坂口安吾のレビュー一覧

  • 白痴・二流の人

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    福岡書店員の激押しブックフェアで。海援隊の二流の人もここからなのかね。堕落論という歌もあったもんね。

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    2014年11月09日
  • 白痴・二流の人

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    『白痴』が、とにかく凄かったです。
    心理描写はさることながら、空襲の描き方…
    見事すぎる!

    他は、『青鬼の褌を洗う女』が良かったです。

    今読んでも斬新すぎて、ついていけない話もありましたが…笑

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    2014年10月11日
  • 明治開化 安吾捕物 その八 時計館の秘密

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    驚きの幕切れ

    幕末から明治初期へかけて、息の長い推理小説である。と言うよりも、ほとんど時代小説、ないしは風俗小説とでも言いたいような内容だ。推理要素は非常に薄いが、一人の男の流転の人生行路や、貧民窟描写に面白味が多い。安吾はやっぱり、貧乏やら闇市やらと相性の良い作家なのである。
    ここでの新十郎も、小粋で話の分かる探偵をやっている。

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    2014年07月03日
  • 明治開化 安吾捕物 その五 万引家族

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    表面上の問題と、裏に隠れた事件

    上手いな〜と思いました。謎が解かれ、全部の不審な点の、裏の事情が明かされていく爽快感。しかも隠された真実が明らかになった後の、探偵の台詞

    「末長く◯◯をお続けなさいませ」

    こんなの、他の誰に書ける!? ああ、革命的なるかな、安吾。
    結城新十郎は、「UN-GO」とはちょっと違い、不愉快な真実を公表しないことを、快しとすることもあるのであった。

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    2014年06月30日
  • 明治開化 安吾捕物 その二 密室大犯罪

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    原案にはなってないが

    アニメ第3話での唐突な乗馬シーンが、ここから取られていると分かる。
    番頭、店主、後妻、不義……話としてはえらく古臭いが、安吾の自由な筆致で読ませる。寄席や縁日の賑わいが、風流な雰囲気を醸し出す。
    お梨江のキャラクター造形は、今読んでも生き生きしている。
    しかし勝海舟は、しょっちゅう瀉血をしているが、ちょっとやり過ぎじゃないだろうか。どんだけ血の気が多いのか……。

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    2014年06月23日
  • 明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件

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    UN-GOを観たのを機に

    読んでみました。アニメ化で改変されたポイントが、作者安吾の人生観とちゃんと絡めてあったことが分かる。マア、美少女・美少年キャラを水増しもしてるわけですが。
    作者へのリスペクトのある映像化って良いものですね。
    小説としては、海舟の悠揚迫らざる雰囲気など、のんびり読めるところが良い。
    本格推理ファンには、物足りないかも知れませんが。

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    2014年06月23日
  • 明治開化 安吾捕物 読者への口上

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    安吾らしい

    率直で気の利いた挨拶である。読もうという気にさせる。
    それと、この人はやっぱり、筋金入りの合理主義者である。無論、情理主義者でもあるわけだが。

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    2014年06月23日
  • 堕落論

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     第二次大戦直後に若者達の強い支持を得た「堕落論」ほか数編を収めたエッセイ集。「堕落論」で展開される考え方もよかったが、むしろ他のエッセイで書かれた文章の中に興味深いものが多い。文化、文学、恋愛、内省、実存、政治、宗教など、ほとんどの分野における著者の考え方を網羅しているといえるのではないか。それぞれの場面で本業ともいえる文学論を絡めているため、一本筋の通った思想を読み取ることができる。なかには、現代においては一般的な考え方が、当時では異説として扱われていた様子をみてとることができ、そこに時の流れが感じられるような点もまたおもしろい。いずれにしても、作家など自分の思想を表現することを生業とする

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    2014年01月25日
  • 桜の森の満開の下

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    一本の桜がひらひらと花びらを舞い散らせる光景は綺麗だ。
    しかし数え切れないほどの桜の森で花びらが降り注ぐ光景というのは、音の無い、しんとした寒々しい世界を想像してしまう。
    この話が何の寓意なのかはわからない。寂しさとか、そういうものなのかもしれない。
    美しいけどもじっとその場でうずくまっていると、狂ってしまうような場所が、「桜の森の満開の下」だった。


    表題作含め13作が収録されている。
    持統~孝謙・称徳までの女帝時代の歴史小説、「道教」がおもしろかった。
    悪人かと思ってたけどちょっと道教好きになった。孝謙・称徳女帝も好きだ。可愛い人だったんだな。

    「梟雄」も好きだ。斎藤道三

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    2013年11月23日
  • 日本文化私観

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    昔読んだ工場の美しさのくだりは、激しく同意。機能美と言ってしまえばそれまでだけど、感覚的に分かる。かっこいい。
    秀吉のくだりもなかなか興味深い。

