あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらず登場人物の表現が卓越していて、惹き付けられている。
個人的には、伊佐冶は、普通の人間なら知らずとも生きていける井戸の底のような暗闇を怖々と覗いている最もまともな一般人。
遠野屋は、伊佐次がのぞき込む暗闇の真っ只にながらも、たった一筋、細く差し込む光に向かって、必死で足掻いている非凡人。
私には、この2人が対極のように感じられる。
そして、もう1人のキーパーソン、信次郎は数学で言うとX軸、Y軸に対するZ軸のような存在。そもそも次元が異なるのだ。
三者が互いを異なものと認め、どうしても分からない、混ざりあわない部分を持っているのに、どこかで期待し、信頼し、ひとつひとつの事件を通して関わり -
Posted by ブクログ
してやられた!!
ぜひ読んでいただきたい・・・
信次郎、清之助、伊佐治が推理を楽しむように相手の心を読んでいくところは最高である。
どこに落ち着かか、わからない展開・・・
スクリーンになると、きっともっと素晴らしくなるかも・・・
少しだけ心に残ったところを引用します。
いつもの高揚が戻ってきた。次々に繰り出される指図を聞いていると心の芯が熱をはらんでくる。弾み脈打つ。本当のことが知りたい。この謎の裏に潜むものをみたい。
「・・・何が言いてえんだ」
「木暮さまの本心が知りたいのです。役目などと誤魔化さないでいただきたい。なぜここまでしてお父上の旧悪を暴かねばなりません?それで誰が救わ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ遊女の首を裂く連続殺人が発生。誰がなぜー。
小暮信次郎と伊佐治親分が捜査に乗り出す。
一方、商人として商売に励み新しい試みをやろうとする遠野屋。その清之介にも再び過去の闇が手を伸ばす・・・。
ってなお話で、前作「弥勒の月」はやはりシリーズのプロローグ的役割だった模様。こちらを読んでから読むとより味わいが深くなると思われます。
伊佐治親分は相変わらず一服の清涼剤というか、しごく、しごくまっとうで、親分の奥方も息子さんもすごく生真面目でその生真面目が報われている人々でホっとします。
ですが、信次郎さんはひねてますし、遠野屋さんはなかなか前向きにさせてもらえません。反目しながら目が離せない二人の同 -
Posted by ブクログ
少し間をおいてと思っていたのですが、ついつい続編に手を出してしまいました。読み始めた直後の思いは「しまった」。なんだか一編読み切りの漫画が評判になって、後から続編を継ぎ足して行ったよう。目新しさを付け加えるために前編には無かった、ありきたりの敵役を付け加え、結果として元のストーリーとは変質していく・・・・。そんな感じがして他のですが。
杞憂でした。途中からどんどん引き込まれます。私の好きな弟・青波の出番が少ないのはやや不満ですが、相変わらず登場人物たちは生きています。相変わらずストーリーそのものはありきたりな感じはしますが、著者自身が描きたいものを一生懸命書いている。変に阿ったりしていない。 -
Posted by ブクログ
なんか雰囲気が随分変わりましたね。結構笑える場面がたくさん出てきて、これまでのストイックな雰囲気が柔らかくなりました。
かなりの長期にわたって書き継がれた作品だと、以前の後書きにあったので、?から?の間に相当な機関があったのではないかと思いましたが、そうでもないようです。何か理由はあるのでしょうが。。。
ただ、やや分裂気味なところはあります。思い切り協調性が無くてストイックな巧だったのですが、友達との妙に軽いやり取りがでてきたり、協調性の塊みたいだった豪がストイックになってしまったり。全体の雰囲気としては良いのですが、ある意味この小説の特徴だったところが崩れて来たような気もします。
さて