あさのあつこのレビュー一覧
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そうか、ちょうど1年が経つのか、巧がこっちに来てから。
随分と成長をした1年でしたね。巧だけじゃなくて、豪も、なにより青波も。
中高生の頃というのは、ちょうど潔癖さが際立つ時期で、黒か白かはっきりさせたくなるような年頃かもしれない。
少なくとも、私はそうでした。
その時期を越えて、少しずつ曖昧なものを認められるように、受け入れられるようになる。巧や豪はちょうどその過渡期にいて、瑞垣だって例外じゃない。
うまく折り合いをつけてきた、つけざるを得なかったのだろうけど、全部を消化してこれたわけじゃないし、今本気で動く瑞垣がかっこよく映る。どうやら私はやっぱり瑞垣がすごく気になるようです。
突出し -
Posted by ブクログ
久しぶりのこのシリーズ。
前巻を読んでから既に2ヶ月以上経っているのに驚きますが、ページを開けばすぐにこの世界にのめり込める。
4巻は、触れてはいけない空気を孕んだ、緊迫した物語の始まりでした。
待ちに待った横手との試合での、まさかの出来事。
ネタバレを避けて感想を言うのが難しいところですが、スポーツの試合、もちろん何があっても不思議じゃない。とはいえ、残念なような、誰が悪いというものではないからこそ消化しきれないもやもや感が残る試合でした。
思えば、野球のバッテリーというのは随分不思議な関係ですね。
テニスや卓球のようにダブルスで組むスポーツもあるけれど、チームの中において、あんな風に1 -
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とても読みやすい。内容は何に分類されるのかわからないけど、ネズミや紫苑の心の葛藤がよく描かれている。とりあえずはやく助けに行ってほしいのだけれど…
舞台は未来都市と外部の地区だけど、地球の縮図のようだ。富裕層の残飯を貧困層が売買したり、食したりする。同じ人間なのに…ありえないことが現実には起きている。富裕層(先進国)が想像できないような世界が貧困層(発展途上国)には広がっている。富裕層が汚いところや悲惨なところを排除し、見て見ぬ振りを続けた結果が今の世界情勢ということを感じずにはいられない。
今の段階ではネズミが貧困層代表、紫苑が富裕層代表として話が展開している。二人の間には3巻までで既に -
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ファン向けのオプションストーリー集的な位置付けだと思って読んだけど、予想をはるかに越えた内容だった。
まず、登場人物の魅力が生きる会話やエシーンが盛り沢山だったこと。イヌカシが体調崩して紫苑達を頼ったこと、No.6崩壊の翌日の紫苑とネズミ、イヌカシと力河を招いてのホームパーティー等、本編で描かれなかったエピソードがあたたかく、読んでいてNo.6の登場人物達の魅力を再確認できた。これだけでも読んで良かった、という感じ。
そして、No.6崩壊後の社会の不穏さが、思ってた以上に描かれていた。再建委員としての紫苑の話や、紫苑がどんな人物で何をしようとしているのか。
不安はあるけど希望のラストだった本 -
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シリーズ最終巻。横手中との再試合までがえがかれています。
巧が主人公のこの物語ですが、天才ゆえにひとづきあいが苦手な彼が周囲の人びとと打ち解けていくといったようなありきたりなストーリーとは一線を画していて、新鮮に感じました。とくに後半には、自分の信じる道を進もうと努力する巧のすがたが輝いていて、しかもそんな彼に読者のほうも自然に共感を抱くことができるようになっています。児童文学でこういう人物造形も可能なのかと、著者の文章力に驚嘆しました。個人的には、本書の物語にそれほど深く感動したというほどではなかったのですが、児童文学の表現の幅についての認識をあらためることになりました。
もっとも、巧や -
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巧たちの所属する新田東中学野球部と、門脇を擁する横手中との練習試合が開催されます。巧と豪のバッテリーは名門校相手に健闘しますが、門脇の悪友で横手の5番打者を務める瑞垣俊二に揺さぶりをかけられ、敗退します。
試合後、巧と豪の間に生まれた亀裂は修復できず、監督のオトムライはバッテリーの解消を命じます。ところがその後、勝負が中途半端に終わったことに消化不良を感じる門脇は、巧たちのもとを訪れ、再試合を申し入れます。
豪が第1巻の快活さを失って、あまり楽しめませんでした。その一方で、お調子者のチームメイト・吉貞信弘が、ストーリーの重苦しさを救っています。
なお、巻末には、3歳の頃の巧と祖父の井岡洋