坂口安吾のレビュー一覧
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坂口安吾が初めて書いた推理小説で、雑誌連載された作品。連載時には読者への挑戦として真犯人当て懸賞金が掛けられたという(ちなみに正解者は4名で、安吾が自腹で支払ったそうだ)。
歌川家という資産家の一族がいる。1年前に当主の多門の妻、梶子が亡くなり、その法事を行うことになる。
多門とは旧知であり、その息子の一馬とも友人である作家の「私」(矢代)は、一馬に頼まれて、歌川家で一夏を過ごすことになる。「私」の妻・京子は、一馬の異母妹である加代子と旧友であったため、病気の彼女の無聊を慰めてやってほしいというのだ。
一方、一馬は妙な手紙を受け取っていた。
お梶さまは誰に殺されたか。
すべては一周忌に終わる -
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(あらすじ)
作家の矢代寸兵は親友の詩人・歌川一馬の招待で山奥の豪邸で一夏過ごす事になる。一馬の実家は酒造業を営む大地主で大富豪。一馬の父・多門はやり手なだけに女関係も派手で、矢代の妻・京子も何を隠そうかつて多門の愛人だった。
そこに招かれたのは作家、劇作家、画家、女優など個性豊か、というよりクセの強い面々。おまけに一馬の妹・珠緒はその中の2,3人を手玉に取るし、一馬の元妻の秋子や現在の妻・あやかの元同棲相手の土居など複雑な人間関係が絡んでいる。
そんな中、次々と殺人が起こる。
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昭和22年が物語の舞台。古いけど江戸川乱歩や横溝正史のようなおどろおどろしさは -
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ネタバレ『日本文化私観』
秀吉の駄々っ子精神の部分がいまいち理解できなかった。三十三間堂の太閤塀を実際に見ていないからということもあるだろうが、自分にはそれも金閣銀閣と同じように金持ちの道楽的なものと区別がつかない。両者ともにそれそのものに意味などなく、他者に対して威厳を示したいだけの俗物だったのではないかと思った。
文化を形成するのはあくまで人間だという考え方はとても的を得ていると思う。自分に置き換えると、確かに人から見られるのは過去に生み出した作品や過去の行動であるかもしれないが、「自分」というものはその作品ではなくてこの私自身であるということに改めて気付かされた。
日本文化私観は日本の西洋化を「 -
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ネタバレ(趣旨)
1. 人間は堕落する。そんな人間を戦闘にかりたてる為に、武人は武士道をあみだし、軍人政治家は天皇を担ぎ出した。
2. 敗戦後、天皇の絶対性は廃止され象徴化に変わり、武士道は滅びた。町に目をやれば、未亡人は新たな出逢いに胸を膨らませ、特攻隊の勇士は闇屋に転じている。
3. このように人間が堕落したのは戦争に負けたからではない。人間だから堕落したのだ。
4. しかし人間は困難には脆弱なため、堕落し切るには弱すぎる。弱いから統率を図るため結局また武士道や天皇を担ぎ出そうとするだろう。
5. 人間が本当の自身を発見するためには堕落し切ることが必要だ。これが自身を救うことにつながる。天