坂口安吾のレビュー一覧

  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    はじめは男が女に執着しているようでそのために女を甘やかしていたが時が経つにつれ女の方が男に依存しているようで面白かったです。

    0
    2025年11月26日
  • 肝臓先生

    購入済み

    恥ずかしがりながらも

    作者坂口安吾に限らず太宰治にも見られるように、皮肉っぽく斜めに構えた物言い 表現が洒落ている と思われていた時代である。にも関わらずこの作品は恥ずかしがりながらも、臨床医という職業に殉じた「肝臓先生」を手放しで褒め称えている。この作者の作品としては珍しく感涙ものであった。

    0
    2025年11月25日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    2025/10/30
    p.23
     その雑念を抑えるために、タクミの心になりきろうとオレは思った。親方が教えてくれたタクミの心構えの用いどころはこの時だと思った。
     そこでオレはエナコを見つめた。大蛇が足にかみついてもこの目を放しはしないぞと我とわが胸に云いきかせながら。
     オレの目はエナコの顔から放れなかったが、一心不乱ではなかった。なぜなら、オレは驚愕と怒りを抑えた代りに、嘲りが宿ってしまったのを、いかんともすることができなかったから。
     その嘲りをエナコに向けるのは不当であると気がついていたが、オレの目をエナコに向けてそこから放すことができなければ、目に宿る嘲りもエナコの顔に向けるほかにどう仕様もない。
     エナコはオレの視線に気がついた。次第にエナコの顔色が変った。オレはシマッタと思ったが、エナコの目に憎しみの火がもえたつのを見て、オレもにわかに憎しみにもえた。オレとエナコは全てを忘れ、ただ憎しみをこめて睨み合った。

    0
    2025年10月30日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

    0
    2025年08月12日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    大好きなんですよ、坂口安吾の「夜長姫と耳男」
    けれどもレビューは書いてない、と言うか書けなかったですね。
    もう「雰囲気があるんですよ」とか「世界観が」とか陳腐な言葉しか出てこない、何故好きなのかもよく分からないし。
    この作品に関しては、作者の意図とか教科書的な答え合わせなんかどうでも良いと考えていました。

    ところが「乙女の本棚」シリーズに収録されているらしい。ということで、夜汽車さんのイラストを眺めながら人生何度目かの再チャレンジ。

    うーん、ファム・ファタルですね。

    ファムファタルが何か分かっているのか?と問い詰められると、「だって夜長姫が好きなんじゃー」と開き直るしかなくなるのですが、面白いのでみなさん是非お読みください。

    0
    2025年07月13日
  • 堕落論

    Posted by ブクログ

    表題作の「堕落論」他、「続堕落論」と二つの間に挟まれていた「天皇小論」を読んだ。かなり好きな思想で、個人的には、「続堕落論」よりも「堕落」することについて妥協のない無印の「堕落論」の方が好き。

    全体の趣旨は結構単純で、基本的には、戦前の国家主義的なイデオロギー批判だと読んでいいのだと思って読んだ。人間の本質は、倫理的でないこと、堕落した生活や生き方をすることにあって、放っておく限り人は堕落する。だから、世界の歴史は、人間を堕落させないための「カラクリ」を生み出してきたのだという。それは、天皇制であったり、武士道であったり、形は違っているが、その本質は同じで、理想的な生き方、倫理観を示すことによって、人を堕落させずに従わせようとするものである。こうしたものの存在が、第二次大戦における未曾有の被害を生み、日本を敗戦に向かわせたのだというのが、坂口安吾の歴史認識である。
    では、そういった国を破滅に向かわせた「カラクリ」から逃れるためには、どうしたらよいのか? それが「堕落」である。

    だが他人の処女でなしに自分自身の処女を刺殺し、自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすためには、人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。そして人の如くに日本も亦堕ちることが必要であろう。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。(p86)

    「堕落」というのは、何か理想的な状態があって、その理想的な状態から堕ちることである。であるからにして、「堕落」は普通、悪いことだと考えられる。けれども、安吾はそのような「堕落」観を否定する。

    敗戦後国民の道義頽廃せりというのだが、然らば戦前の「健全」なる道義に復することが望ましきことなりや、賀すべきことなりや、私は然らずと思う。(p89)

    戦後の社会が教えてくれたのは、かつて「健全」であったことの方がよっぽど「不健全」だったという事実で、そのような意味での悪しき「健全」から逃れる方法が、個人の「堕落」なのである。だからこそ、「堕落」は常に、「不健全」になりうるイデオロギーからの「堕落」であり、「制度の母体(p101)」として新しい「カラクリ」を作り続けるものでなくてはならない。このあたりの主張は、無印の「堕落論」よりも「続堕落論」の方が分かりやすくなっている。その分、無印の「堕落論」が持っていた「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない」という「堕落」の徹底ぶりが、やや妥協されているように感じたところで、個人的には、徹底的に堕ちきる無印の方が好きである。

