坂口安吾のレビュー一覧

  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    確かに恋と愛は違う
    恋愛に対する見方が変わったようなきがします。
    物語ではなく論になっていて面白いです。

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    2025年10月15日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
    あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
    まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。

    なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
    抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。

    収録されて

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    2025年10月15日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんの、乙女の本棚作品集です。どこか怪しい美しさのある、しきみさんのイラスト。作品の冒頭に、どういう意図でこのイラストを描いたのか、解説が入っていて、一度読んだことのある作品でも、新たに楽しむ事が出来ました。

    新規収録作品は、芥川龍之介の悪魔。短い作品ですが、インパクトがありました。最後の悪魔の表情が、文章を底上げしている気がします。
    素敵な作品集でした。


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    2025年09月26日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    可愛らしいタイトルなのに、また坂口安吾の超コワイ女の話だった。というか、夜長姫も耳男もキャラクターの名前なんだね。
    耳がウサギのように上に長いタクミの耳男が、長者の耳長家に行って菩薩を彫る。他のタクミの青笠や古釜という名前もファンタジックで面白い。
    絵も、想像しづらい耳男を描いてくれてわかりやすかった。
    耳男が耳を千切られたり、蛇を殺して血を飲んだり、天井に吊るしながら菩薩を彫るのも妙だし、死が大好きなかわいい夜長姫はサロメみたいだった。
    最後のシーンは芸術とは、という作者の持論が聞こえるようだった。

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    2025年09月14日
  • 新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選

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    ネタバレ

    推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。

    【◯看破 △引き分け ×お手上げ】

    ×高木彬光「妖婦の宿」
    名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
    気づかない伏線があったのかな

    〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
    イージー

    △土屋隆夫「民主主義殺人事件」
    冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた

    ×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
    穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった

    〇飛鳥高「車中の人」
    イージー

    ×佐野洋「土曜日に死んだ女」
    部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?

    ×菊村到「追悼パー

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    2025年09月13日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    人間には「魂の孤独」という悪魔の国が口を広げて待っている。
    これは、強者ほど、上に行くものほど悪魔を見、争う。
    人は、生きていくためにも衣食住は必要だが、他になくてはならないものは
    人からの「愛情」なのではないだろうか。

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    2025年08月26日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても豪華な1冊。
    求めていた文豪の短編がビッシリ詰まっていて、不気味!耽美!最高!
    夏目漱石、夢野久作、江戸川乱歩、太宰治が入っていてとても嬉しい。
    どれも面白くて良い。

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    2025年08月14日
  • 白痴

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    ネタバレ

    表題作「白痴」について!

    伊沢は、繊細で周囲の空気に馴染めず、戦時中の同調圧力にも乗れない人だったと思う。
    生きづらさを感じながらも、自分の感性や価値観を大事に抱えながら生きてきた人で、他の人が命や家族や財産、立場を守るために普通ではいられなくなるように、伊沢も自分の価値観を命がけで守ろうとした結果が、終盤の異常性に繋がったんじゃないかなと思った。

    周りの人や映画仲間、女たちへの辛辣な物言いは、ただの見下しだけじゃなくて、自分とのあまりにも違う価値観や空気感に対する拒否反応で、疎外感や孤独感から来てるのかなって思う。

    そんな中で白痴の女が現れ、それを所有物のように扱うようになった。
    人間

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    2025年08月14日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    勘違いしていました。桜の樹の下に屍体を埋める話かと思っていました。まさか、ほとんど今昔物語とは。

    山賊と妖しげな姫との話。どちらも人でなし。その彼らが、満開の桜の下だと、更に「気違い」になるという話でした。

    初出は「いづこへ」真光社1947(昭和22)年5月15日発行だという。だとすれば、此処に出て来る数多の殺戮、首遊びの大元は、その数年前の戦争だと思います。

    ペチャペチャとくっつき二人の顔の形がくずれるたびに女は大喜びで、けたたましく笑いさざめきました。
    「ほれ、ポッペタを食べてやりなさい。ああおいしい。ああおいしい。姫君の喉もたべてやりましょう。ハイ、目の玉もかじりましょう。すすって

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    2025年08月03日
  • 白痴

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    やはり戦争を生きていない私には理解できない価値観や、気づいていない真意などもあるのだろうが、それを抜きにしても面白い作品だと感じた。戦争の荒波の中で嵐のように絶えず変化していく価値観。その中でひとり、芋虫のように横たわる女。その果てしなく無限の孤独に主人公は救われるが、それは周囲から孤立している主人公自身の自己愛に過ぎないのではないか。

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    2025年08月01日
  • 白痴

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    正直難しくて完全に内容を理解できた気がしないが文章のリズムが良くて綺麗で読んでて楽しかった。外套と青空が1番好き

