坂口安吾のレビュー一覧

  • 堕落論

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    明朗に時々の世論や時勢を斬るのがなんとも痛快。
    すごく前向きである。このご時世でも堕落の意識は必要なのでは。
    どうでもいいが、ちょうど中上健次『岬』も同時期に読んでいたので、岬の主人公に堕落論を勧めてたいと思う次第である。

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    2021年02月14日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    小林よしのりの「堕落論」に触発されて読みました。筆者は「日本は敗戦後、道義が退廃したと言われるが、そうではない。変わったのは世相の上皮であり、人間は変わっていない。むしろ、人間は堕落するものだ。堕落することでしか人間を救う道はない」と主張している。「戦前の人間は立派だった」「戦後日本人はだめになった」といろいろな場面で言われてきたことを考えると、新鮮な主張に感じた。また、東京大空襲についての「猛火をくぐって逃げのびてきた人達は燃えかけている家のそばに群がって寒さの暖をとっており」という記述は、別の本で読んだ「東京大空襲の焼夷弾はうつくしかった」と通じるところがある。今読めば不謹慎に感じるところ

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    2020年11月30日
  • 白痴

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    ネタバレ

    ストーリーの展開としては自分の部屋に逃げ込んできた白痴の女と共に戦火から逃げるだけで主要人物は誰も死なない。
    しかし、戦禍における伊沢の思想の変化についての表現力が素晴らしい。

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    2020年10月11日
  • 堕落論

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    堕落とは、怠惰に非!
    何らかのシステムに帰属して安堵しがちな人間こそ、社会通念に叩かれながらも追い求める道をいけと言われた気がした。
    近代文学に明るいとは言えない私の中でも、
    この本は別格。

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    2020年09月22日
  • 堕落論【語注付】

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    いわゆる堕落と、坂口安吾の説く「堕落」は種類が違う。

    坂口安吾の説く「堕落」とは、習慣や制度から逃れ堕ちること。例えば、所謂日本人然とした、苦労を厭わず、倹約に地道に努力することから逃れ、楽をしようとすること。家庭を持ち清廉潔白に暮らすのではなく、情欲を受け入れ過ごすことである。それは決してネガティブな行いではなく、それが人間の実質であり、それで人間が発展する。「堕落」は制度の母体なのである。

    なぜ坂口安吾が「堕落」という言葉を使ったのか。それは、習慣に囚われた人々が、坂口らに対して向けた、「お前達は堕落している」といったレッテルに対して、「堕落こそ結構。それこそ人間の本質であり、中身の

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    2020年08月02日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    小気味良い痛快な内容だった。

    人間は堕ちるとこまで堕ちきり、そこで新たな自分を見つけ、救われる。

    堕ちないように、堕ちないようにとなんらか手立てをしたところで、人間は堕ちるのだし、堕ちきってからの方が本当の人間として生きられる。

    下手な倫理観で人の失敗を嘲笑ったり、不倫浮気をネタに視聴率を稼ぐ世の中だけど、本当に本気で生きて堕ちたのなら、そこからが本当の人間としての生き方になるんだと思う。

    現在進行形で堕ちている自分。死にたいと思って生きているが、どうやら、どんな状況においてもただ生きることが、シンプルで素敵なことなんだろうなぁ。

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    2020年07月05日
  • 不連続殺人事件

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    最初はとっつきにくい感もあったけど、何か癖になる感じ。見取り図はいらないから、登場人物一覧をつけて欲しい。

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    2020年05月13日
  • 白痴

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    戦争。
    生と死が日常に戯れる環境下で、人間は克己心の拠り所をどう置くか?

    表題作『白痴』の、伊沢と言う男の歪んだ優越感を始め、数々の乱暴で頽廃的な思想には目を覆いたくなるが、決して背けてはならない。

    ただそこに生きた炎を。
    人それぞれが燃やす権利を。

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    2020年03月30日
  • 堕落論

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    「人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ」

    政治、歴史、宗教、戦争、人格者…

    文学の極北から人間の真相を暴き、行動を分解する。

    安吾の立つ座標は限り無く寒い。それが俺の人生だ。精一杯生きる感動だ。

    薄っぺらな批評など、そ知らぬ孤高。

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    2020年03月28日
  • 桜の森の満開の下

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    深い群青色の闇夜に淡くぼうっと浮かぶ桜の花。
    春夜の冷気が頬を撫でる。一瞬で散っていく花びらに、孤独さと空虚さと。風が生暖かく変わり季節が移ろいでいく様子に、かすかな期待と終わりが無いという絶望を感じる。
    眼前に広がる圧倒的な虚無。この空虚な世界を生きていかなければならないという救いようの無い恐怖。そんな孤独の中に存在する美。孤独とは美そのものなのだ。
    たぶんそんな感じのお話。

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    2020年02月13日
  • 風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇

