斎藤幸平のレビュー一覧
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紛争解決・平和構築分野で仕事をしてきて、嫌でも感じるグローバル・サウスの痛み、苦しみ、そして気候変動に翻弄される現実。その全てを言語化し、資本主義と結びつけながら問題を的確に指摘していた点にまず共感と感動。自分は未来に対して悲観的すぎるのか?と人と話して思うことがあったが、「もうすでに破局に入っている」という認識を持っている識者がいたことに安心すら感じた。その上で、どうこの気候変動とテクノ資本主義、ファシズムによる社会秩序の崩壊をアップデートされた社会主義の考え方で乗り越えるかを論じる。具体的に共感できる政策や方向性も多く、つい本に書き込みしながら読み進めた。市場に任せっぱなしにするのではなく、政治と経済をもっと近づけて、欠乏経済の訪れを少しでも遅らせるorなくしていかなければならない。
この手のことを思考する際に、いつも疑問に思うのは、なぜ富裕層や中上流階級の多くはお金のことしか考えないのか、ということ。どうしたら彼らが斎藤幸平さんが考えるようなコモンの大切さや、彼らがGAFAを代表とする利潤追求命の会社で働くことで、加担して引き起こされているグローバル・サウスの問題に目を向けてくれるのか。欠乏に直面することでしか、こうした人の考えは変わらないのかもしれないが、手遅れになる前に身近なところから何とかできないものかと思ってしまう。 -
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恐ろしい本です。スペースXのIPOで金融市場が今お祭り騒ぎとなっていますが、これもマスキズムの一つの現象になりますね。イーロンマスクがどういう人間で、彼のような怪物を産んだ要因は何なのか、その功罪を分かりやすくまとめられた書籍です。
イーロンマスクがロケットとEVという巨大事業を大きなビジョンを持って、一部国家を利用しながら、独占的な地位を獲得した事業者としての能力は疑いようがないですが、コロナ禍やTwitter買収辺りからDOGEに至るまで、彼の奇行ぶりが際立ちますね。
南アフリカのアパルトヘイト下で幼少期を過ごしたからか、白人至上主義や優生学に侵された思考で、格差と差別を助長してきた張本人の一人です。
Twitterでその偏った思想が増幅・発信され、一夫多妻性で14人の子供を持ち、一部の選ばれた人間で火星に行こうとしています。
そのマスキズムの特徴は国家と共生し、ロボットで埋め尽くし、一部の人間だけ優遇する壁のある世界を目指していますが、それが許容されてしまう世界が今存在する事が恐ろしいですね。
10年後とかそう遠くない未来に警鐘を鳴らす良書でした。 -
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前作はまだまだ理想主義的で「本当にできるかな」という違和感があった。そして、それから10年。状況は予想以上に急速に悪化している。だからこその「暗黒社会主義」というインパクトのある言葉を使っているんだと思ったが、そこまで怖いものではなかった。斎藤さんはやっぱり根が優しくて、善意ベースで社会を組み替えようとしている方なんだな。
PPPについては個人的にも以前から強い違和感があったので、興味深く読んだ。誰にとっても不可欠な資源やサービスを、利潤追求の手段に乗せてしまう点が根本的に受け入れられない。かつては「民間のほうが効率的」という言葉に騙されてしまったけど、実際には、儲からなくても社会に不可欠だからこそ公が担ってきた領域があるはずだ。
だから、今回初めて聞いたPCPという言葉に希望を感じる。自治会が弱体化している一方で、財政難の自治体では限られた予算をどう配分するかについて、市民の関与を高めざるを得ないという問題意識が現場にもある。参加型予算のような仕組みを通じて、弱くなっている自治の側と、資源配分に悩む行政の側とをつなげていくことで、相互に補完しうるのではないか。
また、緑の国民皆兵制や参勤交代的な仕組みにも魅力を感じた。都市に住む人が定期的に地方と関わるようになれば、実際に地方で暮らしたいと考える人は増えるはずだ。加えて、東京23区での自家用車制限のような提案も、現実的に検討されてよい段階に来ているのではないか。
こうした構想は、国家レベルで一気に進めるよりも、まずは自治体単位で試行的に始めるほうが現実的だと思う。現場から積み上げていくことにこそ、希望がある。 -
