【感想・ネタバレ】人新世の「資本論」のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年07月01日

先進国の豊かな生活の裏側では、グローバル化によって被害を受けるグローバル・サウスの悲劇が繰り返されてきた。これらの大規模な事故は、起こる危険性が指摘されてきたにもかかわらず、国や企業はコストカットを優先して放置したことによる人災である。また、資源、エネルギー、食糧が先進国との不等価交換によってグロー...続きを読むバル・サウスから奪われている。また、先進国は資源採掘やごみ処理などをグローバル・サイスに押し付けている。資本主義は、周辺部の労働力や天然資源を掠奪の対象としており、地球環境が危機的状況に陥るのは当然の帰結である。マルクスも、資本主義は自らの矛盾を別のところへ転嫁し、不可視化することによって、さらに矛盾が深まっていく泥沼化の惨状が必然的に起こるであろうと書いている。

問題の転嫁が困難となり、危機感や不安が生まれると、排外主義的運動が勢力を強めていく。右派ポピュリズムが社会に分断を持ち込むことで民主主義の危機を深めていき、権威主義的なリーダーが権力を握れば、ファシズム体制が起こりかねない。

ヨハン・ロックストロームは、自然本来の回復力を超えると、急激・不可逆的な変化を引き起こす可能性があるとして、プラネタリー・バウンダリーの概念を提唱し、SDGsの基礎となった。しかし、その後、経済成長と1.5℃未満の目標達成の両立は困難であると主張している。ティム・ジャクソン「成長なき繁栄」によると、先進国ではエネルギー消費の効率化が進んでいるが、ブラジルや中東では目先の経済成長を優先する中でエネルギー効率はむしろ悪化している。その結果、世界全体では、対GDP比の二酸化炭素排出割合は年率0.2%しか改善していない。著者は、環境対策は必要だが、それだけでは足りず、経済のスケールダウンとスローダウンを目指すべきであると主張する。

水や電力、住居、医療、教育を公共財として民主主義的に管理するコモンの概念は、マルクスも研究していた。マルクスは、コモンが再建された社会を労働者たちの自発的な相互扶助を意味する「アソシエーション」と呼んでいた。20世紀に国家の下で制度化された社会保障サービスは、組合などのアソシエーションを起源としている(デヴィッド・グレーバー「官僚制のユートピア」)。マルクスは、「資本論」第1巻の刊行後、自然科学やエコロジー、資本主義以前の共同体社会の研究に取り組んでいた。マルクスの思想は、「共産党宣言」の頃の生産力至上主義、「資本論」第1巻の頃のエコ社会主義を経て、進歩史観を捨てた脱成長コミュニズムに到達した。

マルクスの脱成長コミュニズム構想は、使用価値経済への転換、労働時間の短縮、画一的な分業の廃止、生産過程の民主化、エッセンシャルワークの重視の5つにまとめられる。

アンドレ・ゴルツは、開放的技術と閉鎖的技術の区別が重要であるとし、一般的な人々から隔離され、情報が秘密裏に管理されなくてはならない原子力発電のような閉鎖的技術は民主主義的な管理にはなじまず、隠ぺい体質につながり、重大な事故を招くと考えた。

フランスでは2019年に、年齢、性別、学歴、居住地などが国民の構成に近くなるように調整されたくじ引きで選ばれた150人のメンバーによる「気候市民議会」が開催された。

国家やグローバル企業が押し付ける新自由主義的な政策に反旗を翻し、住民のために行動する「フィアレス・シティ」の旗を立てたバルセロナでは、都市公共空間の緑化、電力や食の地産地消、公共交通機関の拡充、自動車や飛行機、船舶の制限、エネルギー貧困の解消、ごみの削減・リサイクルなどの行動計画が市民によって策定された。フィアレス・シティのネットワークには、アムステルダムやパリ、グルノーブルなど77の拠点が参加し、巨大なグルーバル企業と対峙する知識を共有して連携する。

グローバルサウスでは、1994年の北米自由貿易協定発効の機に始まったメキシコ・チアパス州の先住民が起こしたサパティスタや、農産品の貿易の自由化が加速した1993年に生まれた国際農民組織ヴァイ・カンペシーナがある。

