【感想・ネタバレ】人新世の「資本論」のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2021年04月11日

読み応え◎
・人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きい「人新世」においての話。
・資本主義は外部(グローバル・サウス)へ負担を転嫁してきた。外部を使い尽くし、資本主義社会に環境問題が跳ね返ってきたのが今。
・マルクス主義はソ連崩壊などで評価を下げているが、今こそ「コモン」という概念を再評価す...続きを読むべき時。
・使用価値経済への転換を通じて、資本主義を乗り越えることもできるのでは。グローバルサウスに目を向け、気候正義という梃子で帝国主義に挑む。

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Posted by ブクログ 2021年04月11日

2021年の新書大賞第1位。ということで読んでみた。
自分の理解力よりちょっと上の本なので、しっかり読んだ後の読後感が幸せ。

ショックだったのは、「グローバル・サウスからの搾取」と「資本主義は希少性を生み出す」、そのことによる「想像力・構想力が専門家が独占する技術によって剥奪される」ということ。
...続きを読む
グローバル・サウスについては、ちょっと前に読んだ『2040年の未来予測』がまるごと否定されてしまった感じ。
覆されるのって面白い。

自分自身、希少性を生み出す世界前提で将来設計をしていたところはある。
物事を進めるために、希少性は必須ではない。
お金を稼ぐためには必須だけど。

急に世界は変わらないだろうけど、とりあえず自分の持っている知識や経験は、どんどん外に出していこうと思った。
幸い、どれだけ出しても収入に差が出ない仕事をしているし。

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Posted by ブクログ 2021年04月05日

資本主義が行き詰まり、環境破壊が進む現代で、みんなが幸せに生き残る道。こうしてはいられないと思った。

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

話題の本。バブル期に社会人にり、金融資本主義にもまれてきた経験に照らして、脱成長の方がWELL Beingの観点から望ましいという主張は協会できる。脱成長の実現はをコミュニズム以外でも実現できるのではと思いもあるが、議論を提起する上で面白い視点だと思います。5つ星に値する一冊

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Posted by ブクログ 2021年03月22日

日本で生活していると身近に感じることのない気候変動。
しかし、それによる影響は計り知れない。地球環境の変化によって生態系に変化が起こる。生態系には当然、人間も含まれるし、人間が生きていくために必要な動植物だって含まれる。どうして我々が無関心でいられるのだろう。

気候危機、コロナをともに「人新世」の...続きを読む産物として扱い、なぜ私たちが環境を守っていかなくてはいけないのか、資本主義を超えなくてはいけないのかを実感させられる。これらの問題に疑問を抱いている方はぜひ読んでほしい。
急進的な考えで驚いたが、これこそすべてが加速する時代に必要な考えだ。

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Posted by ブクログ 2021年03月19日

かつて英国首相のチャーチルが、「民主主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と表現したのを引用し、コトラーが「資本主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と語っていたが、環境問題を軸に資本主義の未来に大きな暗雲が立ち込めてきている様に感じる現在に、良くも悪くも大きな波紋を投げ...続きを読む掛ける一冊。
最近アメリカの学生の間で社会主義を支持する声が高まっているとの事だが、本作でも「脱成長」というパワーワードを掲げて、改めてマルクスを解析しさらに深掘りする事で、資本主義にかわる未来の形を「コモン」をキーワードに提言している。
最近では稀に見る熱量の高さに引き込まれた。

