【感想・ネタバレ】人新世の「資本論」のレビュー

あらすじ

【『新書大賞2021』第1位!大賞受賞作!!】人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。
【各界が絶賛!】■松岡正剛氏(編集工学研究所所長)
気候、マルクス、人新世。 これらを横断する経済思想が、ついに出現したね。日本はそんな才能を待っていた!
■白井聡氏(政治学者)
「マルクスへ帰れ」と人は言う。だがマルクスからどこへ行く? 斎藤幸平は、その答えに誰よりも早くたどり着いた。 理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。
■坂本龍一氏(音楽家)
気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?
■水野和夫氏(経済学者)
資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人新世における「脱成長」という視点を提供してくれたことで、マルキズムの本質への理解に一歩踏み込めた気がする。導いてくれた重要キーワードのひとつが「コモン」。実にシンプルで分かりやすいソリューション。それでも最初は正直懐疑的だった。なぜなら気候変動の根源は資本主義だけでなく戦争や侵略といった覇権主義の権化でもあるからだ。しかしよくよく考えてみるとこれはグローバルノースに偏った欲望であり、バルセロナをモデルとしたグローバルサウスとの連携に希望を見ることができた。我々のミッションは、その連携を広めていくことで良きバタフライエフェクトを作り出すことだと信じる。

0
2026年06月07日

Posted by ブクログ

たまたまマルクスの『資本論』に関する用語を学んだばかりだったので、そこから何がアップデートされたり、現代にそぐわなくなってきているのかなどについては理解しやすかった。

前半の現代の危機の羅列がもう、目に痛かった。

0
2026年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『人新世』は、「SDGsですら資本主義の延長線上に過ぎず、本質的解決にならない」という非常に挑戦的な本だった。特にジェヴォンズのパラドックスを使った環境政策批判は説得力があった。

一方で、後半の脱成長コミュニズムは理想としては面白いが、労働時間短縮やワークシェアの実装部分はかなり疑問が残った。個人的には、AIやベーシックインカムを活用しないと現実的には難しいように感じた。

環境問題を「資本主義そのもの」から問い直したい人にはかなり刺激的な一冊。

0
2026年05月11日

Posted by ブクログ

一事が万事偏った書き振り

トウモロコシのエタノールは一単位のエネルギーを使って、一単位のエネルギーしか得られないなら、まったく意味がない。脱炭素社会に移行していく場合、エネルギー収支比の高い化石燃料は手放し、再生可能 エネルギーに切り替えていくしかない。そうなれば、エネルギー収支比の低下によって、 経済成長は困難になる。 人間が長時間、働く必要性が出てくる。 当然、労働時間の短縮にもブレーキがかかり、生産の減速にもつな がる。二酸化炭素排出量を削減するための生産の減速を、私たちは受け入れるしかない。 (本書より抜粋)

こんな社会に住みたいか? 俺は嫌だね。

古代の奴隷には、生存保障があった。 替えの奴隷を見つけるのも大変だったため、大事にされた。それに対して、資本主義のもとでの労働者たちの代わりはいくらでもいる。 労働者は、 首になって、仕事が見つからなければ、究極的には飢え死にしてしまう。(本書より抜粋)

一事が万事この偏った書き振りで、納得しようがない。

0
2026年03月27日

Posted by ブクログ

エコバッグを持っても、マイボトルを持っても、SDGsを唱えても環境破壊は止まらない
負担を外部に押し付けつつ生産の加速を止めない資本主義を変えない限り、地球は破壊へと進む

労働者が長時間働いてもそれによって得をするのは資本家のみ

技術革新は環境問題を解決しない

資本主義は希少性に価値を見出すため、本来の使用価値が高いにもかかわらず手に入れることができない人がいる商品が生じる

一 使用価値経済への転換
ニ 労働時間の短縮
三 画一的な分業の廃止
四 生産過程の民主化
五 エッセンシャルワークの重視

0
2026年03月18日

Posted by ブクログ

約4年前に読んだので、記憶は曖昧ですが....