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Posted by ブクログ 2022年06月08日

【読もうと思った理由】
非常に売れていて、話題になっていた新書だったため。


【読んで感じたこと、認識したこと】
事前に100分de名著の資本論を読んでいたため内容は理解しやすく感じた(筆者が伝えたいことを100%理解できているかは別として)。資本論があやふやな人は事前に読むことを強くおすすめ...続きを読むする。
資本主義は価値の増殖のため無限に成長を求め、資本主義である以上全ての物事がそれに取り込まれてしまう。みんながアクセスすることができた富(コモンズ)も、資本による囲い込みのため、商品となり、儲けのために稀少性をあえてつくりだし、経済として成長しているはずなのに一部を除いて人々は欠乏する。
先進国の発展の代償に、途上国へは環境負荷等を背負わせる。先進国の経済的発展は、負担を外部化(途上国へ)し、不可視化させて成り立っている。先進国は比較的環境負荷をかけていないように錯覚するものがいるが、環境負荷がかかる作業を途上国が担っているにすぎない。資本主義は、外部化し発展を続けてきたが、地球上にはもはや外部化させられるところはなく、二酸化炭素が増えすぎたことによる気候変動という代償が人類にふりかかっている。等々、資本主義による問題がこの他にも様々顕在化されてきている。これらを打開するには、脱成長コミュニズムへ移行するほかないという主旨(自分の理解した範囲では)である。
自分としては、筆者の主張にはおおよそ賛成する。資本主義が、地球の回復能力を超えて開発をしているのであれば、戻れなくなる前に資本主義からの移行はした方が良いのだと思う。かといってすぐに資本主義を捨てることはできないし、世界全体でやらなくては効果が薄いだろうし、資本が囲い込み発展させてきたものをコモンズとして取り戻すということも想像できないし、コモンズを共同管理するというのも今一つ想像できないし、、と凡人な自分からは難しそうという稚拙な感想しか浮かばない。
ただ、資本主義の継続は人類を幸せには導かないのは確かなようであり、多くの人が資本主義の問題を考えなければならない。
時間を空けてもう一度読みたいと思う。

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Posted by ブクログ 2022年05月09日

現在当たり前と思っている資本主義を疑ってみる題材で、興味深かった。幸福に注目する考え方はまさしく共感できた。
しかし、理想論を脱っしきれてない気がした。人間の競争本能をコントロールできるのかに着目したい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月07日

人新生、人間たちの活動の痕跡が地球の表面を覆い尽くした年代。

いま、企業経営者、広報担当者が血眼になって取り組んでいるSDGsも、現実逃避!と言い切るのは、とても清々しかった。

かつて、マルクスは資本主義の辛い現実が引き起こす苦悩を和らげる「宗教」を「大衆のアヘン」と呼んだ。SDGsがまさに現代...続きを読む版の「大衆のアヘン」になっている!SDGsはアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかない!

再生可能エネルギーが化石燃料の代替物として消費されているのではなく、エネルギー需要増大を補っているだけなので、化石燃料の消費量は減らない!

テレビは省エネ化しても、より大型のテレビを買えば消費電力は減らない、燃費の良くなった車もどんどん大きくなる。。

電気自動車が現在の200万台から、2040年に2億8,000万台に増えるが、削減される二酸化炭素排出量は、わずか1%。バッテリーの製造段階で膨大な二酸化炭素を排出する!

無限の成長を目指すグリーンニューディールに対しては、こう言うしかない「絶滅への道は、善意で敷き詰められている」
本当に目指すべきは、破局につながる経済成長ではなく、経済のスケールダウンとスローダウン!

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Posted by ブクログ 2022年04月29日

非常に面白かった。今の世の中なんかおかしい、理不尽な事が増えた、と感じていたが、それが何故か明らかに説明された気がする。人間の力、資本主義が、もう地球を壊そうとしている時代まで来てしまった事を深く理解した。これからの世の中或いは生き方がこれまでの延長には無い事を覚悟しなくてはならないと思った。また、...続きを読む資本主義の悪い点にNOを言い、対抗する行動の大切さを理解した。

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Posted by ブクログ 2022年04月17日

 『資本論』未読のため中盤は難解だったが、とても面白かった。「脱成長コミュニズム」は本当に実現可能だろうか?と懐疑的になりそうだが、バルセロナ等の先行事例紹介や個人で取り組める具体的な活動内容の提示がされていることから希望が見える。5つの柱は普段から意識・待望していたことだったので、3.5%になるた...続きを読むめに動かねばと実感。
 電気自動車に替えたところで、減らせる二酸化炭素排出量はわずか1%に過ぎず、電気自動車に必要なリチウムイオン電池の製造過程では膨大な量の水が吸い取られ、近隣地域に影響を与えているという事実が最も衝撃的だった。
 中高生や読書が苦手な人向けに、さらに平易な文章で図解付きのバージョンが出版されると良いのに。

