あさのあつこのレビュー一覧
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ネタバレ「どんなすごい球を投げられても、打たれちゃおしまいじゃ。まあまあの球で、一試合、ちゃんと投げきったとうが、なんぼかチームのためじゃねえか。原田の力を百パーセントひっぱり出すことなんか、必要ねえんだよ」
「今、うちのチームに必要なキャッチャーはな、十割の球を要求するキャッチャーじゃない。七割の力で、相手打線をおさえるリードをするキャッチャーなんじゃ。あいつなら、7割で充分。高槻さんだっておる。ええか、東谷、キャッチャーってのは、ピッチャーよ最高の球を捕るために、おるんじゃねえ。勝つためのリードとキャッチングをするために、おるんじゃ」
野球とは、他の何にもすり替えることは、できない。チームのため -
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ネタバレ「恐れじゃよ。子供に対する恐れじゃ。中学、高校、。さあ、それ以上はわしにはわからんけどな、そのころの子どもていうのは、ほんまにわけがわからん。それまで全然めだたなんだがやつが、好きな女の子が試合を見にきたという理由だけで、ホームラン三本かっとばしたことがあった。ひと月に十センチ背がのびて、守備範囲が急にひろうなったショートがおった。練習をさぼってばかりおったのに、じつに均整のとれた身体をして、きれいなバッティングフォームくずさなんだやつがおった。まったく、あきれる。こいつはこうだなんて決めつけてしもうたら、たいていあとでしっぺ返しがくる。おまえらの年代はな、そういうもんなんじゃ。怖いぞ、ほんま
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花曇り 夏の怪の二本立ての物語りです。
花曇りは 奉公人のおまい に大店の旦那との見合い話しが転がり込む。
その旦那は 養子で おまいが子供の頃長屋で一緒だった初恋の人
お嬢さんがもちろん見合いするはずだったのに 他に好きな人がいて家出してしまった。
代わりにおまいが。
という まあよかったね!の話しなのですが
おまいが断ります。
私は仕事が手放せない。仕事をしているから 自分の居場所がある。
現代的なのか 昔の女だって本当はそう思ったのか?
あるいは大店の旦那になった男が ちゃんとおまいを
口説かなかったのが悪かったのか?
おまいは 自立した仕事のできる女になって自信が -
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ネタバレ信次郎のが腹を刺された。襲った男は遺体で大川に上がる。探っていくうちに信次郎の父親の過去が見えてくる。信次郎はそれを暴いていこうとするが、伊佐治には耐えられない。
「おもしれえからだよ」「人の本性を露にする。後生大事に被っていた仮面を引き剥がす。化粧を剥ぎ取って素顔をさらけ出させる。おもしれえじゃないか」
それが信次郎である。この男にとって父親などどうでもいいのだ。見知らぬ他人と何らかわりはしない。引き剥がすべき皮を被っているかいないのか。それだけが、人を量る基なのだと、清之助は思い知る。
「だからよ、遠野屋」「おれは、おぬしが許せねえんだ。嫌でたまんねえんだよ。厚くて滑々した皮を被った