あさのあつこのレビュー一覧

  • 渦の中へ おいち不思議がたり

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    シリーズ6作目。今回は新吉との新婚生活の仲良しぶりから始まりやっとこういう幸せなおいちを見られたと嬉しい反面、なかなか謎が出てこなくて話に入り込めなかった部分もある。食中りなど不穏な出来事が起きてからは医術や塾の話なども頻繁で少し話が飛びがちかなぁと感じだけど、おいちの身に起きたこと含めきちんと前に進めてよかった。おいちが選んだ道はこの時代の女人にとって大変だし辛いこともたくさんあると思うけどみんなに支えられながら真っ直ぐに歩いて夢を叶えていってほしい。次はどんなおいちを見られるか今から楽しみ。

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    2024年10月29日
  • おもみいたします 凍空と日だまりと

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    シリーズ2作目の今回は武家に揉み師として訪う最初から物々しく不穏な空気だらけで正に凍空のよう。何度も、さすがのお梅でもこれ以上揉み師として入り込むのは無理か…という場面が多くこの時代の武家の不自由さと則の厳しさ、町方との違いがあまりに酷く悲しい。間違いを認めない公儀って今の時代もそうだけどひどく歪んでいる。お梅の言葉に涙する場面もあったけど燈子や和左之助、先生とのやり取りが少しくどく感じてしまうことも。お梅の諦めない、道を模索する姿を見習いたい。ほんとに凝りはしんどい…梅に揉んで解してもらえたら嬉しい。

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    2024年10月28日
  • バッテリー

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    巧や彼の周りの子供達の会話はとても小学校を卒業したばかりのものとは思えない。
    あさのさん、設定ミスではありませんか?と言いたくなる。が、著者の思惑は違っていると読み終えて感じた。
    この作品の子供たちは年齢を超えた読者、著者全ての人々そのものとして言葉を発している。

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    2024年10月28日
  • 火花散る おいち不思議がたり

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    現在(2024年10月)、NHK BSプレミアムで放送されている葵わかな主演の連ドラの第7話と8話の原作。この話はまだ見終わってないので、先がどうなるかとても楽しみに読んだ。そして、やられたわ。須賀!

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    2024年10月25日
  • アーセナルにおいでよ

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    ネタバレ

    大学進学が決まった千香、中学生で不登校になった甲斐、詐欺事件を起こし逮捕歴のある陽太、大手会計事務所を辞めたコトリ。四人は生きづらい人間のための居場所を提供するために「アーセナル」を軌道に乗せようと奔走する。

    失敗してもやり直せる社会であってほしいし、それぞれの必要にこたえてくれる場所はほしい。そして一歩踏み出すための「武器」となる方法を教えてくれる人がいることは大事だ。精神論よりも大事なことかもしれない。
    筆者のもどかしさや願いが詰まった作品。

    問題も起きるし、火種が残っていて今後不穏な感じもある。作品自体は全体にうまくいきすぎで甘いかもしれないけれど、こういう問題提起は大切だと思う。

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    2024年10月22日
  • 弥勒(みろく)の月

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    腕っこきだが冷たい感じのする同心木暮信次郎、人情家岡っ引き伊佐次。
    最愛の女房を殺されながら動揺を表に表さない訳ありの過去を持つ遠野屋の主人。
    三者三様の登場人物がストーリーを紡ぎ謎を解いていく。
    当初本作の主人公は信治郎という思いで読んでいたが、次第に伊佐次の目を通した人間物語に思えてきた。

    「バッテリー」などスポーツ関係の作品が多いのだと思っていた著者の初めての時代小説。
    なんともキレのあるキップのいい文章に魅了されました。
    古今亭志ん生さんの「黄金餅」を聞いているような気がしました。
    文章に酔うという感じで。
    文庫本巻末に亡くなった読書家、児玉清さんの解説があり、こちらも素敵でした。

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    2024年10月20日
  • プレデター

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    個人的にはすごく面白かったのですが、終わりかたがちょっとわからなかった汗
    人身売買という重いストーリーで、住んでるところもゾーンて分けられているという設定。そんなにすぐの未来ではないものの数十年後とかの目線でみればあり得そうな世界。
    最後はどういう風に解釈したらよかったのか?これ続編あるのかな?

