坂口安吾のレビュー一覧

  • 道鏡

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    読みやすくはないが

    平将門や足利尊氏と並んで「日本三悪人」にあげられている道鏡の話である。安吾だけあって道鏡を悪人 朝敵ではなく、無邪気で純粋に孝謙天皇に仕え 慕う人 という設定にしている。悪人説は藤原氏の陰謀と説はそれはそれで面白い。作者坂口安吾の思想 考えがあちらこちらに述べられていて、読みやすくはないが、敗戦後 天皇に対して遠慮なく物が言えた時代を象徴していて面白い。

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    2025年05月03日
  • 白痴

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    迫力がある

    東京大空襲前後の東京下町 スラム街の様子を独自の語り口で描き出している。この時代の庶民の様子が大変によく分かる。前半の住人の紹介部分は悲惨さや醜悪さが目立ってやや読みにくかったが、後半の空襲場面は随分と迫力がある。作者坂口安吾の実体験が反映されているのかな。

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    2025年05月03日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    はい、42おネェ

    坂口安吾が「恋愛」について考えた随筆になります
    内容は「恋」と「愛」の違いから始まって…

    ん?

    ちょっと待って

    わい、随筆って書いたけど、ものによってはこの『恋愛論』はエッセイと紹介されてたりするんよね
    なんとなく違うもののような気もするし、でもそもそも「Essay」の日本語訳が「随筆」じゃなかったっけ?ってことは同じもの?

    「恋」と「愛」の違いの前に「エッセイ」と「随筆」の違いが気になってきたー!

    わいのイメージとしては、「エッセイ」はちょっとポップで、日常の出来事をユーモアを交えて語るみたいな感じ

    一方、「随筆」はもっと重厚で、深い考察と共に、普段思ってるこ

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    2025年03月14日
  • 島原の乱雑記

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    キリスト教内部の勢力争い

    島原の乱の取材に長崎を訪れた作者坂口安吾のエッセイである。以前読んだ菊池寛の島原の乱と比較すると、遥かに現代的な考え方であり、表現 語り口である。すんなり読めてしまう。作中に描かれていた天主堂の担当者の不可解な態度が、キリスト教内部の勢力争いを連想させて、ちょっと引っかる。

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    2025年03月02日
  • 桜の森の満開の下

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    ネタバレ

    >桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。

    桜の下に人の姿がなければ、桜は怖しい。なぜなら あの下を通る時、果てしない孤独を感じるから。
    そういえば、「花見」文化の始まりは、豊作祈願の神事ですよね。桜の木に、神様が降りてくるからだとされています。桜の木の下の怖しさに、一種の神々しさみたいなものを感じて、神事を始めたのでしょうか。それとも、神様がいるから神々しくて怖しい?

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    2025年02月14日
  • 不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち

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    文体が古く(それでも断然読みやすい方)、登場人物も多かったが、登場人物たちの特質がとにかくすごくて、この先どうなるのかと気になって読むのをやめられなかった。

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    2025年08月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    読んでよかったと心底思えた。彼の言葉には全て噛み砕かれた理由があった。左翼思想でありながらも、決して伝統自体は否定していない。彼が言っていたのは、何も考えず古くからあるものが正しいと思い込み生きることへの批判だった。このように個人的には腑に落ちるようなことが多々あり今まで言語化出来なかった自分の心のモヤモヤが晴れた気がした。
    戦後の日本は特攻隊故なのかやはりどこか"死"に対する美徳精神のようなものがあったのだろう。ただ、坂口安吾は自殺はしょうもないという。この彼の芯の強さとそこにある悲しみにものすごく胸を打たれた。
    限度を知ること。これは現代日本においても学習で得るべき重要

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    2025年01月27日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    森見登美彦と文スト経由で坂口安吾、初めて読みました。『桜の木の下には死体が埋まっている』イメージはあったものの、予想を超える恐ろしい話だった。ラストが幻想的でとても好き。タイトルもいいし、ちなんでピンクが基調なのもよかった。イラストがいいのはもちろん、このフォント正解。文字がうっすらピンクだったり、黒や赤のページとか、薄気味悪さと綺麗さが表裏一体の別世界にいるみたいだった。
    乙女の本棚シリーズいいですね。