マルクスの『資本論』について、近年新しい解釈がなされているとして、その解釈をもとにグローバルサイスや気候変動の問題について警鐘を鳴らす一冊。経済学の中では賛否が分かれるらしいけど、自分はとても勉強になったかな。マルスクの『資本論』って「剰余価値」とかいわゆる「金儲け」の理論を言語化した本と思ってたけど、社会を俯瞰して分析・考察していて、やっぱ昔の学者ってすごいなと思った。
表紙とタイトルの割に、砕いた文章でわかり易く書かれているので、興味のある方はぜひあまり構えずに読んでほしい。

0
2026年01月10日

Posted by ブクログ

話題になっていた本を読んでみようとのことで、読んだ本。
正直、経済やマルクス主義についての本であると思い、さらに言えば「脱成長」は理想論すぎると思っていたのであまり期待していなかったが、気候変動に端を発し、そこから資本主義経済への分析、民主主義のあり方など、政治システムも絡んだ論理展開は、読んでいて非常に興味深かった。
また、マルクスの資本論を読んだことがないので、資本主義についての分析に初めて触れることができたという点からも、この本を読んで良かったと思う。

0
2025年10月20日

Posted by ブクログ

経済成長と、環境保護ひいては文明の存続との両立がいかに不可能か、そしてコミュニズムに基づく脱成長という解決策を述べている。類似の書籍と一線を画すのは、マルクスの理論を終始ベースとしているために論展開が明確で納得しやすいこと。また、脱成長についても「どうせ無理だよな」と思わせない説得力がある。

0
2025年10月01日

Posted by ブクログ

とても腹落ちする内容だった。
特に現代の自由主義経済的資本主義については、肌で感じている行き詰まり感を論理的に説明してありスッキリした。

0
2025年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでもう1年半くらい経つが、読んだ当初から物事の考え方の土台になっている本。携帯の中のコバルトを採掘する仕事の低賃金さ(日本円にして1日あたり1円程度だったかな?)などを含む外部化の話はショックだった。グリーンエコノミーの話でも同じ。EV自体がco2を排出しなくてもそのサプライチェーン(部品加工、輸送、インフラ整備)でガンガンにco2を排出している。それは他国に外部化されているかもしれない。これを知って、メーカーって分業化が進んでるから怖いなと思った。
また社会構造について、資本主義でも社会主義でもない共同化社会を提案していた。確かに、自分の使うものは自分たちで調達・整備した方がいい気がする。埼玉県八潮市の陥没事件しかり。反対にブルシットジョブは、局所的な解を産んでるに過ぎず、問題のフレームが小さい気がする。
ただ一点、どう実現するか、があまり詳しく書かれていないという印象。たしかに少人数で実行されうるかもしれないが、今の新自由主義的な考えでどう改変していくかはかなり難しい。社会輸送は、理想を語るより何倍も難しいのかも。

0
2025年05月03日

Posted by ブクログ

気候問題や経済についてのものの見方を変えてくれた本。ただ筆者の頭脳が高度すぎて真剣に読まないと理解できないので、気楽に読むことはできない。読みごたえはすごい。

0
2025年05月01日

Posted by ブクログ

発想が飛躍している感はあるが、思想としては面白いと感じた。
脱成長経済は発想は面白いと思うが実現は難しい。このままいけば地球環境が限界に達し、人類が滅亡する。だから脱成長を、永続して地球に住み続けるようにしよう。
と言う話だが、地球は46億年の中で常に環境が急激に変わっており、環境をコントロールするのは夢物語だ。
また、持続可能性を考えるなら地球に住める人間も管理する必要があり、人権が重視される今の社会では、、、
結局、人類が永続したいなら、宇宙に出て環境要因をリスクマネジメントするとか、他にも方法があるかなっと思う。

0
2026年03月17日

Posted by ブクログ

気候変動や環境破壊は個人の努力ではなく、資本主義の成長メカニズムそのものが原因
構造的問題
• 資本主義は無限の成長を前提にしている
• しかし地球の資源は有限
• その矛盾が環境危機を生む

0
2026年03月16日

Posted by ブクログ

★理念は分かる、が実践が遠い★気候変動という大問題に対して、資本主義の際限のない成長は地球を食い尽くすと指摘。マルクスが晩期に志向していたと新たに読み解いた脱成長コミュニズムを主張する。希少性という価値を求める資本主義に対し、潤沢なコモンとしてあらゆるものの使用価値を重視すると訴える。その方が実質的な生活が豊かになるという。

