【感想・ネタバレ】ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いたのレビュー

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Posted by ブクログ

マルクス研究者の斎藤幸平さんが現場で学ぶに年間の話。「理論の重要性を信じ、理論と実践とは対立しないからこそ、私のほうがもっと実践から学ばなければいけない」と冒頭で話していたが、現場での小さな未来への萌芽を垣間見て希望を抱き、自分や社会の中にある新しい問題点を見た。面白かった。
新しく知った知識
コオロギは飼料効率(与える餌と得られる量の関係)が実は高い


気になった団体、人
ネクストグリーン但馬
RE-SOCIAL  鹿肉の会社
水俣市

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

人新世の資本論の著者だったとは。まだそちらは読んでいないが、この本の内容から斎藤さんには十分に興味を持てた。
ちょっと現場に行ったくらいで全てを知ってるという顔はもちろんできないと思うが何も知らないから何も言わないは決して良いことではないと思う。
知ったかぶりをしない、排他的にならないというのは心がけたい。

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2024年01月02日

Posted by ブクログ

初めてこの作者の本を読んだ。
日本にはたくさんの問題があることに改めて気づかされた。全て解決する道はまだまだ遠い。読んでいて気持ちが暗くなるような部分もあったけれど、自分も知るというところから、一歩ずつ色々なことの理解を深めたい。自分には何ができるだろうか。この問いは生きている限り絶対に放棄したくない。そう思わされる、考えさせられる本だった。

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2023年11月17日

Posted by ブクログ

もういい歳だし、世の中のことをちゃんと知りたいと思って手に取った。
とても読みやすく、分かりやすかった。こういった本の中には、何となくテーマに沿って綺麗にまとめて終わりというものもあるが、この本は違った。著者の斎藤幸平さんが、自分はどう感じたかを正確にまとめてくださっていることにとても好感を持った。
他の著書も読んでみたい!

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2023年09月21日

Posted by ブクログ

新聞連載時には写真があったのかもしれませんが、斎藤幸平先生の韓流メイク、見たかった(笑)。
エコファッションでとりあげられていたミナペルホネンの話と、脱プラ生活にチャレンジするエピソードが印象的でした。
あと、ウポポイで「観光アイヌ」というワードが脳裏をよぎったという感想も。北海道民ですが、ウポポイの運営とか、この先大丈夫かしら…と心配していたので、斎藤先生の厳しく率直な意見をお聞きできて良かったです。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

『人新世の「資本論」』で新書大賞2021を受賞した著者の、毎日新聞での連載をまとめた一書。

1万部売れればベストセラーと言われるなか、50万部以上を売り上げている。

多くの人が、彼の論考に注目している。

なぜか。
みんな、このままでいいなんて思っていないからだ。

戦争。
紛争。
パンデミック
気候変動。
格差拡大。

なんとかしたいと思っているからだ。

著者はコロナ禍の真っ最中に、現場に足を運んでいく。

外出すら出来ないときは、家庭でできることに取り組んでいった。


知恵は現場にあり
自身をアップデートし続け、
学び続ける人は謙虚だ。

批判するだけでなく、懸命に、今、これからできることを探していく。

涙を流しながら、泥まみれになって。

温かさ。
ぬくもり。
知ろうとする努力。
学び続け、それを捨て続ける勇気。

「事を共にする」共事者として

「ないものねだり」ではなく「あるものさがし」をしよう。

「シンクグローバリー アクトローカリー」(アメリカの最近学者ルネ・デュポス)との言葉を思い出す。

無力感に陥る前に、今できることをやっていこう。

心の深いところで、静かに、そして強く決めた。


<本書から>

原発事故から10年たっても、近代化の呪いの前に停滞を続ける日本にあって必要なのは、思考の枠組みを変えることであり、それが思想の役割だと信じている。
無論、それは机上だけでは生まれない。現場に行き、埋もれた伝統や文化を掘り起こし、新しい価値として提示する作業の重要性は増している。
(P186 福島・いわきで自分を見つめる 「共事者」として)

もちろん、私やあなたの苦しみは、アイヌの人たちと同程度の苦しみや葛藤ではないかもしれない。
けれども「自分の苦しみは大したことない」、「もっと辛い人がいる」とみんなが我慢したせいで、日本は「沈黙する社会」になってしまったと石原さんは言う。
だとすれば、自分を大切にするために、自らの感情に言葉を与えることは、この誰もが「わきまえている」社会において、他者と連帯するための一歩なのである。
(P194 特別回 アイヌの今 感情に言葉を)

