坂口安吾のレビュー一覧

  • スラよみ!現代語訳名作シリーズ 堕落論

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    ①堕落論、②続堕落論、③日本文化私観、④farce(喜劇)について、⑤風博士(短編小説)の5部作からなる。
    ③は日本文化について論じ、④喜劇について論じている。
    堕落論、続堕落論は、読み手側がどう捉えるか、又は何度か読む事で解釈が変わりそう。
    自分は生きるエネルギーを感じた。必死に、全力で生きていない事の恥じらいを感じた。
    NHKテキスト100分de名著の解説を併せて読みたい。

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    2023年05月13日
  • 堕落論

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     堕落論について卒業論文を書いた。
     戦前、戦時中の日本にとっての天皇制や武士道の精神は日本の体裁上必要なものであり、それらを高貴なものとしてその姿勢を守り続けていくことで支配のバランスを保っていたともいえる。ある意味日本で大事にされてきた決まり事を守って、自分たちはしっかりやれている。と、既存の物に頼りきりで堕落するのではなく、そのバランスを崩し「自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすために」は、自分自身を再発見する必要がある。
     戦後の混乱している社会の中に身を置いて自分自身を見つめ直すこと。それこそが安吾の唱える「堕落」なのだと考えた。

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    2023年04月22日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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     1947(昭和22)年から1948(昭和23)年に連載された、坂口安吾の本格推理小説。
     学生の頃、安吾の初期小説やエッセイにはまっていたのだが、ちくま文庫の坂口安吾全集が絶版になってしまったため、より後年の著作は読んでいない。
     坂口安吾はミステリを読むのが大好きで、犯人当て推理なんぞも楽しんでいたそうだ。そんなミステリ好きが書いた、本当にミステリらしいミステリとなっている。
     冒頭の1章が長く、ここに大量の登場人物が次々に登場して辟易させられる。そして、その人物たちの無軌道な性の乱脈ぶりや、互いに攻撃し合う猛々しさに驚く。なんだか凄まじい世界を描いている。安吾、暴れているなあ。
     私のメモリー回路のキャパを遙かに上回る大量の人物たちとその人間関係に幾らか混乱させられたが、途中から次々と殺されてゆく。ここでは何と8人もの殺人が起きている。そのへんもちょっと事件が多すぎる嫌いがあり、最後の解決編は、果たしてこれで全部解決したのだったかな?と、心配になった。
     読んで面白い小説ではあるし、安吾がこんなのを書いたということ自体も面白いと言えるだろう。

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    2023年03月07日
  • 白痴

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    6冊目『白痴』(坂口安吾 著、1948年12月、1996年6月 改版、新潮社)
    坂口安吾の代表作「白痴」を含む、全7編が収録された短編集。
    全ての作品に共通して描かれるのは堕落と肉欲。
    人間の生の本質を、男女のまぐわいを通して描き出そうとする安吾。明確な答えを読者に提示するタイプの小説は一つとしてない。執筆をしながら作者本人が自問自答を繰り返し、その答えを探求しているかのような印象を受ける作品が揃っている。

    「火も爆弾も忘れて、おい俺達二人の一生の道はな、いつもこの道なのだよ」

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    2023年02月12日
  • 白痴

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    大東亜戦争末期、敗戦直後の作品ならではの退廃感に満ちた作品群。 『堕落論』の実践、と言われる小説のようだが、堕落論を読んでいてもよく分からないところが多く、少々ぶっ飛んだ感ある。

    表題作の「白痴」では、ブラックジャックの「白痴」の回を思い出した。小学生の時に「白痴」ということばをそのとき初めて聞いたので。

    人間は堕落する生き物である、というよりは、楽をしたいプログラムが埋め込まれているから省エネで餓死せずに生き残ってきたのだろうとおもう。

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    2023年01月24日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    アニメun-goの原作ということで読んでみました。
    以前にも堕落論など安吾作品に触れてきましたが、本作は安吾なりの時代風刺がとても面白く読めました。
    また、推理小説としてもおもしろく。とてもフランクに推理を楽しむことができるのも魅力的でした。
    ただ、「石の下」に関してはよく理解できなかったのが残念でした…
    個人的には「時計館の秘密」が好きな話でした。

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    2023年01月23日
  • 白痴

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    長らく積みっぱなしだったものより。積読崩しの一環として。坂口安吾ってやっぱ人としてどうかしてる(ここでは誉め言葉として使う)んだろうけど、だからこそこういう文章を書くんだろうなと。

