坂口安吾のレビュー一覧

  • 白痴

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    ハンチバックの市川沙央氏が対談でおすすめしていた。情欲や愛情、戦中前後の暮らしぶりや人間模様、生き様が新鮮だった。

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    2023年11月14日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    女が美しすぎるだけでも十分なのに、ふっくらとツヤのある透きとおる声。これはもう間違いなく、目も魂も吸い寄せられてまう。

    個人的には夜長姫の方が好みだが、今回の女もなかなかやってくれていた。

    怖れの心になじみがなく、羞じる心にも馴れていない。苦笑という意地の悪い笑いも知らなかった男が、女によって蝕まれていく様子にはゾクゾクっとした。挿絵の女の表情の変化にもホラー感増々。

    一度は女を殺そうとしながら、殺さずに背負って山に帰る男。しかし…
    不可解で、不協和音的な終わり方が、この物語の救いになっているような気がした。

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    2023年10月12日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    鈴鹿峠に住む山賊は、新しいたいそう美しい女房をさらってきた。彼女は彼のことを恐れないばかりか、わがままを言い、そして……。

    桜の森の満開の下で人は狂わされる。
    なかなか残酷でグロテスクな物語だった。

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    2023年07月01日
  • 堕落論

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     堕落論について卒業論文を書いた。
     戦前、戦時中の日本にとっての天皇制や武士道の精神は日本の体裁上必要なものであり、それらを高貴なものとしてその姿勢を守り続けていくことで支配のバランスを保っていたともいえる。ある意味日本で大事にされてきた決まり事を守って、自分たちはしっかりやれている。と、既存の物に頼りきりで堕落するのではなく、そのバランスを崩し「自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすために」は、自分自身を再発見する必要がある。
     戦後の混乱している社会の中に身を置いて自分自身を見つめ直すこと。それこそが安吾の唱える「堕落」なのだと考えた。

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    2023年04月22日
  • 白痴

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    6冊目『白痴』(坂口安吾 著、1948年12月、1996年6月 改版、新潮社)
    坂口安吾の代表作「白痴」を含む、全7編が収録された短編集。
    全ての作品に共通して描かれるのは堕落と肉欲。
    人間の生の本質を、男女のまぐわいを通して描き出そうとする安吾。明確な答えを読者に提示するタイプの小説は一つとしてない。執筆をしながら作者本人が自問自答を繰り返し、その答えを探求しているかのような印象を受ける作品が揃っている。

    「火も爆弾も忘れて、おい俺達二人の一生の道はな、いつもこの道なのだよ」

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    2023年02月12日
  • 白痴

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    大東亜戦争末期、敗戦直後の作品ならではの退廃感に満ちた作品群。 『堕落論』の実践、と言われる小説のようだが、堕落論を読んでいてもよく分からないところが多く、少々ぶっ飛んだ感ある。

    表題作の「白痴」では、ブラックジャックの「白痴」の回を思い出した。小学生の時に「白痴」ということばをそのとき初めて聞いたので。

    人間は堕落する生き物である、というよりは、楽をしたいプログラムが埋め込まれているから省エネで餓死せずに生き残ってきたのだろうとおもう。

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    2023年01月24日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    アニメun-goの原作ということで読んでみました。
    以前にも堕落論など安吾作品に触れてきましたが、本作は安吾なりの時代風刺がとても面白く読めました。
    また、推理小説としてもおもしろく。とてもフランクに推理を楽しむことができるのも魅力的でした。
    ただ、「石の下」に関してはよく理解できなかったのが残念でした…
    個人的には「時計館の秘密」が好きな話でした。

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    2023年01月23日
  • 白痴

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    長らく積みっぱなしだったものより。積読崩しの一環として。坂口安吾ってやっぱ人としてどうかしてる(ここでは誉め言葉として使う)んだろうけど、だからこそこういう文章を書くんだろうなと。

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    2023年01月20日
  • 堕落論

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    本書に収録されている「戦争論」などを読むと、坂口安吾は確かに戦争を厭う人だったのだろう。「兵器の魔力が空想の限界を超すに至って……もはや、戦争はやるべきではない」とある。世界単一国家などの概念は私も賛同する。しかし、「戦争の果たした効能」を是とするあたり、読んでて苦々しく思わずにいられない。「特攻隊に捧ぐ」で特攻隊を「可憐な花」であると讃美し、「愛国殉国の情熱」を偉大と見るあたり、読んでいて薄ら寒くなる。本書には興味深い論考やエッセイも多いだけに(論旨が読み取れないエッセイもあるが)、戦争関連の項が持つ欠点が惜しい。

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    2023年01月03日
  • 肝臓先生

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    身体を売りながら逞しく生きる女を描いた「行雲流水」がお話としては一番わかりやすい。

    表題作の「肝臓先生」は名医なのか藪医者なのかいまいち分からなったが、仁徳を慕われていたのは確かのようで、散り際も美しかった。

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    2022年12月14日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    なかなか読めずにいた坂口安吾の作品。面白かったです(^^)内容を理解出来ていたのかと問われれば理解出来てはいないような気がするのですが、物語としてはすんなりと頭に入ってきて、おどろおどろしい感じもして、ぐいぐいーっと引き込まれました!(漠然としたレビュー)