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    2025年01月15日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    これを読むと敗戦直後の日本にタイムスリップします。
    読んだその日から私のバイブルになりました。とりあえず生きろ!とこの作品で坂口安吾はずっと言っています。口悪いのにめちゃくちゃ頭良くて、器デカいのに鬱で、なんかとても魅力的な人物でした。
    まんが版もあるので難しくて読む気失せそうという方はまんが版から入るとエッセンスが分かりやすいです。私も最初はまんが版で読みました。墜落論、続墜落論と2つで一つの作品と思います。
    「不良少年とキリスト」では友人だった太宰治の死を受けて悔しい気持ちが感情のままに綴られているようで涙が出ました。ここでも、「自殺なんてするなよ、俺はお前の分まで生き抜いてやるからな!」

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    2024年12月19日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • 白痴

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    自分に重ねて、主人公の反省がまるで自分のように感じるのを楽しんだ。欲情に埋もれる過程が生々しくも表現され、それが別れを際立たせる。

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    2024年10月05日
  • 不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち

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    作品そのものの面白さは説明するまでもないのでおいといて、不連続に関連して、安吾の友人達(ライバル探偵たち)の回想・証言が巻末におまけとしてくっついてきているのがすばらしい。戦中戦後の辺りのあの時代、安吾達が愉快に過ごしていた様子が語られており「不連続執筆に至った安吾」の話が堪能できる。
    また、この不連続関係者に特化した関連年表も凄いですね。あちこちの書簡から引用してきて、当時の時系列みたいなのがよく分かる。

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    2024年10月01日
  • 不良少年とキリスト

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    その時代の

    現在では国語の教科書の中に偉そうな顔をして座っている太宰治や芥川龍之介、そして小林秀雄や志賀直哉が、現役で良い点も悪い点も世に見せながら、いきいきと活動していた時代の話である。特に同じ匂いのする作家 破滅型 無頼派ということなのだろうが、太宰治に対しての論評が質量ともに多い。なるほどなと思わせるところがある。

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    2024年09月03日
  • 風と光と二十の私と

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    二十歳のときの自伝

    無頼派の呼び名の通り日常性が破綻していた坂口安吾が、二十歳のとき教師をやっていたと知って驚いた。およそ子供を教え育てることなどできないと思われる経歴だからである。教員生活を割合淡々と描いているが、生徒への考察や生徒の個性特徴に合わせた接し方には、100年近く経った現在でも参考になるような気がする。

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    2024年09月03日
  • 暗い青春

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    安吾の持つ心の切なさや虚無感、その原点に迫るような短編集。

    安吾自身の半生が綴られている短編がまとめられている本作。
    生まれて以来ずっと心に持ち続ける悲しさや寂しさ、そうした感情が心のなかで重くのしかかり切なくさせる感覚になりました。

    どの作品も読む人のなかにもある寂寥感の輪郭を浮き彫りにするような話の進め方で、自分がたまに感じる切なさと向き合うきっかけをくれるました。

    とくに『石の思い』は虚しさと向き合うことが心の故郷に帰ることになるような一種の安心感を与えてくれる作品でした。

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    2024年09月01日
  • 桜の森の満開の下

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    狂気と幻想

    梶井基次郎に 桜の樹の下には という好短編があるが、満開の桜には人々を狂気に誘う何かがあるような気がする。この作品も様々な葛藤の原因が満開の桜の木であり、最後にその桜とともに消えてしまう。素直に読めば 悪女に翻弄された愚かな男の話であるが、狂気と幻想を含んで印象的な作品になっている。

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    2024年08月07日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    エッセーとしてとても面白かった。
    共感できる部分が多く、わかるわあ、ってさせられたので、エッセーの文章としてのクオリティが高いんだと思う。
    基本的なスタンスとして、自分に正直であれ、曝け出せ、くだらない体裁が一番ゴミだ、っていう感じなので読んでて気持ちいいよね。元気が出る。

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    2024年07月28日
  • 白痴

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    戦争時代でのお話で、主人公の感情変化や周りの人々の人間的生々しさがひしひしと伝わる物語でした。戦争時の環境やそこでの人々の感情といい、戦争についてとても考えさせられ、爆弾が降り注ぐ街、生死を彷徨う中、主人公の感情に移入し手に汗握る思い出読み切りました。

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    2024年07月26日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
    美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。

    美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。

    大切にしたいけど、悲しませたい。
    清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。

    この欲望はどこから来るのだろう。
    占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
    どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。

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    2024年06月24日