マルクスガブリエルの作品一覧
「マルクスガブリエル」の「倫理資本主義の時代」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「マルクスガブリエル」の「倫理資本主義の時代」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
経済活動は、他者に不利益を押し付けるのではなく、他者の問題の解決策を生み出すことで利益を得るべきだというのが道徳律。マイナス面ももちろんあったが、コロナ禍でワクチンを開発した製薬会社が巨大な利益を得たのは確かに好例だ。問題解決という資本主義の機能は、その道徳的正当性に依拠している。
私たちが協力するのは、なんらかのアイデンティティを共有しているためではなく、それぞれが異なるから、という考え方はつい見過ごしがちだけれど、今一度確認しておきたいことだ。
持続可能性は経済活動の制約要因ではなく、地球上で生存と繁栄を続ける唯一の方法が経済成長という概念を放棄することだと考えるのは誤りだ、という記述は、個人的に目からウロコだった。
著者が他の著書でも繰り返し主張してきている倫理資本主義とエコ・ソーシャル・リベラリズム。理想的だが、そこにベクトルを向けるにはどうしたらいいかは難問だ。
Posted by ブクログ
「なぜ世界は存在しないのか」哲学者マルクス・ガブリエルが、
「人新世の資本論」斎藤幸平監修のもと執筆した
日本書下ろしの新書。
溺れかかっている子供を助けるか、プールサイドの冷えたビールを飲むか、
倫理的には行動は当然決まってる、
という例を何度も出して倫理を説明してくれる。
これはとっつきやすかった。
が、次第にわからなくなってきた。
著者は何をいわんとしているのか?
倫理と資本主義、、、
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神、、ウエーバーは全然出てこない。
各企業、最高哲学責任者(CPO)を置いて、倫理部門が企業をリードして、
子供たちが投票権を持ち、AIを社会的技術として、、、
我々が目指すべきは道徳的価値と経済的価値の再統合、すなわち「倫理資本主義」だ
うーん。
わかるような気もするがピンとこない。
子供に選挙権を、ってのはわからないでもない。
未来に責任があるのは子供の方だ。
老人は無責任。
見えない未来より今、と、近視眼的な政策を行っているのは万国共通。
日本でも偉人と呼ばれる人は先を見ていた。ぱっと後藤新平が浮かんだけど。東京再構築。
長岡藩米百俵の小林虎三郎もそうだわな。
ん?倫理とちょっとずれるかな。
でも遠くないような気はする。
スミスもマルクスもフリードマンも出てくるが、、
理解不足でした
第1部 哲学者、経済を考える
(「倫理」「資本主義」「社会」を定義する;
入れ子構造の危機―現状の複雑性)
第2部 倫理資本主義
(経済学の危機;道徳的価値と経済的価値をリカップリングさせる―新しい啓蒙への道;
ヒトという動物―協力を最優先する;
道徳的進歩と持続可能性;
追伸:物象化としての「資本主義」)
第3部 応用篇
(CPOと倫理部門;
子どもたちに選挙権を!;
形而上学的パンデミック―欲望をコントロールする;
次世代のAI倫理)
Posted by ブクログ
日本向けに書かれたという本書は「倫理資本主義」というコンセプトについてガブリエル氏が安易な言葉で解説しています。倫理資本主義とは、一言でいえば経済的価値と道徳的価値のリカップリング、ということです。まず「リ(再)」とついていることからわかるように、近代になってデカップリングされていた2つの価値を再びつなげよう、というメッセージがあります。また経済学的に言えば、公害などの外部不経済と呼ばれるものをいかに減らすか、またプラスの外部経済(例:教育や研究開発など社会全体に染み出る効果)をいかに増やすか、も倫理資本主義のエッセンスと理解しました。
また生活の質と経済学をリカップリングすることも可能だ、という話をジョン・スチュアート・ミルの言葉を引用して説明しています。なるほどそのためにはGDPを超える指標が必要になるでしょう(さもなければ相変わらず政府はGDPの最大化だけを追い求める)。そして、イマヌエル・カントの「最高善(highest good)」とは、経済価値と道徳価値が均衡している点だと言います。これは概念的には理解できなくはないですが、はたして何をもって均衡しているのか、となるとその判断自体が極めて難しい気もしました。
応用編ではいくつかの具体的な提言が含まれています。たとえば企業がチーフ倫理オフィサー(CPO)を設け、企業の意思決定に道徳的価値からの意見を述べること、また子供に投票権を与えること、AIによって人間がよりインテリジェンスになるような制度設計があります。チーフ倫理オフィサーに関しては、果たしてそのような役職を設けないと企業は変わらないのか、疑問に感じましたが、彼の提言を受け入れる企業も一定数いそうな印象は持ちました。
全体的に主張内容は理解できるものの、日本企業を主語にして考えた場合、果たして日本企業は「自主的に」倫理資本主義に移行するのか、あるいはやらなければならない(表面的であればそうやらねばならない)から移行するのか、という移行プロセスについてはよくわからず、もやもやした気持ちは残りました。