【感想・ネタバレ】闇医者おゑん秘録帖 碧空の音のレビュー

あらすじ

わけありの女たちを診療するおゑんの許へ、何かを極度に怖れている妊婦が訪ねてきた。彼女は目を血走らせ、十両を差し出しながら言った。「お願いします。この子を産ませてください」と――。
後日、吉原惣名主に依頼され診ることになった女郎も、奇矯な妊婦だった。大店の主人に身請けされることが決まっていて、その子を身籠っていながら、「産みたくない」と叫びながら自死しようとしたのだ。
彼女たちは何者で、何故、一人は出産を望み、もう一人は出産を拒否するのか? 疑念がきざしたおゑんは、遊女連続死を調べる過程で親しくなった吉原の用心棒・甲三郎や薬草に詳しい末音らの力を借り、その謎に迫ろうとするが……。
「読売新聞オンライン」人気連載、待望の書籍化。

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ネタバレ

闇医者おゑんシリーズ第4作

 前作で縁のできた吉原の惣名主川口屋から呼び出され、妊娠した遊女が身請けが決まったのに自殺未遂し、様子がおかしいので見てほしいと頼まれて診たところ、呆然としたり「生みたくない」と錯乱したりなので、おゑんは自分の診療所で静養させて様子を見ることにする。
 おゑんがひっかかりを感じていると、身請けした薪炭商の備後屋の番頭が様子を見にくるものの違和感を感じて、監視役の甲三郎に跡をつけさせるが見つからず、翌日死体で発見される。皆目見当がつかないなか、何が出てくるかと薮(備後屋)をつつき、遊女の身元を調べようとすると、出てきた犯人は備後屋の番頭と川口屋の用心棒の一人。さらに備後屋の主人は遊女が巻き込まれた凄惨な事件を知っていた。
 前の患者が産んだ赤ん坊の世話をして、遊女は産む決心をする。川口屋と備後屋から資金を得て、おゑんは診療所を建て替え、訳あり出産の赤ん坊の養子まで行う施設を建設する。

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2025年07月15日

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ネタバレ

今回は命を落とし子を産む女性や里親の元で死んでしまう子など悲しさとやるせなさを感じる始まり。親を失った子のこれからがメインになるのかと思いきやフラッシュバックの話。おゑんさんも含めてお喜多さんや備後屋の幼い頃の惨い思い出が辛い。最後のお喜多さんには驚いた。

甲三郎がすっかりおゑんさんファンのよう。

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2024年05月06日

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前回、おゑんさんの弱い部分も出てきて、スッキリ感も弱まり、もたれて⁈飽きを感じた。
でも今回、不可解な謎に惹かれてぐんぐん読み進め新しい味が出てきたみたい。脇の人物も良い。

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2025年11月06日

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今回は女性の生き様に焦点を当てると言うより、謎解きの要素が大きい。ついつい読み進めて一気読み。人の心の中に巣くう闇に呑み込まれないように冷静に対処しようと踏ん張る主人公に心揺さぶられる。きちんと解決してスッキリとした終わり方に、読後心地良い眠りにつけた。次回作も楽しみだ。

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2025年04月07日

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厄災を祓い、安寧秩序を保つための生贄。お喜多に宿る狂気と頑なな出産拒絶の真相は、そんな辛い風習に起因していた。人身御供について我が出雲国においては、いにしえの八岐大蛇の神話にはじまり、近世では松江城築城の石垣工事あるいは松江大橋の架橋における人柱などが伝わる。これら伝説とはいえ、理不尽な犠牲って国内外問わず実際に見られたことなんでしょう。まあ現世のいじめなんてのも、貢ぐ先が神ではなけれど、我が身への禍をそらす一種の生贄だ。某TV局ではタレントとかに女子アナを貢ぎ…。もはやすっかり書評から逸れまくってます。

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2024年12月31日

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闇医師おえんシリーズ第4弾。
おえんの患者は子を孕んだ女たち。さまざまな事情を抱え、子を産むことを許されない、あるいは諦めた女たちだ。
今回の話は吉原で働く座敷持ち女郎・桐葉が大店のご主人からの身請け話がでていて妻にしたいという。しかも桐葉はご主人の子を身籠もっている。お互いが好意を持ち、悪い話ではない。なのに桐葉は子を産むことを頑なに拒み、奇妙な行動をする。彼女がそこまでこだわる闇とは何か?
時代小説ミステリー。
どの時代も恨み、妬み、勝手な思い込み、強欲から人は壊れていってしまう。信じていた人に裏切られ、心がすさみ最後には悪に手を染める。善と悪との境目は紙一重かもしれない。
おえんをはじめ、ここに出てくる登場人物も大きな闇を抱えながらも真っ当な人間でありたいと願ってる。これからもおえん達の活躍が楽しみな作品です。

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2024年08月24日

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闇医者おえんシリーズ。
最初は、秘かに堕胎をする闇の医者というテーマのせいか、何だか鬱々とした話だったが、回を重ねるごとに、登場人物も増え、それぞれのキャラクターが面白くなってきた。
私の推しは、末音さん。皆が一目置くおえんを軽口でいなすのがかっこいい。
いつか、末音の話も読んでみたい。

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2024年05月16日

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楽しく読みました。ただセリフが大げさで、くどく、下手な芝居を見ているようでした。セリフで状況を説明するのはどうなんだろう?と思いました。

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2024年08月09日

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シリーズ第4弾

お喜多がなぜ頑なに出産を拒む(恐れる)のか。
子の父である備後屋、おゑんにも通じる「根」とは。
それぞれの心に根付く闇が悲しい。

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2024年05月12日

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ネタバレ

シリーズ第4作。
身請け相手との間の子どもを産みたくないという座敷女郎・桐葉ことお喜多。おゑんはその理由を探っていく。

お喜多や将吾郎が抱える闇がつらい。おゑんにも通じる闇で、彼らがそこにのみ込まれないで生きる姿は人に対する希望といえるのかもしれないが。

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2024年04月11日

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