あさのあつこのレビュー一覧
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小間物問屋遠野屋の主、清之介。北定町廻り同心の小暮信次郎。岡っ引の伊佐治。この3人を中心に江戸で起こった事件を解決していく。
清之介は暗い過去を持つ、得体の知れない何かを持つ男。小暮信次郎はいけ好かない心がすさんだ男。伊佐治は人の心を持ち、悪を正したいと思うまっとうな男。性格が全く合わない3人の共通点は切れ者であること。切れ者であるが故に何故か心がそそられて繋がっている。
「木練柿」を最初に読んだ私は「何故、清之介は武士を捨てて町人になったのか?」「何故、過去に敵でも仇でもない人々を斬り殺したのか?」「妻の死の真相は何なのか?」など読後は前シリーズが気になった。
登場人物が個性豊かでグッと惹きつける言いまわしや描写はさすが、あさのあつこだなぁと思わせる作品でした。 -
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内容(ブックデータベースより)
「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」。――胸騒ぎを覚えたおいちは、友のもとに駆け付けるのだが。
本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引の仙五朗とともに、複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作。
江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは17歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして自分の出生の秘密にかかわる事件等々。おいちは、様々な困難を乗り越え、亡き友の無念を晴らすことができるのか。
悩みながらも強く生きたいと願う主人公を書いてきた作家・あさのあつこの青春「時代」ミステリー第2弾!
令和6年6月20日~22日 -
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ネタバレ明帆と陽、違和感を感じながらも、擬態して普通の生活を送る2人。お互い自分達が異質な存在であると理解している。心の中に何か暗い部分があると感じている。そんな中で、明帆が陽を、陽が明帆を現実につなぎ止める役割を果たしているように感じた。2人が出会っていなければ、明帆は最後、殺し屋の誘いに応じていたのではないか。
これからも2人は互いの中の闇を見つめつつ、ともに生きていくのだろうか。ラストは不穏だが、これからも2人は生きていくと信じている。
続編はなさそうだが、2人の少年がこれからどういう風に生きていくのか、続きを知りたい気持ちになる。 -
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[1]最初の一歩。ぼくは、それをいつ踏み出したんだろう。(p.214)
[2]会話じたいが漫才になっているこのシリーズ、あさのあつこさんの中でじつはいちばん好きやったりします。また出会えて嬉しいですが高校生編として続くのでしょうか。
[3]歩のひとり漫才から始まりいつもの面々との漫才に続きついに秋本が帰ってきて少し大人になったように思える彼に歩は少し焦るがロミジュリは再開する。
■ロミジュリについての簡単な単語集(十六歳の章のみ)
【秋本有紗/あきもと・ありさ】秋本母。お好み焼き屋「おたやん」経営。離婚している
【秋本貴史/あきもと・たかし】歩を理想の相方と見定めて漫才の沼に引きずり込んだ。スポーツマンだった。森口いわく《秋本はしつこいでぇ。》p.95。歩に漫才だけでなく私的なパートナーにもなってもらいたがっているかもしれない?
【秋本の父】彼の暴力がもとで有紗さんとは離婚している。湊第一高校校長の佐伯琢子先生の兄。手術のために渡米した。罪滅ぼしをしたいとか言ってたらしいが中身は全然変わっていなかった。
【アコワイ】メグに憧れつつもちょっと怖いので「アコワイ」ている男子生徒は多い。
【歩/あゆむ】瀬田歩。語り手の主人公。記述は特にないが可愛いタイプの美少年なのではないかと思われる。素でも天才的な? 突っ込み力を持つ。一歩引くタイプだったが秋本に引きずり出された。《ぼくは独りが好きだ。独りでいるとほっとする。身体の力が抜けて、とりとめない思いに浸れる。だから、独りでいることを単純に淋しさやミジメサニ結びつけないで欲しいと思う。》十六歳の章p.87。《独りでいられる幸福と誰かと過ごす豊穣。/ぼくは、湊市でこの二つを手に入れた。》十六歳の章p.88
【歩の母】夫と娘(歩の姉)が死んで途方に暮れていたが実の兄の勧めで歩を連れて故郷に戻ってきた。当然「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【大野】マンションの管理人。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【おたやん】美味しいお好み焼き屋。秋本の母、有紗さんが経営している。企画会議などがワイワイ行われる。
【勝手にロミジュリを応援する会】「歩くんをあゆちゃんと読んで応援する会」(通称「あゆ呼び会」)から発展した。
【神尾幸久/かみお・ゆきひさ】歩の高校での同級生。がっしりした体躯だが美術部。
【きのこ汁】ライバル? の高校生漫才コンビ。隣の市の進学校、衛藤学園高校一年。メンバーは清澄透(きよずみ・とおる)、木村和成(きむら・かずや)。
【校長】→佐伯琢子