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Posted by ブクログ 2022年04月17日

「希望をグローバル化するためにたたかいをグローバル化しよう」というヴィア・カンペシーナのメッセージに心を打たれました。
私は資本主義というシステムは理にかなっているものだと信じ、肯定して生きていました。でも実際、それを肯定できるのは資本主義によって辛い思いをしている外部の人々や自然が存在し、それらか...続きを読むら掠奪してきた上に成り立っていることだと反省しました。私はこの本を読む前に、「フィアレス・シティ」や「ミュニシパリズム」という言葉を全く存じ上げていなかったことを恥ずかしく思い、自分でもそのようにたたかう人々を調べてみたいと思いました。
私は、外部の人々や自然を外部と呼んで無視してしまう社会ではなく、一緒に生きていける人でありたい。そのためには、そのような人々に頭を下げ、その人たちからも学んでいけるような謙虚な姿勢が大切であり、その謙虚な姿勢をもって他の人の良さを学び・真似ることこそ、日本人が得意なことではないかと思います。
私は様々な人々が、自分自身が生きていく地域や国、世界に希望を持って参加したいと思える社会を創りたいと思ってきました。そのヒントがこの本にある気がします。

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Posted by ブクログ 2022年06月19日

脱成長経済を解決策とする点は賛成する。しかし、マルクス主義を脱成長コミュニズムと見ることは、マルクスの理解として正しいか正しいくないかは別として、通俗的なマルクス主義理解を打破する必要がある。社会主義は五か年計画に見られるように成長を追及する発想が強い。公務員主導の計画経済で資本主義よりも効率的に開...続きを読む発を進められるという発想がある。

公務員主導で成長を抑えるならば公務員主導経済である点は変わらない。上位下達の官僚支配のままである。脱成長は頑張ることを否定する個人の自由尊重の方向ではないと難しいだろう。特に日本は安易に全体を優先して個人を犠牲にする全体主義の傾向がある。日本の右翼は「滅私奉公」、左翼は「一人は皆のために」とどちらも全体主義になる。個人主義に強く立脚しないと全体主義に呑み込まれてしまう。

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Posted by ブクログ 2022年06月19日

異常気象による災害の多くなった今日、技術によって経済活動をすすめながら、技術発展によって、地球の平均気温を押さえることができる、という議論は、実は破綻している。それは、都市や先進国の二酸化炭素排出量が減っても、そのうらでエコの名のもとに開発された技術をなりたたせるために、発展途上国からの資源の収奪が...続きを読む行われていて、そこでは、先進国が減らした排出量以上のエネルギーの排出と、収奪が行われてきたからである。つまり、環境保護運動は進んでいるようで、地球全体で考えるとかえってマイナスになっている。そして、平均気温を、さげるには、もはや、経済活動をおさえるしかないのではないか。そのような、事態を迎えて、どのような対処の方法があるのだろうか。マルクス資本論の新しい資料と、そこから見える新しい社会の仕組みをさぐる。という内容で、興味深い。ただ、人間が地上に生まれてから、起こったこと、したことを考えると理屈では、その通りなのだが、はたして、できるのかは、難しいような印象を受ける。ただ、試みる価値はある。

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

専門的で難しい箇所はあったが、これからの方向性が示されて分かりやすかった。
資本主義の欠点を指摘して、どうすれば乗り越えることが出来るのか、筆者のいう脱成長とコモンの再建が功を奏すのか。
経済書でありながら、ワクワクしながら読んだ。

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

少し難しかったがなんとか読み切った、一度諦めて積読してた本。気候変動と資本主義の関係について理解を深めることができた。いまのままじゃだめなんですねそれはそうですよね。

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Posted by ブクログ 2022年05月18日

資本主義の矛盾点を厳しく批判。
脱成長コミュニズムという概念に初めて触れました。
「持続可能で公正な社会」の実現かぁ…
「自分にできることから始めたい。まず自分が動かないと何も始まらない。」と思う一方で、日々の生活で手一杯な事を言い訳にして、全く行動できない自分がいる。本著のあとがきを読んで、自分の...続きを読む弱さに気付かされました。

