坂口安吾のレビュー一覧

  • 恋愛論(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う」 恋愛という謎は面白い。脳科学的にもどのようなメカニズムで人を好きになるのか?ドパミン、セロトニン等の神経伝達物質が放出されるのですが、恋する理由は無数あり、それらを特定するのは難しいらしい。人は恋愛をして裏切られ、また恋をするという繰り返し。人間はバカなので繰り返す。バカは死んでも治らない。でもこのエネルギーこそ生きている証拠。この本を読んだ理由、決してモテようと思った訳ではないが、バカはとても美しい。⑤

    0
    2024年03月01日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    坂口安吾は、残酷でセンセーショナルな作品を書くイメージがあったが、この恋愛論は真面目な論説文でそのギャップに驚いた。
    物語でない論説文にイラストが入ると、物語を読んでいるような気分になり不思議な感じがした。普段とっつきにくい論説文もこのようにコラボして、イメージが広がる形でどんどん読めたらいいのに、と思った。
    恋と愛のニュアンスの違い、日本語の多様な同義語が雰囲気的過ぎるという話には、納得感があった。万葉集や古今集の恋歌が、動物の本能の叫びに過ぎないと切り捨てるのも、なんとも清々しい。人生とは、その本能の世界から抜けてめいめいが世界を建設するもの、常識という規則で満たされなくなった心が、良俗に

    0
    2024年02月28日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    美しいけど不気味な世界。
    少し怖いお話でしたが、しきみさんの美麗なイラストとともに引き込まれました。

    0
    2023年11月30日
  • 桜の森の満開の下

    Posted by ブクログ

    坂口安吾を一冊通して読むのは初めて。十月桜が咲いている今日この頃、有名な表題作が気になっていたところ、たまたま書店で面だしされていたので読んでみようかなと。

    驚いたのが、著者は歴史小説を書いていたんですね。知らなかったです。
    『二流の人』では、大河ドラマの黒田官兵衛のシーンが脳裏に浮かびましたが、小西行長に関しては、日本の会社の駄目な部分の走りを感じました。話しは時間軸が前後しながらも、内容が破綻せずに無理なく読み進められます。『梟雄(きょうゆう)』は、斎藤道三の一代記が書かれており、最後の描写には男気を感じますね。

    さて、表題作ですが、女性の残酷な行動が、なんともまあ…。ともあれ、不器用

    0
    2023年10月28日
  • 不連続殺人事件

    Posted by ブクログ

    純文学作家の印象が強い坂口安吾の書いた、人間の行動心理の隙をつくトリックで有名な推理小説の名作。戦後まもなくの田舎の山奥に、奇人変人ぞろいの文壇や演劇界の著名人が招待され次々と殺されていくいわゆる「館もの」で、ちゃんと「間取り図」もある本格ものだが、館の建造物としての構造や特殊な道具などのトリッキーなトリックに頼らず、ある状況下において「ふつうの人間ならとるはずのない不自然な仕草」だったり、どんなに疑り深い人でも「これだけは絶対大丈夫」と思い込ませる詐術がトリックになっており、それは読んでいてふと感じる程度の違和感か、言われるまで全く不自然さを感じさせないほど巧妙なもので、私は前者だったけどそ

    0
    2023年10月14日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    坂口安吾のリアリスティックな人間観は、本質を突いている。弱さから美徳を求めるのが人間であり、美徳から逃れて堕落するのも人間である。自分自身の美徳を編み出すためには、「正しく堕ちる」必要がある。
    絶対的な価値観の崩壊を引き起こした戦後は、まさに「正しく堕ち」、自らの美徳を編み出す大きなチャンスだったのだろう。しかし、日本はこのチャンスをふいにしてしまったように思えてならない。西欧の価値観を追従し、美徳について問うことを忘れてしまった現代の日本は、美しさすら失った、運命に従順な人間の姿のように思える。

    0
    2023年09月10日
  • 堕落論 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。

    親子二人恭しく拝礼していたが、得体の知れぬ悲願を血につなごうとしているようで、痛々しかった。

    人間の、又人性の正しい姿とは何ぞや。
    欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。
    好きなものを好きだという、好きな女を好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一条件だ。

    元より人間は思い通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃

    0
    2023年08月31日
  • 不連続殺人事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「心理の足跡」! 言われてみれば「そうだよなあ」と思うのだが、思いつきませんね。この小説のトリックは海外の女流作家にも例があるが、こちらの方が上手く使っていますね。
    しかし、医者が気◯いなのには閉口しました。

    0
    2023年08月01日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    天才すぎ。
    坂口安吾の解体に次ぐ解体。身の回りにすでに地盤を固めて安定している美徳や観念規範と、現実の人間の様相を、純粋素朴な安吾の目で捉えて比較し、それらを再構築していくといった名エッセイ集。
    安吾が純粋すぎるが故の求道的文学者であったと感じる。ただ、彼にとっては文学は自身の生き方を見つめる上での副産物でしかなかったのだろうな。、
    安吾流の美観に喰らいすぎた2023でした。
    自分の美観を確立したいと思う今日この頃。