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Posted by ブクログ 2021年03月19日

かなり話題になっていることもあり手にとってみた。個人的に今の格差社会がいつまでも続くとも思えず資本主義には限界があるのでは、と思っており、マルクスの思想がその代替になるのでは...という気もしていたのでEテレの番組と平行して読み進めてみた。「人新世」とは作者の造語ではなく人類の経済活動が地球を破壊す...続きを読むる環境危機の現代を指す言葉らしく前半ではいかに現在の環境破壊が危機的なものであるか、が述べられている。そしてこの状況を打破するためにはSDGsといったいわばマーケティング用語で安心してしまうのではなく、根本的な解決を図る必要がある、という問題提起がなされる。これに対する回答として作者が用意しているのは「脱成長コミュニズム」でありそれは晩年のマルクスが至っていた思考である、という。環境破壊の源泉は資本主義の成長志向にあり、そこを解消しない限り人類は破滅に向かってまっしぐらであると。この解消に関するキーワードは「コモン」であり国家という概念ではないという。個人的にはソビエトの崩壊でマルクス主義の誤りが明確になった、というのは誤りであってマルクスの主張は高度に発達した資本主義はやがてその限界に達して共産主義に行きつく、というものでソ連が成立した頃のロシアや人民共和国になったときの中国は高度に発達した資本主義社会ではなかった、つまりマルクスの思想はまだ本当には実験されていない、という理解をしていたのだが作者曰くそうではないのだそうだ。原始的な資本主義からでもコミュニズムへの転換が可能である、ということで、恐らくマルクスがもっと長生きしていれば資本論は大きく書き換えられていたであろうという。人類の現状とその環境破壊について、このままで良いと考えている人は殆どいないと思うのだが、じゃあどうするのか、と問われると誰も回答を持ち合わせていない、そういう状況において一つの明確な回答でありある意味勇気づけられる作品。非常にエキサイティングな内容でした。おすすめです。

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Posted by ブクログ 2021年03月09日

 真正面から資本主義を批判している本。私自身、株式会社で勤務し投資信託を購入する経済人であり、筆者の主張を全部受け入れることはできない。しかし、資本主義が格差・環境破壊を生み出す原因になっている負の側面を理解できたことは有益だったと思う。

 お金を介しないつながりを大切にすることで、資本主義の外部...続きを読むを充実させることが、豊かさを取り戻すことに通じるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年03月07日

■著者が扱っているメインテーマ
脱資本主義の社会の次に目指す社会とは?

■筆者が最も伝えたかったメッセージ
地球環境を持続可能なコモンとして、国民みなで管理し、
使用価値が高いエッセンシャルワークの社会的価値が認められる公正な社会へ。

■学んだことは何か
仕事に対してやりがいや人と助け合う社会を...続きを読む心のどこかで望んでいるはずだが、
自分たちが暮らす資本主義というシステムが課せとなっている。

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Posted by ブクログ 2021年03月05日

のっけからオモロー
「SDGsは大衆のアヘンである」とか超インパクトあるよね。まじ超富裕層だけが甘い汁啜る社会にならぬように、富裕層でない若者同士、一致団結して賢くなろうぜっ  て言いたい
とりまこの本読め  って言いたい

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Posted by ブクログ 2021年03月05日

資本主義を超克し、気候変動を解決するには、脱成長コミュニズムしかない、とマルクスの資本論の本質研究から鮮やかに描いている。社会システムの大転換が実現できるのか懐疑的だが、3.5%が動けば可能性がある、と。新自由主義、格差などあらゆる社会課題は、気候問題とつながり、グローバルに立ち向かうしかないことが...続きを読むよくわかる。地球課題の根本解決に対して示唆に溢れている。

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

経済成長が鈍化し、今後の爆発的な成長が見込まれない日本がどのような国を目指すのか。「日本は先進国ではない」「近い将来、GDPでインドに抜かれる」…だからどうしたというのだ。他国と比べたところで何の意味もない。結局は自国民が安心して暮らせ、生活に満足でききる国を作り上げればいいではないか。

介護士や...続きを読む保育士、清掃員など社会に欠かすことができない職業の人たちを本当に優遇する。
大量生産大量消費のサイクルをやめ、ブランドイメージではなく使用価値に重きを置く…など、著者が提示していることは至極真っ当で、人によっては「そんなこと当たり前じゃないか」と言うだろう。だが、今の日本はどうだろう。とてもそうなっているようには思えない。