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    2023年01月20日
  • 堕落論

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    本書に収録されている「戦争論」などを読むと、坂口安吾は確かに戦争を厭う人だったのだろう。「兵器の魔力が空想の限界を超すに至って……もはや、戦争はやるべきではない」とある。世界単一国家などの概念は私も賛同する。しかし、「戦争の果たした効能」を是とするあたり、読んでて苦々しく思わずにいられない。「特攻隊に捧ぐ」で特攻隊を「可憐な花」であると讃美し、「愛国殉国の情熱」を偉大と見るあたり、読んでいて薄ら寒くなる。本書には興味深い論考やエッセイも多いだけに(論旨が読み取れないエッセイもあるが)、戦争関連の項が持つ欠点が惜しい。

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    2023年01月03日
  • 肝臓先生

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    身体を売りながら逞しく生きる女を描いた「行雲流水」がお話としては一番わかりやすい。

    表題作の「肝臓先生」は名医なのか藪医者なのかいまいち分からなったが、仁徳を慕われていたのは確かのようで、散り際も美しかった。

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    2022年12月14日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    舞台設定は非常に好みだったが、やたらに屋敷の構造が複雑なのと、登場人物も多く、入り込んでいくのに苦労した(文体が現代風でなかったのもある)。
    純粋に犯人当てを楽しむことができてよかったが、真相については個人的にはあまり興奮するものではなかった。
    緻密に作り込まれている点は本当にすごいと思う。

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    2022年12月11日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    なかなか読めずにいた坂口安吾の作品。面白かったです(^^)内容を理解出来ていたのかと問われれば理解出来てはいないような気がするのですが、物語としてはすんなりと頭に入ってきて、おどろおどろしい感じもして、ぐいぐいーっと引き込まれました!(漠然としたレビュー)

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    2022年10月13日
  • 堕落論

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    この一、二ヶ月、私は堕落している。元々、社会的ポジションなど無かったのだから、内々で堕落している。ほんの数ヶ月前、長年続いた精神的肉体的拘束が、突然無くなり、日常生活に制約が無くなった。(介護生活だけどね)どーしたものかと省みても、堕落中。
    安吾さんは、おっしゃる。人間だから堕ちるんだ。俗物なんですよ。
    堕落するとは、自分に正直に生きること。そして、それは、人間復活の条件になること。
    敗戦後の堕落中の日本人に、肯定的堕落論ですよ。
    そして、堕ち続けるのも、鋼のメンタルが必要で、永遠に堕ち続ける事はできないと。堕ち切って自分自身を発見して、自分で救わないといけませんって。それでは、しばらくは、堕落させていただきます。

    新潮文庫は、一冊まるごと、17作評論と無頼派的?エッセイ。坂口安吾さんは小説面白いのが沢山あるので、私みたいな評論苦手読者には、混ぜて貰えると読みやすいのだけど。貸出期間ギリギリまで眺めてたけれど、スッキリわかるわけもなく。

    「教祖の文学」は、小林秀雄さんについて。教祖って言ってしまう時点で、仲良しだったのか心配になってしまう。あの文章からは考えられない酒豪ですよ、酒の失敗もありますよ。なんて感じの事も書いてありました。

    「太宰治情死考」は、追悼文というか、弔辞かという趣。安吾さんは、情死を認めてないようですね。好きな女であったなら、その女を書くために生きるはずだ、と。
    最後は、悪あがきだから、いたわって休ませてと。
    そこはかとない悲しさがありました。

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    2022年10月05日
  • 人間・歴史・風土 坂口安吾エッセイ選

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    坂口安吾氏(1906年生まれ)は日本史の「謎」を探求し続けた文学者であり歴史家。それは「異端の日本史」にあるように日本は疑史、偽史の類の捏造された文献が多くあることから探究心旺盛な人だったとある。文中にある伊勢神宮、天皇系絵図、聖徳太子など歴史を紐解く「古事記」「日本書紀」「風土記」「万葉集」「台記」「玉葉」などの文献からのもので疎い私には理解できない事柄が多く割愛です。が、気になったのが隠れキリシタンのその後、埼玉県の入間郡高麗神社など先祖は朝鮮半島からの今でいう移民の人たちだったのも興味深いものがあった。

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    2022年09月04日
  • 不連続殺人事件

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    坂口安吾さんの作品は初…これから読んでいいのだろうか?