この「想像力欠乏症」を、佐藤千矢子は「オッサン」の病理として批判している。
 「男性優位がデフォルト(あらかじめ設定された標準の状態)の社会で、そうした社会に対する現状維持を意識的にも無意識のうちにも望むあまりに、想像力欠乏症に陥っている。そんな状態や人たちを私は『オッサン』と呼びたい」。

耳が痛い。今のシステムが行き詰まっているとすれば、その解決策は特権集団以外の場所に見出す必要があるということだ。
(P209 学び、変わる 未来のために あとがきに代えて)

だから、一つの問題に固執し、他の問題や自分の加害性に目を瞑るなら、それは共事者という視点からは不十分なものである。
共事者は、むしろさまざまな問題とのインターセクショナリティ(交差性)を見出し、さまざまな違いや矛盾を超えて、社会変革への大きな力として結集するための実践的態度なのだ。
(P217 学び、変わる 未来のために あとがきに代えて)

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

経済学を究めるためには、実体験を通じた社会のリアルを紐解く必要があるだろうが、それでは社会経済の断片しか捉えられない限界にぶち当たる。著者はその事を知りながら、敢えてトライしているように見える。その断片から見える全体の考察が経済学の真髄なのかもしれない。
多くの取材が関西圏で頑張る人達という点も面白い。一つ一つの取り組みは些細であり、社会を大きく変えるものではないが、確実に経済を動かしている。そう、自分もその一人だと確認できる。
マイノリティに焦点を当て過ぎると、社会の偏った見方になる事には注意しつつ、参考にしたい。

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2023年06月28日

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 『人新世の「資本論」」の著者が,毎日新聞に連載した論文を再編集したもの…といえば,「そんなものか」と思うかも知れないが,内容はなかなか濃いのである。
 斎藤氏は,実際に現場に赴いて色んな仕事を体験したり,本に書かれていること実践したり,色んな場所で体当たり取材をしたりして学んだことを,短い文章(なにせ,新聞の文化欄に載せるんだから)で,的確に表現してくれている。内容も多岐にわたり,今,日本が変えている問題やらこれからの方向性やらが,明らかにされていくのが気持ちいい。
 
 著者は「学び 変わる 未来のために」と題して長~い「あとがき」を書いている(25ページにもわたる)。その文章は,本書のまとめでもあり,まさに「学び捨てる」ことの大切さを教えてくれる。
 当事者ではなく「共事者」(小松理虔さんの造語)という概念は使えそう。また「日本の社会は,人間の「力強さ」や「傷つかない心」を当然のこととしてきた。」(本書207ぺ)という安克昌さんの言葉(斎藤さんが『心の傷を癒やすということ』より引用している)は,教育現場で日々感じていたことと一致して心が締め付けられる。
 問題を見えなくしているのはだれか,気づかないふりをしている自分がそこにいるのではないか。いろんなことを考えさせられた著作だった。
 そうそう,大量の風力発電建設計画のはなしは,わたしの住んでいる能登半島でも持ち上がった。一時はなんと100基も計画されていたが,今のところ撤退した会社もあるらしい。能登でも,環境問題に関心を持っている人たちが,賛成・反対に分かれていたっけなあ。

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2023年05月29日

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 人新世の資本論で著名な社会学者のフィールドワーク。

 ギグワークというライフスタイルを検証すべく、ウーバーイーツをやってみる。
 はたまた、気候変動の調査に有害鳥獣駆除の現場を見に行ったり、
 差別とは何かを考え水俣へ。

 体験したことは日数が短い。
 しかし、この体験を伝えようと本書に記す。

 資本主義は全てのモノの価値を値段で数値化することだ。
 その資本主義に対する懐疑的な目を養うには、モノを見て聞くことが重要だ。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

一つの問題や正義に固執し、他の問題や自分の加害性に目を瞑るなら、それは共時者と言う視点から不十分なものである。共時者は様々な問題とのインターセクショナルティー(交差性)を見出し、様々な違いや矛盾を超えて、社会変革の大きな力として結集するための実践的態度が必要。当事者では無いことや中途半端な関わりを非難し合うのではなく、より大きな視点で連帯しなければならない。

