坂口安吾のレビュー一覧

  • 桜の森の満開の下

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    ネタバレ

    安吾は怪談から恋愛もの、人間ドラマにドタバタとオール・ジャンルの作品を書いた器用な作家。太宰や漱石の作品に出てくる悩んで自殺するような弱々しい人物ではなく、血の通った逞しく生きる人間を描いている。それにしても、表題作のグロさは桁違いの凄さ。

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    2014年07月04日
  • 肝臓先生

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    結構えげつない部分もあるはずなのに、そんなものは些末なことだと思わせるのが坂口安吾、という印象がある。
    どこかしらに散りばめられた「戦争」にはいつも深く感じ入るのだが、『肝臓先生』はこれまでに読んできたものとは何か違った、一種の感動さえあった。
    しかし、短いせいなのか、何度読んでも『私は海をだきしめていたい』が記憶に残らないのはなぜだろう。
    「毎回新しい気持ちで読める」と言えば聞こえは良いけれど…

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    2014年03月01日
  • 桜の森の満開の下

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    桜の花の満開はあまりに美しい。そして、あまりに美しいものには、不気味がある。ふとした瞬間に冷静では居られなくなりそうな何かが。

    「花の下は涯がないからだよ」

    何度も読み返す、大好きな作品。

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    2014年02月26日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    集英社版の堕落論を読んで、非常に感銘を受けたので他のエッセイも読みたく思いこちらも読んだ。非常に面白く、新たな思想に触れて感銘を受けると同時に、数を重ねる事で彼の思想が立体的に浮き彫りになってきた気がする。非常に首尾一貫した、人間愛者だと感じた。ネガティブなイメージが先行してしまうのかもしれないが、彼の人生に対する態度は、彼が戯作について述べていたような『徹底的な肯定』と通じるものがあり、人生の、人間の汚い面や悪い面なども、全てをぐいと飲み下して肯定してしまう、そう言う奮闘の姿なのだという事がひしひしと伝わってくる。

    彼が繰り返し強調する概念の中に見えたのは、肉体性というものをきちんと見据え

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    2013年12月04日
  • 桜の森の満開の下

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    表題作目当て。表題作が本当に素晴らしかった。溜め息が出るくらい素晴らしい。この小説の良さをうまく伝えられない自分がもどかしい。紫大納言と夜長姫と耳男も良かった。寓話が好きみたい。歴史小説は苦手なので読むのが辛かったけど…。岩波文庫の方も読んでみようかな。2011/410

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    2013年10月07日
  • 教祖の文学 不良少年とキリスト

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    青春の書でした。生きるとは戦うこと、勝ちはしない、一体誰に勝とうっていうのだ。というあたり良いですね。

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    2013年08月28日
  • 続 明治開化 安吾捕物帖

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    まだまだ新十郎と海舟先生の推理バトルに浸っていたくて買った続編。600ページというボリュームで、かなり楽しめた。時々謎解きに物足りなさを感じることもあるけれど、明治初期の文化や風俗についての記述や人々のどろどろした人間関係を読むのが面白くて。事件パートのどろどろっぷりと比べ、探偵くんとその(役に立たない)助手たちの推理パートが軽妙なので、うまくバランスが取れている。

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    2013年01月02日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    安吾の作品について語ろうとすると、どうしても安吾について語ることになってしまう。
    私にとって、こういう作家はほかにいない。

    安吾の文章は、安吾の血肉なのではないかと思ってしまう。
    そう思うくらい、私は彼と彼の作品を区別できない。


    「文学のふるさと」「日本文化私観」が好き。
    ドライアイス工場を美しいと思う安吾を、私は愛します。

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    2012年04月15日
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

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    久しぶりに読み返した。やっぱり坂口安吾はすごい。
    高校生の頃は白痴が良かった覚えがあるけれど、今読んだら断然青鬼…の方が好きになっていた。傑作。

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    2012年02月11日
  • 肝臓先生

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    「私はあなたから、人の子の罪の切なさを知りました。罪の持つ清純なものを教わりました。」――『ジロリの女』

    私が安吾の文章を読んで、たまらなく悲しく、どうしようもなく切なく、そして苦しいほど何かに向かって声の限りに叫びたくなるのは、たぶん、安吾が優しくて潔癖で、強靭で狂人だからだろう。

    「私はいつも神様の国へ行こうとしながら地獄の門を潜ってしまう人間だ。ともかく私は始めから地獄の門を目指して出かける時でも、神様の国へ行こうということを忘れたことのない甘ったるい人間だった。」――『私は海をだきしめていたい』