    それにしても一番面白かったのは、わざわざ言わなくてもいい「私は二十の美女を好む」だと思う。

    その当然堕ちるべき地獄の遍歴に淪落自体が美でありうる時に初めて美とよびうるのかも知れないが、二十の処女をわざわざ六十の老醜の姿の上で常に見つめなければならぬのか。これは私には分らない。私は二十の美女を好む。(p79〜80)

    いや、そうなのかもしれないが、わざわざ言う必要あるかと思う。安吾は、イデオロギーが生み出す「美」を否定する一方で、「美」に惹かれてしまう人間の性のようなものは否定しない。ところどころにそれは現れて、自分自身が「二十の美女を好む」ことを一々言うところとかは、すごく好きである。しかし、一方で怖いとも思う。

    私の近所のオカミサンは爆撃のない日は退屈ねと井戸端会議でふともらして皆に笑われてごまかしたが、笑った方も案外本音はそうなのだと私は思った。(p100〜101)

    巷では、時代が不幸になると安吾は読まれるようになるそうだ。どんな理不尽な状況やルールの下に置かれても、それが当たり前になると、その理不尽さはいつの間にか慣らされて、その理不尽の中で楽しみを感じるようになる。これは、理不尽なルールに満ちた中学校で、楽しそうに過ごす中学生たちを見ていると、身に沁みて感じることである。
    「堕落論」は、いかに「堕落」することが、人間にとって困難な振る舞いであるかを、よく教えてくれていると思う。

    0
    2025年07月11日
  • 不良少年とキリスト(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    表題作だけ。
    弔辞だね、これは。
    しょーもないなーと思ってた友達だけど、死んでほしくなかったんだね。
    ばかだな、ほんとに、ばかな真似しやがって、ついうっかりやっちまったんだとわかってるけどさ、でもな。
    みたいな根底の気持ちが伝わってくる。

    「戦争は学問ではない。」

    0
    2025年07月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    面白かった。この時代の文豪の語り口、好き。
    俗悪なようでひねくれているようで、素直。率直でいようとがんばってる感じも。
    日本人が、天皇を言い訳にして終戦を迎えたくだりはなるほどと。言い訳がなければただお上に従う国民性は健在かもなー。

    「舞台は僕が想像し、僕がつくれば、それでいい。」

    0
    2025年07月03日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「夜長姫と耳長男」が一番印象に残りました。
    今でこそアニメや小説に「血が見たい」「人の死が見たい」といった猟奇的なキャラクターが見られますが、夜長姫のような人は発表当時にはほとんどいなかったキャラクターではなかったでしょうか。
    この本を読んで坂口先生の作品に興味を持ち始めました。

    0
    2025年02月09日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    有名なタイトルだけど、読んだことなかったから読んだ。タイトルの美しさと、それに負けない不気味さが良い作品だった。絵も上手く雰囲気が合っていた。
    文字だけで、桜吹雪の中に立っている気持ちになれる。
    顔は美しいかもしれないけど、首でままごと遊びする女はやばすぎるだろ。
    山育ちが都で感じる寂しさはわかるなあ。

    0
    2024年11月14日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感想会での選択本。戦後直ぐに出版された本。敗戦によって180度思想が変わった日本。戦前は武士道を基本として、天皇陛下のために奉仕をしてきた。が、戦後、男は闇市、女性は亡くなった夫から区切りをつけ新しい恋愛を夢見る。これぞ著者の言う堕落。堕落とは自分のため、欲求のためにしたいことをすること。ある意味人間らしく生きること。しかし、堕落(人間らしく生きること)は「孤独」が付きまとう。人間そんなに鉄のハートを持っていない。なので堕落は辛いこと。でも、これこそが人間の本質だ。とことん堕ちよう。自分のために。⑤

    0
    2024年10月05日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    とても良い!!!!!!!
    読んだことあるやつもあったけど、乱歩の芋虫、坂口安吾の桜の森の満開の下、太宰治の駆込み訴え、辺りが気になっていたので読めてよかった。

    0
    2024年10月01日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    恋愛論。と言い切るだけの内容がここにある。
    そうだそうだ、難しいことはない。ただそれを明確に一つずつ定義していくその中身が真っ当すぎて、このどストレートなタイトルがより光る。

    坂口安吾すげぇな。
    メガネの理系男のイメージしかなかったよ
    (某作品の影響ですね)

