あらすじ
うちに閉じこもらずに、他者に出会うことが、「想像力欠乏症」を治すための方法である。だから、現場に行かなければならない。(「学び、変わる 未来のために あとがきに代えて」より)
理不尽に立ち向かう人、困っている人、明日の世界のために奮闘する人――統計やデータからは見えない、現場の「声」から未来を考える。
【目次】
第一章 社会の変化や違和感に向き合う
ウーバーイーツで配達してみた
どうなのテレワーク
京大タテカン文化考
メガヒット、あつ森をやってみた
5人で林業 ワーカーズコープに学ぶ
五輪の陰
男性メイクを考える
何をどう伝える? 子どもの性教育
第二章 気候変動の地球で
電力を考える
世界を救う? 昆虫食
未来の「切り札」? 培養肉
若者が起業 ジビエ業の現場
エコファッションを考える
レッツ! 脱プラ生活
「気候不正義」に異議 若者のスト
第三章 偏見を見直し公正な社会へ
差別にあえぐ外国人労働者たち
ミャンマーのためにできること
釡ケ崎で考える野宿者への差別
今も進行形、水俣病問題
水平社創立100年
石巻で考える持続可能な復興
福島・いわきで自分を見つめる
特別回 アイヌの今 感情に言葉を
学び、変わる 未来のために あとがきに代えて
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
哲学者の斎藤幸平氏の本。
普段机に向かって仕事をしてる中、様々な社会問題に関する連載で現場を見に行く機会が与えられ…とのこと。
私達は殆どのことを、現場や実情を知らずに(または真偽さえ分からず)SNSなどで無責任に論じ、他者を批判し、正義を振りかざす。胡散臭く知ったような事を論じている時に「はて、本当にそうなのか?」とふと考える。
この本は幾つかの社会問題について、著者が現場に赴いたり、実践してみたりしたフィールドワークの記録です。
例えば、福島の原発のこと。水俣病のこと、ウーバーの配達のこと、プラスチックゴミのこと。
様々な社会問題は、表面的にはニュースや学校で習う。「大変だね」「解決して良かった」「環境にやさしい生活をしよう!」などと感想を述べて消化されていたが、当事者たちは終わらない問題に取り組み続けていることを知ったし、遠くで起きた事件も他人事ではないということを知る。
知るとそこに沢山の人達が見えてくる。ニュースで扱われない問題の分厚さがある。
全ての問題に関われるわけではないけれど、全ての問題は知ることからしか進まないのだと思いました。