斎藤幸平のレビュー一覧
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買ってから約2カ月で読み終わった。同じ内容の繰り返しと感じる瞬間も何度かあり、中だるみもした。けれど、全体的に興味深く、資本主義と気候危機の繋がりと危機感を再認識した。うちの会社でやっているTNFDなど、エコロジカルフットプリントを活用したものは、価値があると知り、今後このような社会で広がっていくのだろうと感じた。GAFAMのプラットフォームしか私たちには選択肢がないという事実は問題だなと感じる。このままの資本主義ではよろしくないということはわかるけど、社会主義は日本では特に忌避感が強く、市民意識の問題だなと感じる。実際経済成長があってこそ、私たち労働者の雇用、安定した豊かなゆとりある生活が実現できているともいえる。でも本書にしたがえば、それはみんながそうではないし、近い将来私でさえもそんな生活を享受できなくなるんだろう。難しいなあ。
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象牙の塔で絵に描いた餅?気鋭の学者が書いた小難しい本かと思いきや読みやすかった気がする。気がするだけだしなんとなくわかった気になってるだけなのかもしれない。
「需要側にしか目を向けないリベラル左派」など現状を直視する重要な指摘もあるし、古いことから新しいことまで事例を数多く列挙したりして現世から離れないよう工夫していることは感じられるけど、結局絵にかいた餅は食べられない。魅力的なこの餅をみんなが食べられるようにできる人は誰?どこにいるの?と思いながら読み進めていたら最後の最後に「いや、あなたたちが自分でやるんですよ」と急にトーンダウンして丸投げされた。読む前の期待が大きすぎたかも。もやもやしただけだった。 -
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暗黒社会主義は「暗黒」といいながら希望の「光」を感じるから面白い。カーティス・ヤービンの暗黒啓蒙への対抗馬として考えるなら、日本を変えられるのは、どちらかというと暗黒社会主義だろう。憲法を解釈で捻じ曲げ、忖度が蔓延るこの国を根本から良くしようと思ったら、それこそプロ独&評議会で決定されたトップによる強いリーダーシップが必要だ。ただしトップの暴走を抑制するためにアンタッチャブルな審判組織も忘れてはならない。一方、本書の論旨でもある気候変動対策を考えた国家の仕組みという意味では、暗黒社会主義では足りない。なぜなら国際ルールを守らず暴力や威圧を使って国際問題を捻じ曲げる国が存在しているのも事実だからだ。あえてそこの課題も含めて本書に追従するならば、暗黒社会主義連邦という新しい国際社会の枠組みもソリューションとして加えたい。
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ネタバレ『血肉となる読書』というタイトルに、私は強く心を惹かれた。単に知識を蓄えるための「読む」行為を超えて、本の内容を自分の一部とし、人生を形作る「血肉」とすること。それは、私が読書に求める究極の形であるからだ。
本書は、NHK「100分de名著」の講師陣である安田登、小川公代、齋藤幸平といった豪華な顔ぶれによって執筆されている。それぞれの専門分野の視点から、読書の深い意味や力、そして人生に与える影響について、多角的な考察が展開されている。
「いい本だった」で終わらせない。その力強いメッセージは、私の心に深く響いた。単なる情報の消費としての読書ではなく、本の内容を自分事として捉え、自らの思考や行動に反映させることの重要性を説いている。それは、本を通じて自己を深く見つめ、新たな自分を発見するプロセスでもある。
読書とは、単なる娯楽ではない。それは、未知の世界への扉を開き、多様な価値観に触れ、自己を成長させるための貴重な機会である。本書を読んだことで、私は改めて読書の持つ計り知れない可能性を感じ、今後も本と真摯に向き合っていきたいという思いを強くした。
読書は、私の人生を豊かにし、彩りを与えてくれるかけがえのない存在である。『血肉となる読書』は、そのことを再確認させてくれる、素晴らしい一冊である。
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エミリーと坊ちゃんさんの本棚から
「利用可能な化石燃料が減少していることだけが、私たちの直面している限界ではない。実際、それは最重要問題ですらない。石油がなくなる前に、地球がなくなってしまうのだから」(環境活動家ビル・マッキベン)
わいの第二の故郷パリが今えらいことになってますね
連日の40度超えで日射病の死亡者数もどえらいことになってます
パリはもともと冷涼な気候であったのと、建物の外観の問題から室外機が置けないということでクーラーを設置している家庭がほとんどないんですってね
で、みんなあのきったないセーヌ川に飛び込むというね
まぁ命を守るためですからね
あと室外機がないタイプのクーラーもバカ売れしてるみたいですな
あ、それからなぜか日本の報道機関はパリばっかり報道するんだが、当然ヨーロッパ全体がそうなんです
もちろん日本も
つまり世界全体ってことですな
ヤバいね
マジ地球ヤバい
で、そんなヤバい気候危機の原因て資本主義なんじゃねーの?資本主義がある限り気候危機はなくならねんじゃねーの?ってところから、資本主義をぶっ潰して、それに代わる新しいシステムを晩期マルクスの思想を再定義することで考え出すというのが本書です
う〜ん
う〜ん
う〜ん
無理じゃね?
