あらすじ
美しい王妃は侍女ツルの言葉によって、しだいに圧政者となり、人の道から外れてゆく。そして現代の小さな街に住む老女との関わりは? 時代はうねる。物語が生まれる。寓意が深まる。「わたしは、人の心にとり憑いて、わたしにとり憑かれるような心を持った人間を滅ぼしてやるの。人間を滅ぼすほど面白いことはないものね。え? 恐ろしいって? わたしのこと?」毒のあるファンタジー!
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Posted by ブクログ
はじめてあつのあさこの作品を読んだけどぐいぐい読めた。引き込まれるような文体で夢中になれる作品だった。
背筋がぞくっとするような怖さ。ばらばらに見えた話したきちんとつながったとまでいえるかどうかはわからないけれど、他人を破壊することを楽しむという人間の恐ろしさが伝わる。
そういう意味では、崖の上も同じつながりがある作品。
期待以上でした。
Posted by ブクログ
『バッテリー』や『MANZAI』の、青春的な作者。
と思いきや、まとわりつく水みたいな怖さで、
中世と現代を往復。
ジワジワとリンクしていくのが
怖くも気持ち良い感じ。
Posted by ブクログ
困窮した村でまだ乳児のときに死んでしまった子「ツル」がその怨念をはらそうとしてか、さまざまな形でいろいろな者達をとり殺していく話。話はおとぎ話のようなお妃さまとその侍女の話と、現代にいる老婆と老婆を訪れてきた身に覚えのあるような者達のふたつに別れ、交互に話が進んでいく。
初めて読む作家の作品だったけれど、想像してたのと全然違う!!もっとさわやかなタッチで描かれた優しさのある話かと思ったけど全然。ものすごく暗くて悪意に満ちたお話、でも進み方は私の好きなおとぎ話調。嬉しい誤算、あっという間に読んでしまう。
結局ツルは何がしたかったのか。妃に何をされたわけでもないのに高みへ高みへ押し上げて、まっ逆さまに突き落とすのは何のため?老婆の話と最後につながるのかと思ったらそうでもないし。面白かったけど「?」は多々残る。
もう1つ入っていた短編「崖の上」もなかなかのダークな話、私は好き。好きだけど救いはない、かわいそうな狼人間。
Posted by ブクログ
なんだったかな…禍福はあざなえる縄の如しとかいう言葉があったかと思うが…この本は、縄の様に短く、とある王国と現代のとある場所との話が交互に並べられている。ただし禍福を交互に味わえる様なヤサシイものではなく、読めども読めども「恐ろしい」思いをすることに…。
かなり怖い思いをした…怖かった…人間て…
本当に救いがない
確かに毒のあるファンタジーです。読んだあと、暗い気分になりました。
落ち込んでるときはよんじゃいけません。それくらい力がある本だと思います。
読み返したくないなぁ。