斎藤幸平のレビュー一覧
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「なぜ世界は存在しないのか」哲学者マルクス・ガブリエルが、
「人新世の資本論」斎藤幸平監修のもと執筆した
日本書下ろしの新書。
溺れかかっている子供を助けるか、プールサイドの冷えたビールを飲むか、
倫理的には行動は当然決まってる、
という例を何度も出して倫理を説明してくれる。
これはとっつきやすかった。
が、次第にわからなくなってきた。
著者は何をいわんとしているのか?
倫理と資本主義、、、
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神、、ウエーバーは全然出てこない。
各企業、最高哲学責任者(CPO)を置いて、倫理部門が企業をリードして、
子供たちが投票権を持ち、AIを社会的技術として -
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Posted by ブクログ
マルクスが略奪的農業に代表される人間社会と自然との物質循環のあり方に疑問を持っていたこと、資本が自然を食い尽くす速度は自然の弾力性(自己回復力)を凌駕するため、生態系の動的平衡を破壊する必然性に気づいていたことなどを、彼が読み込んだ自然科学書の読書メモを手掛かりに解き明かしている。従来の定説を覆した点においてマルクス研究者にとっては画期的な業績なのだろう。知らんけど。
なるほど、資本主義はその内在する自己増殖的な欲望に忠実なればこそ、労働力を含む自然資源を徹底的に食い尽くす動機を持つ。まさに「大洪水よ、わが亡き後に来たれ」、今風に言えば「今だけ、カネだけ、自分だけ」。これはよく理解できる。 -
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Posted by ブクログ
「・3000年 プレステ200が発売される。千二十二歳になった俺は最新のプレステで遊ぶ。」
イメージは現実化する。
千年後のイメージを実現できたので、俺は千歳まで生きれる。
お、おう・・・
先日、令和の時代に!?と驚きのNHKにようこそ!が刊行された。
続いての超人計画。
どういうことだってばよ。
筆者本人が一人称として語られる本作は、エッセーなのか?どこまで本気なのか?
脳内彼女と川崎の汚いアパートで暮らす滝本竜彦は超人になることを計画する。
精神的に超人になる。
超人になるためにアパートの外に出ては、逃げ帰る日々。
ある日、バイト先で出会った女、青山が超人 -
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あとがきから
本書は、『資本論』を使った、ひとつの問題提起です。
だから、この本は入門書だけれども、資本主義批判としてではなく、コミュニズム論にもなっています。
マルクスについての本は膨大な数があるのに、コミュニズムという視点から書かれた入門書がないことが、現在のマルクス主義や左派の低迷をもたらしていると思うからです。
著者の動機はそういうことですが、近年、いままで世に出ていなかったマルクスの研究の中身、思考の変化などについて、1990年以降、各国からの研究者が参加し、マルクスが書いた草稿や、新聞記事、書簡、メモ書きなどから、新たなマルクス像を確立しようというプロジェクトが立ち上がって -
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以前著者である斎藤幸平氏が配信している動画を観てから著書を読んでみたいと思っていたので、海外にも翻訳され国内でもベストセラーとなった本書を購入。
その動画でも述べていたが、混迷の現代こそマルクスから学ぶべきと主張しており、いわゆるマルクス主義に対してネガティブな印象を抱いていた自分にとって興味をそそられたという理由もあった。
本書は冒頭から「SDGsは"大衆のアヘン"である!」と、いきなり読者に対して攻撃的な言葉から始まる。
これは、かつてマルクスが資本主義の辛い現実を和らげる宗教に対して"大衆のアヘン"と批判したことに対応している。
SDGsはアリバ -
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治外法権という言葉がある位、「自治」の線引きはデリケートな問題だ。コスモポリタニズム(地球市民主義)のような大きな枠組みで自治を行う方が、世界平和になって良いのではとも思ったが、結局は、自治単位が大きくなってもそれを不満とした紛争は無くならない。だからといって、自治単位が小さくなればなるほど、対立を招く可能性が増えるし、効率性も下がる。本件を考えるには、当たり前のことだが「自治単位の適切な設定」と「適切な運営」が重要である。
資本主義には資本が資本を呼ぶように富を集中させる機能があり、それをもっての強者の理論がまかり通るようになり、弱者における「自治」を蔑ろにする部分がある。本書は、万人がコ