白痴

白痴

539円 (税込)

2pt

白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める。

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白痴 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    登場人物は、男女の肉体関係を、浮気を、戦争を愛する。それが正しいかどうかよりも、そういった小説のフィクション性が、現実の輪郭を際立たせること。というかなんなら「現実はフィクションを含む」ことを思い知らされる。

    0
    2023年03月24日

    Posted by ブクログ

    「堕落論」などのエッセイを読んでから小説を読んだ。坂口安吾がどんな考え方をする人なのか大体分かった状態で読んだので面白く感じた。どの話も彼自身の哲学が反映されていて、ここまで一貫に徹して己を曝け出している人も珍しいんじゃないかと思う。何か一つのゴールを見据えている感じがすごく伝わる。
    また、文体も肌

    0
    2023年03月03日

    Posted by ブクログ

    戦争。
    生と死が日常に戯れる環境下で、人間は克己心の拠り所をどう置くか?

    表題作『白痴』の、伊沢と言う男の歪んだ優越感を始め、数々の乱暴で頽廃的な思想には目を覆いたくなるが、決して背けてはならない。

    ただそこに生きた炎を。
    人それぞれが燃やす権利を。

    0
    2020年03月30日

    Posted by ブクログ

    哲学とか思想というとあいまいで
    ファッションとか姿勢というほうがよりちかい
    在り様ひとつのありかたとしてあこがれる向きの多い立ち方
    それを短い文章でかつある程度の時代を越えてあり続け差閉めていることについて
    文句なしの作品

    0
    2018年12月09日

    Posted by ブクログ

    当たり前だけど戦争がこの時代の文豪に与えた影響では計り知れないなあと
    世界が終わるかもしれないという恐怖とある種の期待のようなもの、、これって三島が感じていたのと同じだとおもった。

    0
    2018年04月08日

    Posted by ブクログ

    引用 頁六一〜 

    「私はあなたを嫌っているのではない、人間の愛情の表現は決して肉体のものではなく、人間の最後の住みかはふるさとで、あなたはいわばそのふるさとの住民のようなものだから、などと伊沢も始めは妙にしかめつらしくそんなことも言いかけてはみたが、もとよりそれが通じるわけではないのだし、いったい

    0
    2018年03月22日

    Posted by ブクログ

    戦中・戦後の退廃した世の中をすこぶる美しく描いている。モノクロの映画のように、淡々と。ゆったりと。堕落した生活から、何をみるのか。何を感ずるのか。

    0
    2015年06月09日

    Posted by ブクログ

    自分に重ねて、主人公の反省がまるで自分のように感じるのを楽しんだ。欲情に埋もれる過程が生々しくも表現され、それが別れを際立たせる。

    0
    2024年10月05日

    Posted by ブクログ

    戦争時代でのお話で、主人公の感情変化や周りの人々の人間的生々しさがひしひしと伝わる物語でした。戦争時の環境やそこでの人々の感情といい、戦争についてとても考えさせられ、爆弾が降り注ぐ街、生死を彷徨う中、主人公の感情に移入し手に汗握る思い出読み切りました。

    0
    2024年07月26日

    Posted by ブクログ

    特に青鬼の褌を洗う女ですが
    一応奥様がモデルとされていますが
    可愛くってしょうがない感じが
    にじみ出ております
    ひねくれた溺愛が心をくすぐりました

    戦争のさなか
    馬鹿々々しさや絶望があっても
    しっかり生きている感じ
    白痴や女性に対する
    憎悪や嫌悪があっても
    それは自分の怒りの投影であり
    そのなかで

    0
    2023年03月09日

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