あらすじ
「あそこには、人を喰らう鬼がいるんです」江戸深川界隈で立て続けに起きた夜鷹殺しに怯える女の、悲痛な叫びがこだまする。そんななか、この世に思いを残した人の姿が見えるおいちの前に、血の臭いをまとった男が現れる。商家の若旦那だというこの男は、亡き姉の影に怯えていた。おいちに助けを求めてきた男は、事件に関係しているのか、それとも――。腹を裂くという猟奇的な手口に衝撃を受けたおいちは、岡っ引の仙五朗と力をあわせ、ある行動に出るのだが……。父・松庵のような医者になりたいという思いを胸に秘め、18歳になったおいちは、事件の糸口を見つけ、解決することができるのか。生き方に悩みながらも、強く生きたいと願う女性を描いて人気の青春「時代」ミステリーシリーズ第三弾!
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Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
「あそこには、人を喰らう鬼がいるんです」
江戸深川界隈で立て続けに起きた夜鷹殺しに怯える女の、悲痛な叫びがこだまする。
そんななか、この世に思いを残した人の姿が見えるおいちの前に、血の臭いをまとった男が現われる。商家の若旦那だというこの男は、亡き姉の影に怯えていた。
おいちに助けを求めてきた男は、事件に関係しているのか、それとも――。腹を裂くという猟奇的な手口に衝撃を受けたおいちは、岡っ引の仙五朗と力をあわせ、ある行動に出るのだが……。
父・松庵のような医者になりたいという思いを胸に秘め、18歳になったおいちは、事件の糸口を見つけ、解決することができるのか。
生き方に悩みながらも、強く生きたいと願う女性を描いて人気の青春「時代」ミステリーシリーズ第三弾!
【主人公・家族】
おいち……藍野松庵の娘で、父のような医者を目指して修業中。この世に思いを残して亡くなった人の姿が見えるという不思議な能力を持つ。
藍野松庵……おいちの父。長崎帰りの蘭方医として名を馳せていたが、今は一介の町医者として貧しい人々の診療にあたっている。
【おいちの育ての親】
藤兵衛……八名川町の紙問屋『香西屋』の主。
おうた……おいちの伯母。『香西屋』の内儀。おいちのことを誰よりも愛しんでいる。
【おいちの周りの人々】
お里……おいちの母。おいちが五歳のときに病で亡くなる。
仙五朗……本所深川界隈を仕切る凄腕の岡っ引で、“剃刀の仙”の異名をとる。
新吉……腕のいい飾り職人。おいちに想いを寄せている。
令和6年6月27日~29日
Posted by ブクログ
続編をとても楽しみにしていました!
個人的なこのシリーズのイメージは、人間の深層心理だったり、おいちの第六感に焦点があたってるなあという感じです。
この作品は少し血なまぐさいところもありましたが、おいちがより強く自分の意思で行動している様子が描写されていました。
そして相変わらずおいちにとって新吉さんは頼りになる存在なんだなとほっこりしました。
前作を知らなくても、十分楽しめる作品だと思います!
Posted by ブクログ
今回はおいちの「成仏出来ない人との会話」する能力はちょっと控え目。ミステリー多め、かな。今回だけの登場人物もそれぞれにキャラが書けていて、物語に入り易い。
Posted by ブクログ
おいち不思議がたりのシリーズ第3弾
面白かったです。
不思議な力を持つ医者見習いのおいちちゃんが難しい事件を解決に導きます。
頑張れおいちちゃん^_^
Posted by ブクログ
おいちの物語に花岡青洲が出て来るとは、同じ時代を生きる人たちの物語だったとは、そのことに一番驚いた。
人は菩薩にも般若にもなれる。お京が哀れ。でも、それよりも庄之助が哀れ。人の有り様は、様々なことが折り重なり、歪められていくのだと思う。そう思えば、それと対極にあるような、新吉のまっすぐさが救いである。
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。面白かった♪
医者の娘 おいちの持つ不思議な力。その力で生きている者だけじゃなく、そうでない者も救えるものなら救いたい。
おいちだから解ること、出来ることがある。
父のような医者を目指すおいちの気概と覚悟、優しさをもって対応にあたる姿が格好いい。人として魅力的だなぁって思います。
おいちの父 松庵と伯母 おうたの軽口の叩きあいが小気味よくておもしろかった!
