔しいけど、いくら悔しがっても時間を止める手立てが浮かぶわけじゃないし―」
大好きな仲間と別れるのは辛い。前に進むのは
楽しみだけど不安。これに出てくる人物は、みんな
「今」が大好きで、等身大だから好き。
この物語では、奇跡も、事件も、珍しいことも起こらない。起こらないけど、起こらないからこそ身近。
まだまだ続けばいいのにと、そんな風に思った
Posted by ブクログ
多感な女子高生が女同士の友情の心地よさの中で泳ぎながら、自分の恋や将来、職業選択について悩みながらも答えを掴んで行く青春群像劇。何処へでも行けるけれど、自分以上のものにはなれないんだと何処かで諦めて、何処にも行けないと思った時間のどうしようもなさを思い出した。二度と戻らないから一層きらめく学生時代に寄せて、悩み多き学生にも仕事に忙しい社会人にも平等に薦めたい。
読み終えると、友達に電話でもして、元気にしてる、と聞きたくなる。友達は一生の宝。
Posted by ブクログ
「ガールズ・ブルー」に続いて再読。
高校3年生になった理穂たちの夏。進路を決められず焦り、揺れ動く理穂。美咲がそう意図していたかどうかはわからないけど、美咲が口にした一言が理穂の背中を押す。理穂が美咲の病室を尋ねるシーンは穏やかで美しかった。
睦月は理穂に、如月は美咲に想いを告げる。それぞれが将来結ばれればいいのにと淡い期待を抱いた。
高校生でいられる時間がどんどん削られていく。顔を突き合わせて一緒に過ごせるのもあと半年。そんな理穂の焦りや戸惑いに胸が痛んだ。あさのあつこの作品の中で最も主人公の感情に入れ込んだと思う。
Posted by ブクログ
青春の葛藤ともどかしさを描いています。
人それぞれに悩みがあって、悩みは悩み。
贅沢な悩みなんてないということ。
高校生として共感することが出来ることが沢山ありました。
文章力が乏しくてすみません。
Posted by ブクログ
一巻から一年経って、就職だの進学だのといった決して避けられない進路の話題が這い出てくる高3の夏。青春って一言で片付けるにはあまりにも濃密な高校生たちの思い悩んでる姿とか他愛のない雑談とかちょっと甘酸っぱい感じとか凝縮されすぎててドモホルンリンクルかよお前
Posted by ブクログ
この本が出たことを知ったときは本当にうれしかったのを今でも覚えてる。
2でないかなーと半分冗談で数年間思っていたら本当に出たのでちょっとびっくりもした。
こういうのの、続編としては、すごく良かった気がする。
1から出るのに数年かかってるのに、続けて読んでもあまり違和感がなかった。
スローペースの話が読んでいて心地よかった。たまに読みたくなる。
けど、1のほうが好きだったかなwどっちも好きだけど。
Posted by ブクログ
桜貝の色を連想させる話だった。
現役の私から見ても、彼らや彼女たちの将来への迷いなどよくわかる。
高校生の何気ない日常に此処まで惹きつけられてしまうのはあさのさんの文章だからこそだと思いました。
Posted by ブクログ
前作と同じ世界観が楽しめます。
相変わらず強かな女の子たちの姿は、見ていてとってもスッキリする(笑)
続編なので必ず前作を読んでから読んで下さい。。
Posted by ブクログ
⭐︎3.5…かな、なんか、やだな、最近俯瞰で読んでるようになっちゃって、なんか、やだな、と思っていたら最後の2ページで、うん、まぁ、そうじゃんって小さくこっくりうなずけるような。
18程度で将来のことなんか決められるかってんだ!たくさんぶつかってたくさんひっくり返って、それでもまだどうなるのかわからない、それが人生ってことだけはわかってきたあたし。
Posted by ブクログ
ガールズ・ブルーの続編で馬鹿の掃き溜めといわれるような高校三回目の最後の夏。
理穂は進路に恋愛(?)に友人との関係と再びあわただしい生活を送るのだが、やはり前回との変化が感じられる。染子のことと睦月の話。
やっぱり青春だけど高3の不安や影がちらほら見え隠れするのもⅡならではないかと思う。個人的には美咲の病室のシーンが印象深かった。
Posted by ブクログ
美咲と如月、幸せになれよ!(読んだのが結構前であんま覚えてない)
表紙が良いよね!表紙が!
