斎藤幸平のレビュー一覧

  • テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン)

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    タイトルはインパクトがあって秀逸ですが、内容自体は他の文献でも取り上げられている論点が含まれていて既視感もあり、そこまで目新しい感じでは無いです。
    巨大テック企業を頂点とする封建制度によって、資本主義が取って代わられている、という話です。
    あと、筆者が父親に語るという文面を取っていることもあり読みづらい部分もあります。

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    2026年06月28日
  • 人新世の「黙示録」(集英社シリーズ・コモン)

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    ネタバレ

    出てくる言葉が全般ひたすら不穏です。気候ファシズム、デジタル資本主義からのテクノファシズム、戦時経済、暗黒社会主義…危機感を煽られているのではなく、今が危機なんだ一刻も早く手を打たなければ、という話なのだからそうならざるを得ないでしょうけれど。

    考えたこともなかったことばかり書かれていて、そもそも自分のような経済や社会動向に対する素養のない者にきちんと理解できているかも怪しいですが、気候破壊についてはもう始まっていて終末期はこれから来るのではなくもうその最中に自分たちはいるのだというのは体感として感じてもいる事実。
    ここ数年でとても増えた大規模森林火災の起きる原因の一つが気候変動であるということさえも知らない無知だった自分には「そうだったのか」が多すぎてただただ恐ろしい。
    何も考えず日常的に利用しているネットサービスやサブスクも知らないうちにテクノファシズムに飲み込まれていることになるのか?と思うと知らないということ自体の怖さや、おかしいと思うことを放って知らぬ顔をしていることの無責任さも振り返らずにはいられない気持ち。
    気づいた時には何もかも手遅れ、とならないように今から自分にできることはなんだろうと考えさせられるも…うーん

    災害は自然の作用だけによってもたらされるのではない。災害的な状況はすでに、私たちの社会のうちに存在しており、自然災害はそれを悪化させて、可視化するにすぎない(p89)

    GAFAMによる独占が進むにつれ、デジタル・レント経済はもはや有用なモノやサービス、つまり「使用価値」すら、生産しなくなっている(p64)

    消費者はプラットフォーマーに囲い込まれ、広告やデータ、AIの誘導によって消費に駆り立てられる。人々が目にする情報が勝手に選択されるだけでなく、気づかぬうちに情動まで操作され、テック企業への自発的服従を私たちは無意識に欲するようになる(p170)

    第十章の提言、日本でも行なっている自治体は出てきたとのことですが、それぞれの自治体がこの提言のような転換を計る、ことは難しいでしょうね。
    でもだから「本書を読んだあなたが立ち上がるかどうか」決断せよ、なんですよね。
    先日読んだ「もしもわたしが」という絵本を思い起こしました。

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    2026年06月28日
  • 血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか

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    「100分de名著」解説者である能楽師、文学者、哲学者たちが「本を読む」意義を紐解く。畑の違うお三方が案内するため、文学だけでなく学術書や哲学本など、ジャンルに偏りがないのも魅力でした。

    情報消費やタイパ偏重の現代において、本を「血肉」にするとはどういうことか。身体・ケア・社会変革という異なる切り口。
    効率で測らない、深く豊かな知を得たいものですね…。

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    2026年06月28日
  • 人新世の「黙示録」(集英社シリーズ・コモン)

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    コロナ禍もあって氷の融解による未体験のウィルスの脅威というのは、素人にも想像しやすくなっている。それだけでも地球の温暖化とは恐ろしいものだが、毎年暑くなっていく気候に対してどんどんエアコンを使うようになっている自分もいる。個人でそんなんだから、やっぱりパリ協定だったり、SDGsといったものは全く達成されず、環境問題はちっとも改善していない。
    では経済的に豊かになったかと言うと、本書によれば驚くべきことに、実は先進国は全く経済成長しておらず、アメリカですら成長しているのはテック企業のみとのこと。危機感を強めるには十分な内容であった。

    一方、前著『人新世の「資本論」』に比べると話が壮大で、一個人として何ができるのかピンと来ない。それだけ『「資本論」』からの数年で地球環境に対する危機が強まったということなのかもしれない。

