斎藤幸平のレビュー一覧
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「当事者意識を持つこと」の重要性を実感しました。
「自治」というテーマのもと、様々な分野における「自治」のあり方について論じられていました。
特に、現代社会における「上から」の改革の限界を指摘し、真の社会変革は、一人ひとりが「当事者」となることから始まることを強調していました。
この著書における「市民科学」の例は、この「当事者意識」の重要性を感じられます。専門家だけに任せるのではなく、市民自身が社会問題の解決に向けて積極的に行動を起こす「市民科学」の動きは、従来の「上からの」改革ではカバーしきれない問題に取り組む、新しい可能性を感じられました。
p125~武器としての市民科学を (木村あや)
このような当事者意識を持つことの重要性を、様々な角度から浮き彫りにしています。 「上から」の改革に依存するのではなく、一人ひとりが「当事者」として社会に関わっていくことの重要性を、再認識することができると思います。 -
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第1章 「倫理」「資本主義」「社会」を定義する。
P.43 倫理資本主義とは、倫理と資本主義を融合されられると言う考え方の。道徳的に正しい行動から利益を得ることは可能であり、またそうあるべきである。
第2章 入れ子構造の危機
p.60 自由という価値は個人にかかわるものであり、また個人を形成する。しかし個人は、自らが属する社会的形式が選択の余地を提供しないかぎり自由にはなれない。私たちが近代の自由社会を評価するなは、常に社会的形成の一部にある個人により多くの選択肢を生み出すからだ。
第3章 経済学の危機
p.92 何らかの方法で資本主義と自由民主主義を排除し、環境社会主義その他の柔道の低いガバナンスの仕組みを導入しても、私たちが直面する複雑な危機は解決できない。
第4章 道徳的価値と経済的価値をカップリングさせる
確かになぜ富の不平等が法律としてみとめられていらのかは謎である。
p.110 法律はまさに規範的秩序をつくるための社会システムであり、それゆえに社会的なものだ。つまり私たちは私有財産の存在自体を許容することで、法を通じて集団として私有財産を所有するのだ。
…経済的および社会的病理を深刻化されるあらゆるかたちの有害な格差は違法であるべきだ。なぜなら貧困は社会的な病理の主要な原因だからだ、
第5章 ヒトという動物
p.153 最も重要な主張は、私たちは人間の主体性のなかに道徳的善を観察できると言うことだ。
第6章 道徳的進歩と持続可能性
質や解釈を与えるのが、人文学の役割でもある。
p.165 人文科学、人文主義的社会科学、経済学がどのように連携をするのかを示す例の一つが、生活の質という概念とその実態の探求だ。質は量と同じように増えも減りもするが、質には量に還元できない側面があるという点において両者は異なる。私が同じ種類のチョコレートを食べれば食べるほど消費者は増えていくが、そのチョコレートを食べるという経験の2つは落ちていく。一般的に人間の成長と発達とは、態度の変容、すなわちの幸福の認知や経験の差にある。このため私たちがどのように花開き、成長するかは、一般的な経済的繁栄を予測するあめのツールで測ることができない。
第7章 CPOの倫理部門
p.215 倫理部門は現実世界のデータから得た知見に基づいて、会社が直面してる具体的な問題に対する真に倫理的な解決策のポートフォリオを作成する役割と全面的な責任を負う。
第8章 子どもたちに選挙権を!