気持ちとしては納得できる部分も多い。ただ、誰かが稼ぎを求めコモンズの資源をしゃぶり尽くすとき、それを止める手段がやはり見当たらない。コモンズの悲劇をどう止めるのだろうか。

もちろん著者もそんなことは分かっていて、いろいろと反駁しているし、後書きでは「3.5%」が動けば社会は変わると訴える。それでも理屈と実践との距離をどう埋めるのだろうか。

「トレーディング・ゲーム」(は読んでないが)の著者ギャリー・スティーヴンソンがあるインタビューで話していたが、富豪への富の集約が進みそれを助けるビジネスをさせられてきたという切なさ抱え、いまはそんな社会に反論しつつ、個人としてはこの社会の経済成長に投資するという逃げ道を取っているという。社会の解決の個人の生活とを分けて考えるのもひとつの方法なのかもしれない。

ところでマルクスについては完全に疎いうえ、人文系の研究のルールが分からないが、こういう主張をするのに「晩期マルクスの分析」という枠組みが必要なのだろうか。自分の主張の背景のひとつとしてマルクスを援用してはいけないのか。

0
2026年03月07日

Posted by ブクログ

話の出発点は2つある。ひとつはこの調子で経済活動が進めば地球環境が壊れるという状況。問題の先送りはもとより、グリーンエコノミーとかSDGsとか言い方を変えたところで経済活動を成長させ続けることを求める資本主義が前提ならば解決しないということをはっきり明示される。

もうひとつはいつまでも右肩上がりを目指す資本主義はゴールがないから、地球環境だけでなく人間の生活も壊す。経済成長のために子供増やせとか論外である。人口も永久に右肩上がりさせ続けないといけないのか。1970年代には1億人突破で日本は支えられない、人口を抑えろ!と社会が騒いでいたのに、今は1.2億人では足りないのだ。更に人手不足にAIやロボットによる完全オートメーションが進めばその製造と稼働が地球に与える負荷は大きすぎる。更に貧富の差は広がるばかりだ。

ということでマルクスの「資本論」から発展させた新しい経済システムを提案する。資本主義の限界が言われて久しいが、ポスト資本主義には今のところこの案が一番好きだ。

問題は人の意識をどのように変えていくかですね。金儲けのためだけの意味のない仕事を減らすのですが、金儲けに走りたがる奴はいるでしょう。でもそんなことがデメリットでしかないような社会が良いですね。自分も頭を切り替えないとね。幸せなことが一番ですからね。









0
2026年01月09日

Posted by ブクログ

資本主義の現代では、1%の富裕層・エリート層が好き勝手に自分たちの価値観に合わせて社会の仕組みや利害を作り上げてしまい、大多数の庶民は苦しい生活を強いられている.それを打破する目的で晩年のマルクスが脱成長コミュニズムを提唱しており、これが現代の危機を乗り越えるための最善の道だ という提言だが何故か分かるような気がするものの、もやもやした感じで読み終えた.気になった語句が「コモン」だ.資本主義のもとで、コモンを制度化する方法の一つが福祉国家だった という議論は面白かった.

0
2025年10月22日

Posted by ブクログ

現在の資本主義を維持していくと、環境破壊により、体制の維持は不可能という点から始まり、マルクスが唱えようとした脱成長論を展開する論考。
経済的な価値から解き放たれ、本当に実存に影響のある「使用価値」をもっと重視し、環境負荷を低減する持続可能な社会システムを提唱している。
具体的な取り組みの話もあったが、ここまで強固な資本主義思想からの転換は容易ではないなと、改めて思った。

小さくても生産活動に副業的に取り組み、社会と繋がりを持ちながら、働きすぎないという生活が理想となるのか。

バルセロナの取り組みが示唆に富んでいた。

0
2025年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国家に頼り過ぎずに、市民参画のコミュニズムをつくりあげていくことが平等な社会、そして環境保護にもつながるそう。過剰な生産、労働をやめ、自然環境とともに生きていく方法を見つけなければならない。
消費社会の真っ只中に生きている私たちには、きっと耳の痛い内容だと思う。富裕層がみなこの本に書かれているような人たちばかりではないと思いますが、確かに今の資本主義社会は暴走しているなと感じます。道徳心や倫理観を無視した経済成長なんて、一部の人にしか恩恵はないのだと。
外国で起こっている様々な環境問題に、当事者として私たちには何ができるのか真剣に考えていかなくてはいけない。それは私たちの義務だと思いました。そして明日は我が身だと。

