【感想・ネタバレ】桜舞う おいち不思議がたりのレビュー

あらすじ

「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」。――胸騒ぎを覚えたおいちは、友のもとに駆け付けるのだが。本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引の仙五朗とともに、複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは17歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして自分の出生の秘密にかかわる事件等々。おいちは、様々な困難を乗り越え、亡き友の無念を晴らすことができるのか。悩みながらも強く生きたいと願う主人公を書いてきた作家・あさのあつこの青春「時代」ミステリー第二弾! 解説は、作家の小松エメル氏。

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Posted by ブクログ

おいち不思議がたりの2巻目。テーマはヘビーになるので、はらはらするのだけど、おいちの周りに気になる男の人が二人、全く別のタイプのが現れて、さぁどうなるのかな、というのも楽しみなストーリー。
素敵な台詞はいくつかあるけれど、まずは
「他人の言葉は、真摯に聞くべきものと聞こえぬふりをしてもいっこうに構わぬのがある。聞かずとも良い言葉に惑わされることはない。心を煩わせるだけ損ってもんだ」
女性が結婚せずに本当にやりたいことをやり通そうと思ったら、世間は決して優しくない。江戸時代は今より更に、そうだろう。だけど、おいちの医師になりたいという若々しい願いは本当にまばゆい。

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2025年07月06日

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おいちの不思議語りの2作目。
17歳になったおいちの親友お松とおふね。それぞれが自分の夢を追いかける。おふねは桜を見て怖いと言う。不思議な表現が瞼の奥に残った。
飾職人の新吉やならず者の与造、吉助の登場も布石を打つ。

そのおふねに事件が起こる。おいちは自分が医者と言えないもどかしさを感じる。女医の認められない逆流の時代にふねを漕ぎ出す。おふねの名前はそういう意味なのかもしれない。

おふねにはお腹に赤ん坊がいた。これも布石の一つになっている。前作に少しだけ置かれた石の回収がある。松庵の過去、おいちの出生、田澄十斗との関係が明らかになる。

叔母であるおうたとその夫藤兵衛がこの作品に深みを与えている。苦悩を超えた笑いは病をも克服する。その通りだと実感する。医術に慢心は要らない。全てを治せると思うなと松庵。病やケガを診るのではなく人を診るというのは、どんな人間関係でも言えることだ。素敵な言葉である。
また少しの布石を残して、心の中に桜が舞った。

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2022年07月02日

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血縁・養子に関わらない無償の親子の愛を感じた。少しずつ恋愛に気付きだしたいちの変化を見るのが凄く楽しかった。親子、友情、恋愛が絡む本作を上手く纏めた作者の技量が凄い。

これからのいちがどのように変わっていくのかがとても楽しみ。やっぱこの本面白いわ。

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2025年09月17日

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内容(ブックデータベースより)


「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」。――胸騒ぎを覚えたおいちは、友のもとに駆け付けるのだが。
本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引の仙五朗とともに、複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作。
江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは17歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして自分の出生の秘密にかかわる事件等々。おいちは、様々な困難を乗り越え、亡き友の無念を晴らすことができるのか。
悩みながらも強く生きたいと願う主人公を書いてきた作家・あさのあつこの青春「時代」ミステリー第2弾!

令和6年6月20日~22日

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2024年06月23日

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おいち 不思議がたりの第二弾です。
面白かったです♪
江戸時代に17歳の女性が医師になるという強い志しを持って頑張っています。
更には、おいちの出生の秘密も明らかになりました。
次回作に期待をしてしまいます。

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2023年11月17日

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おいち 不思議がたり シリーズ第二弾
第一弾を読む前に読んでしまったが、それでも十分楽しめた。
おいちはこれからどんな風に生きていくのだろう。
その生きざまを見たいと思わざるをえないつくりになっているからさすがです。

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2022年12月18日

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再読
4作目を読んでから読み直したら、おいちの出生の秘密が明かされていた。6年も経つと、すっかり忘れてしまったことに驚く。血が繋がっていない父と伯母とのやり取りは本当の子供以上。他のシリーズも次々と出版されているので難しいとは思うが、間を開けずに書いて欲しいと思うシリーズだ。

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2021年05月21日

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おふねちゃんがあまりにも哀れ。
あんなにいい子なのに、そんな目にあうなんて。
犯人なんて、地獄に落ちろって思う。
おいちの出生の秘密、まさかの事実。
そうだったのか。でも、納得いく部分も。
新登場のあの人、かっこいい。
再登場を期待。
女性が医者になるなんて、とんでもないと思われる時代。
おいちが望む道に進めますように。

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2018年08月12日

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おいちの若く一生懸命な姿がとても清々しいお話です。
ちょっと急ぎ足気味なところもあって、展開早すぎ!
とても読みやすいし、面白いので、もっとゆっくりと、色んな人の話を聞きたいです。

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2016年11月17日

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「桜舞う」
これは、少し前に読んだ「おいち不思議かたり」の続編。

江戸の長屋に住むおいちは医者である父の助手として日々働きいつかは父のような立派な医者になることを夢見ている女の子。

今回は親友の死をきっかけに自身の出生の秘密が明らかになったり、それを機に更に医者への道を邁進していく姿があらわれていました!

