あらすじ
資本主義は、民主主義は、日本社会は、
どう“変調”していくのか――?
予測不可能な時代を生き抜くヒントを
「最先端の知性」がはじめて明かす!
本書では、世界が認めた4人の若き天才が、
「これからの世界と日本はどうなっていくのか」
という問いに“最先端の知見”を元に答えています。
本書に登場する天才たちはみな、
卓越した思考の持ち主であると同時に
優れた実践者でもあります。
彼らの「未来予測図」には、
ビジネスや人生の見え方が
一変するヒントに溢れています。
<本書の内容>
斎藤幸平『資本主義から脱成長コミュニズムへ』
・「限界」を迎える資本主義
・ソ連の問題点
・「科学技術がすべてを解決する」という幻想
・「脱成長」から始まる未来
・世界を救うマルクスの「コミュニズム」
・「人新世の危機」を乗り越える
小島武仁『世界の歪みを正すマッチング理論』
・社会問題を「疑似市場」で解決する
・「ミスマッチ」をなくし「満足度」を高める
・「最高の人事制度」もデザインできる
・「GLAY」から研究者の道へ
・日本の未来は「意外と悪くない」
内田舞『withコロナ時代の「心の守り方」』
・「社会正義」としての小児精神科医
・ネガティブな感情を書き替える「再評価」
・コロナ禍で「心のバランス」を崩す子どもたち
・アメリカ社会の「キャリア」と「育児」
・事実を“そのまま受け入れる”思考法
成田悠輔『「わけがわからない人間」が輝く時代』
・「何をやっているかよくわからない」が理想
・教育は「個別最適化」されていく
・もう「逆張り戦略」しかない
・民主主義を解体構築する
・人が猫に仕える未来?
・「何の意味のないこと」に精を出す
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これまでの日本はそれはそれで良かった。ただ、いつまでも良い訳ではなく、最近ではそれにしがみつくことがこの国の足を大きく引っ張ってきいるとも言える。そんな状況下で過去からの流れに影響されることなく自由に研究してきた人達が目の前の問題、将来の課題に対する意見や解決策を述べている。非常に頼もしい意見ばかりだ。
社会に役立つための研究をしている訳ではなく、自分が取り組んできた研究が社会のこういうところに役立つはずだ、という考えがとてもいい。こういう人達に任せたいと思ってしまう。
絶対的安心がないと採用しないという日本独自の安全策に見切りをつけて、この人達の考えを試しに一度取り入れてみるという方法はないのだろうか?
変わっていく気がするのだが…
Posted by ブクログ
少子高齢化や格差社会など、明るい話題の少ない日本にも、大谷以外でこんなにも凄い人がいるのかと、少し嬉しくなる一冊。これからの日本、イヤイヤ世界をよろしくお願いします
Posted by ブクログ
4人の天才たちとは,成田悠輔,斎藤幸平,小島武仁,内田舞。それぞれ,外国でも注目されている日本の知性たちです。
このうち,わたしが著作を読んだことのある人は,斎藤幸平さんだけ。
どの方の意見も,説得力に富んでいて,なかなか刺激的でした。
本書の編集者である高橋弘樹氏は,「おわりに」で次のように述べています。
この本はぜひ,ゆるめのBGMのかかったカフェや,ヒーリングミュージックのかかった寝室でゴロゴロしながら,読んでいただければと思います。(本書,207ぺ)
わたしは,テレビが鳴っている様な場所では本は読めないのですが,自宅の炬燵に寝っ転がって,延べ4時間くらいで読み終わりました。そしてそれなりに主張も頭に入りました。編集者の意図が実現されていると言ってもいいでしょう。
Posted by ブクログ
知的好奇心を満たす程、深くロジカルに考察を述べたり、新説が披露されるような本ではない。寧ろ、本著の素晴らしさは、それとは真反対の所にあり、天才たちを手の届きやすい場所まで引き下ろしデフォルメ化する事で、人への興味から学問への入り口に足を踏み入れやすくしている狙いにある。マッタリと読めて、穏やかな気持ちになる。
意識してそうしている、というのが日経テレ東大学のプロデューサーでもある高橋弘樹氏。コンセプトを補強するのが巻末の天才たちのプライベートエピソードだ。打ち合わせ中にいきなりセロリを食べ始める成田悠輔。会食に牛肉を選ばない斎藤幸平。社会制度上嘘をつかなくてはいけないと言うストレスをアルゴリズムで解決しようとする小島武仁、ダイの大冒険が好きだという。音楽家との出会いを求めてスーパーマーケットまで追跡した内田舞、旦那さんはチェリスト。
興味関心、ファンである事を入り口にして、自らの好奇心を満たす事は大切だ。人間は個人としての限界を自覚し、ある領域以上の思考については、他者との関係性により決定していく生き物だ。我々が常に持っている答えとは限定範囲における現実解であり、それは必ずしも学問を積み重ねた巨人の肩から見える答えや、全知全能に世の中を知り尽くした上での合理的な最適解ではない。最適解を知る努力をしながら、現実解と折り合いをつけながら生きている。天才とは、最適解っぽさの預言者なのだろう。天才やカリスマに付託して思考や統率を任せる、自らは羊のように。時にそんなマッタリした休息も良いのではないだろうか。
Posted by ブクログ
資本主義は、民主主義は、日本社会は、
どう“変調”していくのか ──?
