斎藤幸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
翻訳特有のちょっと意味が分かりにくい訳はありましたが、過去を振り返るとGDPによる経済成長のイデオロギーによって世界中で資本主義というシステムができ、富裕層によっての植民地化、グローバルサウス問題、不等価交換。これ以上続けないためにはどうしたらよいか。本当に豊かさはまではいきませんでしたが、どんな解決策かが語られていました。脱成長だからいきなりあれダメ、これダメではなく、まずはマイカー規制や、都市部土日昼過ぎだけ歩行者天国を設けたり、ショッピングモールは何平米までとか、ルール作りからはじめたいですね。みんなで協力していきたくなりました。この本はたくさんの人たちに読んでもらいたいです。
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Posted by ブクログ
草の根ネットワークから始まる個人の行動力が必要。
GDPの成長は格差拡大につながっている。
成長は必要ない。より少なく生産、少なく消費する生活を指向するべき。
成長には、循環型、永続型、複利型がある。複利型は永遠には続かない。永続型も自然ではない。複利成長を目指すことはできない。
物資使用量と市場取引の拡大を止める。成長なしで豊かな生活を送れる制度をつくる。
成長追及は、負債、不平等、金融危機を生む。新自由主義は、自由ではなく新たなルールを作った。
成長を求めることが本能、ではない。
デンマークの自転車通勤。
グリーンニューディール政策は、緑の成長と繁栄の両方を目指している。
グリーンニュー -
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Posted by ブクログ
2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人 -
Posted by ブクログ
土地を媒介とした地主と小作人の関係=封建制をプラットフォーム上に商品やサービスを提供する供給者とそれらを購入することで手数料を支払う需要者の関係の類似性をテクノ封建制と呼ぶ分析評価は興味深い。
またそのテクノ封建制がポスト資本主義として産業革命以降、生産手段の独占所有と労働力の剰余価値の搾取から発達した資本主義とステージの変容が生じたことの指摘はその分析からも説得力はある。
リーマンショックに端を発する金融システムを維持するという大義名分から資本主義が金融中心の資本主義に変容していく過程から更にコロナ禍での生活者救済の大義名分から巨大な金融緩和が世界を覆っていることでインフレが進行した(国によ -
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Posted by ブクログ
本書は都市化や大量消費、化石燃料利用が進むことで、気候変動など地球の危機に陥っている「人新世」という時代を背景に、資本主義の限界を解いている本です。
私自身、ファストファッション大好き。不自由のない暮らしをしつつ大量消費と身近でいるなか、危機感を煽られ最後まで読みました。しかし、この地球の危機を救うための「脱成長コミュニズム」の提案については理解しきれなかったり、十分納得できない部分がありました。
後半の脱成長に関しては、最近読んだ『働かない勇気』を思い出しました。そちらでは「ベーシックインカム」を脱成長の一つの解決方法として挙げられていましたが、本書ではお金を分配するというより、ベーシック -
Posted by ブクログ
イタリア人の先生が本著の英語版を紹介していて読んでみることにした。前半はそうそう、そのとおりよね、と概ね共感する内容である。行き過ぎた資本主義の枠内であれこれやっても根本解決にはならない。
ただ、後半から終わりにかけての脱成長コミュニズムが唯一の解決策だというところについては、マルクスがそれを目指していたというのは勉強にはなるが実際にそれが現代の社会で実現できるイメージを持てず、その副作用について両面的に検討されているようなものではなかったのでまだしばらく思想の分断は続くんだろうな、という読後感が残ってしまった。
ただ、日本の地方に残るコミュニティも消えつつある今、この世界をなんとかしないとい -