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Posted by ブクログ 2022年05月18日

非常に刺激的な内容。資本主義の真逆を提案しています。この提案については色々と反論を出来る所があると思いますが、本当に今のままでいいのか?と考えさせてくれる非常に良い本だと思います。
YouTubeやNewsPicksで対談やインタビューの動画あるので併せて見てみてください。

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Posted by ブクログ 2022年05月16日

こちらを読むための準備運動として100分de名著「資本論」を読んだのだが、非常にわかりやすくまとめられており、資本論の概要がつかめた
本書ではさらに資本主義の問題点の多さと、奥深さに、薄々気づいていたことを突き付けられたような衝撃を感じることとなった

さてタイトルにもある「人新生(ひとしんせい)」...続きを読むとは何ぞや?
人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆い尽くした年代という意味
なんだか恐ろしい符号を付けられた感じである

改めて資本主義がどういう犠牲の上に成り立っており、その恩恵を受けているのが実は一部の人たちということが多くの調査とデータにより実に詳細に分析されている
先進国を豊かにする大量生産・大量消費型社会
この裏ではグローバル・サウスの地域や社会集団から収奪し、代償を押し付ける構造が成り立っているのだ
グローバル・サウスで繰り返される人災
あまり報道されず、どこか遠くの話し…と犠牲が不可視化されうやむやにされる

少し例を上げたい
インドネシアやマレーシアではパーム油の原料となるアブラヤシの栽培面積の増加による森林破壊が起きている
熱帯雨林の生態系を狂わせ、土壌侵食が起き、肥料・農薬が河川に流出し、川魚が減少
この地に暮らす人々のたんぱく質が激減し、お金が必要になる
やむを得ず金銭目当てに絶滅危惧種の野生動物の違法取引に手を染める
そう、労働搾取だけでなく、資源の収奪と環境負荷の押し付けをしているのだ
気づいていただろうか?
知らなかっただろうか?
誰もが薄々わかっていたのではないだろうか…

もう一つ例を上げたい
テスラなどの電気自動車だ
こちらはリチウムイオン電池が不可欠となる
チリが最大の産出国であるが、塩湖の地下からリチウムを含んだ鹹水かんすいをくみあげ、その水を蒸発させることでリチウムが採取される
これは地域の生態系に大きな影響を与える
つまり地元住民の生活に皺寄せが行く
いわゆるグリーン技術は生産過程まで目を向けるとそれほどグリーンではない

自分たちの幸せは犠牲の上に成り立っているのに、知らないから知りたくないに変わってしまい、エコバッグを買ってSDGsを掲げてアリバイ作りをして見ないふりをする
ドキッとする人がたくさんいるのではないだろうか

また、個人的に違和感を感じる身近なこと…
例えばアマ〇ン
非常に便利で何度もお世話になっている
当初、そこまで急いでないのにこんなに早く届くとは!
と感激したものだが、それが当たり前になってくると、(不思議なもので)納期に時間がかかると
あれ?遅いじゃないか…となるのが人間の心理

便利な返品システムと各地に増え続けるアマ〇ンの倉庫
システマチックに価格が変動し、そのせいでどれほどの物流や人が動いているか…
(うちの会社もかなり振り回されております…)
これって尋常じゃない…はずなのに
ここまでの付加価値が本当に必要ですか?
たぶん必要ではない
このシステムで何が犠牲になっているか、きちんと知る必要がある
が、この仕組みに慣れるということが恐ろしいことなのだと自覚する必要がある
資本主義はどこかで利益や利便性が発揮されると必ず皺寄せがどこかにいくシステムなのだと改めて感じた


さて斎藤氏はどうすればこれらの問題が解決すると考えるか…

○「脱成長」
興味深い比較がある
経済成長と幸福度に相関関係は存在するのか…というアメリカとヨーロッパの比較だ
ヨーロッパ諸国はアメリカに比べGDPが低いが、福祉施設全般の水準は高く、医療や高等教育が無償で提供される国がいくつかある
一方アメリカは無保険のせいで治療が受けられない人々がいる
要は生産や分配をどのように組織するかで社会の繁栄は変わる
一部が独占すれば多くは不幸になる
公正な資源分配をすることで解決すると強く言う

