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Posted by ブクログ
あさのあつこさんといえば『バッテリー』や『The MANZAI』といった青春小説しか知らなかったのだけど、鈴木康士さんの装丁画に惹かれ、思わずジャケ買いしてしまった本書。
神と人とが共に暮らす時代の神話が6編。
雨の神に選ばれたシムチャッカは、自分への捧げ物のために寝食を忘れて装飾品を彫り続ける細工師に恋し、
皮肉屋の死の神グドミアノと醜いがゆえに忌み嫌われる心優しき沼の神フイモットの奇妙な友情、
一世一代の恋に破滅を迎えた哀しい人間、
天真爛漫でおてんばな風の神と盗賊たちのふれあい、
神の失敗によって翻弄された、叔父と皇子の哀しい約束。
少しだけ、人間のできないことができ長く生きるというだけで、地上に生きる人間となんら変わりない神々の存在。
戦乱も諍いもあふれているけれど、
小川のせせらぎのような、
木漏れ日を浴びながら森の小路を歩いているような。
物語のなかには、牧歌的で、やさしい時が流れ続けている。
読み終えた時には、なんだかもったいない気持ちに。
もう少しこの世界にいて、他の神さまのお話も聞いていたかったな、という名残惜しさを感じた。
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