    安吾は自分の弱さを認めている。自分の無知さも認めている。そして彼は、自分の恥も認めて

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    2012年02月03日
  • 堕落論

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    ネタバレ

    角川の夏の100冊に選ばれている。
    堕落することの可否とは別に、堕落していく必然性のようなものを記載しようとしている。
    正しいことのみを追求しようとすると、ある面では堕落していくことになるかもしれない。
    堕落することによって、初めて本当に大事なものが何かが見えてくるのかもしれない。

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    2011年12月23日
  • 堕落論

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    単純に好きでした。彼の理想論とでも言えてしまいそうな大胆な論理が、考えたこともない角度から言い表わされていて。しかも納得させられるし、深いし、救われる。堕落論以外のも面白い。
    難しいから、何度も読むべき本。そして毎回新しい発見ができそうな本。はじめての坂口安吾だけど、いい出会い。時代は関係ないね!今読んでもまったく、新しいです。

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    2011年07月23日
  • 風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇

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    表題作「風と光と二十の私と」を読みました。
    主人公が抱く不安や、人生の一つの時期に、
    自分自身を重ねて読む人は多いのではと思います。

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    2011年06月04日
  • 肝臓先生

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    同出版社の『白痴・二流の人』がかなり面白かったので購入。見事期待に応えてくれた一冊だった。
    今回思ったのは、安吾特有の肉体が前景化される作品よりも、「魔の退屈」のようなエッセイや「肝臓先生」のような作品の方が僕は好きだ。もちろん、肉体・精神を描いた作品も好きだし、安吾の思想を知るためにはそっちを読まなければいけないのはわかっているけれども。
    とにかく、安吾は面白い。好きな作家が増えて嬉しい。

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    2011年05月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    堕落論や続堕落論で書かれていることは非常に本質的だと思った。日本人の所謂ムラ的なるものの、建前性がよくわかる。天皇に関する考察も共感できて、現代の政治でも未だに見られる権力の二重構造状態である。
    日本人の未発達な自我が、こういったエゴイズムや建前を生むのではないか。

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    2019年01月16日
  • 日本文化私観

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    坂口安吾は、104年前の1906年10月20日に新潟市で生まれた小説家。

    『不連続殺人事件』『桜の森の満開の下』『白痴』『安吾捕物帖』『堕落論』『安吾巷談』などなど、小説をはじめ翻訳までほとんどの作品を読んで来て、やはり彼の真骨頂は、小説家としてより評論というか文明批評や社会批評の面で大いに発揮されているように思います。

    そして、家は先祖代々の旧家で地主で大富豪、衆議院議員の父の13人兄弟の12番目の子として生まれた出自は、その後の彼の人生にどういう影響を及ぼしたのか、想像に難くないのは私だけでしょうか。

    それから、敗戦後に『堕落論』で一世を風靡し≪無頼派≫で鳴らしたことからも、かなり長

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    2012年10月07日
  • 白痴・二流の人

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    ゼミの先生に、安吾を読むなら角川文庫がいいと教えてもらったので購入。
    安吾の小説は初めて読んだけどかなり面白かった、これからハマりそう。歴史小説が苦手な僕でも「二流の人」はスラスラ読めた。戦国BASARAのアニメ観たことあるせいで、その意味で余計に楽しめた。
    収録されてるなかで一番好きな作品は「風と光と二十の私と」。小説っていうよりエッセイみたいな感じだけど、教育学部に在籍する者として心に染みた。

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    2010年08月26日
  • 堕落論

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    キルケゴールの『死に至る病』と同時に読み進めた結果、互いに通ずるものがあると気づかされ、とても面白かった。

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    2010年07月15日
  • 堕落論・日本文化私観 他22篇

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    ネタバレ

    坂口安吾は戦中~戦後にかけてユニークな日本国家論を提起した。

     「日本文化私観」では、日本文化とは伝統的建造物などではなく、そこにあった人、生活、風俗そのものが日本の文化であるとした。また、「我が人生観」でも文化というものは、過去にもとめるよりも、未来にもとめる建設の方が大切と説いている。

     また「堕落論」「続堕落論」では古代から天皇は政治利用される存在であり、神聖にして侵されないけれども、藤原氏を始め、幕府、尊王攘夷派、軍部の不敬なる企みに使われた。そしてその者達が先頭を切って崇拝することにより、やつらは強大な権力を振りかざしたと斬り捨て、東京裁判に雁首揃えて生き恥をさらす将軍達を痛

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    2021年10月21日
  • 堕落論【語注付】

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    あまり長々と書かない方がしっかりレビューできそうなので、簡潔に。

    大雑把だけれども、見るとこ見てます。
    臆面もなく、おそらく言葉もあまり選ばず、言う。
    彼は 自身をさらけ出すことを厭わない。

    このおっさん、ロックです。

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    2023年02月19日