如月が羨ましい。動物に好かれるって憧れる。
Posted by ブクログ
18歳。
青春真っ只中の、理穂・美咲・如月・スウちゃん。
自分の進路と向き合うべき高校三年生。
毎日、傍から見たらくだらないようなことで、はしゃいだり落ち込んだり悩んだり乗り越えたりして、少しずつ成長してゆく高校生たちの日常を綴ったガールズブルーの第二弾。
Posted by ブクログ
恋愛要素がちょっと強めに
それで前巻よりちょっと理穂たちの新鮮さ、みたいなものが薄れた気はしたけど嫌ではない
他のメンバーは結構新たな一面が見えたけど
美咲はぶれない…
Posted by ブクログ
ガールズ・ブルーの続き。理穂、美咲、如月も高校3年生になって進路を決めなくてはならなくなる。どんどん大人になって行くみんな。高校生というタイムラインが近づく中、彼女達は各々の「解」を見つけて行く。1話に引き続き読んだ後にほっこりした気持ちになった。
Posted by ブクログ
主人公の理穂の目線と語りで話が進むのだけれど、その進み方が入りこ構造になっているイメージ。話の途中から過去の話がはじまったかと思うと、その途中から過去の話がはじまるという、横道にそれてそれていく進み方。
と、そのことに気がついたときに本人の口から自分の話はどんどんあっちへこっちへ飛ぶという説明が入りました。
多分、作者のねらいとして、女子高生が普段の話をする雰囲気で話を進行させたかったのだと思う。
Posted by ブクログ
如月が。睦月が。真央が。男の子たちが魅力的すぎる!
幼なじみの間だけで世界が完結している、いま。
そして進学をして世界が広がっていく、これから。
恋とかは終わっていくんだろうけど、あの純粋な友情は無くさないでほしいなぁ。
Posted by ブクログ
理穂と美咲と如月と。
やっぱりこの三人の魅力は格別だ
今まで色んな本を読んできて、
色んな登場人物に出会ったけど
この三人は格別にだいすきだ。
如月と美咲の距離感がすごい
こんなんありえないことだけれど
如月の覚悟を美咲もちゃんと解ってて
すごい、あっさり描かれただけに忘れない
理穂と睦月もいい。
理穂がやっぱり等身大、
自分が何したいかなんてわからない
でも先には進まなきゃならない
甘ったれは充分承知してる
でも決めらんない、だめな自分
高校生は世界が狭いから、
だからこそそこでしか見えない、
感じられないものがある。
それを生き生きと描く
あさのあつこさんは素晴らしい。
ガールズ・ブルー
タイトルがすべて。
Posted by ブクログ
高校生の青春を描いた群像小説第2弾。前作では高校2年生だった登場人物たちも3年生になり、進路が主要テーマになっている。
Ⅰ・Ⅱと続けて読むことで、否が応でも高校生活の短さが思われてくる。時間はあっという間に過ぎていくが、その間に起きていることは様々。それも全て良くも悪くも思い出として残っていくのが、面白いところ。
高校の夏の一瞬が蘇ってくる作品。
Posted by ブクログ
前の作品「ガールズ・ブルー」が面白かったのでこちらのIIも手に取りました。
ナンバリングの宿命なのか、前作(無印)をこえる面白さはありませんでしたが理穂と美咲にまた会えて嬉しかったです。
理穂の視点で物語が進むのですが、この理穂のものの見方や感じ方が好きです。なんとなく、いや、かなり分かるな〜と思いながら読みました。
高校生の頃、こんな友だちと日々を過ごしたかったなあ。
Posted by ブクログ
あまりに日常的な描写が続く。でも、こんなに考えながら行動しているだろうか。共感できる部分もあるが、瑞々し過ぎて、ちょっと距離がある感じがする。
Posted by ブクログ
前作を読んだのが2006年のクリスマスということで、私が人生の中で一番本を読んだ年ですね。あれから早いもので、4年以上が過ぎてしまいました。
前回、「主人公はまだ17歳ということで、この後、20歳くらいに成長した話も読んでみたい気がします。」と書いていますが、あまりストーリーが思い出せません(笑)。だから、今回読んだ話が、前作とどう関わっているのか、全く分かりません。ともかく、主人公たちは18歳になり、今まさに高校生活最後の夏を迎えようとしています。