家にこもらずに他者に出会うこと。現場で他者と出会い、問題に向き合って、新しい人々とのつながりを生み、新しい価値観を作り出すこと。

こう語り、斎藤幸平は本著で様々な現場に赴く。正直、近年珍しい真っ当な左派ながら、草の根運動だけでは何も変わらないだろうと諦念するが、胸を打たれる。ウーバーイーツに自ら挑戦し、京大では生徒とともに禁止されたタテカンを作る。男性メイクにチャレンジしたり、脱プラ生活にトライ、昆虫食も試す。水俣病の現場を訪問し、部落解放同盟とも交流する。

新たなイデオロギーを思い描きながら自らの生活から資本主義的なものを切り離せない事実に悩む等身大のマルクス主義者は、時にコミカルでさえある。斎藤幸平は、まるで、我々に微かに残る地球保全に対する良心の象徴、いや、妖精みたいな存在なのだ。そのもどかしさや矛盾こそ、今の我々が抱えるリアルだからだろう。誰しも、くだらないマウント合戦をやめたがっている。しかし、一斉にやめないと取り返しが付かない競争弱者になることも分かっている。せいぜい、ウーバーで捻挫する位が、関の山という事だ。でも、いつかはそこを打開したいと夢想する。それを仮託した存在が斎藤幸平氏だという気がしている。

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2023年12月17日

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現実の社会の問題がなかなか、その当事者の声まで聞けないものだ。実践する哲学者の筆者は等身大でそれを考えさせてくれる。」

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2023年11月27日

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表紙がかわいい。

《大切なのは誤りを認め、学ぶことだ。それを避けて同室的な正しさの世界に閉じこもれば、内向きになり、排他的になる。》218ページ

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

社会出てなくないですか?
と言うのが最初に持った感想でした。

一つ一つの内容はいつも通りで、議論内容や展開の質はとても良いと感じるのですが、型通りという印象と、社会に出て創意工夫をする中で見えてきたものという期待を裏切られた感覚があり少し寂しく思いました。ところどころに、これまでのご自身に向けての意見を気にされているようにみえる繊細さを見せているだけに、コロナという状況もあって難しかったのかもしれませんがまたチャレンジしてもらいたいなと個人的には思いました。毎日新聞と筆者周辺の活動を、界隈のスター学者が紹介するよ、という感じに落ち着いてしまったように思えてしまいました。
ある一定期間苦境に埋没し、創意工夫する中で特化していくことが、自分で体験したときに包括されたと感じるのか聞いてみたいです。この本だと、多忙なのでしょうがないと思うのですが、結構入り口で挫折してるように読めてしまいました。

どうぶつの森について語るあたりは一種の天才的な輝きと最高にノっている感じが文章に出ており、ここだけでも読む価値あります。
笑顔になれます。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

大学の先生が感覚や印象でモノ言うのではなく、実際に経験した上での感想や考えをまとめたエッセイ。

目からウロコは『レッツ!脱プラ生活』。レジ袋の有料化は単に経費の転嫁だとは思っていだが、本当に生活の隅々まで入り込んでいて脱プラがいかに難しい、時間も費用もかかるとは。

ビッグモーターの事件やこの夏の気候変動の様子を見るに、資本経済云々の難しい話はともかく、自分の会社や国、この瞬間の利益だけを考えず、地球規模でまった無しの対策を取らねば、結局どんどん貧しく
になって行くのではないか。

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2023年08月03日

Posted by ブクログ

動物愛護といっても、害獣に向き合わない訳にはいかない。
SDGs環境負荷に対する良心の免罪符。
結局はリサイクルされないものの方がサステナブル、つまり捨てない。
無限の成長を求める資本主義の限界。
両者のいいとこ取りが個人の努力次第で実現可能であるかのように吹聴する欺瞞。

なんか人間として生きて消費するのが申し訳ない・・・

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2023年06月19日

Posted by ブクログ

サラッとパンクバンド時代の話しではじまり、環境問題、気候変動、人種差別、貧困問題等を課題とし、実際にあつ森、テレワーク、脱プラ生活などの経験や現地取材で向かい合ったエッセイのように読んでいましたが、後半はそんな他人事のような感じにはなれる余地無しです。

「戦後、高度成長期があったから日本は豊かになったんだ!」と昭和時代を美化する話しをよく聞いたことを思い出しました。
しかし、この本を読むと高度成長期の尻拭いをしないといけない課題が山積みなのが分かりました。
出来事だけはTVやニュース、ネット、チャットGPTでも知ることは簡単ですが、現在進行形の方たちの声はどこを探しても知ることは出来ない。現場に行った斎藤幸平さんから、この本を通じて知ることは、とても貴重なことだと感じました。
わたしも北海道旅行のときは白老も行こうと思います。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

