坂口安吾のレビュー一覧

  • 桜の森の満開の下

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    坂口安吾が好きすぎて、冷静に判断できないのだけど
    この短編集はとにかくすべてが美しい。

    安吾らしい冷徹さと温かみの混在した、
    謎めいた、それでいてとことんリアルな世界観。
    表題作はとにかく一読の価値ありです。

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    2014年05月29日
  • 肝臓先生

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    『だれかが迷ってくれて、足で歩いて道を作ってくれたから、僕ら迷わず歩いて行けるよ』

    安吾、凄まじい。
    よかった。
    僕が迷うて苦悶してなにかを見つけらたり、なにも見つけられない道だと証明して、後の誰かの道になれば良いと思った。

    大先輩に敬愛を捧ぐ。

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    2014年05月25日
  • 桜の森の満開の下

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    ネタバレ

    安吾は怪談から恋愛もの、人間ドラマにドタバタとオール・ジャンルの作品を書いた器用な作家。太宰や漱石の作品に出てくる悩んで自殺するような弱々しい人物ではなく、血の通った逞しく生きる人間を描いている。それにしても、表題作のグロさは桁違いの凄さ。

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    2014年07月04日
  • 肝臓先生

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    結構えげつない部分もあるはずなのに、そんなものは些末なことだと思わせるのが坂口安吾、という印象がある。
    どこかしらに散りばめられた「戦争」にはいつも深く感じ入るのだが、『肝臓先生』はこれまでに読んできたものとは何か違った、一種の感動さえあった。
    しかし、短いせいなのか、何度読んでも『私は海をだきしめていたい』が記憶に残らないのはなぜだろう。
    「毎回新しい気持ちで読める」と言えば聞こえは良いけれど…

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    2014年03月01日
  • 桜の森の満開の下

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    桜の花の満開はあまりに美しい。そして、あまりに美しいものには、不気味がある。ふとした瞬間に冷静では居られなくなりそうな何かが。

    「花の下は涯がないからだよ」

    何度も読み返す、大好きな作品。

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    2014年02月26日
  • 桜の森の満開の下

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    表題作目当て。表題作が本当に素晴らしかった。溜め息が出るくらい素晴らしい。この小説の良さをうまく伝えられない自分がもどかしい。紫大納言と夜長姫と耳男も良かった。寓話が好きみたい。歴史小説は苦手なので読むのが辛かったけど…。岩波文庫の方も読んでみようかな。2011/410

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    2013年10月07日
  • 教祖の文学 不良少年とキリスト

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    青春の書でした。生きるとは戦うこと、勝ちはしない、一体誰に勝とうっていうのだ。というあたり良いですね。

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    2013年08月28日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    まだまだ新十郎と海舟先生の推理バトルに浸っていたくて買った続編。600ページというボリュームで、かなり楽しめた。時々謎解きに物足りなさを感じることもあるけれど、明治初期の文化や風俗についての記述や人々のどろどろした人間関係を読むのが面白くて。事件パートのどろどろっぷりと比べ、探偵くんとその(役に立たない)助手たちの推理パートが軽妙なので、うまくバランスが取れている。

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    2013年01月02日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    久しぶりに読み返した。やっぱり坂口安吾はすごい。
    高校生の頃は白痴が良かった覚えがあるけれど、今読んだら断然青鬼…の方が好きになっていた。傑作。

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    2012年02月11日
  • 肝臓先生

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    「私はあなたから、人の子の罪の切なさを知りました。罪の持つ清純なものを教わりました。」――『ジロリの女』

    私が安吾の文章を読んで、たまらなく悲しく、どうしようもなく切なく、そして苦しいほど何かに向かって声の限りに叫びたくなるのは、たぶん、安吾が優しくて潔癖で、強靭で狂人だからだろう。

    「私はいつも神様の国へ行こうとしながら地獄の門を潜ってしまう人間だ。ともかく私は始めから地獄の門を目指して出かける時でも、神様の国へ行こうということを忘れたことのない甘ったるい人間だった。」――『私は海をだきしめていたい』