0
2025年10月01日

Posted by ブクログ

 資本主義社会に抗うための重要概念。読者である私が参画してこの書籍の意図が完成するという意味合いを込めて星4。
 私は教員なので、「コモン」としての学校の姿を考えたい。我々の社会が見逃し続けている価値を再発見するために必要な視座を与えてくれる書物であった。

0
2025年08月01日

Posted by ブクログ

少し前からあまり物が要らないなと思ってました。コンビニやスーパー、ファストファッションのお店に沢山並ぶ商品が「多いな」と感じるようになってました。
これはなんだろう?年をとっただけなのかな?と思うと同時に、子供の頃はあんなに楽しかった夏がただの憂鬱な季節になってしまったこと、失われた30年、欧米型の資本主義の衰退。このままずっと過ぎていくと思っていたことに変革が必要なことを何となく肌で感じるようになってきました。

さて、この現象は何だろう、何をしたら良いんだろうと思いこの本を読み始めました。分かっていたけど真剣に捉えていなかった「豊かさの代償は誰が払っているのか」を目の当たりにしました。

日本はいつからか小さな自治が解体され隣近所も分からず、困りごとは役所へ連絡。となってしまいました。思えば子供の頃は、何処でも町内会などで相互互助が機能していたはず。もっと自立した社会だった気がします。

現地の人の話ですが、2004年の中越地震の時に道路が分断された限界集落では、待てども自治体が助けに来てくれないので自分達で重機を動かして道を作ったそう。
そのエピソードずっと心にあって、本書を読んだ時に、そういう小さく機動性があるグループが生きるのに必要なのだと感じました。

長時間の仕事で疲弊してひとりコンビニ弁当を食べるより、自分達が主体的に働き、主体的に生き方を決めていく事でブランド物を買うより価値のある生活が送れるようになる。その為にもう活動している人達が世界にいる事に興味を持ちました。

地球環境と長く共存するために、3.5%になるべく、少しでも活動を始めていきたいと思いました。
難しかったけど、折に触れて読み返したい本になりました。

0
2025年07月27日

Posted by ブクログ

実現可否性はさておき、帰結として一人一人の行動からしか社会システムは変わらないことと、無関心でいることの罪深さや、そういった構造を生む現代の課題を痛烈に感じる書籍であった。

【改めて後書きを読んでの感想】
社会システムの変革は途方もないと感じながらも、無関心でいることの罪深さを実感した書籍だった。
ガンジーの塩の行進のごとく3.5%の1人となれるように相互扶助ネットワークは身近なところにあるので、私は今年の目標にそこへの参加と、そこに参加するくらいの余裕を作ることとする。

0
2026年04月19日

Posted by ブクログ

斎藤先生にこそ魅力を感じるが、ケインズの理論はこの時代に魅力は感じないと思った。今の便利な世の中を少しでも諦めるには人類には難しすぎる

0
2026年05月10日

Posted by ブクログ

息子へ

本の前半は、環境破壊による終末論者のネガティブ論理が書かれていて楽しくなかったが、後半にかけて、資本主義に変わるソリューションを述べているところは良かった。

幾つかの学びを残す。

‐行き過ぎたエコロジー論から始まったが最終的には、脱成長のコミュニズムを資本主義を解決するソリューションと訴える。ソーシャルイノベーション研修に通じる論点であり興味深かった。簡単ではないが、どこかで、いつの日か、解決できるかもしれない。
‐マルクス資本論を深堀りして研究。資本論のあとにマルクスが訴えていたことを解釈したところに論点のキーがある。
‐共産主義の失敗から、世界的にマルクス主義が毛嫌いされているが、それを修正すべし。
‐脱資本主義は必ず必要。解決するまで考え続けたい。

地球という資源に限界がある以上、今の資本主義を継続すると破綻する。それほどまでに、資本主義は人類を成長させた。
この本では、資本主義に変わるソリューションを提示しているが実現は簡単ではない。それでも人類は考え続けて行動しなければならない。