印象的な場面は、第二章の冒頭。主人公が自分たちのおしゃべりについて分析するところ。私は高三の女子高生になったことはありませんが、きっとこんな感じなんだろうなあと、思わずニヤリとさせられました。
もう一つは、美咲が面会謝絶で入院してしまう場面。近頃の本は登場人物を簡単に殺してしまうけど、美咲は死なないでよかった。でも、退院した美咲の言葉が、胸に染みます。
結局、大きな事件らしい事件は起きないで終わってしまいます。でも、それが普通というか、らしい感じがします。筆者は後書きで、「そして、書きたかった。メディアによって流布される少女像ではなく、ささやかな日常を力強く闊歩する生々しい肉体と精神を有した女の子たちを書きたかった。」と言っています。まさに、普通すぎる女の子が主人公のこのお話は、作者の、この思いが書かせたのだなと。
前回読んだときより、少し楽しめたのかなあ。って、前読んだときのことを、ほとんど覚えてないのによく言います(笑)。ただどうしても、誰が男の子で誰が女の子なのか、最後までイマイチつかみきれなかったのは、私がおじさんになった証拠でしょう。
Posted by ブクログ
続編。前作から一年後の話。
高校3年生って、将来の事について一番悩んだ時期かもしれない。
そんなときに そばにいる幼馴染の存在って大きいな~
学生時代からずいぶんと時は過ぎたけど、今でも連絡をとりあうのはやっぱり幼馴染かも・・・
Posted by ブクログ
ちょっと変わってるけど、どこにでも居そうな男女を描いた作品第2弾。
1作目は高校2年生の夏を描いていて、今回は高校3年生の夏のお話。
明確に目標が決まっていたり、親に逆らえず、でも進路はちゃんと決まっていたり。
そんな友人達を周りにして、将来何をやりたいかがわからず焦りを感じている主人公。
誰にでもそういう時期はあったのではないでしょうか。
大人になった今ではある程度流れに身を任せてうまく生きていますが、学生の頃は大人になるということに漠然とした不安を抱いていました。
頭がいいわけでもない。
特技があるわけでもない。
程度はあれ、主人公の気持ちがわかる人は多くいるはずです。
最終的にふとしたきっかけで、自分が目指したい道がみつかるわけですが、その道を目指してがんばる主人公の姿をまたどこかで見ることが出来たらうれしいです。
Posted by ブクログ
主人公が苦手なタイプなので、一人称は辛かった…。この厚さじゃなかったら、最後まで読めなかったかも。キャラクターとしてならみんな好き。速すぎず、ゆっくり流れていく雰囲気がいい
Posted by ブクログ
ようやっと2を読めた。相変わらずあさのさんは裏切らない。というのもこちらが勝手に感じて期待していることにたいして、だが。理帆、美咲そして如月。3人の間には思考するという基盤があって、そこらの高校生より余程魅力的。けれどそういうのも、美咲にすれば「あたしたちのなにがわかるっていうの、あんた」だとおもうが。自分の悩みは自分しか大切にしてあげられないということがわかっている理帆たちなら、“とりあえず”寝て起きる生活でも、放り出さずに生きていけるだろう。突起のあることばがたくさんあって胸を躍らせながら読んだ。
Posted by ブクログ
リアルな高校生を描く作品の続編。
中途半端ながらも、自分らしく生きる理穂、美咲、如月。
そんな3人にも、進路という得体の知れない強敵が現れた。
中途半端だった自分らしさを、より具体的にしなければというプレッシャーが周囲から掛けられ、思い悩み答えを出していく。
こんな状況で、悩めるだけ贅沢だ、子供の悩みなんてたいしたことない。といわれることにすごく共感した。
Posted by ブクログ
やっとII読めました!Iがなかなかよかったので読みたかった!
で、今度は理穂ちゃんたちも三年生で、本格的に進路やらを決めないとって時期。気持ちばっかり焦ってなにも決められないとことかに激しく共感でした。
時間はびっくりするくらい早く進んでるし、憂うつにもなる。
ていうか睦月がイケメンでした。如月の告白も、かっこよかった。
ほんとに、見たことがあるような、ありふれたキャラクターで、いきいきしてリアルなお話でした。
美咲と理穂の病室のシーンはすごくよかった。かっこよかった。
ちょいちょい、自分にぶつかってしみこんでくる言葉があって、理由なく泣きそうになりました。
さくさく読めるし、さわやかで、気分がよくなるいいお話でした!