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    2022年10月13日
  • 堕落論

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    この一、二ヶ月、私は堕落している。元々、社会的ポジションなど無かったのだから、内々で堕落している。ほんの数ヶ月前、長年続いた精神的肉体的拘束が、突然無くなり、日常生活に制約が無くなった。(介護生活だけどね)どーしたものかと省みても、堕落中。
    安吾さんは、おっしゃる。人間だから堕ちるんだ。俗物なんですよ。
    堕落するとは、自分に正直に生きること。そして、それは、人間復活の条件になること。
    敗戦後の堕落中の日本人に、肯定的堕落論ですよ。
    そして、堕ち続けるのも、鋼のメンタルが必要で、永遠に堕ち続ける事はできないと。堕ち切って自分自身を発見して、自分で救わないといけませんって。それでは、しばらくは、堕

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    2022年10月05日
  • 人間・歴史・風土 坂口安吾エッセイ選

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    坂口安吾氏(1906年生まれ)は日本史の「謎」を探求し続けた文学者であり歴史家。それは「異端の日本史」にあるように日本は疑史、偽史の類の捏造された文献が多くあることから探究心旺盛な人だったとある。文中にある伊勢神宮、天皇系絵図、聖徳太子など歴史を紐解く「古事記」「日本書紀」「風土記」「万葉集」「台記」「玉葉」などの文献からのもので疎い私には理解できない事柄が多く割愛です。が、気になったのが隠れキリシタンのその後、埼玉県の入間郡高麗神社など先祖は朝鮮半島からの今でいう移民の人たちだったのも興味深いものがあった。

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    2022年09月04日
  • 不連続殺人事件

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    坂口安吾さんの作品は初…これから読んでいいのだろうか?

    クセのある人達が都会から離れた邸宅に集い、殺人事件に巻き込まれていく。数ページ読んだ時点で二十人近くの人が出てきて、関係が嫌らしく絡み合っている。

    人の関係が乱れ過ぎているので、そこだけで読む人を選ぶと思う。
    上記で書いた通り人が多いのだが、個々の人を最後までどんな人なのかわからないまま深く掘り下げないまま終わるのも辛い。

    読んでいてやはり「犯人当てゲーム」という印象が強くなる。(それはそういう作品なので仕方がないとは思うのですが)
    ちょっと体調不良が続く中での読書だったため、頭も働かず馴染めぬまま読み終えてしまった。推理モノはやは

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    2022年08月25日
  • 桜の森の満開の下

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    寓話物なら表題作の「桜の森の満開の下」よりも「夜長姫と耳男」の方が断然良かった。設定もセリフも気迫が満ちていて読んでいて心地よい。

    「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天井に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして・・・」
     
    歴史物なら「二流の人」という黒田如水の話が良かった。上杉謙信→直江兼続→真田幸村の系統が「横からとびだしてピンタをくらわせてやろう」という「風流人で、通人で、その上戦争狂」という分類がなるほど。これも主題とは関係ないが、豊臣秀吉が甥の秀次を殺して自分も

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    2022年06月12日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    まず、続編は12話、600ページのボリュームに圧倒された。前巻より新十郎さんや勝先生の出番は少なくなり、また、時代背景もあるが、同じくグロテスクな表現は多用されている。好き嫌いはあるが、私は、冷笑鬼、ロッテンナム美人術、赤罠、トンビ男は、先が気になる面白い話だった。

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    2022年03月01日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    ドラマを見て、原作を読んでみたが、ドラマはあまり原作に忠実ではなかった。1話で一つの事件が解決するので、昔の言葉でも意外と楽しく読めた。最後にお決まりの新十郎さんが解決して完結だが、それほど凝った謎解きではなかったように思う。

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    2022年02月22日
  • 白痴

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    戦時中の描写が多く後半のほうで書かれていた。このようなところから、当時の戦争の様子が垣間見え、知ることができた。
    この小説は正直よくわからなかったけど、小説の中の中心的な人物たちは淡々としている印象だった、どこか冷めたような感じがした。ただただ現実を見ている。
    窮すれば通ず、ピンチな時でも、焦らず、ただそのときの現実を受け入れ、淡々とした精神でいるもでも良いと思った。
    一番最後の青鬼の褌を洗う女の話が気に入った。どこか冷め感じ、淡々としている。

    戦争のよる腐敗した様子をイメージした。終戦したと同時に期待もあったと、、

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    2022年01月06日
  • 堕落論【語注付】

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    ●最後

    人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。 戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。人間は結局処女を刺殺せずにはいられず、武士道をあみださずにはいられず、天皇を担ぎださずにはいられなくなるであろう。だが他人の処女でなしに

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    2021年12月29日
  • 白痴

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    甘美であるが、腐っている。腐っているから、隠している。隠しているけど、持っている。
    そんな心持ちになる一冊でした。

    「いずこへ」で、スタンドの女性と関係でも持とうかというシーンで、なぜか痴人の愛のダンスホール帰りの電車を思い出しました。
    誰かに対して悪罵を浴びさせたいような、この世の不出来を蔑みたいような、そんな気持ちだったのかと考えてしまいました。

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    2021年12月18日