坂口安吾のレビュー一覧

  • 復員殺人事件

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    坂口安吾の未完作品を高木彬光が完成させた作品。

    ミレニアムも途中で作者が変わるという荒業でまだ続いてるがあっちは翻訳ものなので正直あまり作者が変わることが気にならなかった。
    が、日本語となると俄然気になる。
    たしかに文体は安吾よりな感じだったけど、全体的に受ける印象はやはり高木彬光の文章で安吾よりは若干考えながら読んでいかなければいけない感じ。情景などから「感じる」という体感が少ない気がする。
    なので、最初からそういうつもりで読めばもう少し純粋に楽しめたかもしれないけどなんだか最後は間違い探しをする感覚に陥ってしまいました。

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    2021年03月28日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    イラスト付きで坂口安吾を読む感じ、悪くなかった。この”乙女の本棚シリーズ”は、夢野久作とか泉鏡花とかの作品に今っぽいカラーイラストを付けている。とっつき易いので、こういうのもアリだと思った。

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    2021年03月02日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    『日本文化私観』
    秀吉の駄々っ子精神の部分がいまいち理解できなかった。三十三間堂の太閤塀を実際に見ていないからということもあるだろうが、自分にはそれも金閣銀閣と同じように金持ちの道楽的なものと区別がつかない。両者ともにそれそのものに意味などなく、他者に対して威厳を示したいだけの俗物だったのではないかと思った。
    文化を形成するのはあくまで人間だという考え方はとても的を得ていると思う。自分に置き換えると、確かに人から見られるのは過去に生み出した作品や過去の行動であるかもしれないが、「自分」というものはその作品ではなくてこの私自身であるということに改めて気付かされた。
    日本文化私観は日本の西洋化を「

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    2021年01月27日
  • 堕落論

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    安吾先生、難しすぎます。
    「飛騨・高山の抹殺」、「道鏡童子」は意味が分からな過ぎて読む気が起こらなかった。

    おもしろいなと思ったのは次の部分。
    「芸道というものは、その道に殉ずるバカにならないと、大成しないものである」

    「平家物語なんてものが第一級の文学だなんて、バカも休み休み言いたまえ。あんなものに心の動かぬ我々が罰が当たっているのだとは阿呆らしい」

    そんなこと言っちゃっていいのでしょうか。
    坂口安吾大先生がおっしゃるのだから、まあいいのだろう。

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    2020年05月31日
  • 堕落論【語注付】

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    ネタバレ

    (趣旨)
    1. 人間は堕落する。そんな人間を戦闘にかりたてる為に、武人は武士道をあみだし、軍人政治家は天皇を担ぎ出した。

    2. 敗戦後、天皇の絶対性は廃止され象徴化に変わり、武士道は滅びた。町に目をやれば、未亡人は新たな出逢いに胸を膨らませ、特攻隊の勇士は闇屋に転じている。

    3. このように人間が堕落したのは戦争に負けたからではない。人間だから堕落したのだ。

    4. しかし人間は困難には脆弱なため、堕落し切るには弱すぎる。弱いから統率を図るため結局また武士道や天皇を担ぎ出そうとするだろう。

    5. 人間が本当の自身を発見するためには堕落し切ることが必要だ。これが自身を救うことにつながる。天

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    2020年01月11日
  • 不連続殺人事件

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    ネタバレ

    ミステリーは久々に読んだ。文化的背景を理解しきれず、ついていけなかった部分もある上に、時代的に仕方のないことだが差別用語の多さに辟易としてしまった。
    登場人物も多く、人物相関図を参照しないと難しかった(笑)最後のタネ明かしには驚いたが。

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    2019年11月24日
  • 白痴

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    白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。

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    2019年07月17日
  • 桜の森の満開の下

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    戯曲が先だったのもあって目の前に山や町の景色が広がるよう。桜が満開の夜にぶわっと吹く風は冷たい。感覚に来る感じ。

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    2019年05月06日
  • 白痴

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    秩序と無秩序を戦時中に書き表した小説。白痴を避け、忌み嫌っている一方で白痴を求め社会から逃げられない自分を卑俗なものとする主人公。心のどこかで世間の当たり前に辟易している自分と重なる部分があった。

