坂口安吾のレビュー一覧

  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    ある日山賊が攫ってた女は他の攫ってきた女達とは違った。一番美しく我儘なその女は、満開の桜の森の下を通る感覚にどこか似ていた。

    人はあまりに美しいものに対して恐ろしさを感じるのだと思う。
    梶井基次郎の「櫻の樹の下には」もそうだが、日本人は桜に対して魔を見出すのだろう。

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    2026年06月24日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    夜長姫の気に入らない仏像を作ろうとし、姫の笑顔に囚われ、それを押し返すために作った化け物が姫に気に入られる。
    きっとタクミ3人の中でミロクに一番狂気を打ち込んだのが耳男だったのだろう。

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    2026年06月24日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    『男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです』
             桜の森の満開の下 坂口安吾
    『誰かが後にいて、じっとその視線を彼女の上に集注しているような心もちである』 影 芥川龍之介
    『そこの二階の六畳は、二人にとって唯一の世界であった』       芋虫 江戸川乱歩
    『那時あの妓ーは緋の長襦袢を着て居ました。月夜のような群青に、秋草を銀で刺繍して』
             浮舟 泉鏡花
    『この美しい若衆はもて囃されていた』
              身毒丸 折口信夫
    『落盤に鎖された真暗な隧道の中で、十四郎は恐怖のために変貌を来たしてしまい』白蟻 小栗虫太郎
    『この足こそは、やがて男の生血に肥え太り

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    2026年06月19日
  • 肝臓先生

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    坂口安吾の短編集。
    「魔の退屈」「私は海をだきしめていたい」「ジロリの女」「行雲流水」「肝臓先生」の5編を収める。
    文庫全体のタイトルは、最終作の「肝臓先生」から採られている(本作、今村昌平監督、柄本明主演で映画になっている(「カンゾー先生」。私は未見なのだが)が、最も長いのは「ジロリの女」で、こちらの方が本書全体の空気を作っているような気もする(本書刊行が1997年、映画公開が1998年。映画制作には角川書店も名を連ねているので、書籍タイトルを「肝臓先生」にしたのは映画とタイアップという意味合いなのかもしれない)。
    現行の表紙は「かまわぬ」のようだが、古書で購入したので表紙は画像のもの。何の

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    2026年06月15日
  • 文豪たちの微妙な関係

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    やはり芥川、太宰、オダサクは面白いね。スルスル読めちゃう。安吾、中也は初見読みづらいが読み込むと面白さが出てきそう。初心にたちかえり、この辺の小説を読み返したい。汚れちまった自分にもまだ響くのだろうか。しかし文豪は短命が多い。タバコ吸いで、ストレスまみれで、寝不足で、酒飲みでないと文章は生まれないのかな。

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    2026年06月04日
  • 勝負師 将棋・囲碁作品集

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    安吾によるプロ囲碁、プロ将棋のノンフィクション。
    時代を感じさせられる味わい。しかしいささか文体が読みにくい。
    囲碁、将棋のプロは今は紳士なイメージが強いが、安吾の描くプロ達は相当に人間味がある。加えて昭和の文豪達との勝負も描かれ知らなった時代の一端を味わえた。
    後半、だれて飛ばし読みしてしまった。

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    2026年05月09日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    最初恋愛ものだと思った自分が可哀想

    「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ」←とても良い

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    2026年04月25日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    坂口安吾の本を今までに読んだ事があるのだろうか。幻想的とも言えるし、むごたらしいとも言える。変わった作品を書く方だ。

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    2026年04月18日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ・想像していたものと違った。ダメ人間の話かと思っていた。

    ・汗をかき、身体を動かし、忍耐して生活する。
    そういった世の中の美徳や誠実とされる価値観は本当に正しい?本当に人間はそう思ってる?
    その生き方に滑稽さや嘘を感じ、憤っている。

    ・作られた価値観それに従うことが必ずしも正しさ、人間らしさではない。
    むしろ人間の弱さや欲望、すなわち堕落を受け入れることで、本当の人間らしさが見えてくる。
    作られた価値観を自分の価値観だと思い込んでいる。

    ・堕落そのものを肯定しているのではなく、それを直視して受け入れて生きることに意味がある。

    ・紙の上の登場人物が動き出さないからといって小説書くのやめて

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    2026年04月28日
  • 堕落論

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    人間の本性はいかなる外的影響が及んでも不変
    人間は堕落するが、堕落しきれない二面性を持つ
    権力が人間を支配するための「カラクリ」を暴く

    坂口安吾の美学とは「機能」と「必然」。

    左翼でも右翼でもない、あらゆるイデオロギーそのものを疑う。孤独な実存主義。

    人間は永遠に弱く可憐であり、だからこそ孤独の中で自分だけの真実を血で買うしかない——それ以外のすべての救済は嘘である。

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    2026年04月12日
  • 桜の森の満開の下

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    今までは桜は美しくて儚いものだと思ってたけどこの作品では人を狂わせるような不気味さや怖さが描かれてるのが印象的。
    主人公の山賊は、めちゃくちゃ強いし桜とかその気になればバキバキに折れそうなのに、桜に狂わされてるのが面白い

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    2026年03月24日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    名だたる文豪の耽美小説集なので、好きな人には気が狂うほどのめり込む作品群です。
    ただし読むのになかなかの精神的カロリーを要するので、ちょっと疲れている時に読むと目が滑ってしまいます。もともと好きな作品も何作か入っているのに、いまは読むのにとても時間がかかってしまった自分が悲しい。
    心に余裕のある時にどうぞ!

