あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年の10月1日、あさのあつこさんの講演を聞いた。司会者がこの文庫本を示して「どういう気持ちで書かれたのですか?」。と聞いた。
あさのさんはゆっくりと語り出した。
「2015年、朝日新聞に連載していたの。少年少女をテーマに道尾秀介さん、わたし、吉本バナナさん、の順に書き継ぎました。テーマは少年少女以外には何の縛りもなかった。〈少年兵士のことを書こう〉と、パッと浮かびました。私はいつも「誰を書こう」ということが最初。自分が生きている世界のきな臭さがあり、子供が銃を取るのがファンタジーで無くなってきている。それで生まれたんです。
さらに言えば、
私のお母さんや舅のお父さんが「戦前に似ている」と言 -
Posted by ブクログ
弥勒シリーズ11冊目。後ろの解説で過去の内容を1冊ずつ簡略化して説明があったので、懐かしく思い出す。
今回は冒頭から木暮同心が失踪し、岡っ引きの伊佐治が大番屋に引っ張られるという波乱の展開。清之介は伝手を頼って伊佐治を釈放させるが、二人とも理由が分からず。伊佐治は過去を振り返り、幾つかの事件を追い始める。二人の細い糸を繋ぎ合わせ、何とか不明ながらも本筋に近づいてくる。
あっという場所に潜伏していた木暮同心に会えたのは最後の六章。怒涛の謎解きが始まる。
清之介の推測も含めて全てが解明されるが、最後の解決は幕閣も絡むので有耶無耶に・・
あさのさんの作品は青春物も含めて、心理描写、心象風景が非常に多