坂口安吾のレビュー一覧

  • 作家と犬

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    昭和の文豪や現代の人気作家による、犬をめぐる、エッセイ、詩、漫画など48編。さすがに稀代の作家たち。どれも読ませる名文ばかり。

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    2021年10月26日
  • 白痴

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    流れるように自然で、さらさらと読んでしまう。私自身取り留めのないことを、ついつらつらと考えてしまうのだが、坂口安吾の文章はちょうどそんな感じだ。表題作よりも、青鬼の袴を洗う女が気に入った。冷めた女の目線が小気味良い。

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    2021年10月05日
  • 堕落論【語注付】

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    人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるのだ
    堕落せよ、生きよ、堕ちよ。
    人間は堕ちるとこまで堕ちて、そこから人生はつくられていく。果たして私は今まで堕ちるとこまで堕ちただろうか。人生ってなんなのさ。

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    2021年09月21日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    桜って見方を変えると何だか妖しいような感じがしますね。
    女の美しさと桜が見事に表現されてると思います。
    この男の人は結局、喰われたということなのでしょうか? 美しいものには毒があるってことなんですかね。

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    2021年09月18日
  • 堕落論

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    リアリズム。面白い。

    初めて読んだ時は衝撃だった。堕ちることを人間の本質だと受容する。堕ちるという言葉すら不釣り合いなほど、それで普通だと言われている気にもなる。そういうもんだよ、と。自分もこれでいいと思いたい時に読みたくなる。

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    2021年07月04日
  • 堕落論【語注付】

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    ネタバレ

    長い感想。

    自分が何を欲するか分かるためにはまず堕ちないといけない。けれど、堕ちぬくほど人間は強くない、という安吾の指摘。
    これを終戦後に読んだ人たちは
    なんてクールなんだ!という気持ち反面、そんな事言われても自分が何がしたいか分からないよ、なんて思ったのではないかと。
    戦争前、天皇制のもと、このように生きてください、こうすればあなたはいい国民です、こういう悪いことしたら非国民です、と導いてもらってきた日本国民。
    だけど敗戦した、では今後どう生きればいいんだろう。ここで、安吾は「いっかい堕落してみろ。そうすれば、再生できるんじゃないの?」と言いたかったのかなと思った。
    安吾のいう堕落って、自

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    2021年07月02日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    姫は耳男に足りない物を伝えたかったんでしょうか?なかなかに姫の性格がすごいです…(^_^;)話もややホラーより?
    姫は楽しんでいたのでしょうか?
    姫の気持ちがうまく汲み取れなかったのが残念…
    絵がめちゃくちゃ綺麗なのでこの評価です(⌒‐⌒)

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    2021年05月06日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    『桜』は満開で散っている花びらの美しい顔と人を飲み込む怖ろしい顔を持つ。

    『都で亭主を殺し女をさらう山賊』
    『首で遊ぶ美しい女』
    『満開に咲いた美しい一本の桜の木』
    『桜の元で鬼になった美しい女』
    美と醜の両面がテーマの一つになっている物語に、しきみさんのイラスト‼️


    短編文学×人気イラストレーター『乙女の本棚』
    イラストが純文学のイメージを凄く左右する。
    小説として読んで、画集として楽しめる魅惑の一冊。

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    2021年04月07日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    山賊の女房は8人。
    連続殺人事件!1番新しい女房の夫を切り殺し、その美しい女房を自分の山に連れて帰り、
    その美しい女房の言いなりで、
    古い女房を6人一気に斬殺。
    びっこの古い女房は殺さずに残す。
    しかし、サイコパスなのは新しい女で、
    我儘放題。
    京に移り住み、首をコレクションする。
    集めた首で、ままごとのようなことをする。人形遊びのようなこと、首遊び。
    恐ろしい。
    山賊は都ではなく山で暮らしたい。
    女もついて行くと言う。
    真実なのか?
    再び女をおぶって山に帰る途中、
    女の正体がわかる。
    これは激しい恋愛ストーリー。
    ラストが美しすぎる。
    グロい話なのに美しい。

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    2021年03月31日
  • 桜の森の満開の下

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    花といえば奈良時代は梅だが、平安以降は桜がクローズアップされる。「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」在原業平は不安に駆られるほどの桜の美しさと恋心を重ねて、あんなもんなければのどかな心でいられるのに、と詠んだ。桜は狂気を呼び込む。坂口安吾の「桜の森の満開の下」は美しく残酷な女に翻弄される山賊の話だ。金品同様攫った女を自分のものにするしかない山賊の暮らし。山賊が魅せられた女は人間の生首を集めて並べたがる。満開の時に通ると気が狂うと言われる桜の森で、男は鬼女になったその女を斬り殺す。すると女は花びらと共に風に飛ばされ消えて行ったという狂気と幻想の話だ。花吹雪の中、立ち尽くす男に残