経済思想家・斎藤幸平氏がさまざまな"現場"に出向き、そこで体験したことを元に『日本』という国の将来を考えた、ノンフィクション作品。この本を読むと、「いまの日本が進んで行く方向は間違っているのだなぁ」、と考えさせられる。なかなか一言で説明するのは難しいが、読んでみる価値のある一冊だと思う。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

現場に行って実際に体験する、もしくは、体験したことのある人の話を聞く、というのはとても大切なことだと思う。

普段普通に生活しているだけだと、自分の身の回り以外の場所で起きていることに意識を向けることはなかなかできないけれど、できるだけアンテナを広く張ってたくさんの情報を吸収し、世界をもっとより良いものに変えるために自分にもできることを少しずつ実行していきたい。

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2023年05月01日

Posted by ブクログ

当事者ではないから発言しないというのは、配慮に見えて思考放棄。思考停止しても気にせず傷つかず生きていけるのがマジョリティの特権。といのを肝に銘じよう。「共事者」として考える。なるほど。

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2023年04月27日

Posted by ブクログ

大学時代、マルクス思想の研究に
没頭、資本主義が生み出す貧困や環境破壊に対する怒りからポスト資本主義の可能性を考え続けてきた著者。2000年9月に著した『人新世の「資本論」』で打ち出した「脱成長コミュニズム」が大きな反響を生んだ。
そんな著者が、「理論と実践は対立しない」との考えから、また、「学者は現場を知らない」という印象を払拭したい思いから、2年間、各地の現場に出て勉強し、記録にまとめたのが、本書である。
ウーバーイーツの配達、若者が起業したジビエ業の現場体験、不便と向き合う脱プラ生活など、精力的な実践をユーモアを交えエッセイ風に語る読みやすい構成になっている。
だが、基調にあるのは、環境破壊への危惧、傷ついた人を切り捨てる社会への憤りである。
著者は、エッセンシャルワーカーやグローバルサウスの問題に目を向け、水俣病や被差別部落の現状なども取材する中で、自らを含めたマジョリティの特権集団には、他者の立場を想像するエンパシーやケアの精神が根本的に欠如していると指摘する。
そのことを踏まえ、最後に触れているのが「共事者」という概念。人は誰もが加害者にもなり、被害者にもなる。様々な問題との交差性を見いだし、様々な違いや矛盾を乗り越え結束して「沈黙する社会」に声をあげるようと訴える。
大事なテーマであるが、著者もちらりと本音を出しているように社会変革に乗り出すのは容易ではない。
ラストに示された、現場で他者と出会い、自らの問題に向き合って「学び捨てる」ことで、新しい人とつながり、新しい価値観を作り出すという点には共感を覚えた。それを少しずつ実践することを自分に言い聞かせて、本を閉じた。

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

気鋭のマルクス主義思想研究者が様々な社会課題の現場に赴き、実践や取材を通して学ぶという新聞の企画を書籍化。とてもよみやすい文章。
理論と実践を架橋しようとする興味深い試みで、タイトルに挙げられたもののほかにも、京大タテカン制作、あつ森、男性メイク、昆虫食、培養肉、脱プラ生活、外国人労働者問題、被差別部落問題、東日本大震災からの復興、アイヌなど、いろんな先端の「現場」を知れて面白かったし、それらの「共事者」でありたいと思った。
一方、「あとがきに代えて」を読む限り、著者はかなりこのことに自覚的で、誠実に現場に向き合おうとしているというのはよくわかるのだが、どうしても高みからの評論感は拭えないかなと感じてしまった。「共事者」たるというのは難しい。また、新聞の企画なので仕方ないとは思うが、いろんな分野をつまみ食いする感じで、1つ1つの内容はちょっと薄く感じるところもあった。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

ホットなテーマばかりで興味深く読みました。
よい世界にしていきたいなー。

斎藤さんが書いているように、拙くても無様でも、自分の思っていることを表現することはとても大切だと思う。
最近の若い子は、自分の子もそうだけど、自分の意見や考えを顔出しではなかなか言わないけど、おばさんとしては恐れずに口に出していきたいなと思っている。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

