坂口安吾のレビュー一覧

  • 堕落論 アニメカバー版

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    てぬぐいの表紙が好き。

    太宰とか芥川とか小林とか、次々と言いたいことを言いながら、それでいて的を射ているような、
    私にはちょっと難しかったな、

    「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ」

    この言葉が印象に残った。

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    2022年12月17日
  • 不連続殺人事件

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    現在の「推理作家協会賞」の前身にあたる「探偵作家クラブ賞」第二回受賞作品。

    名前だけは知っている「傑作」は一通り読んでおこうと思って、手に取った。

    犯人も動機も犯行手順も全く想像外。

    作中の探偵が「心理の足跡」と呼ぶ、推理のキッカケとなる点は、指摘を受けた後だと、なんで気付かなかったんだろう、と思うくらいシンプルな手掛かりだった。

    戦後僅か2年で、こういう作品が世に出た、という点も意外だった。

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    2022年12月04日
  • 不連続殺人事件

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    とてもよくできた推理小説だった。公募形式で犯人と推理の過程を募るという趣向も面白い。
    でも正直に言うと、登場人物が多すぎて、誰が何を話してどういう動きをしているのかよく分からなくなってしまい、推理に参加するどころではなかった。
    あと、現在ではとても受け入れられない表現や人物描写ばかりだった。

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    2022年11月28日
  • 不連続殺人事件

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    山奥の屋敷で殺人事件が起こる。
    犯人に目処がつかず動機も定かでは無い。
    坂口安吾の本格推理小説です。
    純粋に面白かった。
    この時代の方々が残した話しはよくできていて、興味深いものが多いです。
    小説は楽しい。

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    2022年11月25日
  • 不連続殺人事件

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    次々に人が死んでいくのに全然緊張感が無くてコメディかと思った
    最後まで全然犯人が分からなくて悔しかった
    人もいっぱい出てくるからてんてこまいだったけど面白かった
    安吾が「推理小説」の先駆けになったというか読者視点として面白みを見つけ出したのがすごいなと思った
    年譜を見てて安吾の破天荒ぶりにすげえ笑った

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    2022年11月18日
  • 肝臓先生

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    坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。

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    2022年11月18日
  • 不連続殺人事件

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    総勢35名のワケアリ男女が繰り広げるハチャメチャ奇想天外事件に翻弄されっぱなし。
    不連続殺人というカモフラージュ戦法でとても難解でしたが、ラストはかっこよくまとまっていて、読後感が最高です。

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    2022年10月25日
  • 白痴

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    自覚はあるが積極的に考えたくない心の動きを観念的かつ現実的に述べていて、小説の中のお話というよりもあまりに人間に近すぎて他人事に感じられない作品だった。
    作者の、人間に対する理知的な分析力と、分析という言葉とは真反対の理屈に合わない人間らしい雑多な気持ちが同居していた。

    「私は海をだきしめていたい」と「青鬼の褌を洗う女」がよかった。
    女を口説くときにエッちゃんが言った「こんな僕だから思いはいっぱいだけど、」という言い回しが好きだった。

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    2022年10月18日
  • 桜の森の満開の下

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    初の坂口安吾。

    短編と侮るなかれ。読後に振り返るとあらゆる思索に耽ることになる

    さぁ頭の無い怪物どもよ、いつまでも慣れ合うがよい。

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    2022年09月24日
  • 白痴

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    男の魅力と女の魅力、見せる側と見せられる側、至って違うのは当たり前。誰もが裸になれば同じ男と女になる、そんな人間の精神と肉体を鋭く見た小説だ。男と女はどうあるべきか、恋人同士の時、夫婦となった時、互いが老いを感じる時、など 人の魅力はいつも違う、見つけるのは自分だ。文中の空爆後生き残った女の言葉「私は過去よりも未来、いや、現実があるだけなのだ」と生きている今こそ本当の自分を試す事ができるのだと悟った、に深い印象を持った。

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    2022年09月03日
  • 不連続殺人事件

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    戦後間もない頃に書かれた作品で、かなり際どい言葉が沢山出てくるが、妙なユーモアがあり面白い。謎解きも満足。登場人物が意外と多くて、少し戸惑いますが。

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    2022年09月01日
  • 堕落論【語注付】

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    言葉の役割は明確に伝えることだが、文化、芸術としては、明確にしすぎず、相手の想像に任せる部分もある。
    読者はそこまで文学に寄る必要があり、作家は読者の「わかりやすさ」まで降りてくる必要はない。