○コモン
コモンとは、社会的に人々に共有され、管理されるべき富のこと
水、電力、住居、医療、教育などを自分たちで民主主義的に管理することを目指すのが資本主義でも社会主義でもない第三の道だという
ここではバルセロナの具体例が紹介されており、少しずつ世界に広がり見せている模様


つまり最終目指すところは
「脱成長コミュニズム」という社会であり、相互扶助のネットワークを発展させていくこととする
(我々の無関心さが1%の富裕層・エリート層が好き勝手をさせ社会の仕組みや利害を作り上げてしまったのだ ああ、無関心の罪深さよ…)

本書はなるほどと思う部分と、まだ心のどこかでそんな社会は可能なのか、現実的にどうなのか…と疑問視する部分がある
そして資本主義の恩恵を捨てられるのか…とも考えさせられる
同時に果たして地球は誰のための者なのだろうか…
いや、誰のものでもないはずだ
資本のある人間が何かを独占していいなんて確かにおかしい
住む土地、生きるための酸素、生活必需品の水…
人間も動物もその他生物たちに平等なので共存すべきではないか
もしかして…資本主義が進むと酸素や太陽の光や温度の恩恵さえ、お金を払わないと受けられなくなるのではないだろうか
さらに地球の環境が激化し、これらが争奪戦になるとしたら…
お金を持っている人間だけしか生き残ることができない
ディストピアの恐ろしい世界である
でももしかしたらそんな遠くない将来、それに近いことが起きるのかも…

兎にも角にも深く考えさせられる書であったが、決して難しいことは書いていない
具体例も多く、わかりやすい
本書の売れ行きから考えても資本主義への疑問や不満を持つ人たちが増えているのは間違いないだろう

そう、無意識ほど罪深いことはないのだ

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Posted by ブクログ 2022年05月07日

感想と評価をつけ忘れていたので振り返ってみる。
たくさんメモをとりながら読みました。とても面白かった!ずっと成長し続けることを目指す社会へと違和感にとても共感したし、SDGsがファッション化していることはもはや誰の目から見てもまあそうだろうなと。
脱成長コミュニズム、デカップリングは不可能という主張...続きを読む、色々理解が難しい点もあったので勉強したい。

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Posted by ブクログ 2022年04月30日

一気に読めた。コミニズムの必要性はなんとなくわかるが、それがうまく機能するとは到底思えない。
何故ソ連が独裁的になってしまったかを考えるべき。空想的かも知れないが、現状のシステムの中で、環境への配慮を重視すべき。ただ、使用価値のない仕事は無くして、エッセンシャルワークを重視するのは大賛成。早く、高給...続きを読むのブルシットジョブとはおさらばして、意味のある仕事に就きたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月29日

資本主義と欠乏、人工的希少性、価値と使用価値、こういった見方を知ることができた。考えさせられることばかり。個人として何ができるか、もっと考えていきたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月24日

今の時代に読んでおくべき1冊だと思います。

「緊縮は成長を生み出すために希少性を求める一方で、脱成長は成長を不要にするために潤沢さを求める」という一文が資本主義、特に現代の新自由主義との決別の必要性を端的に表していると感じました。

希少性とはエンクロージャー(囲い込み)によって富を生み出す源泉な...続きを読むので、資本主義の下で緊縮政策を取ると企業が富を生み出すために、より「コモン」の略奪をし始めるため、貧富の差が結局増大する。
脱成長は潤沢さを求めるとは、経済の成長を追い求めるのか、求めないのか矛盾しているように感じますが、それは我々が資本主義でしか『富』を考えられない呪縛に縛られているからで、実態は、資本主義では脱成長を求めても十分な潤沢さを得ることは不可能なので資本主義は破棄する、潤沢さは「コモン」を取り戻すことで(生活に必要な共有材を資本から切り離せば)、自然は人間が生きていくだけの豊かな資源を提供してくれる、ということを指します。

SDGsを始め、現代の社会変革論は資本主義の上でその欠点を是正する修正主義でしかないのでどうやってもうまくいかない、矛盾が生まれ破綻する。
なので「価値」に縛られる資本主義は破棄し、資源が本来持つ「使用価値」こそが豊かさの源泉であるという社会の転換を進めなくてはいけないという主張がなされています。