この書籍がベストセラーになっていることは大変意義があることだし、”日本を良くしよう”という意識のある人がそれだけいるということである。

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Posted by ブクログ 2021年03月03日

極論かもしれないが、一筋の未来の可能性を徹底的な分析から論じて提言している内容からは、参考になる部分が大いにある。
少しでもエッセンスを取り入れたい。

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Posted by ブクログ 2021年04月10日

非常に読み応えがあり、ライトな本ばかり読む私には難しかった。資本主義が崩壊しようとしているという話は最近よく見聞きするが、それに対する明確な答えを出しているところが1番の見どころだ。将来について漠然とした不安を持っている人にはヒントになる本であろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月10日

今日の世界的問題とは人口問題であり、食料問題でありそして地球温暖化に代表される地球規模での環境問題である。
 これらの問題は、産業革命以降、エネルギー消費型の文明になってきたことが原因だと考えられきた。
 マルクスの研究者である著者はそうではないという。根本の原因は資本主義にあるという。資本主義はそ...続きを読むの出自から資本を増加するように働く運動であり、その運動には労働者の待遇、環境汚染、富の不均衡などの様々な問題には目をつぶり、ただただ資本の増強を目指すという性質が備わっているという。このような資本主義が孕んでいる問題に、晩年のマルクスはきづいていたという。
これまで、マルクスの著作は共産党宣言、資本論、ゴーダ綱領批判などであり、資本論第二巻、第三巻は完成することなく亡くなっていたいたことは知っていた。ところがマルクスは亡くなるまでに思索を深めており、そのことは様々な文章、メモ、手紙から知ることができるのだという。斎藤氏はそれらの残された資料を世界の他の研究者と協力して読み解き、マルクスの晩年の思想を明らかにした。そこに地球環境問題を解決するための糸口が見つかったというのである。
 結局貨幣という価値、資本という価値に環境からの負債がくみいれられていないことが問題なのだという気がした。近年よくいわれるSDGsなどはそれを組み入れようという運動だと思われるが、それは方便に過ぎないことが明らかにされる。
 環境負荷の少ない世界を実現しようという著者の強いエールを感じた。久しぶりにであった良書であった。

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Posted by ブクログ 2021年04月07日

地球環境汚染、格差社会からの脱却を目指すには資本主義経済から晩年のマルクスが提唱していた「脱成長コミュニズム」への移行が必要であると著者は説いている。有限な資源の元で無限の経済発展をのぞむ資本主義経済下では現在の我々が抱える問題を打破できない。しかし経済が成長してこそ豊かになると言う考えから、いかに...続きを読むして脱成長こそ豊かなのだとパラダイムシフトしていくのか。そこが一番難しいのではないかと思う。
あとは人間の欲だろうか。欲望の資本主義というテレビ番組があったが、その欲が脱成長を阻むのではないかとも思う。

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Posted by ブクログ 2021年04月07日

資本主義というのは希少性を生むことでものに価値をつけ、その価値を追求していくために大量生産を行なっていく。さらにその生産は貧困層や地球の資源を搾取して私たち富裕国が恩恵を受けるシステムになっていて、気候変動にも多大な影響を及ぼす。経済成長と気候変動対策を平行して行うのは無理ゆえ脱成長をしていかないと...続きを読むいけない。弱者だけが立ち上がるのではなく、3.5%の中に今まで恩恵を受けてきた私たちも含まないといけないと思った。AI化でより使用価値が重要になってくるため、いかにしてQOLを上げていくか、どういった仕事が利潤に囚われることなく必要になるかを考えていこうと思った。

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Posted by ブクログ 2021年03月30日

「SDGsは大衆のアヘンである」の書き出しが刺激的(笑)学生時代にマルクス『資本論』に挫折した身としては、当時のわかりにくさの原因を改めて考える読書にもなっています。「コモン」概念は今後非常に重要になるのではないでしょうか…

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Posted by ブクログ 2021年03月29日


削減すべきは、SUVや牛肉、ファスト・ファッションであり、教育や社会保障、芸術ではない。
第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つより


例えば資本は、タバコの収穫量が多すぎる場合にあえて収穫物を燃やしたり、ワインの生産量を減らすために法律でワイン用のブドウはたけの耕作を禁じたりすることによって...続きを読む、タバコやワインの希少性を作り出しているというのである。
第六章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズムより