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    2022年12月25日
  • 堕落論【語注付】

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    小林秀雄を痛烈に批判した「教祖の文学」に賛同したので、坂口安吾自身の本を手に取ったが、これまたまっすぐで、解説にあるように「自由な風」が通っている文章だった。

    本作に収録されているのは以下:
    ・堕落論
    ・続堕落論
    ・日本文化私観
    ・恋愛論
    ・不良少年とキリスト
    ・FARCEについて
    ・文学のふるさと
    ・風博士
    ・桜の森の満開の下

    読んでいて、特に評論に関しては、なんて素直な人なのだろうと驚嘆していた。ここまで実直な心を文章に落としているところに、私も素直に好感を持った。以下いくつかの感想

    「堕落論」
    ・私自身も、数年前に私と極めて親しかった姪の一人が二十一の年に自殺したとき、美し

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    2022年07月23日
  • 堕落論

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    「坂口安吾」のエッセイ『堕落論』を読みました。

    古本屋でペラペラとページを捲っていて『天皇小論』や『特攻隊に捧ぐ』、『戦争論』、『ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格』等が気になり、読んでみる気になりました。

    -----story-------------
    単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい―誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ「坂口安吾」は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。
    どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によ

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    2022年04月26日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    思っていたよりアツい人でした。
    安吾作品で最初に触れたのは桜の森の満開の下で、ちょっと怖くて儚い小説に思ったので、もっとセンサイな人かと。文学に対する姿勢が本気で真摯で、生き生きとしている。
    当時の人にしては働き方に対する意識がだいぶ令和寄りなところがスゴい。使えるものは使って、労働時間削減しろとか。
    「罰当たりが血を吐きながら作る作品」に、生きている人間の文学の凄みを熱弁している。もがきながら生み出すモノが愛しいのかなと思う。(教祖の文学)
    歯が痛いという生活の中から、太宰の急逝に触れていて、悲しみがじわじわと伝わってきた。死ぬのはいつでも出来る、いつでも出来るんだからそんな事はするな、生き

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    2022年04月15日
  • 桜の森の満開の下

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    桜の森の満開の下
    妖術的な魅力をもつ女性に取り憑かれてしまった山賊の話。文体が綺麗な上に内容が狂気じみていて凄い。大人になってから桜を好きになるのは、儚い死を桜を通して感じることで生きることを噛み締めているからだと思ったりした。

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    2022年02月03日
  • 白痴

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    安吾はミステリーしか読んだことが無かったので、本人の思想への理解を深めようと思い読んだ。戦時中の今ではあり得ない倫理観が淡々と描かれ人間の本質を炙り出す数々の物語だった。

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    2022年01月13日
  • 堕落論【語注付】

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    『堕落論』『続堕落論』を含む9つのエッセイや小説からなる本。

    坂口安吾を読んだのは初めてだが、著者についての感想は「戦前・戦中・戦後を生きたビート(北野)武」。
    皮肉・批判・ユーモア・耽美など、作品ごとに異なる多彩な才能を感じた。

    本への掲載順は時系列ではないので、以下では時系列で記載する。

    1.風博士
    1931年、25歳で発表した短編小説(?)。ミステリ調でありつつ、ユーモラスな文体。

    2.FARSEについて
    1932年発表。文学や芸術の在り方を論じたエッセイ。

    3.文学のふるさと
    1941年に発表したエッセイ。

    4.日本文化私観
    1942年発表。「高尚な文化」のみを文化と捉えず

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    2022年01月02日
  • 桜の森の満開の下

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    欲望を満たすため、居場所を探すため生きていく。怖いものは避けて通るが、好奇心には勝てず踏み込んでしまう。そこで待っているものは何か。
    歴史を振り返って見た時、世の中というものは、大きな意思で動いているのではないかと思わせられます。
    今、がどんな意思で動いているのか、考えさせられました。

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    2022年01月02日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    エッセイが読みたくなったので。終戦後、立ち直ろうとしている日本の気運に乗った作品だからか、「既成概念に反抗していくぞ!」感を強く感じた。確かに何にでも歯向かいたい当時の若者にはウケるだろうなぁという感じ。
    各エッセイで表現が重複するところが多いように感じたが、筆者の意見が一貫しているところに好感を持てた。
    有名なだけあって「青春論」と「堕落論」、「恋愛論」が面白かった

    『私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がないからで、何か、万人に適した規則が有って恋愛を割り切ることができるなら、小説などは書く要もなく、また、小説の存す

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    2021年11月23日