斎藤幸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
搾取の主導的な形態を時代の変遷に沿って、《封建制/領地/農奴/地代(レント)として差し出さねばならない生産物》、《資本主義/生産手段/労働者/利潤として巻き上げられる価値》、《テクノ封建制/クラウド領地/クラウド農奴/クラウド地代(レント)として差し出さねばならない個人情報》と描いてみせる。そして、テクノ封建制においては、クラウド領主であるGAFAMなどのプラットフォーム企業が、従来型の企業(資本家)を封臣とし、彼らが労働者から搾取した利潤からクラウド地代を吸い上げる。また人々は、デジタル空間で興味関心欲望を操作され、クラウド領主に無償で個人情報やコンテンツを差し出し続け、そこから抜け出すこと
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Posted by ブクログ
ネタバレ哲学者の斎藤幸平氏の本。
普段机に向かって仕事をしてる中、様々な社会問題に関する連載で現場を見に行く機会が与えられ…とのこと。
私達は殆どのことを、現場や実情を知らずに(または真偽さえ分からず)SNSなどで無責任に論じ、他者を批判し、正義を振りかざす。胡散臭く知ったような事を論じている時に「はて、本当にそうなのか?」とふと考える。
この本は幾つかの社会問題について、著者が現場に赴いたり、実践してみたりしたフィールドワークの記録です。
例えば、福島の原発のこと。水俣病のこと、ウーバーの配達のこと、プラスチックゴミのこと。
様々な社会問題は、表面的にはニュースや学校で習う。「大変だね」「解決し -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読んでもう1年半くらい経つが、読んだ当初から物事の考え方の土台になっている本。携帯の中のコバルトを採掘する仕事の低賃金さ(日本円にして1日あたり1円程度だったかな?)などを含む外部化の話はショックだった。グリーンエコノミーの話でも同じ。EV自体がco2を排出しなくてもそのサプライチェーン(部品加工、輸送、インフラ整備)でガンガンにco2を排出している。それは他国に外部化されているかもしれない。これを知って、メーカーって分業化が進んでるから怖いなと思った。
また社会構造について、資本主義でも社会主義でもない共同化社会を提案していた。確かに、自分の使うものは自分たちで調達・整備した方がいい気がする -
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ネタバレ素晴らしかった!斎藤さん超ファンになった!以下、抜粋
無限の経済成長を目指すグリーンニューディールに対してはこう言うしかない。「絶滅への道は善意で敷き詰められている」
ヴァーツラフシュミル「継続的な物質的成長は不可能。脱物質化…より少ない資源でより多くのことを請け合うが、、も。この制約を取り除くことはできない」
この指摘通りサービス部門への経済の移行が問題を解決するわけではない。余暇のカーボンフットプリントは全体の25%をも占めるといわれる。
現実にはロボット化でサーバーの製造や稼働に膨大なエネルギーと資源が消費される。
先進国が膨大なエネルギーを使ってさらなる経済成長を求めることは明ら -
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意識的にユニセフに募金はするし、エコバッグも使っているし、消費を促す資本主義のやり方には、うんざりしている。
けど….、わたしはこの本で提唱されている社会になじめるのだろうか。
利潤追求型の資本主義のもとでは、結局、すべての活動がお金儲けに転換されてしまって、自然破壊は止められず、世界の経済格差は拡がり、富裕国が引き起こすさまざまな負債を貧しい国(グローバルサウス)が引き受けることになる。
そこで、生産手段、インフラ、産業を自分たちで共同管理する、コモン、市民営化による脱成長コミュニズムの実現が不可欠だと提唱している。
理念や理屈は抜きにして本音で語ろう。
わたしは1人が好きだ。社会の -
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「人新世」聞き慣れない言葉です。
これは、ノーベル化学賞受賞のパウル・クルッツェンが名付けた言葉で、人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、人間たちの活動の傷痕が、地球の表面を覆いつくした年代という意味らしい。
近代化による経済成長は、豊かな生活を約束していたはずだった。ところが、「人新世」の環境危機によって明らかになりつつあるのは、皮肉なことに、まさに経済成長が、人類の繁栄の基盤を切り崩しつつあるという事実である。
そのような事態を避けるための方法論として、「資本論」を書いたカール・マルクスの考えたことをもう一度、しっかり -
Posted by ブクログ
改めて資本主義を理解したかったので読んでみた。資本主義は資本の増殖が基本にあり、私たちはいつの間にかその流れに組み込まれていると再認識。
労働力という商品を売り、再生産するために商品を買うという終わりのない一連の流れにどう立ち向かうかまで示してくれてるのはとても良かった。
また、資本主義社会における2つの自由が印象的だった。一つは強制労働といったことがないことの自由、もう一つは生産手段が持たないことによる自由。後者は自由によって、文句は言うけど結局会社の言いなりであり、リストラされないためにも労働者がより勤勉に働くという構造がとても皮肉だなと思った。むしろ働くほど効率化されて、自分の首を絞め -
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人新世:環境破壊の時代の
資本論:資本主義批判
資本主義
•帝国的生活様式→グローバルサウス(先進国の帝国的生活の皺寄せをグローバルサウスに請け負わせ蓋をする)
•分業化→個人の生産能力の低下+ただ資本の命令を「実行」するだけの労働者
•「商品としての価値」を重視し「使用価値」を蔑ろにする
企業がSDGsに即した事業を展開するのは、トレンド的にその方が「儲かる」からである
→本質的には事業の成長を前提とする。
(実際はEVを生産するために、ICEよりも多くの二酸化炭素が排出される。技術の進歩が環境への負荷を増大させる)
SDGsは環境問題の本質から目を背けさせ、何か環境にいいことをやっ