【古賀】歩の高校での同級生女子。陸上部で色黒で凛々しいタイプ。
【ことぶき餡】和菓子の老舗。ご主人の三瀬さんは幼いころ餡子樽に落ちて死にかけたという壮絶な体験があり実は洋菓子のほうが好き。若奥さんは「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【佐伯琢子/さえき・あやこ】湊第一高校校長。有紗さんご離婚した秋本の父親の妹。大事な話は理科室の人体解剖図の前でする。色彩感覚が物凄い。
【篠原友美/しのはら・ともみ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。隣市の高校の音楽科に進学した。
【瀬田歩/せた・あゆむ】→歩
【高原有一/たかはら・ゆういち】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。神童の誉れも高くどんな高校でも進学できただろうが森口と同じ学校、歩たちと同じ湊第一高校を選んだ。
【多々良覚/たたら・まなぶ】中学の同級生。母は市立病院看護師長で「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【とりあえず】《とりあえずでいいんだ。〝とりあえず〟は、大切なんだ》十六歳の章p.82
【名前】《名前を知って一人一人を知ってしまうと、もう〝年寄り〟でも〝高齢者〟でもなくなる。スゲさんはスゲさん、森江さんは森江さん、栗原さんは栗原さんだ》十六歳の章p.178
【萩本恵菜/はぎもと・めぐな】→メグ
【蓮田伸彦/はすだ・のぶひこ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。隣市の商業高校に進学しサッカー部に所属。篠原に恋している。
【羽田/はだ】商店街婦人部。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【藤川】えらの張ったでかい顔、顔つきも体格もごつくて逞しい。「おれ、小学生の時から三十ぐらいに見られてた」十六の章p.83。声は抜群に美しい。その声で中学の文化祭を盛り上げてくれた。
【漫才甲子園】第一回漫才甲子園が大阪のいちゃもんホールで開催される予定。地区予選を突破しなければならずそれは女性陣が夏休みに水着を披露するために行く予定だった美砂海岸健康ランドで実施される。
【湊市】舞台となる地。歩の母の故郷。モデルとしては堺市ではないかと睨んでます。みんなが関西弁っぽいのと名前からして海の近くやし漫才ということで。関西弁ぽいとこは関西以外でもあるし確信はないですが。まあ、神戸でも和歌山でも志摩市でもどこでもいけるけど。
【メグ】萩本恵菜。超絶美少女。性格もよい。秋本の幼馴染で一途に想い続けており歩クンには渡さないわと思っている。トンボ体質で回るものを見てると目が回る。剛力の持ち主。
【森口京美/もりぐち・ことみ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。涙もろくて優しいが心根は強靭で活発な美少女。妄想癖のあるところが致命的な欠点。将来の夢は「愛と恋とエロに満ちたファンタジー冒険小説」を書く小説家。指を鳴らすのが上手い。
【八木】商店街婦人部。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
【山下】日系三世。有紗さんがアメリカに持っていってたたこ焼き器でたこ焼き屋を始めた。
【ロミジュリ】秋本と歩のコンビ名。歩はジュリの方で女装されられることも。 -
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ネタバレこの巻で進んだこと、なし。
この巻でわかったこと、ネズミは《NO.6》に焼き滅ぼされた森の人々の生き残りであったということ。
以上。
ネズミが地下深くに隠れ住んでいる人々のもとを出て、現在の生活をしているわけなどはまだ明かされず。
っていうか、今後も明かされないような気がしてきた。
これは少年たちの成長物語であるとともに、サスペンスやパニック小説でもあるはずだったのに、あさのあつこの文体ではテンポよくストーリーは進まないし、多分作者が都市を破壊するという大きな出来事よりも、紫苑とネズミのふたりを書きたくなってしまったのだろう。
栗本薫の「ナリスさま」を彷彿させるな。
『バッテリー』でも思ったけど、彼女の書く少年たち、うだうだ考えすぎ。
今、この状況では、考えるな感じろ、と言いたい。
その感じた描写で、読者がうだうだ考えるからさ。
登場人物たちがあちこちに分散した現在、どこのパートも煽りで終わる。
紫苑とネズミ以外のパートは短いので、情緒面だけ語られて状況はほとんど変わらず、煽りで終わる。
この構造に飽きてきている。
”温暖化による新たな感染症の広がり、予測不能な異常気象、そして国家間、民族間の尽きぬ争いと、核の仕様……。”
2007年に刊行されたことを考えると、この一文の精度がすごい。
それとは逆に《NO.6》の成り立ちを読んで思ったのは、都市についての描写の粗さ。
私は最初、アメリカ合衆国とかユーラシア大陸とかの平面の中で6つの都市国家ができたと想像していたのだけど、今回初めて地球上に人類が住めるエリアが6ヶ所と記載されたのを読んで、それでは人類が生存できる地域の緯度と経度と標高くらいはざっくりわかるように書いてもらいたいと思った。
結局作者の目は人物に向いているのであって、その背景はぼんやりしていてもかまわないということなのだな。
私はどちらかというと、世界の骨格によって人のありようって変わってくると思っているので、この辺がモヤモヤするんですよねえ。