p.234 世の中にはみんな好きなものがある。だから誰も望まない仕事に一定時間費やした人だけが、そう言うものを買えるようにしたらどうか?つまりある月にピザを買いたければ、 、それまでに公共トイレを何ヶ所か掃除したり、社会奉仕をしたりする必要があるという制度だ。
第9章 形而上学的パンデミック
p.245 私が訴える「形而上学的パンデミック」とは、私たちに人間は自らの欲望に新たな家を作る必要がある、ということだ。私にはもっと知恵が必要だ。知恵とは自らの欲望に対処することだ。
あとがき
p.274. 新自由主義の問題は、人間の自由は本質的に「社会で自由」でえふこと、すなわち他者が存在しなければ実現しない自由であることを見落としてしている点にあるとガブリエル氏は指摘する。利己的追求によって誰かの自由を奪うと、結局自分の自由を制限することになる。 -
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装丁とタイトルから得る印象で、一旦は読むのをやめようと思ったこともあったのだけれど、今回通読してみて、特に後書きは結構硬質の社会学というような本だったように思う。
一見良いように思えるやり方が、よくない影響よくない結果をもたらしてしまう事例をいくつも現場で時には実践しながら考察しているのだが一つ一つのテーマが、目にしたこと耳にしたことはあっても見なかったもの目を背けていたもの、そして言葉は聞いたことがあっても内容を知らなかったものなので、さて、これらを知った自分が何をできるのか?著者はいろいろな言葉と知識で示してくれているように思えるが、まだまだ腑に落として自分の衝動として思えていないためなのか、読み終えた今もまだ少しピンときていない。例えば1年後この記録を読んだ時何を思うのか何をしているのか…
重荷に感じてしまうのか、どうなのか… -
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世界に名だたる超有名大学。自分には全っっったく縁のない、頭の回転が超早い秀才の中でもさらに一握りの「天才」が思い描く未来像。その答えが意外とシンプル、というところに面白みがある。ダイジェストなので何度も何度も読んでしまった。
なぜいま不幸か。これからの人の幸せとは。
私フィルターなので、プレステ5の映像をファミコンで出力したような劣化が起きるけど。総括。
物質面では充足しきった今風に言うところの「ニーズの掘り起こし」という経済活動が、逆に枯渇を生んでいる。平たく言えばCMのせいでみんな不幸。何か足りない、もっともっとと常に刷り込まれ、そう思わせてるのが富裕層という勝ち逃げ社会。
お金ではない価値のレースで、遊び感覚や自分が必要とされている充実感を得る。成長を駆り立てない最適化された社会が、これからを生きる人の幸せ。ってことか。
成田悠輔さんは直前に出てる『22世紀の民主主義』の要約。難しくない言葉の組み合わせひとつで、なんでここまで知性が出るのかと毎回驚く。
──子どもは意味のない遊びに夢中になり、歳をとると意味のない話に夢中になる。それが人間の本質(要約)
2人目はマルクスだけど一番分かりやすい。資本論の後年「んー、やっぱ経済性を追うだけじゃ不幸になるわ」と視野を広げていたことを知り驚いた。限りある資源再分配の究極形は、人も企業も国も富裕税率95%。
──化石燃料中毒がリチウム中毒に代わっても意味はない(要約)
3人目はデータアルゴリズム。保育園制度は日本死ね。だけど実は公平。収入や労働形態で再配分できてる。仕事と人も同じようにマッチングさえできればもっとWin-Win。
4人目は児童発達支援やうつの話。気持ちの言語化や、出来事の捉え直しが、成長に疲れ切った心を楽にする。
──今日は誰かのために何かをしてあげた? -
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アクター・ネットワーク理論やマルチスピーシーズ人類学など最近よく聞くキーワードが「自然」と「社会」の一元論と捉えられ、それらに対して自然を「素材」と「形態」の2面から捉える方法論的二元論の立場から批判を行なっている箇所は、批判的な視野を持って近年の思想を読み解く視野が開ける面白い論説だった。
一方、脱成長コミュニズムやコモンズ的な潤沢さに関する議論については、あくまで余裕のある先進国の人が想起するビジョンでしかないという印象。
既にしてコモンズが失われ、環境危機がスタートしている社会において、莫大な人口を抱えた状況で途上国の人がこの理論を受け入れることは到底なさそうな気がする。