君も考えてみて欲しい。

0
2026年03月22日

Posted by ブクログ

共感できる箇所はあった。しかし理想とされる世界の在り方については、それができるくらい人の民度が高かったら良かったのにとしか思えない。

0
2026年03月04日

Posted by ブクログ

発売から5年。自分が元々資本主義に疑問を持っていて、彼以外の言説にもよく目を通しているからか、そこまで目新しい意見は見当たらなかった。

刊行当時に読めていればまた違った感想だったかもしれない。

0
2025年12月08日

Posted by ブクログ

本書は都市化や大量消費、化石燃料利用が進むことで、気候変動など地球の危機に陥っている「人新世」という時代を背景に、資本主義の限界を解いている本です。
私自身、ファストファッション大好き。不自由のない暮らしをしつつ大量消費と身近でいるなか、危機感を煽られ最後まで読みました。しかし、この地球の危機を救うための「脱成長コミュニズム」の提案については理解しきれなかったり、十分納得できない部分がありました。

後半の脱成長に関しては、最近読んだ『働かない勇気』を思い出しました。そちらでは「ベーシックインカム」を脱成長の一つの解決方法として挙げられていましたが、本書ではお金を分配するというより、ベーシックサービス(医療、教育、住宅、食料などの公共サービス)を充実させるべきだと主張しているようです。これは「コモン」と呼ばれる共同財や生活インフラを市民が自主管理していくモデルであり、社会の変革を目指すものです。

また、本書ではコミュニティはコモン(共有財)の運営・管理主体として位置づけられていますが、その質には言及されていないのが納得いかないポイントでした。なぜなら、私にとってコミュニティは「ムラ社会」のような排他的で古い慣習を連想させるネガティブな要素が少なからずあるからです。とはいえ現代は「シェアハウス」のような形態を通して災害時など助け合えるコミュニティも存在しており、コミュニティの質の改善は今後の課題だと感じます。

私たちが資本主義ゲームから降りるためには、お金の不安をなくすことが手っ取り早い方法で、NISAなどが有効です。しかしそれは同時に資本主義経済を活性化させるという矛盾があります。脱成長を両立させる方法は一筋縄ではいかないと感じました。そもそも富の格差を大昔からあるもので、物欲に抗いながら富を平等にすることは非常に困難なのではないでしょうか。

0
2025年10月31日

Posted by ブクログ

イタリア人の先生が本著の英語版を紹介していて読んでみることにした。前半はそうそう、そのとおりよね、と概ね共感する内容である。行き過ぎた資本主義の枠内であれこれやっても根本解決にはならない。
ただ、後半から終わりにかけての脱成長コミュニズムが唯一の解決策だというところについては、マルクスがそれを目指していたというのは勉強にはなるが実際にそれが現代の社会で実現できるイメージを持てず、その副作用について両面的に検討されているようなものではなかったのでまだしばらく思想の分断は続くんだろうな、という読後感が残ってしまった。
ただ、日本の地方に残るコミュニティも消えつつある今、この世界をなんとかしないといけないのはその通りなので、頭の片隅に残しつつ引き続き考えていきたい。

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

他のものに転嫁させたり、見えなくすることで、帝国的生活様式、つまり大量生産大量消費の贅沢な社会を享受してきた。
これまではいわゆる途上国に転嫁を押し付けていたが、その余地もなくなり、先進国諸国に影響が出始めてきており、私たちを襲っている。
多くの代替案はある場所での資源の消費をある地点に移動させているだけ。
欠乏を生んでいるのが資本主義というのは、昨今のさまざまな問題を表しているなあ。本書に書かれているような土地に関することや過剰なまでの美への執着など。
本来共同財的であったものが、資本主義にもまれることで、私財化していった。その私財化によって、そのものの価値ではなく、財産的な価値を持つようになる。その財産的な価値を求めることが間違いであり、それを再び共同に戻すことで、合理的な潤沢さを取り戻せる。
マルクスと脱成長って主流じゃないんだ。両方ともリベラルっぽくて相性がいいと思っていた。

0
2025年09月13日

Posted by ブクログ

環境も資本主義のせいでおかしくなるということを学んだ。また、水を使ったエネルギー開発をしていれば今の時代は訪れていなかった。

0
2025年04月29日

Posted by ブクログ

前段の環境問題・気候変動問題の顕在化事例や対処の歴史は非常によく纏まっています。脱成長色が強いので、読み手の経済観によっては賛否が大きく分かれるところ。

0
2025年03月15日

「雑学・エンタメ」ランキング