    クセのある人達が都会から離れた邸宅に集い、殺人事件に巻き込まれていく。数ページ読んだ時点で二十人近くの人が出てきて、関係が嫌らしく絡み合っている。

    人の関係が乱れ過ぎているので、そこだけで読む人を選ぶと思う。
    上記で書いた通り人が多いのだが、個々の人を最後までどんな人なのかわからないまま深く掘り下げないまま終わるのも辛い。

    読んでいてやはり「犯人当てゲーム」という印象が強くなる。(それはそういう作品なので仕方がないとは思うのですが)
    ちょっと体調不良が続く中での読書だったため、頭も働かず馴染めぬまま読み終えてしまった。推理モノはやはり肌に合わないのかもしれない。読んだ時に本筋のトリックよりも余分な描写(たまにトリックに紐づくケースもある)に目がいってしまう。

    作者の位置付けからして、大きく話題になった作品であること、推理小説に対する想いから生まれた探偵像など解説を読んでようやくちゃんと理解したような気がする。

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    2022年08月25日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

    半年くらいかけて読んだ。
    中盤からの展開は早いが、それまではほとんど人物紹介みたいなもので読みやすくはない。
    登場人物が一クラス分くらいいて、そのうえ関係が複雑なので訳が分からなくなるが、そこまで覚えてなくても読める。
    マトモな登場人物はほぼいないので自分の倫理観をなくして読んだ方がいい。
    サスペンスの色合いは薄く、犯人当て小説としての割合が強い。
    ハラハラするようなミステリーが好きという方にはあまりオススメしないが、SPIの論理的思考などが好きな方にはいいかもしれない。
    個人的には微妙でした。

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    2022年08月22日
  • 桜の森の満開の下

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    寓話物なら表題作の「桜の森の満開の下」よりも「夜長姫と耳男」の方が断然良かった。設定もセリフも気迫が満ちていて読んでいて心地よい。

    「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして・・・」
     
    歴史物なら「二流の人」という黒田如水の話が良かった。上杉謙信→直江兼続→真田幸村の系統が「横からとびだしてピンタをくらわせてやろう」という「風流人で、通人で、その上戦争狂」という分類がなるほど。これも主題とは関係ないが、豊臣秀吉が甥の秀次を殺して自分も死ぬまでの狂って堕ちていく描き方が迫力があった。

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    2022年06月12日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    まず、続編は12話、600ページのボリュームに圧倒された。前巻より新十郎さんや勝先生の出番は少なくなり、また、時代背景もあるが、同じくグロテスクな表現は多用されている。好き嫌いはあるが、私は、冷笑鬼、ロッテンナム美人術、赤罠、トンビ男は、先が気になる面白い話だった。

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    2022年03月01日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    ドラマを見て、原作を読んでみたが、ドラマはあまり原作に忠実ではなかった。1話で一つの事件が解決するので、昔の言葉でも意外と楽しく読めた。最後にお決まりの新十郎さんが解決して完結だが、それほど凝った謎解きではなかったように思う。

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    2022年02月22日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    2冊目『不連続殺人事件』(坂口安吾 著、2018年9月、新潮社) 1947年から48年にかけて雑誌「日本小説」に掲載された、名作と名高いミステリーの古典。ストーリーテリングよりも犯人当てゲームとしての側面を強く押し出した一作。犯人と殺害方法をピタリと当てた読者に、著者自らが実費で賞金をプレゼントするという趣向には、豪放磊落な安吾らしさを感じずにはいられない。 同時収録されている短編「アンゴウ」は、感涙必至の超名作。 「十八カラットのダイヤかなんか差上げたいが、ないからダメです。」

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    2022年01月21日
  • 白痴

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    戦時中の描写が多く後半のほうで書かれていた。このようなところから、当時の戦争の様子が垣間見え、知ることができた。
    この小説は正直よくわからなかったけど、小説の中の中心的な人物たちは淡々としている印象だった、どこか冷めたような感じがした。ただただ現実を見ている。
    窮すれば通ず、ピンチな時でも、焦らず、ただそのときの現実を受け入れ、淡々とした精神でいるもでも良いと思った。
    一番最後の青鬼の褌を洗う女の話が気に入った。どこか冷め感じ、淡々としている。

    戦争のよる腐敗した様子をイメージした。終戦したと同時に期待もあったと、、

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    2022年01月06日