そして、それを唱えることは斎藤先生にとっては大きなリスクを負うことになりますが、それを承知で「3.5%」になってくれる人を少しでも増やしたいという啓蒙の本でした。
※世界各国で独裁政権などを打ち倒す社会革命は、たった「3.5%」の人が本気で立ち上がることで成し遂げられてきたという研究結果があるそうです。

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Posted by ブクログ 2022年04月16日

環境危機を乗り越えて、持続可能で公正な社会を実現するための唯一の選択肢は脱成長コミュニズムである。コモンズを再建し、ラディカルな潤沢さを回復することを目指す。コモンのポイントは、人々が生産手段を自律的・水平的に共同管理すること。
バルセロナの取り組みが例にあげられていたが、どうしていくべきかは、いま...続きを読むいちイメージすることができていない。
しかし、3.5%の人が本気で立ち上がると社会が大きく変わるという研究もあるようなので、差し迫った環境危機、行き詰まりをみせる資本主義に立ち向かうために、真剣に取り組んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2022年04月11日

資本論、マルクス主義に触れたくて読んでみた。コモンの概念、理解はできるが現実論として落とし込むのがまだ自分にできていない。よって資本主義からの脱却や脱成長経済の実践はできないかもしれないが、カーボンニュートラルを目指すことは自分にもできる。

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Posted by ブクログ 2022年04月06日

脱成長、脱競走。地元コミュニティーをベースに自由で無理のないエコな生活をしていきたい。
今のクリーンエネルギーやエコノミーも深掘りすると全ての負の影響を外部の国に押し付けているだけであると言うことは新たな視点であった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月19日

今後の地球はそうなるのだろうとわかってはいたけど、見ないフリをしてきたことを、改めて突きつけられます。
経済成長による豊かさが幸せだと刷り込まれてきた人類は、結局、大量消費のためにグローバルサウスからの搾取を繰り返してきて、戻れないところまで来てしまったのです。(SDGsの胡散臭さも、腑に落ちました...続きを読む。)
…なんて、ガスストーブであったまりながらこの本を読む先進国に住む僕は、罪悪感を感じはするものの、その生活を捨てることは難しいのです。(涙)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月19日

第七章で「脱成長コミュニズムの柱」として述べられている、エッセンシャル・ワークの重視や画一的な分業の廃止といった主張には賛成できるけれども、著者が考える生活の「潤沢さ」が、コンビニやオンライン・ショッピングやアルコール飲料ではなく、スポーツ、ハイキング、園芸などに代表されているところに、妙な倫理観を...続きを読む押し付けられているような違和感を覚える。

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Posted by ブクログ 2022年06月04日

刺激的な内容でした。たまにはこういうのを読んで知らない事を吸収しないといけないなと思いました。著者が冒頭からいろいろな事を否定して、マルクス、脱成長コミュニズム、コモンなどの考え方の重要性を説明してくれるのは説得力があった。 自分が行動に移せるほど突き動かされた訳ではないですが。

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Posted by ブクログ 2022年05月31日

資本主義のもとでは、環境破壊は止まらない。
生産力至上主義から脱成長コミュニズムへの移行が必要だ。
という論旨自体には説得力があった。

SDGsが孕んでいる矛盾については、真剣に考えなければならないと思う。

一方、著者のいう脱成長コミュニズムが、どういったものか、生活レベルのイメージが全くわかな...続きを読むい。あるいは清貧じゃないといいながら、清貧にしか繋がらない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月30日

経済学に疎いからか、わかりやすいとは感じなかったけれど、資本主義社会からの方向転換や地球•自然との共存が必須であることには強く賛同する。

現状やその根拠の説明をマルクスと共に説明されたので小難しかったんだろうな。

EV自動車を作っても結局資源は使っている(しかもリチウム採掘に地下水を乾燥地帯で1...続きを読む700ℓ/秒/社も汲み上げているという)は衝撃的だったし、コストカットを目的に海外移転したせいで、パンデミック発生時に国内には、不可欠な物資の生産体制が存在しなかったという話は、利益重視の資本主義を如実に表しているなと思った。