予測不可能な時代を生き抜くヒントを
「最先端の知性」がはじめて明かす
YouTubeチャンネル【ReHacQ】プロデューサーの高橋弘樹さんが、以前手掛けていたYouTubeチャンネル【日経テレ東大学】で過去ゲストとして招いた4名について、チャンネルで触れたインタビュー内容などを書籍化したものです。
成田悠輔氏や内田舞氏の出演回が好きだったので、本書籍を手に取ってみました。
読んでみたら、斎藤幸平氏の部分が結構気になりましたね。彼の著書『人新世の「資本論」』読んでみようかな。いや、マルクスの資本論を先に読んだ方がいいのかな?
経済学の分野に疎いから、逆に新鮮だったのかも。興味がくすぐられるきっかけになりました。
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本書では、世界が認めた4人の若き天才が、
「これからの世界と日本はどうなっていくのか」
という問いに“最先端の知見”を元に答えています。
本書に登場する天才たちはみな、卓越した思考の持ち主であると同時に優れた実践者でもあります。
彼らの「未来予測図」には、ビジネスや人生の見え方が一変するヒントに溢れています。
Posted by ブクログ
人の価値は年齢とは関係ないと、若い天才たちの話を読んで改めて認識した。あまりものを考えない大人たちにぜひ一度読んでほしいと思う。
小島武仁さんと内田舞さんが特に印象的で、孫たちに読ませたい。感じさせたい。
Posted by ブクログ
天才 4人のインタビューの内容を載せた本
成田さん
自分の興味関心が正義
子供が砂場に行って飽きるまで 砂でお城を作って終わると壊して帰ってくるくらいの感じ
結局 あれが最強
Posted by ブクログ
世界に名だたる超有名大学。自分には全っっったく縁のない、頭の回転が超早い秀才の中でもさらに一握りの「天才」が思い描く未来像。その答えが意外とシンプル、というところに面白みがある。ダイジェストなので何度も何度も読んでしまった。
なぜいま不幸か。これからの人の幸せとは。
私フィルターなので、プレステ5の映像をファミコンで出力したような劣化が起きるけど。総括。
物質面では充足しきった今風に言うところの「ニーズの掘り起こし」という経済活動が、逆に枯渇を生んでいる。平たく言えばCMのせいでみんな不幸。何か足りない、もっともっとと常に刷り込まれ、そう思わせてるのが富裕層という勝ち逃げ社会。
お金ではない価値のレースで、遊び感覚や自分が必要とされている充実感を得る。成長を駆り立てない最適化された社会が、これからを生きる人の幸せ。ってことか。
成田悠輔さんは直前に出てる『22世紀の民主主義』の要約。難しくない言葉の組み合わせひとつで、なんでここまで知性が出るのかと毎回驚く。
──子どもは意味のない遊びに夢中になり、歳をとると意味のない話に夢中になる。それが人間の本質(要約)
2人目はマルクスだけど一番分かりやすい。資本論の後年「んー、やっぱ経済性を追うだけじゃ不幸になるわ」と視野を広げていたことを知り驚いた。限りある資源再分配の究極形は、人も企業も国も富裕税率95%。
──化石燃料中毒がリチウム中毒に代わっても意味はない(要約)
3人目はデータアルゴリズム。保育園制度は日本死ね。だけど実は公平。収入や労働形態で再配分できてる。仕事と人も同じようにマッチングさえできればもっとWin-Win。
4人目は児童発達支援やうつの話。気持ちの言語化や、出来事の捉え直しが、成長に疲れ切った心を楽にする。
──今日は誰かのために何かをしてあげた?