あくまでマルクスはこう読むことができるという点で批評的に面白かったという感覚。 -
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みんなの共有財、コモンについての話の前に、今の現状は新自由主義によって生まれた資本主義はどう出来上がってきたか、白井聡さんの説明から始まります。
60s-70s学生運動から始まったとされ、その中の日大紛争がまさか最近の日大理事長田中氏につながるとはびっくりですね。それに、反共産主義の統一教会、東大駒場寮や早稲田学生会館を取り壊した経緯、段々と学生運動は衰退しやっぱり綺麗な大学が魅力的になり、そして今では学食プリペで家族にも安心など、学生を孤立化させ、安心安全の無菌室へと誘導することで国の指示通りが一番安心だと信じ込ませた現在。なるほど、本当の自由がなくなっているのに、これだと気づかれにくいですね。こうして自治は衰退してしまったという。
松村圭一郎さんはわたしたちが思い込んでいる自治と自由とは「税という対価を払って後は専門家にお任せする」という意味になってしまっているようです。
その新自由主義マーケットをどう変えていくかが課題で、そこに古着屋とライブハウスの例え話しは素敵なエピソードでした。わたしも個人経営のショップや居酒屋、カフェなどに行って無駄話したりして楽しみながら貢献したいです。
コモンと同時にケアも含めて考える杉並区長の岸本聡子さんはアムステルダム、チリ、バルセロナなど海外の事例をもとにフェミナイゼーションで自治を変えたいと熱弁。
コラムでは斎藤幸平さんの神宮外苑再開発問題で、元々住んでいた方々のお話しの中で考えることが大前提だと納得できるお話しでした。
藤原辰史さんは、権藤成卿という思想家の失敗から自治を考え、人間にとって最も重要な「食」こそ、未来の自治ではないかと考えます。
社会を良くするために、反対運動の座り込みやデモで反抗しても失敗の歴史を見ればよくわかるという。
そこで最後に斎藤幸平さんが今までの国家から考えるトップダウン型ではなく、そこで暮らす身近な地域から課題を上げていく、ボトムアップ型で解決できないかをまとめていました。
リーダーは一人ではなく何人ものリーダーを交えて、アントレプレナーの能力を養っていくそんなイメージでした。
国家は大企業がたくさん税金を納めている以上資本主義的な政策ばかりで富裕層のための政策はこれからも続くと思います。そんな世の中ではいつまでも一般庶民は変わらないままですね。本当に良くするための具体的な対策が描かれた大事な内容でした。人任せにせず自分で考え判断して協力していきたいと思います。
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最先端の知性に学べ、という主旨で、4人の時の人が登場している。書き方のスタイルとしては、'オフィスアワー'という、教授の部屋を自由に訪れ会話しているような雰囲気で進められている。
成田悠輔氏は麻布から東大、経済学部で最優等論文で卒業後渡米、MITでドクターを取得してイェール大で教鞭をとる。謂わばエリート街道まっしぐらに見える人生だが、中学から不登校気味で、代わりに多様な大人が集う世界で過ごした経験が、その後の考え方へ影響を与えたと思われる。何をやっているかわからない、ことを理想に、常識にとらわれずにデータ分析で突き詰めていく。これまでの画一化された思考に疑問符を呈する。
人新世という新たに提唱された時代区分、そこでは資本主義が破綻したと主張する斎藤幸平氏。脱成長にこそ活路を見出すべきという、従来の延長からの離脱を推奨する。格差や分断という混迷した世界に対して再考を促すパワーに期待したい。
小島武仁氏は、東大経済学部を首席で卒業後渡米、ハーバード大でドクターを取りスタンフォード大で教授に就くが、東大でマーケットデザインセンターが創設され初代所長として戻ってくる。
社会制度への関心が高く、資源や人を最適に調整するマッチング理論の研究を進める。海外に頭脳流出する日本の教育現場に対し警鐘を鳴らす。
3児の母であり、小児精神科医の内田舞。女性活躍に対する男性の偏見に満ちた日本を脱出すべく、猛勉強の末史上最年少で米国臨床医になる。自身の幼少期に過ごした海外体験から、偏見や差別に対して弱者を守る社会正義への意識が芽生える。コロナ禍での病状や自身の子供たちとの関わりを通して、臨床医としてのフィードバックを積み重ねる。まっとうな議論や正論が通りにくい、男性中心社会へ風穴を開けることを期待したい。