坂口安吾のレビュー一覧

  • 堕落論 アニメカバー版

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    やはり時代が違うので、中々についていけない部分もあるけれど堕ちきった先に新しい何かが見えてくるというものはある意味普遍的な考え方でもあるし、今の時代にも何かが見えてくるのではないかという気もする。
    太宰の下りは、この人は本当に彼のことを好いていたのだなとわかる胸にじんわりとくる文章だった。

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    2017年01月07日
  • 肝臓先生

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    魔の退屈
    堕落論につながる思索的随筆。

    私は海をだきしめていたい
    珠玉。
    しかし本書の中では浮いている。
    やはり理想的な並びというもよがあるのた。

    ジロリの女
    ジロリタイプの女にマゴコロで尽くしものにしたいという男の小説。
    ラストで俄かに罪と罰式の展開になるが、
    もとは自意識過剰に悩まされた男の話と見るべきだろう。

    行雲流水
    女のお尻が行雲流水する。
    憎んだ女の頭を坊主にする怨念。
    これはコント。しょーもなー。

    肝臓先生
    モデルがいたのね。

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    2016年08月26日
  • 堕落論【語注付】

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    安吾の随筆は韜晦的というか、安吾が裡に持っているであろうものをこれぞとすぐ曝け出してくれないもどかしさを感じる。これだけ饒舌に語ってくれているのにそう感じるのは、私の理解力が乏しいのと、「〜は、〜だ。」という断定ではなく「〜は、〜ではない。」という否定の印象が強いせいだと思うけど。
    何か私個人にとってもとても大事なことを言ってくれている気はする。ただどうも杳として掴めない。くやしい。いつかまた安吾に戻る時にはもう少し確かな感触を得たい。

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    2016年06月14日
  • 風と光と二十の私と

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    【坂口安吾の教師だった1年を語る】
    安吾が小説家になる前に、教師だった1年がある。その時の話である。

    特別濃い内容ではない。彼が1年という短い教員生活を振り返り、自分自身でないような、思い出す度に嘘のような変に白々しい気持がするという彼の気持が書いてある。

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    2016年02月29日
  • 堕落論

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    ネタバレ

    はるか昔に友人に勧められた本。ようやく読めた……!
    「田舎暮らしって憧れのように語られるけど、ふたをあけたら全然そんなことないからね!」みたいな文章に凄く共感……。

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    2015年09月05日
  • 堕落論【語注付】

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    アナーキー?ただただ饒舌です。

    乱暴な文かと思いましたが、しっかり整合が取れていて愛も感じます。

    桜の話は食欲なくすくらい気持ち悪いですが、最後が儚いというかなんというか、美しさも感じるようなお話です。
    作中で仰っていたのはこういうことなのか?

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    2015年04月28日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    同じ新潟県民として1つくらい坂口安吾作品読んでおこうと思い読んでみました。
    思っていた以上に面白いですね。他の作家とかに言及しているところが特に。

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    2014年11月30日
  • 白痴

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    ネタバレ

    『全てがなんて退屈なんだろう、だけど、何故、なつかしい』

    坂口安吾を読む女に碌な人はいないので目安にすればいいと思う。太宰治好きは自己顕示欲の強い女、芥川龍之介が好きな女は頭でっかちなだけの無知なのであしからず。そもそも、本を読んでるような女は表面は涼しそうな顔していても大概地雷なので、避けて通ったほうが良い。

    坂口安吾はアウトローだったのか。私には分からないけれど、彼の言う堕落論は常に私の傍でトグロを巻いている。それは、見ているだけで痛々しく醜く、苦しくて辛いものだ。

    彼はいずこへ。

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    2024年01月07日
  • 肝臓先生

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    ネタバレ

    5編収録の短編集。これといって特に共通するテーマもなく、これといって特にオチもなく、全編主人公の男がうだうだ語るという体なんだけど、冒頭から読者を引き込む語り口の妙味が素晴らしい。ただし、表題作の「肝臓先生」だけは例外で、これはストーリィ、展開、オチ、キャラクタ全てが優れている。今でいう舞城王太郎を豊富とさせる突っ走り文体で語れる肝臓先生の虚実入り混じった(虚はないのか?)逸話は感涙むせび泣くこと必至というのはもちろん言い過ぎだ。伊東市に行ったら、肝臓石を探してみようと思う。それと「行雲流水」もアホらしくて好きだ。

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    2014年07月10日
  • 我鬼

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    歴史心理小説

    秀吉と秀次の、兄弟の確執を描写した作品。物理的なアクションでなく、心理描写にかなりの重点が置かれている。説得力はそれなりにあるが、面白いかと言われると微妙。論理は安吾流だが、筆力がイマイチ、という感じかな。

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    2014年07月07日
  • 明治開化 安吾捕物 その三 魔教の怪

