坂口安吾のレビュー一覧

  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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     『白痴』など純文学の作家が書くから遊びだろうと思っていた。いやいや本格的。
     古い作品なので差別用語のオンパレード。今なら訴訟もの。しかもアクの強い登場人物がぞろぞろ出てきて覚えられない。彼等の人間関係もぐちゃぐちゃどろどろ。わけがわからん。殺された人物がどんなやつなのかもわからん。何度も挫折しそうになる。
     しかし、犯人がわかった途端、全ての人物がくっきり姿を現し、人間関係も腑に落ちる。お見事。

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    2022年04月23日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    思っていたよりアツい人でした。
    安吾作品で最初に触れたのは桜の森の満開の下で、ちょっと怖くて儚い小説に思ったので、もっとセンサイな人かと。文学に対する姿勢が本気で真摯で、生き生きとしている。
    当時の人にしては働き方に対する意識がだいぶ令和寄りなところがスゴい。使えるものは使って、労働時間削減しろとか。
    「罰当たりが血を吐きながら作る作品」に、生きている人間の文学の凄みを熱弁している。もがきながら生み出すモノが愛しいのかなと思う。(教祖の文学)
    歯が痛いという生活の中から、太宰の急逝に触れていて、悲しみがじわじわと伝わってきた。死ぬのはいつでも出来る、いつでも出来るんだからそんな事はするな、生き

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    2022年04月15日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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     作者の女性像がひしひしと伝わる話。誰かに夢中になる、嫌いになることは、周りが見えなくなるまやかしにかかっているのかもしれない。

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    2022年03月06日
  • 桜の森の満開の下

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    桜の森の満開の下
    妖術的な魅力をもつ女性に取り憑かれてしまった山賊の話。文体が綺麗な上に内容が狂気じみていて凄い。大人になってから桜を好きになるのは、儚い死を桜を通して感じることで生きることを噛み締めているからだと思ったりした。

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    2022年02月03日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    古今東西、多くの文豪たちがミステリ仕立ての小説を書いている。物語の多くが何らかの謎をはらんだものであるからそれは当然のことであり、また当人たちもミステリを書いたつもりは毛頭ないだろう。

    しかし、中にはミステリを愛し、正面から四つに取り組んだ文豪もいる。その代表的な作家といえば、福永武彦(加田怜太郎)と坂口安吾だろう。

    「不連続殺人事件」は、日本ミステリのアンソロジーが組まれる際には、十中八九、収載される名作である。複雑怪奇な人間関係、やたらと多い登場人物(しかもそれぞれにあだ名がある)にたじろぐが、最後まで読み通せば、ミステリにかけた安吾の思いを感じることができるだろう。すなわち、ミステリ

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    2022年01月29日
  • 白痴

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    安吾はミステリーしか読んだことが無かったので、本人の思想への理解を深めようと思い読んだ。戦時中の今ではあり得ない倫理観が淡々と描かれ人間の本質を炙り出す数々の物語だった。

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    2022年01月13日
  • 堕落論【語注付】

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    『堕落論』『続堕落論』を含む9つのエッセイや小説からなる本。

    坂口安吾を読んだのは初めてだが、著者についての感想は「戦前・戦中・戦後を生きたビート(北野)武」。
    皮肉・批判・ユーモア・耽美など、作品ごとに異なる多彩な才能を感じた。

    本への掲載順は時系列ではないので、以下では時系列で記載する。

    1.風博士
    1931年、25歳で発表した短編小説(?)。ミステリ調でありつつ、ユーモラスな文体。

    2.FARSEについて
    1932年発表。文学や芸術の在り方を論じたエッセイ。

    3.文学のふるさと
    1941年に発表したエッセイ。

    4.日本文化私観
    1942年発表。「高尚な文化」のみを文化と捉えず

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    2022年01月02日
  • 桜の森の満開の下

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    欲望を満たすため、居場所を探すため生きていく。怖いものは避けて通るが、好奇心には勝てず踏み込んでしまう。そこで待っているものは何か。
    歴史を振り返って見た時、世の中というものは、大きな意思で動いているのではないかと思わせられます。
    今、がどんな意思で動いているのか、考えさせられました。

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    2022年01月02日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    エッセイが読みたくなったので。終戦後、立ち直ろうとしている日本の気運に乗った作品だからか、「既成概念に反抗していくぞ!」感を強く感じた。確かに何にでも歯向かいたい当時の若者にはウケるだろうなぁという感じ。
    各エッセイで表現が重複するところが多いように感じたが、筆者の意見が一貫しているところに好感を持てた。
    有名なだけあって「青春論」と「堕落論」、「恋愛論」が面白かった

    『私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がないからで、何か、万人に適した規則が有って恋愛を割り切ることができるなら、小説などは書く要もなく、また、小説の存す