売れている本ということで、多くの人の社会をみる視点が未来にとってポジティブに変わったら良いなと思う。

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Posted by ブクログ 2022年05月08日

二酸化炭素排出量は3.4%で世界5位
産業革命時と比べて2100年までに現状放置で4.5, パリ協定で3.3, 目指すは2度未満。既に一度上昇している
外部化社会-豊かな暮らしの裏では貧しい暮らしがあるがそれを周辺部に追いやり不可視化すること。パーム油、熱帯雨林伐採、土壌汚染、河川汚染、住民は肉から...続きを読むタンパク質を得る必要、お金が必要、密猟、絶滅危惧種
オランダの誤謬-グローバルサウスに否定的な影響を押し付けているのに、先進国が経済成長と技術開発によって環境問題を解決したと思い込むこと
指数関数的な経済成長が、有限な世界において永遠に続くわけがない

商品という価値のための生産が行われ、使用価値が蔑ろにされるという資本主義の矛盾が、グローバルサウスにおいては過酷な形で表れている。
南アフリカ - アパルトヘイトの負の遺産は、20%の大規模農家が80%の生産額を生み出す。アフリカ最大の農産物輸出国であるにも関わらず、飢餓りつは26%。地力が乏しく、水へのアクセスも悪い土地を割り当てられた結果、非白人の小規模農家は自給自足することさえも容易ではない。

なぜ、右派ポピュリズムの台頭は民主主義への危機となるのか

生産力向上至上主義がマルクス主義の真髄とされてきたが、晩年、脱経済成長・持続可能社会を目指す脱成長コミュニズムを考えていた。

ラーダデールのパラドックス
私財の増大は、国富を増やすがら公富の減少によって生じる。囲い込みによって人工的希少性を作り出す
このコモンズの解体によって生まれた資本主義を否定する、取り戻す
コモンの潤沢さ。ただみながジェネラリストに?

反緊縮政策による自由主義のもとでは、資本主義から脱却していないから、資本主義が生み出した問題に対処しきれない。
気候正義という観点を踏まえれば、グローバルサウスの人々や自然環境を犠牲にするものであってはいけない。
気候正義という概念をグローバルサウスに目を向け、そこでの取り組みから学ぼうとすることが、持続可能なだけでなく、公正な社会を作るのに、何が本当に必要かを考え始めることができる。

晩年のマルクスは、(1)生産を使用価値重視のものに切り替え、(2)無駄な価値の創出につながる生産を減らして、労働時間を短縮することであった。(3)労働の創造性を奪う分業も減らしていく。それと同時に進めるべきなのが、(4)生産過程の民主化だ。労働者は、生産にまつわる意思決定を民主的に行う。意思決定に時間がかかっても構わない。また社会にとって有用で、環境負荷の低い(5)エッセンシャルワークの社会的評価を高めていくべきである。  


コモンを協同社会で管理するのはわかるが、個々が平等になる一方、全員が全て事柄についてそれなりの知識が必要になるのでは。開放的技術で共有したとして皆が理解できるのか。最後は専門家が出てくるのでは。
コモンの悲劇について一節しか触れられていない。民営化した結果、貧困層がインフラにアクセスできなくなった、と。コモンズの悲劇への反駁があまりにも弱い。人々の性善説に頼っていて、希望的観測で克服できるとしている。が、元来人間は利己的な生き物だ、という前提はどう説明するのか。

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Posted by ブクログ 2022年04月15日

おそらく界隈的には分かりやすい部類なのでしょうが、経済学等の前提知識に乏しい私には、なかなかに難しい本でした。

たぶん、色々と著者も言いたいことがあり、それがぎゅっと詰まっているのですよね。新書にしてはボリューム感もありました。

きちんと理解する、には程遠いかなと思っていますが、視野・知見を広げ...続きを読むる意味では良かったと思います。

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Posted by ブクログ 2022年04月10日

有名な本なので読んでみた。改めてマルクスに戻れ、という発想が斬新。但し、他の方々も書いているように具体論になっていない。今後の具体化に期待する。
気になった点は、
・マルクスは絶対善だと思われている点
・資本主義からどう転換させるのかの戦術が不明
といったところ。
個人的には、今の資本主義のままでも...続きを読む、縮小均衡を目指すことで地球環境問題を解決するほうがベターなのではないかと(直感的に)感じています。

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Posted by ブクログ 2022年04月09日

2022.1.1追記。
元旦のnhk BS「欲望の資本主義2022」における著者の対談は非常に聞き応えあり。誠実な語り口を含め敬意を覚えた。とは言え下記の感想は大きくは変わらないが、、、