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    2024年10月19日
  • もっと!にゃん! 鈴江三万石江戸屋敷見聞帳

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    お糸ちゃんがあいかわらず明るくて元気でよろしい♪
    お屋敷の他のみんなが「猫族」なんて、羨ましすぎるー。
    奥方のお珠も、上臈の三島も、みんな素敵。
    今回も、鈴江のピンチを回避すべくがんばるチーム鈴江♪
    だでぃも、あいかわらずぶっとんでてナイス。
    前回のあいつも登場にはびっくり。
    ま、負けないし!
    猫、最高!

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    2024年10月12日
  • もっと!にゃん! 鈴江三万石江戸屋敷見聞帳

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    これは本当に、あさのあつこさんが書いているのだろうか?前作の「にゃん」の時も思ったけど、他の作品とは、あまりにも作風が違うので、本当に同一人物が書いているのだとしたら、「ご乱心」としか思えない。しかし、馬鹿馬鹿しさの中に一本芯が通っているところは、さすがに、あさのあつこさんだと思う。

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    2024年10月10日
  • 乱鴉(らんあ)の空

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    弥勒シリーズ第11弾。
    ある日、岡っ引の伊佐治が大番屋に連れて行かれた。どうやら北町奉公所定町廻り同心の信次郎が姿を消して行方がわからないとのこと。伊佐治にとっては寝耳に水だ。信次郎はどこに消えてしまったのか?
    武士に変わって商人が台頭した江戸時代。財政が逼迫した武士は金策のために良からぬことを考える。身分が高いものが悪さをするのが一番厄介だ。
    毎回、殺したがりの悪人が出てくるが、遠野屋清之介の強さは圧巻でスカッとする。源庵の弟子達がこれからも良くも悪くも話の鍵を握る人物になりそうな予感がする。

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    2024年10月07日
  • 渦の中へ おいち不思議がたり

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    現在、NHKで、ドラマ化されている「おいち不思議がたり」
    ドラマで葵わかなさんが、おいちを演じているが、その映像を観てしまった後は、本を読んでもドラマのイメージが優先になった。
    原作を読んだあとに、映像化された作品を見ると、悲しくなることもあるが、このドラマでは原作を忠実に再現しようと工夫されているので、好感が持てた。

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    2024年10月02日
  • 花下(かか)に舞う

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    弥勒シリーズ第10弾。
    父親の手で暗殺者として育てられた過去を持ち、徒ならぬ気配を纏っている遠野屋・清之介。
    「まっとうなひとかどの商人だ」としょっちゅう伊佐治は口にするけれど、信じてない自分がいる。
    凍えた殺気、底なしの暗みを岡っ引の伊佐治が感じ取れないはずがない。
    同心の信次郎が「遠野屋は死神さ。本人にその気がなくても、人の死を引き寄せちまう」と言う様に、清之介の周りには血生臭い事件ばかりだ。
    やはり、信次郎は清之介を有為な駒として手放す事は出来ないし、それを楽しんでいる。
    清之介自身も殺したいほど憎い信次郎の名推理に興味を示し、何故か事件に首を突っ込んでしまう。
    このまま、信次郎に利用さ

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    2024年10月01日
  • 末ながく、お幸せに

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    結婚式の好きなところが詰まってる一冊。短いけど、一人の新婦の人生と、まわりの人たちの人生が少しずつ交わっていく。新郎側のも読みたい

