坂口安吾のレビュー一覧

  • 堕落論【語注付】

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     自分はわりと0か100の人間でそれが嫌で自分が面倒だなと常々感じていたのですが、坂口安吾は葛藤してる自分を愛してくれるんだろうなと感じて変な自信がつきました。
     高校生の頃にカッコつけて堕落論を読んでわかった気になっていたのですが、大人になって改めて読んでも自分は理解できたのかしら?となってます。ただ、恋愛論やFARCEについてを読んで安吾が人間のうちにある矛盾や混沌をとにかく愛していたんだろうなってことはわかりやすかったです。そこから堕落論を再読するとこういうことを言いたかったのかなと考えることができて楽しかったです。
     理想と現実のギャップに苦しんだり、自分の思いと裏腹な行動をしてしまっ

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    2023年08月16日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    この「乙女の本棚」シリーズは、イラストが綺麗でそれも読む楽しみになっている。いい意味で、イメージがはっきりしてくるから物語の世界に入りやすい。
     で、この『桜の森の満開の下』。以前読んだ気もするけどうろ覚え、という状態でよんでみたのだが、イラストにも惹かれてほぼ一気読みした。
     恐ろしいのにうつくしい。目をそむけたくなるような嫌悪感があるのに、一息に吸い込んで味わいたい。桜そのもののイメージかも、とふと思った。
     坂口安吾、遅まきながらハマるかも。

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    2023年08月12日
  • 不連続殺人事件

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    ネタバレ

    ずっと読みたいと思いつつ、読めていなかった作品。

    登場人物が多い上に色恋沙汰が複雑ではじめはかなり読みにくさを感じた
    (巻頭の登場人物表は、情報が薄すぎてほとんど役に立たない・・・)が、
    各キャラクターの特徴が分かってくると、面白く読めるようになってきた。

    本格推理物として普通に楽しめるが、やはり「読者への挑戦状」の部分が”推し”。
    個人的に、坂口安吾の不遜・傲慢な物言いがたまらなく好き(笑
    同時代に生きて、謎にチャレンジしてみたかったな。
    99.999%解けなかったと思うけれど。

    こういった試みの推理小説を、また誰かが書いてくれないかなぁ、と期待。

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    2023年08月10日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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     乙女の本棚シリーズから、坂口安吾さんとしきみさんのコラボ作品「桜の森の満開の下」です。前に読んだ「夜長姫と耳男」が怖いお話だったので、また怖いお話かも…ドキドキしながら手にしました。

     鈴鹿峠に住みついた山賊の男は、桜の満開の時期になると胸騒ぎを覚え落ち着きをなくす性分であった…。ある日、いつものように金品を強奪しようと狙ったのは夫婦だったが、妻が美しすぎたこともあり夫を殺して妻を浚い男との8番目の女房としたのだが…この妻がわがままで男を意のままに操り、残虐で冷徹な一面を持つ狂気に満ちた女だった…。6人の女房を男に殺害させ1人は自分の侍女(女房の中でも一番容姿の劣るもの)とし、山での生活に

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    2023年07月18日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    ネタバレ

     乙女の本棚シリーズから、坂口安吾さんと夜汽車さんのコラボ作品「夜長姫と耳男」です。少女マンガのように可愛くて鮮やかな着物を纏う姫が印象的なんだけど、よく見ると骸骨とか蛇も描けれているし(;・∀・)

     師匠からの推薦を受けヒダから夜長姫のもとを訪れた耳男…。依頼された仏像の制作には3年間を要し、夜長姫の無邪気な笑顔の裏にある残虐性に対抗すべく、耳男は蛇の生き血を飲み残りは制作した仏像に浴びさせ、亡骸を天井から吊るす…狂気じみた期間を過ごす。その後も、夜長姫の仏像制作の依頼を受けこの地に逗留していたが、村に疫病が流行り村人が次々と命を落とす…。その様子を高楼から見ては楽しむ夜長姫…耳男は夜長姫

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    2023年07月18日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    師匠の推薦で夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男は姫の住む村で残酷で怪しい日々を過ごす。

    暗い。

    夜汽車さんの端麗な絵柄で描かれた無邪気で残酷な姫が物語にすごく合っていた。
    髑髏柄の着物……

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    2023年04月06日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    この季節にぴったりな一冊。
    私はとにかく昔から桜が大好きで、高校生のときの図書委員会便りでも「桜の小説」特集を組み、この作品を紹介していた覚えがある。
    桜の美しさはほんとうに不可解といっても過言ではなく、このような恐ろしい逸話の上に咲いているのだと言われたらつい納得してしまいそう。
    見目麗しければ人妻でも平気で連れ去る野蛮な山賊が此度捕らえてきたのは、わがままで、生首をおままごとに使って遊ぶような狂った女。
    暴君な彼女に振り回され都会に引っ越したものの、ますます疲弊するばかりの男は取り憑かれるように桜の森の満開の下を訪れるが……。
    ラストの描写の美しさは圧巻。散り積もった桜の花びらを目にしたら

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    2023年03月20日
  • 白痴

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    特に青鬼の褌を洗う女ですが
    一応奥様がモデルとされていますが
    可愛くってしょうがない感じが
    にじみ出ております
    ひねくれた溺愛が心をくすぐりました

    戦争のさなか
    馬鹿々々しさや絶望があっても
    しっかり生きている感じ
    白痴や女性に対する
    憎悪や嫌悪があっても
    それは自分の怒りの投影であり
    そのなかで 支え合う姿には
    愛を感じます