新聞だから、雑誌だか、連載を行なっていたものの書籍化。書籍化に合わせて少しでも入れられているとのこと。コロナで外出などに抑制がかかっていた時の記事もあるようで、取材にも行けない中で脱プラ生活を試してみるなど、興味深い試みも行ったりしている。ひとつのテーマに絞られていないのでライトに読めて良い。捨てないことが最もサスティナブル。当たり前だけどなかなかできていない。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

「大義で見えなくなる物」

人新世の資本論を読んでいる頃、斎藤幸平先生が義母の友達のご子息であったと知り驚いた(つながり薄すぎ)

思想的にマジョリティーではないからSNSなどで叩かれることもある先生ではあるが、研究室に閉じこもらず矛盾の集中する現場に飛び出しで「実践」を行っていくのは個人的には好感を持っている。

入り口はyoutubeなんかと親和性が高そうだが(フードデリバリーしたり、虫食ったり)主題は深遠だった。
「共時者」の概念は響いた。虐げられた人たちの苦しみを「そんなこと知らない」と片付けてしまうのは簡単だけれど、あえてそうしない人が増えると、競争して勝つという「当たり前の」世界が変わりうるのかなと思った。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

筆者がフィールドワークを通じて学び、感じ、時に新たな問題点を見つけては切ない思いをしたことを書いたレポート。そう、本と言うよりは、レポートです。とても軽快な言葉で綴られた、レポート。

とはいえ内容は軽くはなく、斎藤さんは案件ごとに真摯に向かい合われてますし、そこからご自身が感じたことを非常に平易な言葉で表現されている、という話で、◯◯論とか◯◯学とか専門的なことを知らなくても十分に学びのある一冊です。

ただし、平易であるがゆえにあまり深掘りはしておらず、さらっと読むとあまり印象に残らないかも。あまり身近ではない(日常生活とは関わってこない)件についても色々触れているので、読んで何かひっかかるものがあったら、自身で調べたり、深く考えたりすると、この本が生きるんじゃないかなと思います。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つ一つの章が短いので、不勉強な分野は理解が進まないが、備忘録としてふたつ。

自らの偏見の源泉は、自分の苦しみのせいかもしれないということ。資本主義社会でお金を稼ぐため、家族や健康を犠牲にして働き続ける社会のマジョリティが、「我慢だらけの人生のせいで、頑張ってないように見える人たちを許せなくなるのでは」。

大切なのは誤りを認め、学ぶこと。それを避けて同質的な正しさの世界に閉じこもれば、内向きになり、排他的になる。現場で他者に出会い、自らの問題に向き合い、学び捨てることが新たな価値観を作り出すことにつながる。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

思ったより面白くなかった。

思ったより「学ぶ系」の本。勉強にはなると思う。
著者の姿勢は良いのだけど、胸を打つものはない。
ただ学ばせる、知らせるだけの本になってると思う。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて読みました。
自分の身近で捉えやすい話題から、現実的にすぐ解決できないような根深い問題まで、幅広く扱っていて興味深かったです。
事前に予習をし、自分の足で現地に行き、取材をする。現地の言葉を代弁されることで、情報を受け取る読者はその事柄についてリアルに感じられる。そこから学び、新しい人との繋がりや価値観を作り出すことが、これからの社会をより生きやすいものに変えていくきっかけになるのだと思います。

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2023年10月26日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて読んでみた。新聞での連載をまとめた本だとは知らず、興味を惹かれもっと知りたいと思うトピックはあったものの、一つ一つのページ数は少なく内容は薄かった。その中で関心を持ったもの、面白かったものは以下。

・あつまれどうぶつの森をやってみた話
・東京五輪のための国立競技場建て替えに伴う都営アパート移転の話(「東京オリンピック2017都営霞ヶ丘アパート」というドキュメンタリー映画があるようで見てみたい)
・今も続いている水俣病問題
・アイヌの施設ウポポイと慰霊施設

上記の関連図書・映像作品や著者の他の本を読んでみるのが良いのかも。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

新聞の連載。現地、体験をテーマにした連載がコロナで苦戦したようだが、ご自身の影響力を前向きに使ってらっしゃるのは素敵だなと思う。アイヌの項目がとても興味深かった。

読みやすいので、この方のお話で最初に読んでも良いかもしれない。

体験する、学び捨てる、批判を覚悟で、当事者のみしか発言できない空気を思考停止と書くあたり、素敵です。たしかに、自分は発言に値しない立場なのでと賢く逃げることは容易いので。

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2023年08月02日

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