斎藤幸平のレビュー一覧

  • テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン)

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    なるほど、我々は気づかぬうちにデジタル植民地におけるクラウド農奴となってしまったのかと、慄然とする内容でした。

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    2025年11月22日
  • 人新世の「資本論」

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    話題になっていた本を読んでみようとのことで、読んだ本。
    正直、経済やマルクス主義についての本であると思い、さらに言えば「脱成長」は理想論すぎると思っていたのであまり期待していなかったが、気候変動に端を発し、そこから資本主義経済への分析、民主主義のあり方など、政治システムも絡んだ論理展開は、読んでいて非常に興味深かった。
    また、マルクスの資本論を読んだことがないので、資本主義についての分析に初めて触れることができたという点からも、この本を読んで良かったと思う。

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    2025年10月20日
  • ゼロからの『資本論』

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    面白かった。
    私の今の世の中に対するモヤモヤ感を表してくれている内容だった。
    もう余力が無いのに経済発展と言うばかりの政治家や、ここ10年で増えた貧困、モノを売るために時間を費やしていた面白く無い仕事が多かった前職など。この本に一つの答えがある。
    今の世の中に限界を感じている人は読んでみて欲しい。

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    2025年10月05日
  • 人新世の「資本論」

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    経済成長と、環境保護ひいては文明の存続との両立がいかに不可能か、そしてコミュニズムに基づく脱成長という解決策を述べている。類似の書籍と一線を画すのは、マルクスの理論を終始ベースとしているために論展開が明確で納得しやすいこと。また、脱成長についても「どうせ無理だよな」と思わせない説得力がある。

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    2025年10月01日
  • マルクス解体 プロメテウスの夢とその先

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    斉藤さんの本は初めて。
    素晴らしく前向きで論の運び方がどこかミステリ風で非常に興味深い知的刺激を得られました。
    全て読み終わったあと、マルクス解体というタイトルにグッときた。
    細かく精読すると問題はいくつかありそうだが資本主義のオルタナティブを思考することは続けていきたい。
    富という概念を再認識させられる。
    読書が持つ力は様々あるが、その本を読んだ後世界の捉え方に新たな道筋を与えてくれる、それが一番の力です。

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    2025年08月19日
  • テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン)

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    搾取の主導的な形態を時代の変遷に沿って、《封建制/領地/農奴/地代(レント)として差し出さねばならない生産物》、《資本主義/生産手段/労働者/利潤として巻き上げられる価値》、《テクノ封建制/クラウド領地/クラウド農奴/クラウド地代(レント)として差し出さねばならない個人情報》と描いてみせる。そして、テクノ封建制においては、クラウド領主であるGAFAMなどのプラットフォーム企業が、従来型の企業(資本家)を封臣とし、彼らが労働者から搾取した利潤からクラウド地代を吸い上げる。また人々は、デジタル空間で興味関心欲望を操作され、クラウド領主に無償で個人情報やコンテンツを差し出し続け、そこから抜け出すこと

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    2025年07月20日
  • ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

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    哲学者の斎藤幸平氏の本。
    普段机に向かって仕事をしてる中、様々な社会問題に関する連載で現場を見に行く機会が与えられ…とのこと。

    私達は殆どのことを、現場や実情を知らずに(または真偽さえ分からず)SNSなどで無責任に論じ、他者を批判し、正義を振りかざす。胡散臭く知ったような事を論じている時に「はて、本当にそうなのか?」とふと考える。

    この本は幾つかの社会問題について、著者が現場に赴いたり、実践してみたりしたフィールドワークの記録です。
    例えば、福島の原発のこと。水俣病のこと、ウーバーの配達のこと、プラスチックゴミのこと。
    様々な社会問題は、表面的にはニュースや学校で習う。「大変だね」「解決し

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    2025年06月29日
  • テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン)

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    予想通り面白かった。後半の近未来の箇所は今ひとつよく分からない。金融緩和が駄目なことはよく分かった。

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    2025年06月09日
  • 人新世の「資本論」

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    とても腹落ちする内容だった。
    特に現代の自由主義経済的資本主義については、肌で感じている行き詰まり感を論理的に説明してありスッキリした。

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    2025年06月09日
  • 人新世の「資本論」

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    読んでもう1年半くらい経つが、読んだ当初から物事の考え方の土台になっている本。携帯の中のコバルトを採掘する仕事の低賃金さ(日本円にして1日あたり1円程度だったかな?)などを含む外部化の話はショックだった。グリーンエコノミーの話でも同じ。EV自体がco2を排出しなくてもそのサプライチェーン(部品加工、輸送、インフラ整備)でガンガンにco2を排出している。それは他国に外部化されているかもしれない。これを知って、メーカーって分業化が進んでるから怖いなと思った。
    また社会構造について、資本主義でも社会主義でもない共同化社会を提案していた。確かに、自分の使うものは自分たちで調達・整備した方がいい気がする

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    2025年05月03日
  • 人新世の「資本論」

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    気候問題や経済についてのものの見方を変えてくれた本。ただ筆者の頭脳が高度すぎて真剣に読まないと理解できないので、気楽に読むことはできない。読みごたえはすごい。

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    2025年05月01日
  • 人新世の「資本論」

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    ネタバレ

    素晴らしかった!斎藤さん超ファンになった!以下、抜粋

    無限の経済成長を目指すグリーンニューディールに対してはこう言うしかない。「絶滅への道は善意で敷き詰められている」

    ヴァーツラフシュミル「継続的な物質的成長は不可能。脱物質化…より少ない資源でより多くのことを請け合うが、、も。この制約を取り除くことはできない」
    この指摘通りサービス部門への経済の移行が問題を解決するわけではない。余暇のカーボンフットプリントは全体の25%をも占めるといわれる。
    現実にはロボット化でサーバーの製造や稼働に膨大なエネルギーと資源が消費される。

