斎藤幸平のレビュー一覧
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本書は都市化や大量消費、化石燃料利用が進むことで、気候変動など地球の危機に陥っている「人新世」という時代を背景に、資本主義の限界を解いている本です。
私自身、ファストファッション大好き。不自由のない暮らしをしつつ大量消費と身近でいるなか、危機感を煽られ最後まで読みました。しかし、この地球の危機を救うための「脱成長コミュニズム」の提案については理解しきれなかったり、十分納得できない部分がありました。
後半の脱成長に関しては、最近読んだ『働かない勇気』を思い出しました。そちらでは「ベーシックインカム」を脱成長の一つの解決方法として挙げられていましたが、本書ではお金を分配するというより、ベーシック -
Posted by ブクログ
イタリア人の先生が本著の英語版を紹介していて読んでみることにした。前半はそうそう、そのとおりよね、と概ね共感する内容である。行き過ぎた資本主義の枠内であれこれやっても根本解決にはならない。
ただ、後半から終わりにかけての脱成長コミュニズムが唯一の解決策だというところについては、マルクスがそれを目指していたというのは勉強にはなるが実際にそれが現代の社会で実現できるイメージを持てず、その副作用について両面的に検討されているようなものではなかったのでまだしばらく思想の分断は続くんだろうな、という読後感が残ってしまった。
ただ、日本の地方に残るコミュニティも消えつつある今、この世界をなんとかしないとい -
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Posted by ブクログ
マルコスの「資本主義」で見過ごされていた「ポスト資本主義」を再考すべきだと言う。それはパンデミック、戦争、気候危機などの慢性的緊急事態の時代から強い国家が要請される現代。これを放置すれば国家の力が強まってファシズムや全体主義となっていく、と予測。格差や搾取、戦争や暴力、植民地支配や奴隷制などの問題に向き合い、国家の暴走に抗いながら自由や平等の可能性を必死に考えるべきで、それから生まれる知恵と想像力から学ぶことが求められる、と言う。正に自国での政治不満が他国への侵略で国民の目を誤魔化し、暴走化し始めた。特にロシア、イスラエルなど自国強化主義・ファシズム化へと動き始めたことは、今後米国、中国などの
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他のものに転嫁させたり、見えなくすることで、帝国的生活様式、つまり大量生産大量消費の贅沢な社会を享受してきた。
これまではいわゆる途上国に転嫁を押し付けていたが、その余地もなくなり、先進国諸国に影響が出始めてきており、私たちを襲っている。
多くの代替案はある場所での資源の消費をある地点に移動させているだけ。
欠乏を生んでいるのが資本主義というのは、昨今のさまざまな問題を表しているなあ。本書に書かれているような土地に関することや過剰なまでの美への執着など。
本来共同財的であったものが、資本主義にもまれることで、私財化していった。その私財化によって、そのものの価値ではなく、財産的な価値を持つように -
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Posted by ブクログ
前作は娘のために書いた本だったが今回は無き父親との対話的な話。ギリシャ神話の例えとかよく出て読みにくい…
GAFAMに無償でデータを提供し続け、各 CEO達の莫大な富形成に知らずのうちに加担させられる現代の愚民達をクラウド農奴としかつての封建制に例えるのはまぁよくある話だけど、GAFAM批判し過ぎな気もする。それなりの恩恵を受けてるし…そう思う時点でテクノ封建制にやられているのかもしれないが…ちょっと思想が左よりすぎるかな。
自由を手に入れるために何を諦めるのか、本当の自由とは?とみんな思いつつこの資本主義社会の中でなんとか生きていく折り合いを見つけないといけない訳で…映画マトリックスの引 -
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Posted by ブクログ
少し実感とは異なっていたので、言い過ぎかなーというのが第1感であった。たしかにGAFAMのプラットフォームにのり、個人の様々な情報がデータ化され、アルゴリズムが全てを回していく事実はある。
でも一方で、それが分かっているからSNSに乗ってくる広告はまともに見たことないし、さらにいくらスマホが必需品とはいえ24時間のうち使ってるのは数時間だろう。本書に書いてある世界…クラウド農奴は一面から見れば存在するが、その農奴は全てをクラウド資本に捧げているわけではない。
ただ、いまのクラウド領主が本質的には何も生産していないというのはひたすら同意。ザッカーバーグもベゾスも最初は想いがあってビジネスを立ち上 -
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Posted by ブクログ
倫理と経済は再び同期できるというストーリー。最後に、
1企業はCPOという倫理責任者とともに倫理研究部門を設置し、利益と倫理の同時に達成すべき点を開発せよ
2子どもに参政権を与えよ
3欲望をコントロールせよ
4AIそれ自体はインテリジェンスにはならない
などの提言がある。
特に 子どもに参政権を は深く納得した。倫理セクターは今後少しずつ導入されると思うが、哲学が実学として教育されてから時が経てばと思わなくもないので5〜10年ほど変わるだろう。
フィロソフィーマーケティングなどとマーケティングオリエンティッドの安い理論に陥らないことを願う。