Posted by ブクログ
1番の感想は4人とも伝える能力にも長けていること。一昔前だと難しいことを難しい単語で書かれ、理解が及ばず「やっぱ、住む世界が違うんだな」と感じていたと思うが、本書はとても分かりやすかった。
残ったのは内田先生の心の話。再評価(ネガティブ感情を客観視し、吟味することで明るい方向に変わるという研究結果)とラジカルアクセプタンス(自分でコントロールできないことは評価せず、起きたこととして受容し、前に進むこと)。いろいろ自分でできることはあり、科学的根拠もあるということ。
Posted by ブクログ
最先端の知性に学べ、という主旨で、4人の時の人が登場している。書き方のスタイルとしては、'オフィスアワー'という、教授の部屋を自由に訪れ会話しているような雰囲気で進められている。
成田悠輔氏は麻布から東大、経済学部で最優等論文で卒業後渡米、MITでドクターを取得してイェール大で教鞭をとる。謂わばエリート街道まっしぐらに見える人生だが、中学から不登校気味で、代わりに多様な大人が集う世界で過ごした経験が、その後の考え方へ影響を与えたと思われる。何をやっているかわからない、ことを理想に、常識にとらわれずにデータ分析で突き詰めていく。これまでの画一化された思考に疑問符を呈する。
人新世という新たに提唱された時代区分、そこでは資本主義が破綻したと主張する斎藤幸平氏。脱成長にこそ活路を見出すべきという、従来の延長からの離脱を推奨する。格差や分断という混迷した世界に対して再考を促すパワーに期待したい。
小島武仁氏は、東大経済学部を首席で卒業後渡米、ハーバード大でドクターを取りスタンフォード大で教授に就くが、東大でマーケットデザインセンターが創設され初代所長として戻ってくる。
社会制度への関心が高く、資源や人を最適に調整するマッチング理論の研究を進める。海外に頭脳流出する日本の教育現場に対し警鐘を鳴らす。
3児の母であり、小児精神科医の内田舞。女性活躍に対する男性の偏見に満ちた日本を脱出すべく、猛勉強の末史上最年少で米国臨床医になる。自身の幼少期に過ごした海外体験から、偏見や差別に対して弱者を守る社会正義への意識が芽生える。コロナ禍での病状や自身の子供たちとの関わりを通して、臨床医としてのフィードバックを積み重ねる。まっとうな議論や正論が通りにくい、男性中心社会へ風穴を開けることを期待したい。
Posted by ブクログ
成田先生は
もう天才的過ぎて
ちょっとついていけない部分も。
斎藤先生は
とてもわかりやすく、具体的で
資本論を再読したくなった。
小島先生のマッチング理論。
こんな学問があって、初めて正しくマッチングされるだなんてビックリ。
内田先生。鬱の遺伝の説明がわかりやすかった。母としての経験談も織り交ぜながら、心について語ってくれている。
さらりと読めて、賢くなった気分になれる。成田先生は、こんなバカな本読むな、他にやることあるだろ?って言いそうだけど。
Posted by ブクログ
マッチングアルゴリズムによる人と人や企業などありとあらゆるものを結びつけるシステム。うつ病など負の感情を持った時に役立つ「再評価」という考え方。嫌だなと思った事柄についてあとで改めてその嫌な感情を持ったかどうか再度考え直し再評価する。天才達の考え方はやはりどこか違うところがあって参考になりました。
Posted by ブクログ
内田先生の自分の行動や考え方で意味付けを変えられる出来事に対しては「再評価」、自分のコントロール下にない出来事に関しては「ラジカル.アクセプタンス」というのを実践してみようと思う。
日経テレ東大学好きだったのになー。
Posted by ブクログ
今をときめく「天才」たちがこれからの世界と日本はどうなるかを語るという趣向の一冊。それぞれ興味深いものでしたが、内田舞さんの「再評価」という心理的アプローチが面白いと思いました。
Posted by ブクログ
成田悠輔氏と斎藤幸平氏の話は一度どこかで耳にしたことがあるものだったが、小島武仁氏と内田舞氏は全く知らなかったので、どちらかというと前二人の話を軽く読もうかなと思って購入。
