坂口安吾のレビュー一覧
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ただ一言、「なんと無茶苦茶な文章なんだ」と言いたい。
初めはいくらか理路整然としていて、言いたいことをしっかり言っている。
ところが、終わりになるに連れて、何を言いたいのかわからない。酒に任せ、急いでつけたような結論。
だがそれが、人びとにこの堕落論が面白いと言わせる所以たるものなのかもしれない。わかったふうな口を利いているが、ぼくは実は何も理解してはいない。ただただ親近感が湧いている。思わず苦笑してしまうような文章。
ためになる、ならないで二分するような本ではないだろう。読むか、読まないか、ただそれだけである。人に読ませる本である以前に、これは坂口安吾が自分で書いたその証左であるだけにすぎな -
Posted by ブクログ
ネタバレ角川ではなく、富士見書房なんだけどこちらで登録。
話の空気は横溝っぽいのに、探偵は小五郎のよう、と読んでいたけど、やはり金田一に似てるダメな感じ。
犯人を自殺させちゃったり、逃がしちゃったり。
「ぼくがもっと早く気がついていれば!」(映画の金田一だけど)と言うかと思った。
勝海舟はなんで出てくるんだろう?(それを言ったら虎ノ介も花廼屋も)と思っていたけど、読者代表なのかな。勝先生が犯人を口にすると「あ、やっぱりそれじゃないんだ」と思う。
そして、犯人は外しても勝先生の一言はピリリっとくる。
「完璧なるものといえども敢えて恐るるには当たらないということは、兵法、経済等のことに於いても真相だよ -
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ぱっと美しく咲いて、あっという間に散るその潔さが
日本人にも好まれる桜の花。
あたたかくなると桜が咲き始め、
満開の桜並木や公園でお花見をしたくなりますが、
美しい桜の花には要注意です。
この小説の作者は『白痴』などでよく知られた坂口安吾さん。
『昔、鈴鹿峠の満開の桜の下を通ると、旅人はみな気が変になる』と書き、
物語はそこから始まります。
恐ろしいほど美しい桜の魔力に見せられた男性が、
拾ってきた美しい女の言うがままに、
次々と殺人を犯し略奪を繰り返します。
満開の桜の森の下に怖くて行けないことが、
この作品のなかでのキーポイントですが、
よく考えてみると、本当に美しく咲き誇っている桜っ -
Posted by ブクログ
とある田舎の猟師町。どんな患者も「肝臓病」と診たてたことから「肝臓先生」と呼ばれるようになった町医者は、肝臓病撲滅のために寝食をいとわず患者のために走りまわる。
タイトル、設定の面白さに加えて坂口安吾ときては読まずにいられない。さっそく読んでみたらやっぱり面白かった。
肝臓先生は熱い。お金のない人からはお金を取らず、どんな時でもどこにいても病気の人がいると聞けば駆けつける。風にも負けず雨にも負けず、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ。
こんなに熱く、正しく、力強く生きている男の悲劇を描いているというのに、そこかしこから漂う滑稽さは何なんだろう。褒められすぎると馬鹿にされて