あさのあつこのレビュー一覧
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この世に思いを残した人の姿が見えるという、不思議な能力を持つおいちが主人公の時代劇ミステリー第3弾。
今回は、連続する夜鷹殺しの犯人を捜すため、岡っ引きの仙五朗とともに行動を起こす。
異能を発揮して事件を解決するおいちの活躍と合わせて、見逃せないのが、おいちの父親松庵と、おいちの伯母おうの、この二人の存在。
飄々としているが、情に厚く、包み込むような温かさを持った松庵。
口が達者で、少々やかましいが、おいちを実の娘のように可愛がるおうの。
そんな彼らの、度々交わされる丁々発止の会話が、このシリーズの欠かせない魅力。人間の闇が繰り広げる事件に対局して、一服の清涼剤ともなっている。 -
Posted by ブクログ
初出 2014年「てのひら猫語り」、2015〜17年「WEB招き猫文庫」
鈴江藩の奥勤めに上がった本所深川随一の呉服屋の娘お糸は、不思議なものを察知する能力で正室珠子の正体が猫であることに気づく。しかも、上臈三島をはじめお付きの女中たちの多くが実は鈴江に棲む猫族だとわかるるが、お糸は珠子に惹かれすんなり受け入れ、信頼を得る。
鈴江には人の姿になれる狐族も棲んでいて、藩の権力争いの形を取って猫族と狐族の戦いが始まる!
なんという、むちゃくちゃな時代小説めいたファンタジー小説。弥勒シリーズのシリアスな時代小説を書いているあさのあつこが息抜きで素で書いたのか?(笑)。でも最後はうるうるきてしまっ -
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ネタバレ相変わらず登場人物の表現が卓越していて、惹き付けられている。
個人的には、伊佐冶は、普通の人間なら知らずとも生きていける井戸の底のような暗闇を怖々と覗いている最もまともな一般人。
遠野屋は、伊佐次がのぞき込む暗闇の真っ只にながらも、たった一筋、細く差し込む光に向かって、必死で足掻いている非凡人。
私には、この2人が対極のように感じられる。
そして、もう1人のキーパーソン、信次郎は数学で言うとX軸、Y軸に対するZ軸のような存在。そもそも次元が異なるのだ。
三者が互いを異なものと認め、どうしても分からない、混ざりあわない部分を持っているのに、どこかで期待し、信頼し、ひとつひとつの事件を通して関わり -
Posted by ブクログ
してやられた!!
ぜひ読んでいただきたい・・・
信次郎、清之助、伊佐治が推理を楽しむように相手の心を読んでいくところは最高である。
どこに落ち着かか、わからない展開・・・
スクリーンになると、きっともっと素晴らしくなるかも・・・
少しだけ心に残ったところを引用します。
いつもの高揚が戻ってきた。次々に繰り出される指図を聞いていると心の芯が熱をはらんでくる。弾み脈打つ。本当のことが知りたい。この謎の裏に潜むものをみたい。
「・・・何が言いてえんだ」
「木暮さまの本心が知りたいのです。役目などと誤魔化さないでいただきたい。なぜここまでしてお父上の旧悪を暴かねばなりません?それで誰が救わ -