江戸庶民のお話しは大好きなジャンルなのでこれからの続編楽しみ!

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2016年10月05日

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あえて人と違う道を選ぶことを望む若い人と、その若い人がより苦労せずに幸せになると思われる別の道を勧める大人たちの対話が好きだ。

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2016年03月21日

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2015.8.17
おいち不思議語りの2作目。
1作目よりも話が複雑で面白かった。
田澄との関係は、途中読めてしまったのが残念。
日本語が綺麗な作品。

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2015年08月17日

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児玉清氏が推奨する「弥勒」シリーズで、著者の時代小説に魅了されたが、このシリーズも期待にそぐわぬ出来栄えとなっている。
しかし、シリーズものと知らず、1作目を読まぬうちに2作目を読んでしまったのはちと残念(笑)
解説でいう「暖かな部屋でぬくぬくしていたら、いきなり寒風が吹く外に放り出されたというような感覚」の本作は、登場人物に「・・・真実はわからねえ、人ってものはわからねえ」と、吐露させる。
弥勒シリーズ同様、人間の不可思議さ、心の闇の奥底を描き出す著者の小説は、読み手の心を掴んで離さない。
死者の声が聞こえるという異能の持ち主が主人公であるが、健気で明るい彼女と彼女を取り巻く人々が魅力的であり、読後感は、温かさと爽やかさに包まれる。

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2015年07月09日

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松庵さんの子育ては上手く行っていると感心する。おいちのような娘はそうはいない。ちょっと良い子過ぎる気もするけどね。

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2015年04月22日

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ネタバレ

おいちの産まれを知った。田澄様とはどういう風になるんだろうって思っていたら思いがけない展開に。友達が亡くなったのはとても悲しい。物語がまた少し展開していったのは面白かった。おいちが医者の道を険しい道をどう進むのか楽しみ。

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2025年08月10日

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シリーズ第2弾はおいちにとってとても悲しいけど試練や真実を自分なりに乗り越えて成長の糧にするようなお話。どれだけ願っても祈っても手を尽くしても助けられない命はたくさんあるし、それが友達や身内、知り合いなら辛さは想像もできない。江戸の時代なら現代とは比べものにならないだろうし、いつの世も医者とは本当に大変な仕事。それを目指したいと思えるおいちの強さと逞しさにこちらが勇気づけられる。それにしても酒と女と金にだらしない男が多過ぎる。出生の秘密もわかり、新吉との進展やここからどんな話が待っているのかとても楽しみ。

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2024年10月29日

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おいちの友人の死から始まりおいちの出生の秘密。ほんといくら箱入り娘だからってあんな男に騙くらかされて不憫だ。田澄さまはおいちのことは知らなかったのね。親戚達も黙ってたのかな。おうたのしこりは子宮筋腫?これから先どこかでまた出てくるのかな。おいちは新吉に特別な感情を感じているようだけど何らかの進展はあるのかな。次も楽しみ。

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2024年09月19日

少々イライラする

ストーリーや描写は面白い。しかし、この作者、無類の脱線癖がある。
いざ、というストーリーの展開場面では必ず脱線というか、これだけは描いておかないと前へ進めないというこの作者のこだわりが、ある意味病的でさえあるのだが、延々と過去に戻り想起場面として述べられる。
読者の心理としては、そんなこたあ、前もって伏線を敷くかストーリーの構成で考えといてくださいよ、と言いたくなる。
この素人っぽさがいいという方もおられるだろうが、イラチの小生としては耐え難い。次作からはご遠慮もうしあげたい。

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2022年06月27日

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シリーズ第2弾

松庵の過去、おいちの出征の秘密、田澄十斗との関係などがあっさりと明らかに。
想像通りの展開で、もう少し捻りが欲しかった。

おいちの"力"を書くためとはいえ、おふねちゃんが不憫すぎる。
なんでも"力"で展開していくのは毎回だと飽きがきてしまいそう。
おいちの「女でも医者になりない」という思いも強すぎて、おうたの言い分ではないが、もう少し年頃の女の子っぽさがあればいいのにと思った。

