堕落論【語注付】

堕落論【語注付】

小説・文芸
385円 (税込)

1pt

「日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって初めて人間が誕生したのだ」生きよ、堕ちよ。堕ちること以外の中に人間を救う道はない、と説く「堕落論」。救われない孤独の中に、常に精神の自由を見出し、戦後の思想と文学のヒーローとなった著者の、代表的作品を収録。

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堕落論【語注付】 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    坂口安吾のリアリスティックな人間観は、本質を突いている。弱さから美徳を求めるのが人間であり、美徳から逃れて堕落するのも人間である。自分自身の美徳を編み出すためには、「正しく堕ちる」必要がある。
    絶対的な価値観の崩壊を引き起こした戦後は、まさに「正しく堕ち」、自らの美徳を編み出す大きなチャンスだったのだろう。しかし、日本はこのチャンスをふいにしてしまったように思えてならない。西欧の価値観を追従し、美徳について問うことを忘れてしまった現代の日本は、美しさすら失った、運命に従順な人間の姿のように思える。

    0
    2023年09月10日

    Posted by ブクログ

    エッセイも小説も面白い。
    どの作品にも芸術や美に対する思想が押し出されていて、視点の面白さは言わずもがな勉強になった。

    0
    2023年05月29日

    Posted by ブクログ

    タイトルからして中二心をくすぐってくる名著。真面目な学生が生まれて初めて「生きよ、堕ちよ」などという過激な言葉に触れた時に感じる衝撃こそ読書体験の醍醐味。

    0
    2023年02月27日

    Posted by ブクログ

    もともと人間は長く生きれば、光り輝いていた頃から徐々に堕落してくものなのだ。赤穂浪士の志士を処刑したのは、長く生きながらえて生き恥をさらないようにしたため。軍人の妻で未亡人となった者の結婚をしばらく禁じ得たのは、時期がたてば不倫をしてしまうため。もともと二人の君主に仕えるな、それなら潔く死なば諸共、一つの君主に仕えよという武士道の教えは、こういう規律でも作らない限り、やすやすと他の君主に願えることを見越していたため。こんな元々の人間の行動・思考特性にそぐわない旧来の価値観に縛られるな一度人間の本性というものに立ち返って堕落してみよ、というのがこの本で述べている堕落の意味。とても面白い。

    0
    2023年02月19日

    Posted by ブクログ

    高校の頃読んだのをコロナ期間に再読
    やっぱり文体も内容もテンポも最高
    「桜の森の満開の下」も本当に美しくて大好き

    0
    2022年12月09日

    Posted by ブクログ

    あるべき姿とか〇〇道とかよりもありのままの人間の真実、生命の生きようとする力、多様性や強さも弱さもあるしたたかさ、そこに人間性が滲み出しているよう思う。

    0
    2022年10月31日

    Posted by ブクログ


    いわゆる堕落と、坂口安吾の説く「堕落」は種類が違う。

    坂口安吾の説く「堕落」とは、習慣や制度から逃れ堕ちること。例えば、所謂日本人然とした、苦労を厭わず、倹約に地道に努力することから逃れ、楽をしようとすること。家庭を持ち清廉潔白に暮らすのではなく、情欲を受け入れ過ごすことである。それは決してネガティブな行いではなく、それが人間の実質であり、それで人間が発展する。「堕落」は制度の母体なのである。

    なぜ坂口安吾が「堕落」という言葉を使ったのか。それは、習慣に囚われた人々が、坂口らに対して向けた、「お前達は堕落している」といったレッテルに対して、「堕落こそ結構。それこそ人間の本質であり、中身の伴う行いなのだ」と、言葉そのままに言い返せるからなのだろう。

    文中でよく出てくる宮本武蔵の例えも、習慣や形式に囚われた剣術に対して、その場その場で生き抜くことを第一に掲げ、生き残ってきた宮本武蔵の在り方が、まさに坂口安吾のイメージする「堕落」だからなのだろう。

    芸術や文学も同様で、表面だけさらって言葉遊びや形式遊びに興じるようではいけない。そういった習慣に対して「堕落」をすることで、本質の伴ったものが生まれる。

    私は「堕落」出来ているのか?そう思った。

    0
    2020年08月02日

    Posted by ブクログ

    堕ちるところまで堕ちたら、あとは上がるしかないっていう。でも堕ちきるにも覚悟が必要だと。
    中途半端な堕落がいちばんダメです。

    0
    2019年07月07日

    Posted by ブクログ

    久保帯人先生作画版の表紙のを購入。
    小説…?かと思いきや、タイトルのとおり、随筆でしたね。
    現代文学って、文章がかたくて読みにくいイメージだったのですが、安吾の文章はとても読みやすくて、現代文学に対するイメージを払拭される思いでした。
    堕落論は、すごく共感する思考で、自分の中にあるものに言葉を与えてくれる本だなあと思いました。

    0
    2015年10月05日

    Posted by ブクログ

    あまり長々と書かない方がしっかりレビューできそうなので、簡潔に。

    大雑把だけれども、見るとこ見てます。
    臆面もなく、おそらく言葉もあまり選ばず、言う。
    彼は 自身をさらけ出すことを厭わない。

    このおっさん、ロックです。

    0
    2023年02月19日

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