新吉さんのおいちへの思いは見ていてもどかしいけど、実直で恋に奥手なところが微笑ましくて可愛くもある。
私は深読みしないので、ミステリーとしては作者の思惑通りに引っ掛かりました。
時代小説初心者でも読みやすいシリーズです。
Posted by ブクログ
おいちの潜入捜査にはどきどきした。
敵地に乗り込んで単身戦うのだもの。
もちろん、親分はおいちを信じて手を打ってくれたのだけど。
新吉との仲、ゆっくりとでも進んでほしい。
新吉も本当にいいやつだから。
人の心の弱さにつけこむような犯罪は、まったく許しがたい。
おうたや松庵の出番がちょっと少なかったのは残念だけど、読み応えばっちり。
手元にある4巻目も時間をおかずに読もう。
Posted by ブクログ
おいち不思議語り第3作
おいちは18才に。
父親の松庵、伯母のおうた、岡っ引きの仙五郎、新吉らが見守る中、父のような医者になりたいと真っ直ぐに成長している。
おいちのひたむきな姿の清涼さと、血生臭い事件との対比が際立つ。
Posted by ブクログ
この世に思いを残した人の姿が見えるという、不思議な能力を持つおいちが主人公の時代劇ミステリー第3弾。
今回は、連続する夜鷹殺しの犯人を捜すため、岡っ引きの仙五朗とともに行動を起こす。
異能を発揮して事件を解決するおいちの活躍と合わせて、見逃せないのが、おいちの父親松庵と、おいちの伯母おうの、この二人の存在。
飄々としているが、情に厚く、包み込むような温かさを持った松庵。
口が達者で、少々やかましいが、おいちを実の娘のように可愛がるおうの。
そんな彼らの、度々交わされる丁々発止の会話が、このシリーズの欠かせない魅力。人間の闇が繰り広げる事件に対局して、一服の清涼剤ともなっている。
Posted by ブクログ
先が気になる面白いミステリーだった。育ち方がやっぱり大切なんだなあと改めて気付かされる。恨んで生きるのか、それさえも自分の心持ちで随分と人生が変わる。
Posted by ブクログ
あさのあつこさんの作品は久しぶりでした。
キャラクターがみんないい人で楽しい読み物でした。
犯人が分かりやすかったのがちょっと残念な感じ。
でも、楽しく読ませていただきました。
入院中の一気読み
健康、家族、健康に感謝
Posted by ブクログ
おいちシリーズ第3弾。昔は双子が忌み嫌われていたし兄弟姉妹でも育てられ方が違ったけど、それがどれだけ心を歪めたり生死を分けるのか。夜鷹という仕事も、生きる手立てとは言え女性が夜1人で暗闇に立つことの恐ろしさや不安が切ない。夜鷹を襲う鬼が誰なのか、予想を超えてて驚いた。禍々しい中でも新吉や仙五郎親分、松庵の存在が読んでるこちらの心を明るくして頼もしい。下手人も被害者なのかも知れないけどそれ以上に生きるために子供のために誰かのために夜鷹になるしかない女性たちが悲しい。おいちの活躍が心強くて優しくて面白い。
Posted by ブクログ
何ともやりきれない最後だなー。庄之助のやったことは許されないけど元々は祖父と父の虐待によってそこから逃避するためにもう一つの人格であるお京を作り出した、てことでしょ。元凶の祖父は殺されて父も悔いて仏門に入ることになったけど悲しいなぁ。番頭と継母もこの時代珍しい話じゃ無いけど、誰も幸せじゃ無い闇に包まれたような店で。菖蒲長屋のほうが貧しくてもずっと幸せだよ。
Posted by ブクログ
おいち不思議語りの三作目。おいちも18歳になる。年を重ねるたびにおいちも成長していく。医者への道を真っ直ぐ向いている姿は好感が持てる。
今回は双子の姉弟が不思議な事象を起こす。さて、精神病なのか?人を喰う鬼か?不思議な事件なのか?それとも?・・・ミステリー作品として楽しめる。
仙五朗親分と新吉、松庵とおうたがおいちの周りを固める。ミステリーとなると、動機、機会、方法が解決への道筋である。方法がまず描かれ、機会も次第に明らかになる。動機には薄々気づかされるものの、下手人が誰かの推理は合っているかわくわくできる。
そして、それすらもミスリードの可能性も想定して読み進めた。
最後に全てが明かされた。切なくも悲しいミステリーであった。