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    2013年10月07日
  • 堕落論

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    ネタバレ

     最も読んでよかったのは、『不良少年とキリスト』だ。フツカヨイ的……。なんてすげぇ言葉だろう。太宰治についてこう書かれたことは、もっと多くの人が知るべきだと思った。『人間失格』を読んで、偉人を同一視して同化し、浸る人は多いんだろう。その多くの人が、どこかで誰かや何かに出会い、人間の闇を知った上でそれだけじゃないと学ぶ。間違いなく名著であり、読まれるべき本であったけれど、太宰治が自身を追い詰めた決定打にもなったんだろう。読めば、より同一視が進む人の方が多いのかな? 俺はそうだった。今回は免疫から、少しの間で消えるものだったけれど。読後、多くの人が克服して人生に支障が出なくなるものに、作者自身が終

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    2013年06月20日
  • 堕落論

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    ただ一言、「なんと無茶苦茶な文章なんだ」と言いたい。
    初めはいくらか理路整然としていて、言いたいことをしっかり言っている。
    ところが、終わりになるに連れて、何を言いたいのかわからない。酒に任せ、急いでつけたような結論。
    だがそれが、人びとにこの堕落論が面白いと言わせる所以たるものなのかもしれない。わかったふうな口を利いているが、ぼくは実は何も理解してはいない。ただただ親近感が湧いている。思わず苦笑してしまうような文章。
    ためになる、ならないで二分するような本ではないだろう。読むか、読まないか、ただそれだけである。人に読ませる本である以前に、これは坂口安吾が自分で書いたその証左であるだけにすぎな

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    2013年03月11日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    探偵 結城新十郎が奇怪な事件の謎を解く短編推理小説集
    いわゆる探偵小説で猟奇的な事件が多い。

    解説では、「舞台は明治時代中期とおぼしき」としている。
    ・狂言廻しとして登場する勝海舟の明治32年没
    ・「魔教の怪」の世良田は「明治初年に地方の府県知事を2箇所歴任し、11年間遊学して帰朝した」とあるので、明治10数年頃
    ・「幻の塔」で出てくる新門の辰五郎は明治8年没
    ・「乞食男爵」では女相撲の横綱がでてくるが、女相撲は明治23年に禁止されたと書いている

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    2013年08月03日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    「魔教の怪」面白かったー。登場人物名が「因果論」そのままなのにも驚きでした。これで終わりなのは残念…アニメ二期目しないのかなぁ。

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    2012年06月07日
  • 白痴・二流の人

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    白痴だけ読みました。
    空襲の下で繰り広げられる伊沢と女のやりとりに、きゅんとしていまいました。
    本当はそういう話じゃないんでしょうけど・・・
    女の子なら一度は、あの伊沢のような台詞を言ってもらいたいのでは?

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    2012年02月08日
  • 肝臓先生

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     とある田舎の猟師町。どんな患者も「肝臓病」と診たてたことから「肝臓先生」と呼ばれるようになった町医者は、肝臓病撲滅のために寝食をいとわず患者のために走りまわる。
     タイトル、設定の面白さに加えて坂口安吾ときては読まずにいられない。さっそく読んでみたらやっぱり面白かった。
     肝臓先生は熱い。お金のない人からはお金を取らず、どんな時でもどこにいても病気の人がいると聞けば駆けつける。風にも負けず雨にも負けず、常に歩いて疲れを知らぬ足そのものでなければならぬ。
     こんなに熱く、正しく、力強く生きている男の悲劇を描いているというのに、そこかしこから漂う滑稽さは何なんだろう。褒められすぎると馬鹿にされて

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    2011年07月21日
  • 日本文化私観

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    和風なんて言った時点で日本文化は終わってる。文化保持に対する先人の警鐘が込められた一冊。物知りなんだろうなー、好きなんだろうなー、んで言い方が下手なんだろうなー。アイヌ語で和人とは「シャモ」です。

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    2011年05月07日
  • 教祖の文学 不良少年とキリスト

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    小林秀雄と太宰治について書いた本。特に太宰に対しては、彼の死によせた文章なので、言葉荒いが愛情を感じる。グレるっつーのも難しい。友達への思い、ここまで赤裸々に出せるのなら、何書いてもいいのかもね。

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    2011年05月07日
  • 堕落論

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    古い作品であればあるほど、胸にずばっとくるような表現が多くて
    単純にすごいと思う。

    登録した本を読んだわけではないけど、短編集で読みやすい。

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    2019年01月16日
  • 白痴

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    男女の云々は苦手だけれども、何故かさらりと読めた。文章も古いですが読み難さはない。色気たっぷり、な雰囲気かな。ただちょっと出てくる女性が似た様な人物像なので、収録の仕方が悪いのかな。筆者の本はこれが初めてですが、他にも色々読んでみたいと思います。

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    2019年01月16日