 水道事業のように、新自由主義政策が盛んだった時代に民営化されてしまった公共サービスを、再び公営化するためのノウハウなどもここで共有される。民間水道事業者は巨大なグローバル企業であることが多く、彼らとの交渉は苛烈で、ときには訴訟沙汰になることもあるが、国際的な「フィアレス・シティ」の横の連携から得られる知識が助けとなる。
第八章 気候正義という「梃子」より



最後の章では「フィアレス・シティ」での取り組みを評価している話が多くありましたが、やはり国内に当てはめると途方に暮れるほど遠くも感じました。もともと資本主義に対してそこまで関心を持ち(かつ疑問も持たずに)接してこなかったこともあり、勉強不足ゆえに興味深く拝読。
パンデミック以前からですが、徐々に仕事、働くこと、身の回りの生活品に対して目が向いたのもつい最近のこと。
資本主義だけの問題ではなく、格差社会、政治、温暖化など世界共通の課題として、点ではなく線で繋がっていているのがよくわかります。またその難しさも。
考えれば考えるほど、日本は大丈夫なのだろうかと思うこともしばしばです。コロナがあっても株価は下がらず、地価も下がってないのかな? とにかく飲食店はつぶれまくって、空きテナントは増え、製造業も時間差で倒れてくる時期がもうすぐ来るかもしれません。結局、物を作って売っているような事業は経済をまわしていなかった、というのも不純で危ういように感じています。
本来は、(コロナと政治家に散々振り回された)教育や保育、医療介護福祉、あとは農業といった仕事をする人に向けられて然るべきものが行き届いていない、ということ。
無自覚に何も考えないよりかは考えた方がいいし、自分にできることをすることが重要でもあります。ハッシュタグつけて声に出す。職や働き方を変える。選挙に行く。ワクチン供給率も異常なほど低い今の状況でオリンピックやろうとしてるやばい国はちょっとやそっとじゃ変わらないしれませんが。

パンデミック前、ある日のニュースで海ガメが画面に映る。カメの鼻からずるずるとピンセットでつままれて出てきたのは捨てられたストローでした。カメの胃の中には消化できないプラスチックゴミも取り込まれている、という映像。
自分の普段使っているもの、関わっていることが直接的にではないにせよ、誰かや何かを間接的に傷つけているということ。それでも、何日か経って忘れて加担し続けるか、否、それに抗うか。常にその選択肢を自分に突きつけることは面倒だけど必要なプロセスなのかもしれません。

結論ありきの記述を指摘されている方もいるかもしれませんが、自分の生活を見直す良いきっかけにもなる1冊だと思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月22日

第一章 気候変動と帝国的生活様式
『資本主義による収奪の対象は周辺部の労働力だけでなく、地球環境全体…人間を資本蓄積のための道具として扱う資本主義は、自然もまた単なる掠奪の対象』
『人類が使用した化石燃料の約半分が冷戦終結した一九八九年以降のもの』
・気候変動の解決策の代わりに資本主義が提供してきた...続きを読む三種類の矛盾の転嫁とは…
1『技術的転嫁ー生態系の攪乱』
2『空間的転嫁ー外部化と生態学的帝国主義』
3『時間的転嫁ー大洪水よ、我が亡き後に来たれ!』

第二章 気候ケインズ主義の限界
『グリーン•ニューディールは、再生可能エネルギーや電気自動車を普及させるための大型財政出動や公共投資を行う』
『「緑」と冠をつけたところで、成長を貪欲に限りなく追求していけば、やがて地球の限界を超えてしまう』
『資本主義は、コストカットのために、労働生産性を上げようとする。労働生産性が上がれば、より少ない人数で今までと同じ量の生産物を作ることができる。その場合、経済規模が同じままなら、失業者が生まれる…雇用を守るために、絶えず、経済規模を拡大せざるを得なくなる。これが「生産性の罠」。
資本主義は生産性の罠から抜け出せず、経済成長を諦めることができない。そうすると、今度は、気候変動対策をしようにも、資源消費量が増大する「経済成長の罠」にはまる』
『富裕層トップ10%の排出量を平均的なヨーロッパ人の排出レベルに減らすだけでも三分の一程度の二酸化炭素排出量を減らせる…だが先進国で暮らす私たちは、そのほとんどがトップ20%に入っている。日本なら大勢がトップ10%に入る』
『電気自動車の本当のコスト…国際エネルギー機構によれば、2040年までに、電気自動車は現在200万台から2億8000万台に伸びる。だがそれで削減される二酸化炭素排出量は、わずか1%…何故ならバッテリーの大型化により、製造工程で発生する二酸化炭素はますます増えていくから』