いや、資本主義をぶっ潰すっていうのはね
資本主義を牛耳る世界の1%の超富裕層との闘いなんよ
斎藤幸平さん曰く「1%VS99%」の闘い
なんか勝てそうな気がぜんぜんしないんよな〜
でもでもこの本を読むとちょっと光も見えなくもないんよ
地球が滅ぶ前になんとかしないと!
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ネタバレ「100分de名著」のプロデューサー秋満吉彦さんをナビゲーターとして3人の知識人の読書との関わりを通して、血肉となる本の読み方を伝えてくれる。
本とともに生き、仕事としている方の経験談はとても深かった。秋満さんの補助線も広がりを感じた。
斉藤幸平さんの章は、ご本人の話を聞いたり著書を読んでいるためか特に驚きはなく淡々と読んだ。
小川公代さんの章では、ゴシック小説から見出す弱い立場の人たちの存在からケアの倫理に繋がっていくことに興味を持った。ゴシック小説家に女性が多いことは知らなかったし、ネガティヴケイパビリティを物語が養ってくれる、という点は納得。小川さんは無意識についても語っていたが、死が近い母親への語りに尽力する姿に感動した。これってミルトンエリクソンの無意識に語りかけるやつだよね?と浮かぶ。
本の読み方として柱リーディングを推奨。長い時間かけて一冊をじっくり読むことで、長期的なスパンで自分を育て、生きていく上で必要な「体力」をつけることができるとのこと。実践したくなる。
能楽師の安田登さんの章では、古典から吸収する力に圧倒される。
AIによってシンギュラリティが起きる未来。これと同じくらいの特異点を過去にあったかどうか考えてみるとそれは「文字の発明」ではないかと。
古典を読み解く術が複数紹介されている。漢字が中国から入ってきたとき、その概念が日本にあるものには「訓」を付けたわけだが、「死」には訓がない。ということは日本には死の概念がなかったのではないか。「問う」とはどういうことか考えると、「訪う」や「弔う」と同じく、自ら働きかけ何かの行為をすることである。故に答えのある問いは「問い」ではないと主張する。
古典は原語で読むべき、解釈が変わってしまうことがある。新約聖書の「悔い改めよ」は古代ギリシャの方言では「考えを180度変えなさい」という意味になる。など具体的な古典の面白がり方を伝えてくれる。「タウマゼイン」に出会える読書をしてほしい。「タウマゼイン」とは「wonder」「驚き」という意味。プラトン曰く「哲学の唯一の始まり」である、と。
最後にこの一冊を通して印象に残ったこと。
能にはシテとワキという役割がある。シテは何か問題を抱えている幽霊、ワキはシテの問題を解決するために、直接的には尋ねず、間接的に語らせる場を作る。シテが問題を語り昇華できたときに成仏できる。これが「弔う」である。
これって、小川さんの章で言っていた、死が近い母親に語りを通じて心を癒すことに繋がっているのではないか?と思った。直接的ではなく間接的に無意識に向けて語るという相手への思いやりが大切なのかもしれない…と。
直接的な読書のノウハウというよりは、読みたい本が増えた感覚が心地よく、読みたい意欲が高まった一冊だった。 -
Posted by ブクログ
気候崩壊によって世界は欠乏経済に突入した。その不安がテクノファシズムを生み、選民思想が広がっている。不安の悪循環を逆回転させ、全体主義にならない計画経済を提案する。
なるほど、と思いつつ真に理解していない自分がいる。分かるけど無理なのでは?これって徐々にできてることでは?と色々浮かぶ。大きな思想転換はできないかもしれないけれどテクノ資本主義とバランスを取る世界になればよいなと浅はかに感じた。
印象に残った所は、「独裁」という言葉について。
今と過去ではニュアンスが異なるということ。今の「独裁」のイメージは「主権」だが、過去は「委任」だった。マルクスのプロレタリアート独裁について、「これは真に自由で民主的な社会を構築するための過渡期体制であり、その先に対立のないコミュニズムを理想としていたのだ」と。マルクスに対する批判を言葉の意味から丁寧に説明してくれる点は哲学者的で興味深かった。