2021.12記

まず、本書の前半はかなりの迫力である。ポイントはこんなことと理解した。

「従来、マルク...続きを読むスの資本論は成長至上主義と一体とみなされていた。というのも、その主張の根幹は、資本主義の成長を通じて社会が矛盾に耐えられなくなり、やがて革命が起こる、という点にあるからだ。しかし、それでは革命の前に地球が壊れてしまうのが現代だ。

だが、マルクスの晩年の研究メモを見ると、彼が成長至上主義から脱していく過程が読み取れる。成長ではなく、生産手段の共同保有こそが環境を守りながら資本主義を解体するカギだと彼は気づいていた。これが最新のマルクス研究の成果である。マルクスに倣い、今こそ成長至上主義を問い直そう」と。
共同保有とは何かはひとまずおくとして、かなり興味深い。

しかし、具体策を論じる第六章以降に個人的には違和感を覚えている。
象徴的なのはここだ。

「例えば、投資目的の土地売買が禁止になり、土地の価格が半分、いや三分の一になったとしたらどうだろうか。土地の価格は、しょせん人工的につけられたものだ。価格が減じたところで、その土地の『使用価値』(有用性)はまったく変化しない。だが、人々はその土地に住むために、これまでのような過酷な長時間労働をしなくてすむ。その分だけ人々にとっての『潤沢さ』が回復するのである」(pp235-236)。

これは個人的には、いささか奇妙な議論である。価格を資本家が勝手に決めて労働者はそれに従うほかはない、などということが一体なぜ前提になっているのか。世の中には市場価格メカニズムというものがある。

例えばこの本はどうだろう。集英社という出版資本が税別1020円という搾取的な価格をつけている。これを半分にしたところでその使用価値は全く変化しない。むしろ本の購入のための無用な長時間労働が減り、人々の潤沢さが回復する。
そう言われて著者は納得するのだろうか。本は良くて都心のマンションはダメというのはイデオロギーでしかない。

百歩譲って、流動性の過剰供給によって土地価格が市場価値を超えた値付けになっているとしよう。それは資産バブルという、経済学的にはあって良い議論である。少なくともマルクス自身は「恐慌」について論じることでこの点をある程度カバーしていたように思える。ただ、読む限り少なくとも著者がこの点を明示している様子はない。

また、市場の独占、寡占が起きているときに価格が操作されてしまうという話ならまだわかる。だからこそ、常に「差別化」を通じて市場を独占したい企業とそれを規制する政府との間には緊張関係がある。政府は資本主義を正常に機能させるために独占を規制しているという言い方もできよう。政府と企業が結託して資本主義推進のために独占を推し進めているといいたいのだとすると、ないとはいわないがかなり特殊な仮説になってしまう。

つまり、本書はせっかく魅力的な論考が満載なのにも関わらず、著者の議論にmicro foundation(ミクロ経済学的基礎)が欠けているが故に著しく説得力が減退しているように見えるのだ。

ここで言うミクロ経済学的基礎はなにも難しいことではなく、値付けを間違えると全く売れないし、また全く買えない、という価格調整原理のことに過ぎない。

さて、それでも仮想的な反論はまだ残されている。不動産のような生産手段(なのだということにして)と、一般消費財とはわけて考えるべきだ、というのはあるかもしれない。
いわゆる「悪者資本主義」に馴染むのは土地や金融であって、それこそ出版のような実物経済の「善玉資本主義」はそこまで悪者ではない、と。たしかに先述の「共同保有」は主として土地を想定しているように見える。

ただ、それを言い出すと、成長は環境に不可逆的な悪影響を与えるから再考すべきだ、という本書の出発点に矛盾が生じてしまう。
というのも、成長したいという資本主義的本能は何も不動産や金融に限ったものではないからだ。例えば集英社も対前年比成長は切望しているはずだ。

「我々は広告に操られて使用価値に差のない軽自動車とフェラーリに過剰な金銭的価値の差を与えてしまい、資本家を肥え太らせている」(pp255-256の要約)という部分に至っては、デザインの付加価値への無理解というか、ソビエト的ディストピアの気配すら感じる。

というわけでいろいろ書いたが、さきに述べたとおり著者の出発点は「人新世」とよばれるほどに人間が環境を変えてしまったことへの危機感であり、そのエンジンが資本主義であり、それを許しているのが成長至上主義だ、という傾聴すべき主張であるということは強調しておきたい。

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