坂口安吾のレビュー一覧

  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    この季節にぴったりな一冊。
    私はとにかく昔から桜が大好きで、高校生のときの図書委員会便りでも「桜の小説」特集を組み、この作品を紹介していた覚えがある。
    桜の美しさはほんとうに不可解といっても過言ではなく、このような恐ろしい逸話の上に咲いているのだと言われたらつい納得してしまいそう。
    見目麗しければ人妻でも平気で連れ去る野蛮な山賊が此度捕らえてきたのは、わがままで、生首をおままごとに使って遊ぶような狂った女。
    暴君な彼女に振り回され都会に引っ越したものの、ますます疲弊するばかりの男は取り憑かれるように桜の森の満開の下を訪れるが……。
    ラストの描写の美しさは圧巻。散り積もった桜の花びらを目にしたら

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    2023年03月20日
  • 白痴

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    特に青鬼の褌を洗う女ですが
    一応奥様がモデルとされていますが
    可愛くってしょうがない感じが
    にじみ出ております
    ひねくれた溺愛が心をくすぐりました

    戦争のさなか
    馬鹿々々しさや絶望があっても
    しっかり生きている感じ
    白痴や女性に対する
    憎悪や嫌悪があっても
    それは自分の怒りの投影であり
    そのなかで 支え合う姿には
    愛を感じます

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    2023年03月09日
  • 作家と犬

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    犬も猫も好きだけどちょっとだけ犬に軍配が上がるかつて犬と暮らしていた私ですので、どのエッセイも愉しく、胸に沁みました。

    好きな作家さんも多く、以前に読んだことがある文にまた出会えて嬉しい。

    このシリーズは他にも猫、珈琲、酒、おやつ…とまだまだあるようなので少しずつ読みたいな。

    以下好きなエッセイ覚え書き。(一部です)

    犬の生まれ変わりに違いないと熱烈に思っている押井守氏、ノラの犬猫を見かけたら放ってはおけない愛情深い米原万里氏、手塚治虫氏による犬が人間のそばにいる理由を描いた漫画、坂口安吾氏がわがまま檀一雄氏のために秋田犬を無心するお手紙、椎名誠氏の犬の系譜と怒りと悲しみの別れ、深沢七

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    2023年03月06日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    白痴がとても面白かった。ずっと題名だけは知っていて、こわい話なのではないかと構えていたから、いい意味で裏切られた。白痴が女に見える瞬間と、そうでないときのちがいが鮮やかに心を通りすがる。

    恋をしに行くを目当てで買い、何ヶ月か前に本作だけを読んで好きだと思った。けれども今回もう一度はじめから通して読んだときは、知らず知らずのうちに読み終えてしまった。

    波子、続戦争と一人の女が良い作品だと思った。

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    2023年02月07日
  • 堕落論

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    堕落論
    続堕落論
    特攻隊に捧ぐ
    太宰治情死考
    ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格

    上記が面白かった。
    きっと安吾は中途半端が嫌いだったんだな。
    堕ちることが怖いのはよくわかる。堕落論が読めない程に堕落してなくて良かった。

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    2023年01月31日
  • 不連続殺人事件(新潮文庫)

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    山奥にある資産家の邸宅に集まった、詩人、作家、画家、弁護士といった人びと。横恋慕、嫉妬など人間関係が複雑に絡み合うなか、つぎつぎと殺人事件が起きる。

    坂口安吾ははじめて読んだが、文章が読みやすく、テンポよくあっという間に読み終わった。

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    2023年01月22日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    てぬぐいの表紙が好き。

    太宰とか芥川とか小林とか、次々と言いたいことを言いながら、それでいて的を射ているような、
    私にはちょっと難しかったな、

    「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ」

    この言葉が印象に残った。

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    2022年12月17日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    坂口安吾(1906-1955)の代表的な評論を収録したもの。安吾は「生きる」ということに対して常に誠実であろうとした、という強い印象を受ける。「生きる」ことの根底にある人間の絶対的な孤独や哀しみから眼を逸らそうとする欺瞞的態度に徹底的に抗おうとする、安吾の精力の甚だしさを感じさせる。

    □ 無意味

    意味には、それを意味として成立させるために、ある特定の方向、傾斜、偏り、限定、則ち文脈が、前提されている。そこには、身体によって条件づけられた存在である人間の下部構造が、反映されているのだろう。この文脈によって、ある特定の目的や効用が方向づけられる。この目的や効用によって、一切は評価され位階化され

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    2022年12月11日
  • 不連続殺人事件

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    現在の「推理作家協会賞」の前身にあたる「探偵作家クラブ賞」第二回受賞作品。