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    2023年03月09日
  • 作家と犬

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    犬も猫も好きだけどちょっとだけ犬に軍配が上がるかつて犬と暮らしていた私ですので、どのエッセイも愉しく、胸に沁みました。

    好きな作家さんも多く、以前に読んだことがある文にまた出会えて嬉しい。

    このシリーズは他にも猫、珈琲、酒、おやつ…とまだまだあるようなので少しずつ読みたいな。

    以下好きなエッセイ覚え書き。(一部です)

    犬の生まれ変わりに違いないと熱烈に思っている押井守氏、ノラの犬猫を見かけたら放ってはおけない愛情深い米原万里氏、手塚治虫氏による犬が人間のそばにいる理由を描いた漫画、坂口安吾氏がわがまま檀一雄氏のために秋田犬を無心するお手紙、椎名誠氏の犬の系譜と怒りと悲しみの別れ、深沢七

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    2023年03月06日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    白痴がとても面白かった。ずっと題名だけは知っていて、こわい話なのではないかと構えていたから、いい意味で裏切られた。白痴が女に見える瞬間と、そうでないときのちがいが鮮やかに心を通りすがる。

    恋をしに行くを目当てで買い、何ヶ月か前に本作だけを読んで好きだと思った。けれども今回もう一度はじめから通して読んだときは、知らず知らずのうちに読み終えてしまった。

    波子、続戦争と一人の女が良い作品だと思った。

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    2023年02月07日
  • 堕落論

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    堕落論
    続堕落論
    特攻隊に捧ぐ
    太宰治情死考
    ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格

    上記が面白かった。
    きっと安吾は中途半端が嫌いだったんだな。
    堕ちることが怖いのはよくわかる。堕落論が読めない程に堕落してなくて良かった。

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    2023年01月31日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    てぬぐいの表紙が好き。

    太宰とか芥川とか小林とか、次々と言いたいことを言いながら、それでいて的を射ているような、
    私にはちょっと難しかったな、

    「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ」

    この言葉が印象に残った。

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    2022年12月17日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    坂口安吾(1906-1955)の代表的な評論を収録したもの。安吾は「生きる」ということに対して常に誠実であろうとした、という強い印象を受ける。「生きる」ことの根底にある人間の絶対的な孤独や哀しみから眼を逸らそうとする欺瞞的態度に徹底的に抗おうとする、安吾の精力の甚だしさを感じさせる。

    □ 無意味

    意味には、それを意味として成立させるために、ある特定の方向、傾斜、偏り、限定、則ち文脈が、前提されている。そこには、身体によって条件づけられた存在である人間の下部構造が、反映されているのだろう。この文脈によって、ある特定の目的や効用が方向づけられる。この目的や効用によって、一切は評価され位階化され

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    2022年12月11日
  • 不連続殺人事件

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    現在の「推理作家協会賞」の前身にあたる「探偵作家クラブ賞」第二回受賞作品。

    名前だけは知っている「傑作」は一通り読んでおこうと思って、手に取った。

    犯人も動機も犯行手順も全く想像外。

    作中の探偵が「心理の足跡」と呼ぶ、推理のキッカケとなる点は、指摘を受けた後だと、なんで気付かなかったんだろう、と思うくらいシンプルな手掛かりだった。

    戦後僅か2年で、こういう作品が世に出た、という点も意外だった。

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    2022年12月04日
  • 不連続殺人事件

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    とてもよくできた推理小説だった。公募形式で犯人と推理の過程を募るという趣向も面白い。
    でも正直に言うと、登場人物が多すぎて、誰が何を話してどういう動きをしているのかよく分からなくなってしまい、推理に参加するどころではなかった。
    あと、現在ではとても受け入れられない表現や人物描写ばかりだった。

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    2022年11月28日
  • 不連続殺人事件

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    山奥の屋敷で殺人事件が起こる。
    犯人に目処がつかず動機も定かでは無い。
    坂口安吾の本格推理小説です。
    純粋に面白かった。
    この時代の方々が残した話しはよくできていて、興味深いものが多いです。
    小説は楽しい。

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    2022年11月25日
  • 不連続殺人事件

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    次々に人が死んでいくのに全然緊張感が無くてコメディかと思った
    最後まで全然犯人が分からなくて悔しかった
    人もいっぱい出てくるからてんてこまいだったけど面白かった
    安吾が「推理小説」の先駆けになったというか読者視点として面白みを見つけ出したのがすごいなと思った
    年譜を見てて安吾の破天荒ぶりにすげえ笑った

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    2022年11月18日
  • 肝臓先生

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    坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。

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    2022年11月18日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

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    文庫は、ナンセンス文学である「風博士」から始まる。
    どこかドグラ・マグラ的な匂いを感じなくもない。
    幾度も同じ単語を並べ立て、強調に強調を重ねた「僕」の語り口に、だから何なの?と言いたくなる。
    演説のような「僕」の熱弁ぶりと反比例して、読者は段々とバカバカしい思いに捕らわれていく。
    それでも何か意味があるに違いないと私達はページを繰る。
    しかし坂口安吾は、深読みしたがる読者を煙に巻くのだ。

    さて、読みたかった「桜の森の満開の下」。
    昔話のような語り方で、美しい桜の木のもと、人の業が描かれていた。

    青空のもと見上げる満開の桜は春の喜びを感じるのに、
    ハラハラと散る桜は儚げで美しいのに、

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    2022年11月09日
  • 不連続殺人事件

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    総勢35名のワケアリ男女が繰り広げるハチャメチャ奇想天外事件に翻弄されっぱなし。
    不連続殺人というカモフラージュ戦法でとても難解でしたが、ラストはかっこよくまとまっていて、読後感が最高です。

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    2022年10月25日