坂口安吾のレビュー一覧
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「坂口安吾」のエッセイ『堕落論』を読みました。
古本屋でペラペラとページを捲っていて『天皇小論』や『特攻隊に捧ぐ』、『戦争論』、『ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格』等が気になり、読んでみる気になりました。
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単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい―誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ「坂口安吾」は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。
どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によ -
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ネタバレ思っていたよりアツい人でした。
安吾作品で最初に触れたのは桜の森の満開の下で、ちょっと怖くて儚い小説に思ったので、もっとセンサイな人かと。文学に対する姿勢が本気で真摯で、生き生きとしている。
当時の人にしては働き方に対する意識がだいぶ令和寄りなところがスゴい。使えるものは使って、労働時間削減しろとか。
「罰当たりが血を吐きながら作る作品」に、生きている人間の文学の凄みを熱弁している。もがきながら生み出すモノが愛しいのかなと思う。(教祖の文学)
歯が痛いという生活の中から、太宰の急逝に触れていて、悲しみがじわじわと伝わってきた。死ぬのはいつでも出来る、いつでも出来るんだからそんな事はするな、生き -
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『堕落論』『続堕落論』を含む9つのエッセイや小説からなる本。
坂口安吾を読んだのは初めてだが、著者についての感想は「戦前・戦中・戦後を生きたビート(北野)武」。
皮肉・批判・ユーモア・耽美など、作品ごとに異なる多彩な才能を感じた。
本への掲載順は時系列ではないので、以下では時系列で記載する。
1.風博士
1931年、25歳で発表した短編小説(?)。ミステリ調でありつつ、ユーモラスな文体。
2.FARSEについて
1932年発表。文学や芸術の在り方を論じたエッセイ。
3.文学のふるさと
1941年に発表したエッセイ。
4.日本文化私観
1942年発表。「高尚な文化」のみを文化と捉えず -
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ネタバレエッセイが読みたくなったので。終戦後、立ち直ろうとしている日本の気運に乗った作品だからか、「既成概念に反抗していくぞ!」感を強く感じた。確かに何にでも歯向かいたい当時の若者にはウケるだろうなぁという感じ。
各エッセイで表現が重複するところが多いように感じたが、筆者の意見が一貫しているところに好感を持てた。
有名なだけあって「青春論」と「堕落論」、「恋愛論」が面白かった
『私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がないからで、何か、万人に適した規則が有って恋愛を割り切ることができるなら、小説などは書く要もなく、また、小説の存す -
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坂口安吾は、日本文学史上の作家として評論が代表作として取り上げられる稀有な作家です。
本作に収録された24篇の作品はすべて氏によって書かれた評論、及びエッセイです。
戦中戦後を通して時代を見通した、本質をついた、あるいは、感情を隠さず書き連ねられた文章が収録されています。
作品数が多いので、一作ずつの感想は難しく、ある程度、複数作品をまとめて感想を書きました。
各作品の感想は以下の通りです。
・ピエロ伝道者 / FARCEに就て...
坂口安吾は1931年評論・"ピエロ伝道者"、翌年"FARCEに就て"を発表し、そこで、「芸術の最高形式はファルスであ -
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ネタバレ長い感想。
自分が何を欲するか分かるためにはまず堕ちないといけない。けれど、堕ちぬくほど人間は強くない、という安吾の指摘。
これを終戦後に読んだ人たちは
なんてクールなんだ!という気持ち反面、そんな事言われても自分が何がしたいか分からないよ、なんて思ったのではないかと。
戦争前、天皇制のもと、このように生きてください、こうすればあなたはいい国民です、こういう悪いことしたら非国民です、と導いてもらってきた日本国民。
だけど敗戦した、では今後どう生きればいいんだろう。ここで、安吾は「いっかい堕落してみろ。そうすれば、再生できるんじゃないの?」と言いたかったのかなと思った。
安吾のいう堕落って、自 -
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山賊の女房は8人。
連続殺人事件!1番新しい女房の夫を切り殺し、その美しい女房を自分の山に連れて帰り、
その美しい女房の言いなりで、
古い女房を6人一気に斬殺。
びっこの古い女房は殺さずに残す。
しかし、サイコパスなのは新しい女で、
我儘放題。
京に移り住み、首をコレクションする。
集めた首で、ままごとのようなことをする。人形遊びのようなこと、首遊び。
恐ろしい。
山賊は都ではなく山で暮らしたい。
女もついて行くと言う。
真実なのか?
再び女をおぶって山に帰る途中、
女の正体がわかる。
これは激しい恋愛ストーリー。
ラストが美しすぎる。
グロい話なのに美しい。
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私は作品を読むときに「どう死なすか」を重点的に見ているのだが,その視点からすると,坂口安吾の作品は随分と手ぬるいものだ。とはいえ無意味に死なす近年の感動を求める風潮?に比べればはるかにマシ。現代において,坂口安吾の示す姿勢は参考になるだろう。
以下主要作品についての感想。
「白痴」
戦火と微睡みが両立する世界観に単純に惹かれた。理知に対するカウンターとしての白痴の女が終始まとわりつく,感情は古い。p94「その戦争の破壊の巨大な愛情が,すべてを裁いてくれるだろう」しかし,いつだって破滅的願望は叶わないものだ。
「戦争と一人の女」
p163「女は戦争が好きであった。〜爆撃という人々の更に