坂口安吾のレビュー一覧

  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    坂口安吾(1906-1955)の代表的な評論を収録したもの。安吾は「生きる」ということに対して常に誠実であろうとした、という強い印象を受ける。「生きる」ことの根底にある人間の絶対的な孤独や哀しみから眼を逸らそうとする欺瞞的態度に徹底的に抗おうとする、安吾の精力の甚だしさを感じさせる。

    □ 無意味

    意味には、それを意味として成立させるために、ある特定の方向、傾斜、偏り、限定、則ち文脈が、前提されている。そこには、身体によって条件づけられた存在である人間の下部構造が、反映されているのだろう。この文脈によって、ある特定の目的や効用が方向づけられる。この目的や効用によって、一切は評価され位階化され

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    2022年12月11日
  • 不連続殺人事件

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    現在の「推理作家協会賞」の前身にあたる「探偵作家クラブ賞」第二回受賞作品。

    名前だけは知っている「傑作」は一通り読んでおこうと思って、手に取った。

    犯人も動機も犯行手順も全く想像外。

    作中の探偵が「心理の足跡」と呼ぶ、推理のキッカケとなる点は、指摘を受けた後だと、なんで気付かなかったんだろう、と思うくらいシンプルな手掛かりだった。

    戦後僅か2年で、こういう作品が世に出た、という点も意外だった。

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    2022年12月04日
  • 不連続殺人事件

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    とてもよくできた推理小説だった。公募形式で犯人と推理の過程を募るという趣向も面白い。
    でも正直に言うと、登場人物が多すぎて、誰が何を話してどういう動きをしているのかよく分からなくなってしまい、推理に参加するどころではなかった。
    あと、現在ではとても受け入れられない表現や人物描写ばかりだった。

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    2022年11月28日
  • 不連続殺人事件

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    山奥の屋敷で殺人事件が起こる。
    犯人に目処がつかず動機も定かでは無い。
    坂口安吾の本格推理小説です。
    純粋に面白かった。
    この時代の方々が残した話しはよくできていて、興味深いものが多いです。
    小説は楽しい。

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    2022年11月25日
  • 不連続殺人事件

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    次々に人が死んでいくのに全然緊張感が無くてコメディかと思った
    最後まで全然犯人が分からなくて悔しかった
    人もいっぱい出てくるからてんてこまいだったけど面白かった
    安吾が「推理小説」の先駆けになったというか読者視点として面白みを見つけ出したのがすごいなと思った
    年譜を見てて安吾の破天荒ぶりにすげえ笑った

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    2022年11月18日
  • 肝臓先生

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    坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。

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    2022年11月18日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    文庫は、ナンセンス文学である「風博士」から始まる。
    どこかドグラ・マグラ的な匂いを感じなくもない。
    幾度も同じ単語を並べ立て、強調に強調を重ねた「僕」の語り口に、だから何なの?と言いたくなる。
    演説のような「僕」の熱弁ぶりと反比例して、読者は段々とバカバカしい思いに捕らわれていく。
    それでも何か意味があるに違いないと私達はページを繰る。
    しかし坂口安吾は、深読みしたがる読者を煙に巻くのだ。

    さて、読みたかった「桜の森の満開の下」。
    昔話のような語り方で、美しい桜の木のもと、人の業が描かれていた。

    青空のもと見上げる満開の桜は春の喜びを感じるのに、
    ハラハラと散る桜は儚げで美しいのに、

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    2022年11月09日
  • 不連続殺人事件

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    総勢35名のワケアリ男女が繰り広げるハチャメチャ奇想天外事件に翻弄されっぱなし。
    不連続殺人というカモフラージュ戦法でとても難解でしたが、ラストはかっこよくまとまっていて、読後感が最高です。

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    2022年10月25日
  • 白痴

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    自覚はあるが積極的に考えたくない心の動きを観念的かつ現実的に述べていて、小説の中のお話というよりもあまりに人間に近すぎて他人事に感じられない作品だった。
    作者の、人間に対する理知的な分析力と、分析という言葉とは真反対の理屈に合わない人間らしい雑多な気持ちが同居していた。

    「私は海をだきしめていたい」と「青鬼の褌を洗う女」がよかった。
    女を口説くときにエッちゃんが言った「こんな僕だから思いはいっぱいだけど、」という言い回しが好きだった。

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    2022年10月18日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    NHKでドラマ化されたものを見て、坂口安吾が書いたという所にも興味を持ち読んでみました。
    お約束のシンプルな構成の話が一話完結で記されていて読みやすい。もともとドラマにしやすい作りだなと思いました。
    主要登場人物の語られない部分になんとなく興味を惹かれてるのと、現代人からすると昔の風俗というものが出てきて、興味深く読めると思う。