    名前だけは知っている「傑作」は一通り読んでおこうと思って、手に取った。

    犯人も動機も犯行手順も全く想像外。

    作中の探偵が「心理の足跡」と呼ぶ、推理のキッカケとなる点は、指摘を受けた後だと、なんで気付かなかったんだろう、と思うくらいシンプルな手掛かりだった。

    戦後僅か2年で、こういう作品が世に出た、という点も意外だった。

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    2022年12月04日
  • 不連続殺人事件

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    とてもよくできた推理小説だった。公募形式で犯人と推理の過程を募るという趣向も面白い。
    でも正直に言うと、登場人物が多すぎて、誰が何を話してどういう動きをしているのかよく分からなくなってしまい、推理に参加するどころではなかった。
    あと、現在ではとても受け入れられない表現や人物描写ばかりだった。

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    2022年11月28日
  • 不連続殺人事件

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    山奥の屋敷で殺人事件が起こる。
    犯人に目処がつかず動機も定かでは無い。
    坂口安吾の本格推理小説です。
    純粋に面白かった。
    この時代の方々が残した話しはよくできていて、興味深いものが多いです。
    小説は楽しい。

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    2022年11月25日
  • 不連続殺人事件

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    次々に人が死んでいくのに全然緊張感が無くてコメディかと思った
    最後まで全然犯人が分からなくて悔しかった
    人もいっぱい出てくるからてんてこまいだったけど面白かった
    安吾が「推理小説」の先駆けになったというか読者視点として面白みを見つけ出したのがすごいなと思った
    年譜を見てて安吾の破天荒ぶりにすげえ笑った

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    2022年11月18日
  • 肝臓先生

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    坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。

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    2022年11月18日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    文庫は、ナンセンス文学である「風博士」から始まる。
    どこかドグラ・マグラ的な匂いを感じなくもない。
    幾度も同じ単語を並べ立て、強調に強調を重ねた「僕」の語り口に、だから何なの?と言いたくなる。
    演説のような「僕」の熱弁ぶりと反比例して、読者は段々とバカバカしい思いに捕らわれていく。
    それでも何か意味があるに違いないと私達はページを繰る。
    しかし坂口安吾は、深読みしたがる読者を煙に巻くのだ。

    さて、読みたかった「桜の森の満開の下」。
    昔話のような語り方で、美しい桜の木のもと、人の業が描かれていた。

    青空のもと見上げる満開の桜は春の喜びを感じるのに、
    ハラハラと散る桜は儚げで美しいのに、

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    2022年11月09日
  • 不連続殺人事件

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    総勢35名のワケアリ男女が繰り広げるハチャメチャ奇想天外事件に翻弄されっぱなし。
    不連続殺人というカモフラージュ戦法でとても難解でしたが、ラストはかっこよくまとまっていて、読後感が最高です。

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    2022年10月25日
  • 白痴

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    自覚はあるが積極的に考えたくない心の動きを観念的かつ現実的に述べていて、小説の中のお話というよりもあまりに人間に近すぎて他人事に感じられない作品だった。
    作者の、人間に対する理知的な分析力と、分析という言葉とは真反対の理屈に合わない人間らしい雑多な気持ちが同居していた。

    「私は海をだきしめていたい」と「青鬼の褌を洗う女」がよかった。
    女を口説くときにエッちゃんが言った「こんな僕だから思いはいっぱいだけど、」という言い回しが好きだった。

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    2022年10月18日
  • 明治開化 安吾捕物帖

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    NHKでドラマ化されたものを見て、坂口安吾が書いたという所にも興味を持ち読んでみました。
    お約束のシンプルな構成の話が一話完結で記されていて読みやすい。もともとドラマにしやすい作りだなと思いました。
    主要登場人物の語られない部分になんとなく興味を惹かれてるのと、現代人からすると昔の風俗というものが出てきて、興味深く読めると思う。

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    2022年10月18日
  • 桜の森の満開の下

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    初の坂口安吾。

    短編と侮るなかれ。読後に振り返るとあらゆる思索に耽ることになる

    さぁ頭の無い怪物どもよ、いつまでも慣れ合うがよい。

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    2022年09月24日
  • 白痴

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    男の魅力と女の魅力、見せる側と見せられる側、至って違うのは当たり前。誰もが裸になれば同じ男と女になる、そんな人間の精神と肉体を鋭く見た小説だ。男と女はどうあるべきか、恋人同士の時、夫婦となった時、互いが老いを感じる時、など 人の魅力はいつも違う、見つけるのは自分だ。文中の空爆後生き残った女の言葉「私は過去よりも未来、いや、現実があるだけなのだ」と生きている今こそ本当の自分を試す事ができるのだと悟った、に深い印象を持った。

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    2022年09月03日
  • 不連続殺人事件

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    戦後間もない頃に書かれた作品で、かなり際どい言葉が沢山出てくるが、妙なユーモアがあり面白い。謎解きも満足。登場人物が意外と多くて、少し戸惑いますが。

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    2022年09月01日