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2021年03月06日

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『おいち不思議がたり』の第2作です。ミステリーとしては特筆することはないけれど、時代物に慣れていない人は読みやすい時代物だと思う。
個人的には若い女の子がひたむきに生きるというような清々しい話は周期的に読みたくなります。今回は町医者の娘であるおいちと親友のおふな、お松を巡る物語です。
第1作ではおいちは16歳、今作では17歳です。おいちには死者が見えるという能力があり、この『桜舞う』ではおいちの出生の話も明らかになります。
そのうち第3作以降も読む予定です。

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2020年08月16日

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おいちの周りには、おいちと価値観が似かよった人々が集まってきて、江戸を生きる心意気を感じさせる。
心がこもった人間像を作りだし、貧しさとともに一生懸命に生きる姿を読者に見せ、生きる活力を与えている。

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2018年05月23日

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2017.7.23 ★3.2

「おいち不思議がたり」の第2作。
前作に比べると単調なストーリーになってしまっているのが残念ですが、おいちの淡い心の動きなど、おいち自身の成長が見えます。


↓↓↓あらすじ↓↓↓
「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」。――胸騒ぎを覚えたおいちは、友のもとに駆け付けるのだが。
江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは17歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして自分の出生の秘密にかかわる事件等々。おいちは、様々な困難を乗り越え、亡き友の無念を晴らすことができるのか。
悩みながらも強く生きたいと願う主人公を書いてきた作家・あさのあつこの青春「時代」ミステリー第2弾!

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2017年07月23日

Posted by ブクログ

第二弾
好奇心旺盛な医者の娘おいち
幼馴染の死をめぐり事件の核心へ
そして自分の出生の秘密に行きつくが?

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2016年02月06日

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おいち不思議語り第2作
17歳になったおいち
友の死、身内の病、自分の出生の秘密に直面し、自分の生きる道を見据える。
時代小説だからか、すこしきれい過ぎるところはあるし、おいちのキャラクタを、外からもう少し描いて欲しいところはあるが、すっと読みやすい。

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2015年12月13日

Posted by ブクログ

時代にも負けず、自分の思い描くように懸命に生きる女の子達の姿に心打たれた。また、出てくるキャラクターもどれも印象的でよかった。
[2015 3 3]

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2015年03月04日

Posted by ブクログ

早く結婚をし子供を産み育てることが女性にとって当たり前だった時代に、ましてや女性差別すら当たり前だったときに、女性が医師を志すのはどんなに大変なことだったのだろう。
おふねちゃんの事件、やくざ者の殺しに関しては陳腐な気がするけど、おいちの能力もほどよい感じだし、おいち、おふね、お松三人の友情など他の部分が良かった。

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2015年02月25日

Posted by ブクログ

出だしの掴みから緊迫感があり、最後まで一気に物語が展開する。
おいちの特殊能力も、一作目よりはでしゃばりすぎることなく、ここぞというところに出てくるのがよい。
18歳という一人前の女性になる一歩手前のモラトリアムの彼女がこれからの進路を考える展開はティーンの読者には感情移入しやすい。
仲良し三人組も、ひとりはお嬢様として親の決めたレールに乗るはずだったが、冒頭謎の死を遂げる。
もうひとりは困窮した家を助けるため、自分の一生を妹や父の世話に費やすことを受け入れている。
おいちは、というと医師になりたいという憧れを持ちながらもどこか迷っている。
この時代の一般的なお嫁さんという道も二人の男性の出現に象徴されるように現れてくる。
本筋はおふねの死の真相と、彼女の願いをかなえることだが、どちらかというと進路についてが主題のようだ。
彼女が、早く嫁に行けと患者のおばさんに言われていつものように受け流せず、「わたしは必要ないの?」と抗議するシーンがあるが、
これってTONOさんの『カルバニア物語』の公爵令嬢が、爵位継承について反対する親戚たちに抗議するシーンとそっくりだった。
マイナーな漫画だし、あさのあつこさんが読んでいる可能性は限りなく低い。
それを前提にしての感想だと、女性に生まれて仕事をしていると必ずこういったことを言われ、彼女たちのように感じることは出てくるのだと思う。
ババアになっても言われます。
反発するばかりの時を超えて、振り返ってみると彼らの気持ちは大変ありがたいものだとわかるわけで、それを受け入れてもよし、受け入れなかったときの覚悟を決めるという選択を描いている。
それにしても、カルバニアはともかく、最後まで読むと宮部みゆきの昔のシリーズと展開がさらに似てきているのがちょっとひっかかる。
ありがち設定と言えばそうなんだけれど。

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2015年02月19日

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