    …本の内容とは全く関係ないが、こちらの著者、『「資本論」』のときより売れっ子になったせいかパーマなんかかけちゃったりして、なんかちょっとチャラくなって見えるのが残念(自分の完全な偏見です)

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    2026年06月27日
  • マスキズム 新たな独占の時代

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    イーロンマスクの思想「マスキズム」と、その影響について書かれた本。
    テスラやスペースX、AI事業の背景や、マスクの生い立ちから現在までの歩みが分かる。
    内容はやや難しく、すべてを理解できたわけではないが、巨大テクノロジー企業が社会に与える影響について考えるきっかけになった。マスクに関する様々な見方に触れられている。

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    2026年06月20日
  • 人新世の「黙示録」(集英社シリーズ・コモン)

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    前著を踏まえての内容だと思いますので、真新しさみたいなものは少なからず減っていました。前著と比較して、より現実的な議論になったなぁ、という印象です。

    エクアドルや「赤いウィーン」の話は、市民的な社会主義の具体例として非常に興味深かったです。世界にはそんな政治もあるのかと、驚きました。

    一つ悲しくなったのは、なぜこんなにも左派的な思想が忌避されているのか、という日本の現状です。

    インフラの公営化にしろ、ベーシックインカムにしろ、資本主義の金稼ぎのための金稼ぎにしろ、もっとこのような政策や問題点が広く議論されてほしいなぁと思いました。

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    2026年06月17日
  • ゼロからの『資本論』

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    内容は理解できた、社会の仕組みについての理解が深まった。著者の思想も全面に押し出されてた。ただ資本主義に完全に抗って生きていけないし、批判してばかりだと少し生きづらいかもと思ってしまった。

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    2026年06月13日
  • 血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか

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    読書を習慣にして1年たった。
    そういえば習慣にはなってきたけど
    そもそも読書ってなんだっけ?と
    改めて振り返りをするにあたって
    照らし合わせ読んだ。

    個人的にはフォイエルバッハとマルクスの
    阻害理論の部分がおもしろかった!

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    2026年05月18日
  • 血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか

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    かなり読みやすかった。3人の講師が読書をする際に大切にしている考え方・読み方をおすすめの本とともに紹介する本だが、安田 登氏の本とのとっつき方にとても関心を持った。本を何か目的意識を持って読むのもいいが、たまたまふらっと入った本屋で、何となくで手に取ったのをぱらぱらめくって運命的な出会いをする、その際に予め問いを持っておく。また、シンギュラリティを推測するために昔の本を読むというのも面白い角度だと感じた。

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    2026年05月11日
  • 人新世の「資本論」

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    斎藤先生にこそ魅力を感じるが、ケインズの理論はこの時代に魅力は感じないと思った。今の便利な世の中を少しでも諦めるには人類には難しすぎる

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    2026年05月10日
  • 血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか

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    100分de名著、って結構長く続いてる番組だったんですね。5月の『大いなる遺産』回が楽しみ。この本の中では、小川さんパートが特に興味を惹かれました。

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    2026年05月02日
  • 倫理資本主義の時代

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    「いまや資本主義は行き詰まり、世界は『入れ子構造の危機』に瀕している。だが停滞と貧困をもたらす『脱成長』に活路はない。目指すべきは道徳的価値と経済的価値の再統合、すなわち『倫理資本主義』だ」 というのが本書の核心です。
    本書の骨子は「世界を束ねることができる唯一の判断軸は、人間の『道徳的信念』である」ことと、「今後は道徳的に優れたビジネスが経済的利益も得られる世界になる」という二点にある。

    内容は興味深いが、とにかく言い回しがわかりにくく、読みにくい!
    他の方も同じ感想を抱かれていて安心しました。

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    2026年04月24日
  • 人新世の「資本論」

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    第七章で「脱成長コミュニズムの柱」として述べられている、エッセンシャル・ワークの重視や画一的な分業の廃止といった主張には賛成できるけれども、著者が考える生活の「潤沢さ」が、コンビニやオンライン・ショッピングやアルコール飲料ではなく、スポーツ、ハイキング、園芸などに代表されているところに、妙な倫理観を押し付けられているような違和感を覚える。