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    UN-GOの「因果論」の

    原案となった話である。宗教否定という安吾定番のテーマで、実に楽しげに、怪奇趣味で飾り立てて書いているが、少々竜頭蛇尾の感がある。恐らく紙数の関係上であろうが、犯人逮捕の場が直接描写されないのは、興醒めと言わざるを得ない。

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    2014年06月24日
  • 白痴・二流の人

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    『奇才坂口安吾は中二病だったのか』

    坂口安吾の作品について私ごときが語るのは烏滸がましいが、坂口安吾の描く女子が大変好みである。強く、弱く、慎ましく、我が儘で、なによりとても賢い。自我の探求に厳しく、他人の干渉を嫌い、世間と言うものを知らず恐れず、こんな女子が現実にいたら、背筋の凍るような美女であろうと思う。

    何度読み返しても、坂口安吾の作品に飲まれてしまう。色の違う八編だが坂口安吾を始めるには一番読みやすいのではないか。

    4/172

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    2014年04月22日
  • 桜の森の満開の下

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    独特の世界を持つ短編集。
     桜の花に思うことは、人によっても、時によってもさまざま。寓話のような、ホラーのような表題作は、この季節になると思い出す幻想的なおはなし。

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    2014年04月04日
  • 肝臓先生

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     わかる部分とわからない部分、共感できる部分と共感できない部分が多い。また、俺はあまり文学作品を楽しめない人間だけれど、感じるところは多かった。
     作中に多くあった男女についての考えは、強く印象に残った。自分のことを考えるなら。恋人との肉欲に溺れた経験がなく、ゆきずりみたいな経験しかない自分の歪みを自覚していた。けれど、坂口安吾を読むとそれを歪みと感じるのは、俺の勘違いなのかもと思う。普通の幸せを知らないことを、俺はひどく不幸だと思っているんだろう。
    「その程度の差異で」と言われた気がする。人間の歪みとは何なのか、自分にとって重い、通常とされるものとの差異を歪みというのは、中二病の名残でしかな

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    2013年09月05日
  • 堕落論

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    坂口安吾の名小論集。今でいえばコラム集と言ったところか。戦争が終わり、生き残った人々がなお生きなければならぬというところで、刹那的なニヒリズム風の物言いで裸になって堕落しろ、すなわち旧来の美徳や道徳を捨て心の赴くまま生きよと主張する。
    マンデヴィルばりの私悪は公益論というわけではなく、イエーリングばりの権利論でもない。もっとざっくりと、第一の戦後の当時を生きた人々の心をうまく言葉に落とし込んだものである。ただの読み物としてはそれなりだが、そのようなコンテクストから読むと見えてくるものがある。

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    2012年04月26日
  • 木枯の酒倉から・風博士

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    ネタバレ

    ・木枯の酒倉から
    ・風博士
    ・黒谷村
    ・海の霧
    ・霓博士の廃頽
    ・竹藪の家
    ・群衆の人
    ・Pierre  Philosophale
    ・村のひと騒ぎ
    ・姦淫に寄す
    ・金談にからます詩的要素の神秘性に就て
    ・逃げたい心
    ・朴水の婚礼

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    2012年04月20日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    読むのにやたら時間がかかってしまった。12のエッセイが収録されているが、全篇通してくだけた文体で真正面から問題と向き合っている感じがした。著者が言いたいのはつまり、人間不在の文化なんて何の意味もないという、普通と言えば普通のこと。でもそれができないのが今の悪いところだなぁという話でしょうか。「今」って今なのがやっぱりすごいところ。でも個人的には太宰治論が一番興味深かった。お酒の話になるとほんとに飲んでるみたいな文体になるのはやっぱ本当に飲んでたんだろうかwすごく好き。

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    2016年01月17日
  • 白痴・二流の人

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    二流の人とは、戦国時代の奇才軍師・黒田如水のことです。彼ほどの才能をもった人物がなぜ二流なのか、二流だったのか。それを無頼派の坂口安吾が解き明かします。

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    2011年07月03日
  • 肝臓先生

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    安吾なりの男の無骨さを書きたかったのだろう。正直僕は他の作品より評価は低いが、実際のおちゃらけ安吾より、きれいな男性像が出ている。赤城先生の人生に乾杯!

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    2011年05月07日
  • 桜の森の満開の下

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    坂口安吾の「物語・歴史小説世界」の短編集。中でも題名となっている「桜の森の満開の下」の短編は、今の時期に読むにはピッタリ。怪しいほどに美しい満開の桜…、美しいをとおりこし恐怖さえ覚える風景に盗賊と鬼の化身の美女を登場させ、不思議な世界を作り出しています。読書の後は、桜を見てはかない想いを感じるかもしれません。

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    2017年11月09日