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    2022年10月18日
  • 桜の森の満開の下

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    初の坂口安吾。

    短編と侮るなかれ。読後に振り返るとあらゆる思索に耽ることになる

    さぁ頭の無い怪物どもよ、いつまでも慣れ合うがよい。

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    2022年09月24日
  • 白痴

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    男の魅力と女の魅力、見せる側と見せられる側、至って違うのは当たり前。誰もが裸になれば同じ男と女になる、そんな人間の精神と肉体を鋭く見た小説だ。男と女はどうあるべきか、恋人同士の時、夫婦となった時、互いが老いを感じる時、など 人の魅力はいつも違う、見つけるのは自分だ。文中の空爆後生き残った女の言葉「私は過去よりも未来、いや、現実があるだけなのだ」と生きている今こそ本当の自分を試す事ができるのだと悟った、に深い印象を持った。

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    2022年09月03日
  • 不連続殺人事件

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    戦後間もない頃に書かれた作品で、かなり際どい言葉が沢山出てくるが、妙なユーモアがあり面白い。謎解きも満足。登場人物が意外と多くて、少し戸惑いますが。

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    2022年09月01日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    江戸時代より前は、満開の桜は美しい物ではなく、恐ろしいと考えられていたという

    今でこそ「儚さ」というものは美を感じる事が出来るが、大昔は今より遥かに「死」というものが身近であったであろう

    「儚さ」は「死」を想起し恐ろしさを感じたのではないだろうか

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    2022年08月28日
  • 堕落論【語注付】

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    言葉の役割は明確に伝えることだが、文化、芸術としては、明確にしすぎず、相手の想像に任せる部分もある。
    読者はそこまで文学に寄る必要があり、作家は読者の「わかりやすさ」まで降りてくる必要はない。

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    2022年12月25日
  • スラよみ!現代語訳名作シリーズ 堕落論

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    武士道や天皇制のカラクリを喝破し、不道徳や不名誉に苛まれる戦後の日本人に痛快な視座を与えたと思われる。堕落することに生きる価値を見出す、実に文学的な作品。ペコパの漫才に影響を与えてるのでは?

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    2022年08月14日
  • 堕落論【語注付】

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    小林秀雄を痛烈に批判した「教祖の文学」に賛同したので、坂口安吾自身の本を手に取ったが、これまたまっすぐで、解説にあるように「自由な風」が通っている文章だった。

    本作に収録されているのは以下:
    ・堕落論
    ・続堕落論
    ・日本文化私観
    ・恋愛論
    ・不良少年とキリスト
    ・FARCEについて
    ・文学のふるさと
    ・風博士
    ・桜の森の満開の下

    読んでいて、特に評論に関しては、なんて素直な人なのだろうと驚嘆していた。ここまで実直な心を文章に落としているところに、私も素直に好感を持った。以下いくつかの感想

    「堕落論」
    ・私自身も、数年前に私と極めて親しかった姪の一人が二十一の年に自殺したとき、美し

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    2022年07月23日
  • 堕落論

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    「坂口安吾」のエッセイ『堕落論』を読みました。

    古本屋でペラペラとページを捲っていて『天皇小論』や『特攻隊に捧ぐ』、『戦争論』、『ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格』等が気になり、読んでみる気になりました。

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    単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい―誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ「坂口安吾」は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。
    どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によ

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    2022年04月26日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    ネタバレ

    思っていたよりアツい人でした。
    安吾作品で最初に触れたのは桜の森の満開の下で、ちょっと怖くて儚い小説に思ったので、もっとセンサイな人かと。文学に対する姿勢が本気で真摯で、生き生きとしている。
    当時の人にしては働き方に対する意識がだいぶ令和寄りなところがスゴい。使えるものは使って、労働時間削減しろとか。
    「罰当たりが血を吐きながら作る作品」に、生きている人間の文学の凄みを熱弁している。もがきながら生み出すモノが愛しいのかなと思う。(教祖の文学)
    歯が痛いという生活の中から、太宰の急逝に触れていて、悲しみがじわじわと伝わってきた。死ぬのはいつでも出来る、いつでも出来るんだからそんな事はするな、生き

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    2022年04月15日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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     作者の女性像がひしひしと伝わる話。誰かに夢中になる、嫌いになることは、周りが見えなくなるまやかしにかかっているのかもしれない。

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    2022年03月06日