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    2024年09月29日
  • 鬼を待つ

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    弥勒シリーズ第9弾。
    今回も惨殺から事件は始まるが、相変わらず、遠野屋の主・清之介、北町奉行所定町廻り同心・小暮信次郎、岡っ引の伊佐治のやり取りは読者を惹きつける。
    悪人を斬れと煽る信次郎。
    清之介は「わたしは人を殺しはいたしません。まして、あなたの目の前で誰かを斬るぐらいならあなたを斬ります」と言ってのける。
    そんな信次郎も「やってみな。おもしれえよな。ぞくぞくするほどおもしれえ」と返す。そんな2人を冷静に宥める伊佐治。絶妙な掛け合いが面白い。

    いったん人殺しの技を身に付ければそうそう容易くは戻れないと清之介も信次郎も理解している。
    清之介は今後、人を殺さずに生きていけるのか?信次郎は悪人

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    2024年09月27日
  • 星に祈る おいち不思議がたり

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    十斗が長崎遊学から帰り松庵に弟子入り、十斗の紹介でおいちは女性のための医塾に入り本格的な医学の勉強をすることに。医学に関しての思いは強かったのにそれが間違った方に出て多くの犠牲者が。新たな師・明乃のもとで学んで今回の犠牲が無駄にならないようにしてほしい。おいちと新吉が急展開で祝言を挙げることに。新吉を焚き付けおいちに新吉とのことで背を押し医塾への援助も提案してくれたおうたはまさにおいちの母!

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    2024年09月26日
  • 火花散る おいち不思議がたり

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    往診の帰りに遭遇した妊婦を連れ帰り産婆さんがおらず松庵も頼りにならない状況で長屋のおかみさん2人に手伝ってもらって赤子を取り上げたおいち。よほど難しい状況じゃなければ産婆も呼ばず自分達で取り上げるのも当たり前なんて江戸時代のお産は正に女の戦場。大名家の跡目争いに振り回される下級武士達。武士と威張っていてもやってることは人殺しと押し込みだからね。十助を引き取ったお菊一家が穏やかに暮らしていけるのが希望になる。おいちの女のためのお医者、それに向けて進むのか。

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    2024年09月24日
  • NO.6 [ナンバーシックス](2)

    匿名

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    紫苑はネズミから逞しく生きぬく術を学び、ネズミは紫苑に純粋なしなやかさを見る。数多のジュヴナイルでも屈指のバディが始動する巻だ。

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    2024年09月22日
  • NO.6 [ナンバーシックス](1)

    匿名

    無料版購入済み

    世界を疑うことの大切さを問いつづける原作は、読者が大人になってからが本領発揮かもしれない。その意味でこれは、真にジュヴナイルの傑作だ。

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    2024年09月21日
  • 雲の果(はたて)

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    弥勒シリーズ第8弾。
    同心・信次郎が「遠野屋の正体が死神であっても人であっても、かまやしねえよ。おれにとっても親分にとっても重宝な男」と言うように遠野屋清之介をとことん利用する信次郎。
    「おもしれえじゃねえか。どうして、こちとらの仕事にこうも絡みついてくるんだ。しかも尋常じゃねえ妙に血腥い事件に限ってだ。性として血の臭いにひかれちまうとしか思えねえな」と信次郎が言うように事件は必ず遠野屋がらみだ。
    今回は最後までハラハラ・ドキドキとスリル満点の話だった。たっぷり楽しませて頂きました(笑)

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    2024年09月18日
  • おいち不思議がたり

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    ドラマをたまたま観て面白かったので原作を読んでみることに。
    父である町医者松庵を手助けして父のように人を助けたいと志すおいちは苦しむ人の姿や亡くなった人の姿が見える。江戸時代は今より医療に制限があって栄養状態も悪いから亡くなる人も多いだろうなぁ。
    お加世の闇が深すぎて、鵜野屋に不幸を全部押し付けて元凶であるお加世の両親がなんの影響も受けてないのが辛い。

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    2024年09月15日