第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つ
『食料について、今の総供給カロリーの1%を増やすだけで、8億5000万人の飢餓を救える』
『現在、電力が利用できない人口13億人に電力を供給しても、二酸化炭素排出量は1%増加するだけ』
『1日1.5ドル以下で暮らす14億人の貧困を終わらせるには、世界の所得のわずか0.2%を再配分すれば足りる』
『経済成長だけが社会の繁栄をもたらすという前提は、一定の経済水準を超えると、はっきりしない
例えば、ヨーロッパ諸国の多くは、ひとりあたりのGDPがアメリカより低い。しかし、社会福祉全般の水準はずっと高く、医療や高等教育が無償で提供される国がいくつもある。アメリカでは、無保険のせいで治療が受けられない人々や、返済できない学生ローンに苦しむ人々が大勢いる。
日本のひとりあたりのGDPはアメリカよりずっと低いが、日本の平均寿命は、アメリカよりも6歳近く長い』
『環境危機に立ち向かい、経済成長を抑制する唯一の方法は、私たちの手で、資本主義を止めて、脱成長型のポスト資本主義に向けて大転嫁すること』
『経済成長が困難になり、経済格差が拡大し、環境問題も深刻化。それが「人新世」の時代』

第四章 「人新世」のマルクス
『資本主義でも社会主義でもない「コモン」という第三の道。水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することを目指す』
『人間は、自然に働きかけ、さまざまなものを摂取し、排出するという絶えざる循環の過程のなかでしか、この地球上で生きていくことができない』

第五章 加速主義という現実逃避
『拡張を続ける経済活動何地球環境を破壊しつくそうとしている今、私たち自身の手で資本主義を止めなければ、人類の歴史が終わりを迎える』
『経済成長のための「構造改革」が繰り返されることによって、むしろ、ますます経済格差、貧困や緊縮が溢れるようになっている』

第六章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
『資本主義のもとでの労働者たちの代わりはいくらでもいる』
『無限の成長だけを追い求め、人々を長時間労働と際限のない消費に駆り立てるシステムを解体しなくてはならない』

第七章 脱成長コミュニズムが世界を救う
『「価値」と「使用価値」の優先順位問題
コロナ禍の場合、商品の「使用価値」とは、薬が病気を治す力のことで、「価値」とは、商品としての薬につく値段。ワクチンとEDの薬であれば、役に立つのは、命を救うワクチンだが、資本主義においては、人の命を救うかどうかよりも、儲かるかどうかが優先される。高価で売れるクスリが重要だというわけ』
『人新世の「資本論」とは
・使用価値経済への転換
・労働時間の短縮
・画一的な分業の廃止
・生産過程の民主化
・エッセンシャル•ワークの重視
ポイントは経済成長が減速する分だけ、脱成長コミュニズムは、持続可能な経済への移行を促進するということ』

第八章 気候正義という「梃子」
おわりにー歴史を終わらせないために
『3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるという』
『すぐにやれること•やらなくてはならないことはいくらでもある…一人ひとりの参加が3.5%にとっては決定的に重要なのだから』
『未来は、本書を読んだあなたが、3.5%のひとりとして加わる決断をするかどうかにかかっている』

沢山のキーワードが出てくる。例えば資本論、資本主義、脱成長、気候変動、二酸化炭素排出量、晩期マルクス、人新世。
今だけを考えて良ければいいのか?次の、その次の世代はどうなるのか?それは間違い無く今どうするかで決まる。
今、自分には何ができるか?考えさせられる一冊。

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