あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初出2021〜22「文蔵」シリーズ第6作
おいちの祝言の最中に、町内の油屋「浦之屋」で集団食中毒が発生し、おいち一家が駆けつけて治療に当たったが、毒物混入による事件とわかり、乳母が遺書を遺して自死した。
「浦之屋」の事件はこれで終わらず、当主が蔵の中で崩れた荷に当たって危篤状態となったが、偶然通りかかったおいちが止血し、松庵を呼んで手当てして、会話はできないものの命をとりとめた。この事件の犯人として捕らえられたのが、おいちの長屋の元住人巳助で、おいちは彼が長屋を出て行く時に黒い渦に巻き込まれるのを見ていたので、犯人ではないと信じ、仙五郎親分に協力して真犯人を捜す。
当主の妻が怪しそうな書きぶ -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学進学が決まった千香、中学生で不登校になった甲斐、詐欺事件を起こし逮捕歴のある陽太、大手会計事務所を辞めたコトリ。四人は生きづらい人間のための居場所を提供するために「アーセナル」を軌道に乗せようと奔走する。
失敗してもやり直せる社会であってほしいし、それぞれの必要にこたえてくれる場所はほしい。そして一歩踏み出すための「武器」となる方法を教えてくれる人がいることは大事だ。精神論よりも大事なことかもしれない。
筆者のもどかしさや願いが詰まった作品。
問題も起きるし、火種が残っていて今後不穏な感じもある。作品自体は全体にうまくいきすぎで甘いかもしれないけれど、こういう問題提起は大切だと思う。 -
Posted by ブクログ
腕っこきだが冷たい感じのする同心木暮信次郎、人情家岡っ引き伊佐次。
最愛の女房を殺されながら動揺を表に表さない訳ありの過去を持つ遠野屋の主人。
三者三様の登場人物がストーリーを紡ぎ謎を解いていく。
当初本作の主人公は信治郎という思いで読んでいたが、次第に伊佐次の目を通した人間物語に思えてきた。
「バッテリー」などスポーツ関係の作品が多いのだと思っていた著者の初めての時代小説。
なんともキレのあるキップのいい文章に魅了されました。
古今亭志ん生さんの「黄金餅」を聞いているような気がしました。
文章に酔うという感じで。
文庫本巻末に亡くなった読書家、児玉清さんの解説があり、こちらも素敵でした。