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    2021年05月14日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    エッセイという読み物として見た時、今まで読んできた、まぁあまり多く無いけど、その作品達とは一線を画す。言いたいことの重心がブレていない文章を文豪が書くとここまで力強く印象づけられる。帰納していく段落は美しく見えて、そこに坂口安吾がいるかのような印象を持たされる。
     堕落。
     彼の発する堕落は多くの現代人には理解できないだろう。僕もその1人だ。なぜならみんな堕落して無いから。けれど、そのうち彼の言う堕落が現れて目の前を塞ぐ事態になるだろう。その時はじめてこの「堕落論」の爆発的な力を見るのだろうと思う。

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    2021年03月06日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    平易な文章
    桜の下に畏怖の念を持つ山賊の話
    都からの旅人をいつものように殺し、その妻を娶るが、彼女に尻に敷かれる。
    女は常に山賊を下に見、都に連れて行くよう我儘を言うが、都の生活に辟易とした山賊は山へ一人で帰ることを決意する。
    そこで初めて女は山賊に下手に出、二人で山へ帰ることにした。
    道中、桜の木の下で女は鬼に化け、山賊は鬼を殺すが、鬼はやはりただの女だった。
    桜の木の下で女は花びらと化し、程なく男の身体も花びらになってゆく。

    女が生首で遊ぶ件は、のちに鬼に化けるの暗示のようだ。 

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    2021年02月25日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    糸が絡まる様子を為す術もなく眺めている。
    紅と薄桃色、真白の糸とがあやなす地獄が何処と無く物悲しく、うつくしく、読んだあとは遣る瀬無い気分になります。とても純情。

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    2021年02月11日
  • 堕落論【語注付】

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    戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。
    終戦後翌年発表され影響は凄かったらしい。
    自死した太宰治を分析した不良少年とキリスト他。
    ちょっと賢いジャイアンがぶった斬る戦後。
    戦後75年経った今日にも通ずるかも

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    2021年01月26日
  • 堕落論【語注付】

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    坂口安吾の代表作を収録した一冊。「堕落論」は昔読んだことがあったけれど「桜の森の満開の下」はちゃんと読んだことがなかったので読んでみた。「堕落論」に始まる数々の評論は深く頷けるものもあればいまいちピンとこないものもあったが、全編に通じて頻繁に登場する「孤独」というキーワードとそれにまつわる感情はとても面白く感じられる。「孤独は、人のふるさとだ。」なんてかっこよすぎてビリビリきちゃう。

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    2021年01月13日
  • 堕落論【語注付】

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    いやぁ、知らなかった。
    ついぞ知らなかった、坂口安吾がこんなに面白いとは。堕落論、続堕落論他七篇からなる作品。
    ラジカルというより率直、堕落というより追求である気がする。
    武士道、貞淑、封建を日本人の性における橋頭堡というみなしかたは「男らしくしなさい」と母から言わなけれるか弱い男の特性と似ている。

    「不良少年とキリスト」は太宰への愛あふれる弔辞だし、「日本文化私観」では美を意識していては美は生まれないと言い切る率直さに思わず手を叩きそうになる。

    もっと坂口安吾を読みたくなる。

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    2021年01月11日
  • 白痴

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    肉慾、肉慾、肉慾、、、
    うんざりするほど脂身だらけの描写。
    なのに、読むことを放棄しないのは
    通奏低音の堕落論に自分を見るからか。

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    2020年12月09日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    坂口安吾(1906~1955年)は、新潟県に生まれ、東洋大学印度哲学倫理学科を卒業し、終戦直後に発表した『堕落論』、『白痴』により注目を集めて、太宰治、織田作之助、石川淳らとともに無頼派・新戯作派と呼ばれた、近現代日本文学を代表する作家の一人。
    『堕落論』は、1946年(昭和21年)4月に雑誌『新潮』に掲載された作品で、同年12月に続編『続堕落論』が雑誌『文學季刊』に掲載された。書籍では、1947年に単行本が出版され、文庫版は角川文庫のほか、新潮文庫、岩波文庫、集英社文庫などから出ている。
    角川文庫版には、『堕落論』、『続堕落論』に加え、1942~48年に書かれた随筆・評論、『日本文化私観』、

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    2020年12月03日
  • 堕落論

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    最後の方は歴史に疎い私にとって読みにくく、内容は全然頭に入っていないのですが、前半の評論は楽しませていただきました。『日本文化私観』は一部を高校の時に読みましたが、こうやって全体を読むとまた新しく学ぶことがあって良いですね。戦争という大きな局面を乗り越えながら、時代の移り変わりを冷静に捉えた評論が多くとても感心しました。彼の世界観が如実に表れた評論集だと思います。

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    2020年07月26日
  • 不連続殺人事件

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    ネタバレ

    奇人変人と思われる人が、田舎の一家に集まり、連続殺人事件が起こる。いかにも、といった設定だが、犯人の見当がつかない。
    最後の事件で、何となく犯人が分かった。なかなかのトリック。
    時代がかった表現は作品当時を反映したものだろうか。登場人物の相関関係が、なかなかつかめず苦労した。

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    2020年06月07日