    先進国が膨大なエネルギーを使ってさらなる経済成長を求めることは明ら

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    2025年02月27日
  • ゼロからの『資本論』

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    これは良書。読むべき一冊です。
    以下引用
    生活に必要な財(住居、公園)やサービス(教育、医療、公共交通機関)が無償でアクセスできるようになれば、なるほど、脱商品化は進んでいきます。これらの財やサービスは、必要とする人に対して、市場で貨幣を使うことなく、直接に医療や教育といった形で現物給付されるわけです。
    現物給付の結果、私たちは、貨幣を手に入れるために働く必要が弱まります。福祉国家は、もちろん資本主義国家です。けれども、脱商品化によって、物象化の力にブレーキをかけているのがわかるでしょう。  

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    2025年02月17日
  • 人新世の「資本論」

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    意識的にユニセフに募金はするし、エコバッグも使っているし、消費を促す資本主義のやり方には、うんざりしている。
    けど….、わたしはこの本で提唱されている社会になじめるのだろうか。

    利潤追求型の資本主義のもとでは、結局、すべての活動がお金儲けに転換されてしまって、自然破壊は止められず、世界の経済格差は拡がり、富裕国が引き起こすさまざまな負債を貧しい国(グローバルサウス)が引き受けることになる。

    そこで、生産手段、インフラ、産業を自分たちで共同管理する、コモン、市民営化による脱成長コミュニズムの実現が不可欠だと提唱している。

    理念や理屈は抜きにして本音で語ろう。
    わたしは1人が好きだ。社会の

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    2025年02月08日
  • 人新世の「資本論」

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    「人新世」聞き慣れない言葉です。
     これは、ノーベル化学賞受賞のパウル・クルッツェンが名付けた言葉で、人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、人間たちの活動の傷痕が、地球の表面を覆いつくした年代という意味らしい。
     近代化による経済成長は、豊かな生活を約束していたはずだった。ところが、「人新世」の環境危機によって明らかになりつつあるのは、皮肉なことに、まさに経済成長が、人類の繁栄の基盤を切り崩しつつあるという事実である。
     そのような事態を避けるための方法論として、「資本論」を書いたカール・マルクスの考えたことをもう一度、しっかり

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    2025年02月03日
  • ゼロからの『資本論』

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    改めて資本主義を理解したかったので読んでみた。資本主義は資本の増殖が基本にあり、私たちはいつの間にかその流れに組み込まれていると再認識。
    労働力という商品を売り、再生産するために商品を買うという終わりのない一連の流れにどう立ち向かうかまで示してくれてるのはとても良かった。

    また、資本主義社会における2つの自由が印象的だった。一つは強制労働といったことがないことの自由、もう一つは生産手段が持たないことによる自由。後者は自由によって、文句は言うけど結局会社の言いなりであり、リストラされないためにも労働者がより勤勉に働くという構造がとても皮肉だなと思った。むしろ働くほど効率化されて、自分の首を絞め

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    2025年01月13日
  • ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

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    今年もよろしくお願いします。

    「人新世の資本論」の著者であり、思想研究の
    学者でもある斉藤氏の体験エッセイです。

    その内容はもちろん遊びではなく、ウーバーワ
    ーカーになったり、昆虫食や培養肉の研究を見
    に行ったりと、とにかく「現場」を訪れて「体
    験」しています。

    「当事者でもない人間が物見遊山的に行って何
    が分かるのだ」と言ってしまうと思考停止に陥
    ります。

    「当事者」ではないものの「事を共有する」と
    いうユルい関わりに根差した「共有者」という
    立場でもいいので、関わりを持つということは
    大切なのだと知る一冊です。

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    2025年01月03日
  • 人新世の「資本論」

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    人新世:環境破壊の時代の
    資本論:資本主義批判

    資本主義
    •帝国的生活様式→グローバルサウス(先進国の帝国的生活の皺寄せをグローバルサウスに請け負わせ蓋をする)
    •分業化→個人の生産能力の低下+ただ資本の命令を「実行」するだけの労働者
    •「商品としての価値」を重視し「使用価値」を蔑ろにする

    企業がSDGsに即した事業を展開するのは、トレンド的にその方が「儲かる」からである
    →本質的には事業の成長を前提とする。

    (実際はEVを生産するために、ICEよりも多くの二酸化炭素が排出される。技術の進歩が環境への負荷を増大させる)

    SDGsは環境問題の本質から目を背けさせ、何か環境にいいことをやっ

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    2024年12月21日
  • ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた

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    ウーバーイーツ、テレワーク、タテカン、あつ森、男性メイク、電力、昆虫食、脱プラスチック、培養肉、エコファッション、水俣病、震災、アイヌ、、

    私にとっても「気になる」ことがいくつも取り上げられていて興味深く読みました。

    「傷ついた人が心を癒すことのできる社会」を作るためにできることは何かを考える、貴重な機会になりました。

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    2024年12月19日
  • 人新世の「資本論」

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    マルクスが辿り着いた資本主義の先にある、脱成長社会について知ることが出来た。
    資本主義の限界と、これからの持続可能な社会への提案がなされている。

    脱成長の5本柱(使用価値経済への転換、労働時間の短縮、画一的な分業の廃止、生産過程の民主化、エッセンシャルワークの重視)を意識して、生き方を考える必要があると感じた。

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    2024年11月30日