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    2025年06月22日
  • 道鏡

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    読みやすくはないが

    平将門や足利尊氏と並んで「日本三悪人」にあげられている道鏡の話である。安吾だけあって道鏡を悪人 朝敵ではなく、無邪気で純粋に孝謙天皇に仕え 慕う人 という設定にしている。悪人説は藤原氏の陰謀と説はそれはそれで面白い。作者坂口安吾の思想 考えがあちらこちらに述べられていて、読みやすくはないが、敗戦後 天皇に対して遠慮なく物が言えた時代を象徴していて面白い。

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    2025年05月03日
  • 白痴

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    迫力がある

    東京大空襲前後の東京下町 スラム街の様子を独自の語り口で描き出している。この時代の庶民の様子が大変によく分かる。前半の住人の紹介部分は悲惨さや醜悪さが目立ってやや読みにくかったが、後半の空襲場面は随分と迫力がある。作者坂口安吾の実体験が反映されているのかな。

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    2025年05月03日
  • 恋愛論(乙女の本棚)

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    はい、42おネェ

    坂口安吾が「恋愛」について考えた随筆になります
    内容は「恋」と「愛」の違いから始まって…

    ん?

    ちょっと待って

    わい、随筆って書いたけど、ものによってはこの『恋愛論』はエッセイと紹介されてたりするんよね
    なんとなく違うもののような気もするし、でもそもそも「Essay」の日本語訳が「随筆」じゃなかったっけ?ってことは同じもの?

    「恋」と「愛」の違いの前に「エッセイ」と「随筆」の違いが気になってきたー!

    わいのイメージとしては、「エッセイ」はちょっとポップで、日常の出来事をユーモアを交えて語るみたいな感じ

    一方、「随筆」はもっと重厚で、深い考察と共に、普段思ってるこ

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    2025年03月14日
  • 島原の乱雑記

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    キリスト教内部の勢力争い

    島原の乱の取材に長崎を訪れた作者坂口安吾のエッセイである。以前読んだ菊池寛の島原の乱と比較すると、遥かに現代的な考え方であり、表現 語り口である。すんなり読めてしまう。作中に描かれていた天主堂の担当者の不可解な態度が、キリスト教内部の勢力争いを連想させて、ちょっと引っかる。

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    2025年03月02日
  • 桜の森の満開の下

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    ネタバレ

    >桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。

    桜の下に人の姿がなければ、桜は怖しい。なぜなら あの下を通る時、果てしない孤独を感じるから。
    そういえば、「花見」文化の始まりは、豊作祈願の神事ですよね。桜の木に、神様が降りてくるからだとされています。桜の木の下の怖しさに、一種の神々しさみたいなものを感じて、神事を始めたのでしょうか。それとも、神様がいるから神々しくて怖しい?

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    2025年02月14日
  • 不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち

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    文体が古く(それでも断然読みやすい方)、登場人物も多かったが、登場人物たちの特質がとにかくすごくて、この先どうなるのかと気になって読むのをやめられなかった。

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    2025年08月05日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    読んでよかったと心底思えた。彼の言葉には全て噛み砕かれた理由があった。左翼思想でありながらも、決して伝統自体は否定していない。彼が言っていたのは、何も考えず古くからあるものが正しいと思い込み生きることへの批判だった。このように個人的には腑に落ちるようなことが多々あり今まで言語化出来なかった自分の心のモヤモヤが晴れた気がした。
    戦後の日本は特攻隊故なのかやはりどこか"死"に対する美徳精神のようなものがあったのだろう。ただ、坂口安吾は自殺はしょうもないという。この彼の芯の強さとそこにある悲しみにものすごく胸を打たれた。
    限度を知ること。これは現代日本においても学習で得るべき重要

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    2025年01月27日
  • 桜の森の満開の下(乙女の本棚)

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    森見登美彦と文スト経由で坂口安吾、初めて読みました。『桜の木の下には死体が埋まっている』イメージはあったものの、予想を超える恐ろしい話だった。ラストが幻想的でとても好き。タイトルもいいし、ちなんでピンクが基調なのもよかった。イラストがいいのはもちろん、このフォント正解。文字がうっすらピンクだったり、黒や赤のページとか、薄気味悪さと綺麗さが表裏一体の別世界にいるみたいだった。
    乙女の本棚シリーズいいですね。

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    2025年01月15日
  • 堕落論 アニメカバー版

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    これを読むと敗戦直後の日本にタイムスリップします。
    読んだその日から私のバイブルになりました。とりあえず生きろ!とこの作品で坂口安吾はずっと言っています。口悪いのにめちゃくちゃ頭良くて、器デカいのに鬱で、なんかとても魅力的な人物でした。
    まんが版もあるので難しくて読む気失せそうという方はまんが版から入るとエッセンスが分かりやすいです。私も最初はまんが版で読みました。墜落論、続墜落論と2つで一つの作品と思います。
    「不良少年とキリスト」では友人だった太宰治の死を受けて悔しい気持ちが感情のままに綴られているようで涙が出ました。ここでも、「自殺なんてするなよ、俺はお前の分まで生き抜いてやるからな!」

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    2024年12月19日