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    2026年04月21日
  • ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

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    社会問題は日々変わっていくもの、変わってはいけないもの(風化してはいけないもの)の二面がある。
    特にこのエッセイは、コロナ化に連載していたゆえに、少し昔の話に思えるものもあったので、もっと早くに手に取るべきでした。
    とはいえ、何年経っても社会全体で考えるべき問題も多数とりあげられており興味深かった。

    何よりも作者の研究者(私は取材者として置き換えて読んだ)としての姿勢に強く共感した。
    当事者の苦悩や状況は、短期間のの取材やインタビューで理解できるわけがない。
    そこを謙虚にうけとめつつ、それでも発信していくことの意味を感じた。

    私自身も「想像力欠乏症」にならないよう、見聞きし、体験し、あらゆることへの共時者意識を持ちつづけていきたい。

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    2026年04月08日
  • テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン)

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    悪くはないし、おおむね共感する。グローバル経済のうち欧米圏の構造仮説としてはある程度野心的だが説得力もある。「よって、封建制でうまく立ち回る必要がある」と冷ややかに思う気持ちと、「何の褒美もないのに使われてたまるか」という感情、いずれもある。どうしたってたちゆかないであろう、そのロジックの一つとしてはそうだが、ミクロでできることなど何もない、柔らかな終わりの書

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    2026年03月28日
  • 天才たちの未来予測図(マガジンハウス新書)

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    文字通り、その業界のトップを走る人たちによる未来予測。

    インタビュー形式なので読みやすかった。

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    2026年03月28日
  • 人新世の「資本論」

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    息子へ

    本の前半は、環境破壊による終末論者のネガティブ論理が書かれていて楽しくなかったが、後半にかけて、資本主義に変わるソリューションを述べているところは良かった。

    幾つかの学びを残す。

    ‐行き過ぎたエコロジー論から始まったが最終的には、脱成長のコミュニズムを資本主義を解決するソリューションと訴える。ソーシャルイノベーション研修に通じる論点であり興味深かった。簡単ではないが、どこかで、いつの日か、解決できるかもしれない。
    ‐マルクス資本論を深堀りして研究。資本論のあとにマルクスが訴えていたことを解釈したところに論点のキーがある。
    ‐共産主義の失敗から、世界的にマルクス主義が毛嫌いされているが、それを修正すべし。
    ‐脱資本主義は必ず必要。解決するまで考え続けたい。

    地球という資源に限界がある以上、今の資本主義を継続すると破綻する。それほどまでに、資本主義は人類を成長させた。
    この本では、資本主義に変わるソリューションを提示しているが実現は簡単ではない。それでも人類は考え続けて行動しなければならない。

    君も考えてみて欲しい。

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    2026年03月22日
  • 人新世の「資本論」

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    共感できる箇所はあった。しかし理想とされる世界の在り方については、それができるくらい人の民度が高かったら良かったのにとしか思えない。

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    2026年03月04日
  • 天才たちの未来予測図(マガジンハウス新書)

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    斎藤さんの考え方、言っていることはある程度分かる部分もありつつも、人間の欲や本能を考えた時に、「そう理想通りにはならないのでは」と思いつつ…でもやっぱり、言ってることは何か響くものはある、という感覚。
    小島さんのマッチング理論は、本書の中で最も現実味のある内容だと感じたし、就活や転職市場でもマッチング理論のアルゴリズムが適用されると素晴らしいと思う。
    内田さんの考え方は私には合わなかったので、途中で読むのをやめてしまいました。

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    2026年02月15日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    まだコロナ騒動が始まって6年弱しか経ってないけど、もう今AIの普及も含めて新たな日常があり、かなり昔のことのように感じられた。

    AIとか物価高とか終身雇用の終わりが進んでいることとかけっこう変化を感じることがある一方で、既得権とか同調圧力とかあんまり当時と変わってないなと思った。

    社会のことについてもそうだけど、自分の人生においてもあっという間に6年弱が過ぎている実感。一日一日を大事に生きないとな、と思った。

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    2026年01月09日