成田氏は、最近の高齢者への発言で、イメージが頗る悪くなってしまった。まだ謎のままの人だ。ただ、アメリカの富裕層の高校生がAO入試のネタを100万円以上かかる「2週間で多様な経験を買うためのパッケージツアー」に参加して自分をプレゼンすることで合格を勝ち取っているという話は、衝撃を受けた。さもありなんと思っていたので、やはりホントにそうなんだ!と驚いた。日本もそうなりつつある。教育格差はどんどん進む。
斎藤氏は、いくつか著作を読んでいたので、その復習という感じ。
予想に反して、存じ上げなかった後半の2人の話が面白かった。小島氏のマッチング理論は、人間が選択していたものを、AIのアルゴリズムが代わりにいかに効果的に行うかを実現する理論だが、既に実際に用いられている例と、これからそれがどんどん用いられていく未来予想を示している。ただ不安なだけだったが、選択のための要素を減らした方が、満足度が高いということや、個人の能力よりも互いの希望でマッチングするという例を聞くと、安心する。とはいえ、悪用はどれだけでもできそうだ。
内田氏の話は、最も新鮮だった。
具体的に「再評価」や「ラジカル・アクセプタンス」のことを紹介してくれているのも、とても親切。二つとも知らずにやっているよーと、その行為を分節してもらい、とても気持ちよかった。「ラジカル・アクセプタンス」はラジオの人生相談で加藤諦三センセイがいつも「起こったことは変えられない。これから起こることを変えていきましょう」と言ってるのを思い出した(笑)
ただ、ネガティヴからポジティブな感情に変わる際に、「感情を生む」扁桃体と「論理的な思考を司る」前頭前野の機能のコラボレーションで起こるというので、誰しもができることではなさそう。しかし、それも練習で身につくとも書かれてあった。
さらに、ちょっとした侮蔑や否定的な態度のことを「マイクロアグレッション」といい、「もし社会の固定観念に起因するマイクロ・アグレッションを受けることがあったなら、その社会から向けられた無意識の期待を堂々と裏切って、自分らしく生きてもいい」という言葉は、気持ちいい!
自分は日本で暮らすのは息苦しいに違いない、と実際に行動に出た女性(つまり内田さん)の話は清々しくていい。
内田さんの話が、意外に面白かったので、星を余分につけておきました。
Posted by ブクログ
オフィスアワーのような、ということで編集された本の目的通り。気軽なトーンで読めるが何か考えたり興味を持つきっかけになる一冊。
個人的には思いがけず後半二人の働きかたに関するお話が特に興味深かった
Posted by ブクログ
未来予測図というテーマからすると、斎藤幸平さんの話がよかったかな。
小島武仁さんのマッチング理論の話も、ある分野や範囲では、私情や忖度が入らないから面白そう。
今の世界では、経済の成長を目標にするしか政府はできないのかもしれないけど、お金でしか測れないのはしんどい。価値観の多様性という視点だけだと、やっぱり金持ちが得してるじゃん、ってなるから思想として足りない。
斎藤さんの著書を読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
各分野の天才たちの視点が
新鮮。詰め合わせの魅力はあるが
表層の指摘で終わっ感があるのと
一冊にまとめた、キュレーション効果が無かったのが残念。
Posted by ブクログ
天才の視点を学びたく購入も、難しく理解できない点も多かった。さすが目先の数年先の未来ではなく100年とかそういう単位の見ているだけあるなと、本書がどうこうというよりも、自身がこういった本を理解できるようになりたいと思えた。
個人的には
一つ目、日本の教育の格差遅れ、変わらぬ選挙制度。「出る杭は打たれる」ではなく、「出過ぎた杭は打たれない」世の中になるべきと私自身も感じた。
二つ目の環境問題ー絶滅危惧種の話、電気自動車のリチウムイオン電池が単なる負担の所在を転々とさせているに過ぎないというのは納得。
Posted by ブクログ
気軽に読める。
4人の学者に対するインタビュー。
内容は雑談に近い。
あとがきにあった4人のキャラクターが面白い。かなり行動的で個性的。
#内田さんの情報:アメリカでは国家制度としての育休はない。
Posted by ブクログ
成田さん
・不真面目に、遊びや趣味の延長線をフラフラと生きている人の方が、競争力を持つ社会になる?王道人生を歩む道からズレるように工夫した方がいいなと思った。
斉藤さん
