あさのあつこのレビュー一覧
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弥勒シリーズ第10弾。
父親の手で暗殺者として育てられた過去を持ち、徒ならぬ気配を纏っている遠野屋・清之介。
「まっとうなひとかどの商人だ」としょっちゅう伊佐治は口にするけれど、信じてない自分がいる。
凍えた殺気、底なしの暗みを岡っ引の伊佐治が感じ取れないはずがない。
同心の信次郎が「遠野屋は死神さ。本人にその気がなくても、人の死を引き寄せちまう」と言う様に、清之介の周りには血生臭い事件ばかりだ。
やはり、信次郎は清之介を有為な駒として手放す事は出来ないし、それを楽しんでいる。
清之介自身も殺したいほど憎い信次郎の名推理に興味を示し、何故か事件に首を突っ込んでしまう。
このまま、信次郎に利用さ -
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弥勒シリーズ第9弾。
今回も惨殺から事件は始まるが、相変わらず、遠野屋の主・清之介、北町奉行所定町廻り同心・小暮信次郎、岡っ引の伊佐治のやり取りは読者を惹きつける。
悪人を斬れと煽る信次郎。
清之介は「わたしは人を殺しはいたしません。まして、あなたの目の前で誰かを斬るぐらいならあなたを斬ります」と言ってのける。
そんな信次郎も「やってみな。おもしれえよな。ぞくぞくするほどおもしれえ」と返す。そんな2人を冷静に宥める伊佐治。絶妙な掛け合いが面白い。
いったん人殺しの技を身に付ければそうそう容易くは戻れないと清之介も信次郎も理解している。
清之介は今後、人を殺さずに生きていけるのか?信次郎は悪人 -
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弥勒シリーズ第7弾。
優しかった腹違いの兄。兄がいなければ、今の自分はいない。兄のおかげで一歩踏み出せたのに、その兄はある事をきっかけに変わってしまった。今やその兄は暗殺者であった宮原清弥を求めている。
恩義がある兄の望みを拒み続けることは出来るのか?
歪な心の持ち主の信次郎でさえ、「殺してやりてぇ」「殺されるのなら遠野屋だ」と思わせる程の剣の達人の清之介。
清之介も信次郎の鋭いよみと何でもお見通しのこの男を「おもしろいお方です。実におもしろい…」と関係を断ち切ることが出来ず、血生臭い事件に関わっていく。
登場人物が前作と繋がりがあって、読み手を飽きさせない。
どの時代も金の亡者や悪どい輩は結 -
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弥勒シリーズ第6弾。
北町奉行所定町廻り同心・小暮信次郎が襲われた。この事件には同心だった父・右衛門の過去に原因があるとにらんだ信次郎が真相を探る。
この男は真相を暴く為には容赦なく人を利用し、身内でも許さない。
かと言って、正義感が強い訳でもなく歪な性格の持ち主だ。
遠野屋清之介を殺してやりたいほど憎んでいるのに利用はとことんする。そして必ず事件に巻き込む。そんな清之介も関わりたくないと思いながらも信次郎との関係を断ち切る事が出来ない。むしろ信次郎の事件の謎解きに興味すら湧いてくる。
歪な関係だが、ここに常識人の伊佐治が加わることで3人の関係が保たれている。
信次郎と出会うことによってこれか -
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弥勒シリーズ第2弾。
父の命令で人を殺め続けた過去を持つ清之介。
兄の「もう、やめろ。これ以上、殺すな」と言う一言で生き直す決心をし、小間物問屋の主となり商才を発揮する。
しかし、この只者ではないデキる男をまわりは放っておくことは出来ない。清之介のまわりには常に殺しがつき纏う。
あんなに優しく穏やかだった兄ですら、あることがきっかけで人が変わってしまう。絶対服従のこの時代に清之介は己の志のみに従い続けることが出来るのか。
人は変われるのか?
人は変わるのか?
過去に犯した罪と向き合い成長出来るのか?
弥勒シリーズの読みどろこである。そこに同心の信次郎、岡っ引の伊佐治の個性的な登場人物が話を面白