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    2026年03月10日
  • 桜の森の満開の下

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    ネタバレ

    山で暮らし、都に下りては強盗を繰り返す男が押し入った家で美しい女に恋し、夫を殺してさらってくる。そして女に言われるがまま次々と人を殺し首を持ち帰る。山暮らしで人と関わることがなかった彼が女の望むまま都に住み、侮蔑や嘲笑に初めて接するも何も感じない。しかし女に苦笑された時に初めて胸の痛みを感じる。愚かな故に自らに湧き起こる負の感情を名付けることも消化することもできず、彼もまた女と共に狂気に向かっていく。そして最後に桜木の下でその女の首を絞め…という話。

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    2026年03月02日
  • 堕落論

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    深夜に読み進める堕落論はなかなか心に来るものがあった、と同時に不思議な救いを見出した。
    後半は、歴史好きではないので読み飛ばした箇所が多々あり…古代日本史を無味乾燥に批判する姿勢は面白かった。政治への現実的な姿勢も。

    堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わねばならない。

    人間は悲しいものだ。それでも、とにかく、生きるほかに手はない。生きる以上は、悪くより、良く生きなければならぬ。

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    2026年02月19日
  • 不連続殺人事件

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    登場人物が非常に多く、しかも序盤30ページほどに人物情報がぎゅっと詰め込まれている。
    人物把握がとても大変だった。
    ただ、慣れてくると読み進めるのが楽になる。
    次第に複数の殺人事件が描かれ、解説も淡々と語られていく。
    展開は予測できなかったが、無茶な設定ではなく納得できた。
    ラストは美しかった。

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    2026年02月02日
  • 白痴

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    まだ少し残っていますが、ある程度読み終わったので感想を書きます。

    久しぶりに読書習慣をつけようと、最初に選んだ本でした。
    最初にしてはハードだったかなと今になって思います、、
    作者は、自分が考えたりもしないような小難しいようなことを普段から考えていて、それが「白痴」を含む7編にぎっしりとその考えを散りばめたのかな?と思いました。
    「戦争と1人の女」の主人公の女性が、一途に野村という男性のことを想うところに特に共感しました。

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    2026年01月15日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    ネタバレ

    『不連続殺人事件』などの推理小説や捕物帖以外の坂口安吾の作品を読むのははじめてかな。分かりやすい作品ではないけど、どの短編にも独特の力みたいなものを感じて引き込まれる。やはり有名な『白痴』『戦争と一人の女』『桜の森の満開の下』は特に良かったな~。どの作品も登場する女性たちがいい。それぞれに個性も違い恋愛も様々。不思議に魅力があるな~。

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    2026年01月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    スっと入ってくる話と、噛み砕かないと少し分かりにくい話があった。ただ、どの話も共通して言えるのが「なんとなくだが坂口安吾の言いたいことは分かる。共感する」の2つだ。

    ハッ、と価値観が覆るような話ではないが、己の心の奥底にある価値観について再確認させられる本だと思う。

    青春論や悪妻論など現代を生きる私たちにとっても身近な話もあるので、語り口の展開でも読みやすい。

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    2025年12月20日
  • イノチガケ

    購入済み

    徳川幕府が恐れたもの

    キリシタンものの史談風作品である。中盤までは比較的淡々と通説通りの話を書き並べている。キリシタン禁止令が出ている日本に、刑死することを目的に次々と宣教師たちが密入国した という事実に、宗教の恐ろしさ 狂信性を感じる。に徳川幕府が恐れたもの無理はないだろう。
    終盤の新井白石とのやり取りはそれなりに面白いが、もっと小説的に応酬を盛り上げても良かったのではないと思う。

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    2025年11月30日
  • 不連続殺人事件

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    すっごい多くの人たち、全員個性の塊みたいな人たちなのだが、この人たちが集まった屋敷の中で次々に事件が起こるといった古典的ミステリーの定番の型が取られている。
    多すぎて人を覚えられない!と思ったが安心してほしい、この事件は次々に人が死んでいく。やはりそこにあるのは「動機」、特に今回は多くの事件が起こったのでその犯行が「計画的なのか」「突発的なのか」に分けて考えるとすっきりとする。
    「計画的」なものは「愛情」「復讐」「金銭」などが多くあり、「突発的」なのは「保身」「気が触れた」「疑心」などから起こりうる。今回もそういったものに分けて考えると良いと読みながら思った。そうすれば屋敷に集められた人々、一

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    2025年11月19日