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人新世における「脱成長」という視点を提供してくれたことで、マルキズムの本質への理解に一歩踏み込めた気がする。導いてくれた重要キーワードのひとつが「コモン」。実にシンプルで分かりやすいソリューション。それでも最初は正直懐疑的だった。なぜなら気候変動の根源は資本主義だけでなく戦争や侵略といった覇権主義の権化でもあるからだ。しかしよくよく考えてみるとこれはグローバルノースに偏った欲望であり、バルセロナをモデルとしたグローバルサウスとの連携に希望を見ることができた。我々のミッションは、その連携を広めていくことで良きバタフライエフェクトを作り出すことだと信じる。
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ベストセラーの「人新世の資本論」では脱成長論が提唱され、いきすぎた資本主義に歯止めをかけることで、暮らしにゆとりを戻したり、気候変動を抑制する道が示されていた。
新書で50万部以上売れるまでに社会を盛り上げたが、むしろこの5年で地球環境は超えてはならない1.5℃上昇にも達してしまい、もう取り返しのつかないフェーズにまできてしまっている。
克服することを諦め、この厳しい状況下でどう生き延びていくかに方向転換した末、新たに提唱されたのは「暗黒社会主義」で、計画経済こそが残された道になるという。これはソ連、中国の一党独裁的な計画ではなく、GAFAなどのプラットフォームを国営化したり、国民株主制度を導入したりで、独占された経済圏を国家中央主権的、かつ民主的な道で推し進めるもの。
確かに近年ピーター・ティールやイーロン・マスクによる独占・独裁の動きがあったり、日常的な消費行動も全てGAFAに抜き取られ、ますますテクノ資本主義に人々の行動が踊らされているのは恐怖でしかない。
1点ボトルネックに感じたことは、個人データをテック企業ではなく国家に渡すことに抵抗を覚える人の方が多そう。これだけ政治不信の時代に、モノ、カネ、データを信頼して国に託すことを許せるのか。。 -
Posted by ブクログ
「本棚ビオトープ」
なに、その素敵ワード。
本は読むものじゃなくて、
“育てるもの”だった。
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✾血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか
✾能楽師安田登/上智大学教授小川公代/経済思想家斎藤幸平/ナビゲート100分de名著プロデューサー秋満吉彦
✾あさま社
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名著は、そのまま読むとむずかしい。
でも、読み方には“コツ”がある。
・本は「自分への手紙」だと思って読む
・“異物”を飲み込むように読む
・柱リーディング
読み方ひとつで、
本はちゃんと応えてくれる。
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特に心に残ったのは、
古代ギリシャ語「タウマゼイン」。
=驚き、敬意、じっと見ること。
わからないままでもいい。
すぐ理解できなくてもいい。
ただ、敬意をもって、
立ち止まって、見つめる。
その先に、
思いがけないものがある。
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正直、私は古典が苦手だった。
・むずかしそう
・時間がかかる
・理解できない気がする
でもこの本を読んで、
『古典の魅力がわかるようになりたい』
その気持ちが強くなりました。
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まずは100分de名著から選んで、
読んでみようと思います。
みなさんのおすすめ←読みやすくて面白い
が、ありましたら教えてください✨️
自分に向けて書かれた手紙だと思って読む
自分が著者に何を語りかけられていると思ったのか、それに対してどう感じたのか、内側から湧いてくる言葉をありのままに伝えるのだ
古典とは、「この本の主張はこうです」と簡単にまとめられるものではありません。
受け入れがたいと感じた部分こそ大事にしたい。すぐに「使えない」とあきらめてしまうのではなく、一度すべてを吞み込んで、その意味を考え続けてみることで、新しい発見に出会えるー。
「異物」を呑み込みながら、高い壁に何度も挑むような気持で読むことで、
ネガティブ・ケイパビリティ
「容易に答えが出ない状態に耐える」「不確実性を受け入れる」能力
加害者や犯罪者も含めて、その人たちとつながりうる自分を考え続けることは、自分と他者との間に無意識に作っていた壁を取り払うことにつながります。
難しい本を読むこと自体が楽しいという人もいないとは言いませんが、
読書の90%はしんどい行為。それを乗り越えてようやく、10%の楽しさや感動が得られるのです。
小説の読み始めがしんどい理由として「物語の中途」から語られるということが挙げられます。これはラテン語で「イン・メディア・レス」と言われる文学技法で、登場人物のことを知らないのに「物語の真っ只中」から始まります。
