斎藤幸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ出てくる言葉が全般ひたすら不穏です。気候ファシズム、デジタル資本主義からのテクノファシズム、戦時経済、暗黒社会主義…危機感を煽られているのではなく、今が危機なんだ一刻も早く手を打たなければ、という話なのだからそうならざるを得ないでしょうけれど。
考えたこともなかったことばかり書かれていて、そもそも自分のような経済や社会動向に対する素養のない者にきちんと理解できているかも怪しいですが、気候破壊についてはもう始まっていて終末期はこれから来るのではなくもうその最中に自分たちはいるのだというのは体感として感じてもいる事実。
ここ数年でとても増えた大規模森林火災の起きる原因の一つが気候変動であるということさえも知らない無知だった自分には「そうだったのか」が多すぎてただただ恐ろしい。
何も考えず日常的に利用しているネットサービスやサブスクも知らないうちにテクノファシズムに飲み込まれていることになるのか?と思うと知らないということ自体の怖さや、おかしいと思うことを放って知らぬ顔をしていることの無責任さも振り返らずにはいられない気持ち。
気づいた時には何もかも手遅れ、とならないように今から自分にできることはなんだろうと考えさせられるも…うーん
災害は自然の作用だけによってもたらされるのではない。災害的な状況はすでに、私たちの社会のうちに存在しており、自然災害はそれを悪化させて、可視化するにすぎない(p89)
GAFAMによる独占が進むにつれ、デジタル・レント経済はもはや有用なモノやサービス、つまり「使用価値」すら、生産しなくなっている(p64)
消費者はプラットフォーマーに囲い込まれ、広告やデータ、AIの誘導によって消費に駆り立てられる。人々が目にする情報が勝手に選択されるだけでなく、気づかぬうちに情動まで操作され、テック企業への自発的服従を私たちは無意識に欲するようになる(p170)
第十章の提言、日本でも行なっている自治体は出てきたとのことですが、それぞれの自治体がこの提言のような転換を計る、ことは難しいでしょうね。
でもだから「本書を読んだあなたが立ち上がるかどうか」決断せよ、なんですよね。
先日読んだ「もしもわたしが」という絵本を思い起こしました。
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Posted by ブクログ
コロナ禍もあって氷の融解による未体験のウィルスの脅威というのは、素人にも想像しやすくなっている。それだけでも地球の温暖化とは恐ろしいものだが、毎年暑くなっていく気候に対してどんどんエアコンを使うようになっている自分もいる。個人でそんなんだから、やっぱりパリ協定だったり、SDGsといったものは全く達成されず、環境問題はちっとも改善していない。
では経済的に豊かになったかと言うと、本書によれば驚くべきことに、実は先進国は全く経済成長しておらず、アメリカですら成長しているのはテック企業のみとのこと。危機感を強めるには十分な内容であった。
一方、前著『人新世の「資本論」』に比べると話が壮大で、一個人として何ができるのかピンと来ない。それだけ『「資本論」』からの数年で地球環境に対する危機が強まったということなのかもしれない。
…本の内容とは全く関係ないが、こちらの著者、『「資本論」』のときより売れっ子になったせいかパーマなんかかけちゃったりして、なんかちょっとチャラくなって見えるのが残念(自分の完全な偏見です) -
Posted by ブクログ
社会問題は日々変わっていくもの、変わってはいけないもの(風化してはいけないもの)の二面がある。
特にこのエッセイは、コロナ化に連載していたゆえに、少し昔の話に思えるものもあったので、もっと早くに手に取るべきでした。
とはいえ、何年経っても社会全体で考えるべき問題も多数とりあげられており興味深かった。
何よりも作者の研究者(私は取材者として置き換えて読んだ)としての姿勢に強く共感した。
当事者の苦悩や状況は、短期間のの取材やインタビューで理解できるわけがない。
そこを謙虚にうけとめつつ、それでも発信していくことの意味を感じた。
私自身も「想像力欠乏症」にならないよう、見聞きし、体験し、あらゆることへの共時者意識を持ちつづけていきたい。
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Posted by ブクログ
息子へ
本の前半は、環境破壊による終末論者のネガティブ論理が書かれていて楽しくなかったが、後半にかけて、資本主義に変わるソリューションを述べているところは良かった。
幾つかの学びを残す。
‐行き過ぎたエコロジー論から始まったが最終的には、脱成長のコミュニズムを資本主義を解決するソリューションと訴える。ソーシャルイノベーション研修に通じる論点であり興味深かった。簡単ではないが、どこかで、いつの日か、解決できるかもしれない。
‐マルクス資本論を深堀りして研究。資本論のあとにマルクスが訴えていたことを解釈したところに論点のキーがある。
‐共産主義の失敗から、世界的にマルクス主義が毛嫌いされているが、それを修正すべし。
‐脱資本主義は必ず必要。解決するまで考え続けたい。
地球という資源に限界がある以上、今の資本主義を継続すると破綻する。それほどまでに、資本主義は人類を成長させた。
この本では、資本主義に変わるソリューションを提示しているが実現は簡単ではない。それでも人類は考え続けて行動しなければならない。
君も考えてみて欲しい。