    安吾は自分の弱さを認めている。自分の無知さも認めている。そして彼は、自分の恥も認めて

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    2012年02月03日
  • 堕落論

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    ネタバレ

    角川の夏の100冊に選ばれている。
    堕落することの可否とは別に、堕落していく必然性のようなものを記載しようとしている。
    正しいことのみを追求しようとすると、ある面では堕落していくことになるかもしれない。
    堕落することによって、初めて本当に大事なものが何かが見えてくるのかもしれない。

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    2011年12月23日
  • 堕落論

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    単純に好きでした。彼の理想論とでも言えてしまいそうな大胆な論理が、考えたこともない角度から言い表わされていて。しかも納得させられるし、深いし、救われる。堕落論以外のも面白い。
    難しいから、何度も読むべき本。そして毎回新しい発見ができそうな本。はじめての坂口安吾だけど、いい出会い。時代は関係ないね!今読んでもまったく、新しいです。

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    2011年07月23日
  • 肝臓先生

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    同出版社の『白痴・二流の人』がかなり面白かったので購入。見事期待に応えてくれた一冊だった。
    今回思ったのは、安吾特有の肉体が前景化される作品よりも、「魔の退屈」のようなエッセイや「肝臓先生」のような作品の方が僕は好きだ。もちろん、肉体・精神を描いた作品も好きだし、安吾の思想を知るためにはそっちを読まなければいけないのはわかっているけれども。
    とにかく、安吾は面白い。好きな作家が増えて嬉しい。

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    2011年05月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    堕落論や続堕落論で書かれていることは非常に本質的だと思った。日本人の所謂ムラ的なるものの、建前性がよくわかる。天皇に関する考察も共感できて、現代の政治でも未だに見られる権力の二重構造状態である。
    日本人の未発達な自我が、こういったエゴイズムや建前を生むのではないか。

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    2019年01月16日
  • 日本文化私観

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    坂口安吾は、104年前の1906年10月20日に新潟市で生まれた小説家。

    『不連続殺人事件』『桜の森の満開の下』『白痴』『安吾捕物帖』『堕落論』『安吾巷談』などなど、小説をはじめ翻訳までほとんどの作品を読んで来て、やはり彼の真骨頂は、小説家としてより評論というか文明批評や社会批評の面で大いに発揮されているように思います。

    そして、家は先祖代々の旧家で地主で大富豪、衆議院議員の父の13人兄弟の12番目の子として生まれた出自は、その後の彼の人生にどういう影響を及ぼしたのか、想像に難くないのは私だけでしょうか。

    それから、敗戦後に『堕落論』で一世を風靡し≪無頼派≫で鳴らしたことからも、かなり長

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    2012年10月07日
  • 白痴・二流の人

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    ゼミの先生に、安吾を読むなら角川文庫がいいと教えてもらったので購入。
    安吾の小説は初めて読んだけどかなり面白かった、これからハマりそう。歴史小説が苦手な僕でも「二流の人」はスラスラ読めた。戦国BASARAのアニメ観たことあるせいで、その意味で余計に楽しめた。
    収録されてるなかで一番好きな作品は「風と光と二十の私と」。小説っていうよりエッセイみたいな感じだけど、教育学部に在籍する者として心に染みた。

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    2010年08月26日
  • 堕落論

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    キルケゴールの『死に至る病』と同時に読み進めた結果、互いに通ずるものがあると気づかされ、とても面白かった。

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    2010年07月15日
  • 堕落論【語注付】

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    あまり長々と書かない方がしっかりレビューできそうなので、簡潔に。

    大雑把だけれども、見るとこ見てます。
    臆面もなく、おそらく言葉もあまり選ばず、言う。
    彼は 自身をさらけ出すことを厭わない。

    このおっさん、ロックです。

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    2023年02月19日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    安吾ほど女という生き物をいとおしんでいる作家もいないと思う。
    この本に出てくる女達は、皆淫乱で不実だが愛らしくいじましい。
    女は女であってほしい。
    そして男は、男であってほしいと思う。

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    2009年10月29日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    びっくりした
    安吾やばい
    私もそれがすごく欲しいけど
    どこにあるのかも、存在するのかもわかんないよね

    すべては爽やかでみたされていて退屈
    なのになんでこんなに懐かしいのでしょう

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    2009年10月04日