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    ‪語れば語るほど自分の言葉になるような。然し、表面だけの偽善的な言葉のようにも思える。‬
    ‪もっと、思考に対する時間的密度が必要なのか。‬
    ‪そして、時間を経てものになった言葉たちは果たして真実のものなのか。‬
    ‪前を向き後ろを向き、右、左、さてここは何処か。私は何処へ向かっているのか。‬
    考えれば考えるほど暗い。
    ただ然し、暗いこと、思い悩むこと、分からなくイライラすること、そんな類のものは何か次に進むための兆候があるのだろうと考え、希望は捨てず考え耽る。
    ある時、顧みると人間に近づいているのかなという自分。
    そしてまた考える。

    坂口安吾、自己との全面対決。
    その決意が読み進めると伝染し、

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    2019年09月15日
  • 堕落論

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    戦時中と戦後の日本を鋭い目で見た坂口安吾に敬意を評す。ほんとうの人間性や政治、社会のあり方まであらゆることを『堕落せよ』と説く。堕落とは人間に還ることである。個人的には本書の中で美を愛でる坂口安吾、好きだ。

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    2019年08月03日
  • 不連続殺人事件

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    ネタバレ

    安吾節炸裂!
    登場人物が騒がしく戯れている、丁々発止を読んでるだけで満足感が味わえる上に、女性陣は妖艶で淑女のようでもありいわゆるファムファタール的要素が多分に溢れているので、この異次元世界の参加者(もしくは傍観者)で交ざりたい!って想いです。
    ミステリーということで、いやはやこちらもしっかり練られていて読者挑戦物だったのも頷ける見事な仕上がり。
    世界観に騙されていたのだなぁと、確かに犯人特定のヒントは作中にしっかり表現されてるんだなぁと感心の極み。

    坂口安吾の意外な一面が盛りだくさん。時代背景が古いので多少取っつきにくいけどバリおすすめ。

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    2019年07月25日
  • 堕落論【語注付】

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    堕ちるところまで堕ちたら、あとは上がるしかないっていう。でも堕ちきるにも覚悟が必要だと。
    中途半端な堕落がいちばんダメです。

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    2019年07月07日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    実を言えば何度も読む愛読書なので、今更という感じがあるけども、記録としてあげることにした。初めて読んだのは40年くらい前の高校生の頃だった、衝撃だった。敗戦のあとの日本人としてこんな考えがあるとは思わなかった。もはや戦争が風化していた。それが突然現実味をおびた。これからも戦争を儀式としてうわつっらだけ、伝えることはあるだろう。しかしこの本(正確にはこの本をよんだのではなく、別のほんなのだが)が残る以上、戦争の醜さとそれの上で生きている現代は批判され続ける。そしてそのことが希望になっている。何回も読んで、自分を戒めている。

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    2019年03月21日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    坂口安吾は初めてちゃんと読んだ。
    どの作品もそれぞれ心に小さな石のようなものや、温かいものや、鮮烈で繊細なものを残していった。
    今まで縁がなかったので読んでこなかったが、じわじわと好きになりそうだ。

    「桜の森」の最後は美しい。

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    2018年11月07日
  • 桜の森の満開の下

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    [桜の森…]桜は本来は畏怖の対象だったというグッとくる書き出し。美しさの中にグロテスクが内包された幻想的な怪奇小説。亭主を殺された美女は、殺した山賊を尻に敷き山賊の女を殺させる。都へ移り山に戻り桜の森で鬼となり桜となる。なんとも身勝手な女と欲のままに生きた山賊。なのにどうして儚い物語になるのか。ただ或る桜の森に対して得体の知れない恐怖と耽美を感じる不朽の名作。
    [夜長姫…]「好きな物は呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。… いま私を殺したように立派な仕事をして・・・」この一文が全て。恐ろしい小説。

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    2018年06月04日
  • 堕落論 アニメカバー版

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     焦土、と言っていいだろう。家は焼け落ち、田畑は荒れて、路傍には浮浪者がうずくまる。人々は闇市に行列を作り、娼婦と孤児が夜の街を徘徊する…。どこか遠い国の話でも、マンガやラノベの話でもない。たかだか70年と少し前、他ならぬ私たちの国で、普通にみられた日常風景である。

     太平洋戦争後の混乱の中で、坂口安吾の『堕落論』は書かれた。わずか十数ページの小論文だが、そこに込められた熱量は凄まじい。「建設のために、まず破壊を」と説く過激さは狂ったテロリストのようでもあり、人間を見つめる静謐な眼差しは有徳の僧のようでもある。野蛮さと格調高さが奇跡的に融合した名文だ。

     かつては国の為に命を投げだした若者

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    2018年02月25日
  • 堕落論

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    文豪:坂口安吾とは、人間の精神がどこまでも自由であることを求め、そこに宿る真実の美しさを愛した男であったのだな

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    2018年01月08日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    甘ったるい偽善的な装飾を嫌い、徹底してものごとの奥底に光る「ホンモノ」を見つけ出そうとした文豪:坂口安吾。その格闘の軌跡。

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    2018年01月08日