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    2021年11月23日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    坂口安吾の短編が14作収録されています。
    特に氏の代表作として一般的に著名な"風博士"、"白痴"、"桜の森の満開の下"が抑えられていて、他にも有名作、傑作が複数収録されているため氏を知るためには十全な短編集と思います。
    坂口安吾作品は時期によって、ファルスだったり、痴情作家と揶揄されたり、戦争の影響が出たり、推理小説を書き始めたりするなど、大きく移り変わります。
    "ファルスに就て"や"堕落論"、"文学のふるさと"、"余はベンメイす"などなどの評論を読んでい

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    2021年11月20日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    登場人物を覚えるのに苦労しました。
    「誰が犯人か推理してみてください、証拠をあげてトリックも全て正解した人には賞金を贈呈」と著者からの挑戦状があり、場面を自分なりに想像しながら読みました。
    その結果、違和感を覚える箇所はいくつかありましたが、あーそういう理由かぁーなるほどねぇとなるところもちらほら…自分は賞金には程遠かったようです。

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    2021年11月16日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    坂口安吾は、日本文学史上の作家として評論が代表作として取り上げられる稀有な作家です。
    本作に収録された24篇の作品はすべて氏によって書かれた評論、及びエッセイです。
    戦中戦後を通して時代を見通した、本質をついた、あるいは、感情を隠さず書き連ねられた文章が収録されています。

    作品数が多いので、一作ずつの感想は難しく、ある程度、複数作品をまとめて感想を書きました。
    各作品の感想は以下の通りです。

    ・ピエロ伝道者 / FARCEに就て...
    坂口安吾は1931年評論・"ピエロ伝道者"、翌年"FARCEに就て"を発表し、そこで、「芸術の最高形式はファルスであ

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    2021年11月08日
  • 作家と犬

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    昭和の文豪や現代の人気作家による、犬をめぐる、エッセイ、詩、漫画など48編。さすがに稀代の作家たち。どれも読ませる名文ばかり。

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    2021年10月26日
  • 白痴

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    流れるように自然で、さらさらと読んでしまう。私自身取り留めのないことを、ついつらつらと考えてしまうのだが、坂口安吾の文章はちょうどそんな感じだ。表題作よりも、青鬼の袴を洗う女が気に入った。冷めた女の目線が小気味良い。

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    2021年10月05日
  • 堕落論【語注付】

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    人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるのだ
    堕落せよ、生きよ、堕ちよ。
    人間は堕ちるとこまで堕ちて、そこから人生はつくられていく。果たして私は今まで堕ちるとこまで堕ちただろうか。人生ってなんなのさ。

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    2021年09月21日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    桜って見方を変えると何だか妖しいような感じがしますね。
    女の美しさと桜が見事に表現されてると思います。
    この男の人は結局、喰われたということなのでしょうか? 美しいものには毒があるってことなんですかね。

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    2021年09月18日
  • 堕落論

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    リアリズム。面白い。

    初めて読んだ時は衝撃だった。堕ちることを人間の本質だと受容する。堕ちるという言葉すら不釣り合いなほど、それで普通だと言われている気にもなる。そういうもんだよ、と。自分もこれでいいと思いたい時に読みたくなる。

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    2021年07月04日
  • 堕落論【語注付】

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    ネタバレ

    長い感想。

    自分が何を欲するか分かるためにはまず堕ちないといけない。けれど、堕ちぬくほど人間は強くない、という安吾の指摘。
    これを終戦後に読んだ人たちは
    なんてクールなんだ!という気持ち反面、そんな事言われても自分が何がしたいか分からないよ、なんて思ったのではないかと。
    戦争前、天皇制のもと、このように生きてください、こうすればあなたはいい国民です、こういう悪いことしたら非国民です、と導いてもらってきた日本国民。
    だけど敗戦した、では今後どう生きればいいんだろう。ここで、安吾は「いっかい堕落してみろ。そうすれば、再生できるんじゃないの?」と言いたかったのかなと思った。
    安吾のいう堕落って、自

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    2021年07月02日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    姫は耳男に足りない物を伝えたかったんでしょうか?なかなかに姫の性格がすごいです…(^_^;)話もややホラーより?
    姫は楽しんでいたのでしょうか?
    姫の気持ちがうまく汲み取れなかったのが残念…
    絵がめちゃくちゃ綺麗なのでこの評価です(⌒‐⌒)

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    2021年05月06日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    『桜』は満開で散っている花びらの美しい顔と人を飲み込む怖ろしい顔を持つ。

    『都で亭主を殺し女をさらう山賊』
    『首で遊ぶ美しい女』
    『満開に咲いた美しい一本の桜の木』
    『桜の元で鬼になった美しい女』
    美と醜の両面がテーマの一つになっている物語に、しきみさんのイラスト‼️


    短編文学×人気イラストレーター『乙女の本棚』
    イラストが純文学のイメージを凄く左右する。
    小説として読んで、画集として楽しめる魅惑の一冊。

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    2021年04月07日