自分の着眼点から読んでみたり、別の本を読んでいて思いついた解釈を持ち込んでみる。
人生の哲学や思想を深めてくれる、人生の柱になっていくだろう本を、時間をかけてじっくりと読む。
「柱リーディング」
本棚ビオトープ
本を循環させる書棚術
生物が生息する空間
シンギュラリティとは、特異点のこと。
イエスの言葉は「福音」
ギリシャ語では「エウアンゲリオン」、エヴァンゲリオン
英語ではゴスペル、つまりグッドニュース、よい知らせを意味します。
相手の話をしっかりと聞き、味わったからこその驚き。そこには相手に対する深いリスペクトも含まれます。
「今」という一瞬に全存在をかけることができていれば、痛みも感じていないはず。
古代ギリシャ語「タウマゼイン」
プラトンが「哲学の唯一の始まり」だと発した言葉です。
英語で言うならば“wonder”
「敬意」の意味が含まれています。
「じっと見る」という意味もあります。じっくりと観察するのです。
切実な問いを抱えながら、古典に対して「敬意」を持ち、「じっくり」と向かい合い、そせて「驚く」、それによって思いがけず、道がひらける。
四十にして「惑わず」は「クギラズ」で、「区切らないこと」「限定しないこと」
「音読」とともにおすすめしたいのが、「覚えること」
「馬上」「枕上」「厠上」
近くの書店に行って、まずは一冊、今までまったく手に取ったことのない本を子入してみてください。
人生に変化を与えてくれる読書には「漢方薬型」と「抗生物質型」の2種類があるのではないか
何か劇的な発見があるわけではないけれど、ある本を読むことでじわじわとものの見方や考え方に変化がもたらされるような本
苦しいときや迷っているときに読んでいることで、何らかの発見や変化に出会えたり、悩みを解決する糸口が見えたりする、 -
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マルクスの資本論にも挑戦したくなった。
労働力は商品としてパッケージングされている。
資本主義の問題点や課題を挙げているが、(これはマルクスの資本論でも批評があるが)じゃあどうするのかは労働者が考えなくてはいけなそう。
どうすればいいかは5,6章に書かれているみたい。
自由投資主義は初めて聞いたが、政策によって民意に方向をつけるという面で面白い。
ドイツは学費無料なんだ、いいなあ
今感じていることを投影してのめり込んでしまいそうな怖さがあった。マルクスが将来の社会像を具体的に描かなかったことに対して、当時もしくは現在の社会を投影してそれをベースに構想してしまうという問題点を挙げていることは興味深い
2022年10月に労働者協同組合法が施行された。知らなかった。人々が生きていくのに必要なサービスを提供する事業を営む労働者への賃金が低い傾向があることには、なぜそうなってしまうのか、解決策は何なのか興味があったので、周辺をよく調べたい。
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大企業のグローバルサプライチェーンは、自分たちの必要とするものを、市場でのやりとりを経由せずに、相当な規模で確保しているわけです。それを労働者自身が能動的に管理していくような生産体制にシフトしていこうというわけです。
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マルクスをベースにして5,6章で主張。
面白かった。4章あたりを読んでいたときには、マルクスの資本論を読むモチベーションが高まっていた。5,6章あたりからこの本自体を少し時間が経ってから再読してもいいなという気になった。 -
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一事が万事偏った書き振り
トウモロコシのエタノールは一単位のエネルギーを使って、一単位のエネルギーしか得られないなら、まったく意味がない。脱炭素社会に移行していく場合、エネルギー収支比の高い化石燃料は手放し、再生可能 エネルギーに切り替えていくしかない。そうなれば、エネルギー収支比の低下によって、 経済成長は困難になる。 人間が長時間、働く必要性が出てくる。 当然、労働時間の短縮にもブレーキがかかり、生産の減速にもつな がる。二酸化炭素排出量を削減するための生産の減速を、私たちは受け入れるしかない。 (本書より抜粋)
こんな社会に住みたいか? 俺は嫌だね。
古代の奴隷には、生存保障があった。 替えの奴隷を見つけるのも大変だったため、大事にされた。それに対して、資本主義のもとでの労働者たちの代わりはいくらでもいる。 労働者は、 首になって、仕事が見つからなければ、究極的には飢え死にしてしまう。(本書より抜粋)
一事が万事この偏った書き振りで、納得しようがない。