    0
    2023年07月28日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

    Posted by ブクログ

    一篇目の『風博士』で狐に摘まれたような気分になり、はやくも頭の中では仕事帰りにBOOKOFFで売り払うこと考えつつ、しかし頑張ってのりこえ、そこから先は天国。痴情作家といわれるらしいが、個人的にはそうは思わなかった。男女の関係はいわば生物学の基本で、人間感情の基本でもあるわけで、言ってしまえば政治小説とかの方が異常。それはさておき、痴情というからテッキリ小澤さん甘いよ、甘すぎるよーな筋かと思いきや、自分が完全にこの作家に対して無知から入った所為もあるが、戦争と切っても切れないような作品ばかりで、面食らった。解説曰く、作者は谷崎潤一郎に若い頃憧れていたらしく、言われてみれば系統的に似ていると思う

    0
    2023年07月10日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

    Posted by ブクログ

    新潮文庫の堕落論はすでに持っていますが、「茶番について」を読みたいがためにこちらも買いました。

    荘子や大江健三郎を読んだ影響で、自分が今年に入ってから考え続けている「不合理」の正体について、「茶番について」はひとつの着地点を提示してくれました。

    早稲田大の入試にも出たようです。
    全体としても大変良いエッセイ集でした。

    0
    2023年06月16日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    エッセイも小説も面白い。
    どの作品にも芸術や美に対する思想が押し出されていて、視点の面白さは言わずもがな勉強になった。

    0
    2023年05月29日
  • 堕落論

    Posted by ブクログ


    -あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた。

    -人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。



    否定する。幻想を夢みる。それは現実逃避ではなく、そうして自分という1人の人間の、いまこの生活を見つめるための文学的な生き方

    0
    2023年04月08日
  • 白痴

    Posted by ブクログ

    登場人物は、男女の肉体関係を、浮気を、戦争を愛する。それが正しいかどうかよりも、そういった小説のフィクション性が、現実の輪郭を際立たせること。というかなんなら「現実はフィクションを含む」ことを思い知らされる。

    0
    2023年03月24日
  • 桜の森の満開の下・白痴 他12篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    女は空で男は鳥だったその表現が綺麗でした
    男は女にとって綺麗で記憶からも話せないそんな存在
    それを桜で例えててると解釈しました。桜と散る男を見ると彼はもう恐るものはないと思いました

    0
    2023年03月22日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

    Posted by ブクログ

    久しぶりに「絵本」の形式で読んだが、物語の続きが気になるという気持ちと、美麗なイラストを見たいという気持ちで2倍楽しめた。

    0
    2023年03月09日
  • 白痴

    Posted by ブクログ

    「堕落論」などのエッセイを読んでから小説を読んだ。坂口安吾がどんな考え方をする人なのか大体分かった状態で読んだので面白く感じた。どの話も彼自身の哲学が反映されていて、ここまで一貫に徹して己を曝け出している人も珍しいんじゃないかと思う。何か一つのゴールを見据えている感じがすごく伝わる。
    また、文体も肌に合っていた。純文学の抒情的表現や、…みたいな感じ、分かるでしょ…??といったような文体に馴染めない(私自身が鈍感だからだと思うが…)人間なので、坂口安吾の文体が心地よかった。特に心地よかったのは「青鬼の褌を洗う女」で、サチ子目線から語る心の機微の言語化や考え方がすごく面白かった。

    どの話でも語り

    0
    2023年03月03日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    タイトルからして中二心をくすぐってくる名著。真面目な学生が生まれて初めて「生きよ、堕ちよ」などという過激な言葉に触れた時に感じる衝撃こそ読書体験の醍醐味。

    0
    2023年02月27日
  • 堕落論【語注付】

    Posted by ブクログ

    もともと人間は長く生きれば、光り輝いていた頃から徐々に堕落してくものなのだ。赤穂浪士の志士を処刑したのは、長く生きながらえて生き恥をさらないようにしたため。軍人の妻で未亡人となった者の結婚をしばらく禁じ得たのは、時期がたてば不倫をしてしまうため。もともと二人の君主に仕えるな、それなら潔く死なば諸共、一つの君主に仕えよという武士道の教えは、こういう規律でも作らない限り、やすやすと他の君主に願えることを見越していたため。こんな元々の人間の行動・思考特性にそぐわない旧来の価値観に縛られるな一度人間の本性というものに立ち返って堕落してみよ、というのがこの本で述べている堕落の意味。とても面白い。

    0
    2023年02月19日
  • 堕落論 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    面白かった!坂口安吾の思想をそのまま飲み込むには成熟が必要で難しく感じたが、話の引き合いの出し方や力強い語り口のお陰で輪郭を掴めた感じ。
    勝ちは得られないけど負けはしないといった言葉が印象的。

    0
    2023年02月17日