    2024.9.14
    142

    0
    2024年09月14日
  • 不連続殺人事件

    Posted by ブクログ

    坂口安吾が書いた懸賞付き推理小説。一癖も二癖もある登場人物たちが絡み合い、混沌としたなか、一人また一人と殺人が行われていく。かなり多くの人物が登場しますが、ある意味類型的でそれなりに区別はつきます。

    ですがまともに読んでいては、全てを把握するのは難しいでしょうから、人物相関図的なものは必要でしょう。

    アガサ・クリスティーの某作品と同じという話もあります。確かに素材は同じです。ですが、その味付けは全く別物です。肉じゃがとカレーのようなものです。犯人当てという点では、この不連続殺人事件の方がテクニカルで、動機や殺人の流れも理屈に合っているようにも思います。

    犯人当てに傾いた分、途中の物語としての面白さはどうしてもクリスティーの作品の方が抜けていますが、それでもこの不連続殺人事件のラストシーンは素晴らしいです。

    むしろ途中の混迷極まる雑多な展開で、いったい何を見せられているのかと半ば呆れる感覚だったのが、その揺り戻しで大きな感動を呼んでいるとさえ思えます。すごい作品です。

    0
    2024年08月31日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    なかなか難しいが今まで読んだなかでは理解しやすかった。恋愛論。
    恋愛によっても満たされることはないが恋無しに人生は成り立たない。
    そして恋愛は人間永遠の問題だ。ただしき恋などというもの断じうるはずもない。
    確かに現代においても永遠のテーマといえる。
    愚かでもある。

    0
    2024年08月12日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

    Posted by ブクログ

    情痴作家って言葉、すごいなって思ったけどたしかに恋愛、女、情欲にかかわる話が多かった。そういうのを選んで編纂したんだろうか。エロいし浮気なのに爽やか、誠実、孤独、悪魔的という感じの女性像。
    谷崎潤一郎や泉鏡花を読んでみようと思った。不連続殺人事件と私は海を抱きしめていたいも読みたい。

    0
    2024年04月07日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    『今昔奈良物語』の『桜の森の満開の下』のパロディー短編を読んだときにわからない部分があったので、今回読んでみました。挿絵とレイアウトのおかげでとても読みやすくなって、文豪作品の敷居がぐっと低くなりました。

    鈴鹿峠にある桜の森の花の下では花の季節になると、旅人は気が変になってしまう。この山に住む山賊は情容赦なく着物をはぎ人の命を絶つが、やはりこの花の下に来ると怖くなってしまうのだ。山賊がいつものように街道で男の着物と一緒に妻をさらう。山賊にはすでに7人の妻がおり、その女は他の妻たちを次々と殺すよう山賊に言う…

    現代では絶対に出版できない内容。とても残酷なのですが、この山賊がそうであるように、この女から目が離せません。冒頭から描かれる花の美しさが、妻の無邪気な残酷さを打ち消しています。

    なんででしょう。なぜだか感動する。文豪おそるべし。

    0
    2024年03月15日
  • 堕落論 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    くらっちゃうよね。思想の力強さも、文章の無駄のなさも虜になってしまう。

    永遠はありえない、歴史に必然性はなく、人は人格を有する。そういったことを突き詰めて、実行したのが彼の生き方だったのだろう。

    名作と呼ばれる本ばかり読んでいても、浅い人間になりそうだけど、この作品に出会えて素直に感動している。

    0
    2024年03月07日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山賊は盗みに入った家の女房の美しさに一目惚れし連れて帰るが、わがままな性格。山賊は女の言いなりで、盗みや人殺しを繰り返す。やがて山賊とその女、ビッコの女は都に移住する。さらに女はエスカレーとし、櫛や着物だけではなく、人間の生首を欲しがるようになる。山賊は女の欲望に辟易し山に帰るが、女も付いてくる。道中、満開の桜の中を通った時に女が老婆の鬼に変わり、女の首を絞めて殺してしまう。そこには鬼ではなく美し女であり、女の顔におちた花びらを払おうとすると女の姿は消え、山賊も消え去った。桜の花は怖い!感想会楽しみ!⑤

    0
    2024年03月10日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う」 恋愛という謎は面白い。脳科学的にもどのようなメカニズムで人を好きになるのか?ドパミン、セロトニン等の神経伝達物質が放出されるのですが、恋する理由は無数あり、それらを特定するのは難しいらしい。人は恋愛をして裏切られ、また恋をするという繰り返し。人間はバカなので繰り返す。バカは死んでも治らない。でもこのエネルギーこそ生きている証拠。この本を読んだ理由、決してモテようと思った訳ではないが、バカはとても美しい。⑤

    0
    2024年03月01日