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    2019年03月17日
  • 堕落論

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    評論があんまり好きじゃないので読むのに時間がかかった。
    安吾ってパンクだよな。すごく喧嘩腰というか若気の至りかよみたいな尖り方してる(そんなに若くはないが)。
    考え方が合うのか、あーわかるよー(´;ω;`)っていうのが多かった。「文学のふるさと」大好き。「戦争論」でのエログロの禁止についてもめっちゃ共感。
    でもやっぱり安吾は小説派かも。『白痴』もっかい読みたい。

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    2019年02月12日
  • 不連続殺人事件

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    面白かったのは、坂口安吾が読者に挑んでいる「付記」の部分のみ。
    感情の欠落した描写は、敢えてなのだろうけれど
    あれほどの殺人事件に対する恐怖その他の感情が
    ほぼ皆無で、皆々だらだらと遊び呆けている日々が
    読んでいてどうにも納得できなかった。
    私はこの手のパズルのような推理小説は好まない。

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    2019年01月19日
  • 堕落論

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    坂口安吾の社会評論と作家評論を集めたもの。
    日本文化私観や続堕落論における日本人論・人間論はややシニカルだが、キレがある。20世紀後半に人間科学が人間の思考の癖や非合理を解明する以前は、「人間がどういったものか」という問いに最も精緻な回答を持っていたのは、安吾のような一部の文学者だったのだろうと思わせる。

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    2019年07月31日
  • 白痴・二流の人

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    独特のリズムで書かれていて、好き嫌いが分かれそう。

    読みやすいものもあれば、わかりづらいものもあり、、という印象です。

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    2018年07月30日
  • 桜の森の満開の下

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    近藤ようこは、ぴんとこないまま、文章のままに漫画家としたとあとがきで。
    確かにこの原作小説は、きっと永遠にぴんとこないまま、琴線を鳴らし続けるだろう。
    これを了解するとは死ぬことだからだ。

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    2018年07月18日
  • 堕落論【語注付】

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    やはり時代を感じる。太宰の斜陽などと同じに、昭和3^40年代に風靡し、現代の若い読者には、その意図は伝わらないだろう。

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    2017年12月09日
  • 不連続殺人事件

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    目次の一、俗悪千万な人間関係
    ここがこの本の中での一番の難関(^_^;)

    一体何人登場するのだ!?という登場人物の数。
    誰が誰なのか?さっぱり覚えられず、三回は読み直したか。

    クイーンのYの悲劇のような、私の好きなクローズドサークルもの。

    事件が起こってからの展開はなかなか早かった。
    半分を越えたあたりからはどんどん面白くなっていく。

    今風な文章に変えたらかなり面白い物語だろうと思う。

    ただ、少し下品かなぁ(^_^;)

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    2017年10月14日
  • 不連続殺人事件

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    もう何十年前に読んだ作品だろうか、、、、
    書店で気になって購入した。2度目というよりは初めて読む感覚ではあったが、不思議とポイントとなる所は覚えているものだと我ながら感心した。
    戦後の昭和の雰囲気が漂う作品で、その時代の感覚を楽しむのにも良い。

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    2017年10月02日
  • 決戦川中島 上杉謙信の巻

    購入済み

    面白かったです

    いわゆる普通の歴史小説はべつに作成されていて、それとは別なテーストで謙信になりきって書かれており、私は楽しく読めました。

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    2017年09月23日
  • 風と光と二十の私と

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    若い頃大好きだった安吾をひさしぶりに読む。
    安吾は構成なんか考えない人だったから、長編はことごとく失敗しているし、短編だって、きちっとまとまっているわけではないのだが、何とも言えない魅力がある。

    これは自伝的小説を集めた本だが、今の感覚で読むと、名前や場所など、今ならぼかしたり変えたりするところがそのまんまであることに驚く。当時の純文学は私小説が多かったとは言え、ここまでストレートに書かれては、身内や文壇仲間はともかく、小説家とは知らずに関わった一般人はたまらないな。今なら訴訟ものだ。伏見の下宿屋一家の話なんか、とんだプライバシーの侵害。(夫婦の下世話なところが面白いけどね。)
    若い頃はそん

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    2017年07月02日
  • 桜の森の満開の下

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    怖かった…。
    想像以上!

    ただ最後…本当に美しかった。
    ぞっとするほど。

    ひそひそと花が降ります。

    ひそひそ…がすごくいい。

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    2017年01月27日