・アメリカと日本の比較。格差の大きいアメリカ→資本主義は間違っているのでは。
・問題の外部化。時間・場所的軸において。先進国が利益追求、環境配慮するために、遠く離れた後進国から搾取している→商社で働く上で、そうなのか実際に自分の目で見て、それを改善する、そうしないで日本を豊かにできるようにしたい。忘れてはならない視点。
・更なる豊かさを求めることが目的になっている。資本主義に組み込まれている私たち。特に会社で働く上では気をつけないといけない。
Posted by ブクログ
気軽に読んでいい本だった。
タイトルに期待して気合い入れて読み始めたが、それぞれの分野の要約のような内容で深い話はなかった。
成田悠輔さんの「よく分からないおじさん」というのが、私の憧れでもあって共感できた。
内田舞さんの「サツキとメイのお父さん」は確かにそうで、そういう思考に余裕のあるおじさんになりたいと思った。
Posted by ブクログ
本書に興味をもったきっかけである成田氏と斎藤氏に関しては、それぞれの著作やYoutube動画などを通して、研究内容と主張は理解していた。
本書ではその再確認といった感じだったため特に大きな発見はなく、
一方で自分が知らなかった小島氏と内田氏の研究などについては興味深く楽しく読めた。
日本で注目される天才たちの先端研究を、まとめてサクッと読める点には強いメリットがあるので、それぞれの著作を読んだことがない人にはとても良いだろう。
なんせ読みやすい。
成田氏から小島氏までの章を通して読んで特に気になった点は、
「重大な意思決定を行う人も、基本的に自分のそれまでの経験をもとに判断を下す」という事実。
これはもちろんそうだし、分かっていたことであるが、
例えば政策を決定するとき、専門家自身や、専門家団体が決定を下すわけではない。
あくまで専門家の意見を受けて、政治家などが決定する。
もちろん、諮問会議や政策会議があり、党から政策を提言し、採択を経て決定される。
しかし最終決定は、その意思決定の影響を受ける全体数から比べると極めて少ない人数が左右する。
その人物たちが、たとえ多くの幅広い本を読んで多面的な視点を持ち、多くの有権者や専門家の話に耳を傾けたとしても、
必ずなんらかのフィルターがかかってしまう。
成田氏の主張する、「アルゴリズムが決定する」という視点ではその大きな問題が解決される。
小島氏の主張では、最終決定は人間だが、アルゴリズムが、個人の経験だけに基づかない、データによる案を出す。
斎藤氏の主張ではコモンによって我々が属する各コミュニティ単位で自らに関わる政策に意思決定のチャンスが生まれるが、
ここには同様にやはり社会主義における大きなリスク、独裁者の発生や為政者の腐敗、内輪贔屓というものが避けられない。
ここでもまた、意思決定をする人のフィルターが邪魔をするため、アルゴリズムが活躍する余地がある。
意思決定の公平性を担保するために、アルゴリズムを頼るという選択肢は、今後よりその存在感を強めていくだろう。
本書では4人それぞれへ「天才の未来予測図」が見えてくる○○の問い」という質問が十数個ずつ用意されているが、
斎藤氏の主張の中で僕が気になっていた点に関しての質問はなく、やや残念だった。
「コモン単位における独裁や腐敗へのリスクにはどのように対処するか」
「地域に大勢の外部の人が流入することによって地域自体が外部の人に乗っ取られる危険性はないか」
「各国各地域によって得られる生産物は異なるが、その生産物や資源をどのようにして効果的に他地域に再分配するか」
これは氏の今後の発信や他の情報源などから解決策を見つけ出していきたい。
内田氏の章に関しては、僕自身のメンタルが全然揺らがない気質であるからかいまいち自分事に捉えにくかった。
ただ、子育てしやすい社会にしていくべきだとか、科学的エビデンスをメディアがより尊重する必要があるという主張に関しては共感する。
以上。成田氏面白いな~
Posted by ブクログ
・進学校に入ると頭がよくなるのではなく、頭のいい人が進学校に入っているだけ。入った人と入れなかった人のその後の学力に違いはほとんどない。
・突き詰めると「人間は何の意味もない遊びを永遠とやる動物」
・無限の成長を有限な地球上で求める資本主義は解決できない。
・こどものことを大人の世界で理解しようとせず、好奇心を持って接する。