斎藤幸平のレビュー一覧
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本書に興味をもったきっかけである成田氏と斎藤氏に関しては、それぞれの著作やYoutube動画などを通して、研究内容と主張は理解していた。
本書ではその再確認といった感じだったため特に大きな発見はなく、
一方で自分が知らなかった小島氏と内田氏の研究などについては興味深く楽しく読めた。
日本で注目される天才たちの先端研究を、まとめてサクッと読める点には強いメリットがあるので、それぞれの著作を読んだことがない人にはとても良いだろう。
なんせ読みやすい。
成田氏から小島氏までの章を通して読んで特に気になった点は、
「重大な意思決定を行う人も、基本的に自分のそれまでの経験をもとに判断を下す」という事実 -
Posted by ブクログ
少子高齢化社会でも経済成長を続けることは、お米が足りないのにおにぎりをもっと作れって言ってるようなものなのかな。無理よね。
まず、無理を認めること。
それから、資本主義社会の外の世界があることを知り、体験し、その世界の間でバランスをとっていくことが鍵だと思った。
・大切なことを持続させるために、我々はこれまでの手法からの撤退を学ぶべきなのである。
・社会の内と外、此岸と彼岸、文明と自然、常識と非常識などなど、二つの原理を行ったり来たりすることで、問題を「なんとなく」暫定的に解決する。これが地に足を着けることである。
・現代における下野とは、他社のニーズを全く気にせず、とにかく徹底的に主観を -
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撤退論。例によって内田樹から寄稿依頼された面々が思い思いに「撤退論」を論ずる。勢い、流れで私も持論を述べたくなるが、テーマ幅広し。一人一人に割かれるページ数が少なく浅い。興味深いのだが〝好奇心のインデックス“程度の本だ。
切り口がそれぞれ。女性疫学者の三砂ちづるが、撤退の英訳withdrawalを、これは膣外射精という意味にもなるが、人口問題に絡めた性行為の撤退として私感を述べていた。少子化問題に対し、避妊を教育する自らへの疑問、近代化され、そもそも性行為の数が減っている事への警鐘。映画やドラマは見るもので、情報化・計画社会により、日常の起伏が減るように、恋愛や性行為がバーチャルのファンタジ -
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斎藤幸平さんの名前があったので読んでみた。
一番心に残ったのは平川克美さんの文章だろうか。会社勤めするようになって当たり前のように見聞きしてきた経済合理性。原価を絞り、無駄を排除して、より低価格の製品を提供する。お客様の要望に応え、お客様が期待する以上の価値を生み出すこと。製造業をはじめ、経済はそのようにして成長するものだと思っていた。
しかし、現在は総供給が総需要を上回っている状態。必要ないものを売るための広告やマーケティングなど、ブルシットジョブ(この本で言及してる人の多いこと!)が蔓延し、限られた利潤を確保するために「集中と選択」という言葉に現れるように、偏った資源配分をし、競争優位性の -
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「脱成長」、英語ではdegrowthと言う。
私のような左翼を自任している人間でも、資本主義のなかで生まれ、その価値観に深く影響されていることがあるのだろう。まさしくマルクスが言ったように「存在が意識を規定」している。私自身も、経済成長をストップしたり、減速させようという意見を聞くと、抵抗を感じる。しかし、なんでも疑問を突き付け、「正しさ」の上にあぐらをかいている価値観に揺さぶりをかけるのは、ともかくも「良い」ことだ。
著者たちは次のように主張する。経済成長を重視する資本主義経済は惑星地球の限界に到達しつつある。化石燃料はいずれ枯渇する。原子力発電もウランなどの特殊な鉱物資源に依存しており有限 -
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撤退論 内田樹編 晶文社
歴史のパラダイム転換に向けて
題名に惹かれて手に取ってみたけれど
前書きを読んで学者の限界を感じた
まず仲間内で先生と呼び合うのをやめてからにしてほしい
少子化がいけないと決めつけてからの話では
答えが出ないだろう
問題は噂されている
権力を振りかざしている側の都合で
少子化を作り出して不安をばらまいていることの真偽を
確かめることが前提だろう
識者とされた多くの人が原稿を寄せた中で
唯一面白く読ませてもらったのは
『個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か』
というタイトル始まるお話だ
広い目線で現代文明が陥っている
物質至上主義の問題の急所を捉えている
いやも -
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VUCA感がめちゃ高まっている現在
今、そしてこれからの世界をどのように生きていけばよいのか。
それを自分のために、そして若い人達のために知りたい。
そのような気持ちで本書を読みました。
執筆者は、内田樹先生セレクトというバイアスはあるので、ものすごい多種多様な意見という感じではないですが、それでも幅広い年代と専門分野にわたっています。
そしてみなさん暗くなりがちな話題にも関わらず、暖かで柔らかい前向きな文章を書かれており、こちらも穏やかな気持ちでページをめくり続けることが出来ました。
全体を通してある程度共通だと感じたメッセージは
•現在や過去(大人、制度、システム)を信じすぎないでね
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 「脱成長」とは何か
第2章 成長で犠牲になるもの
第3章 草の根から変革を起こす
第4章 道を切り拓く5つの改革
第5章 人々を動かすための戦略
付録 脱成長に関する23の質問への回答
日本語版解説 資本主義に亀裂を入れるために(斎藤幸平)
<内容>
最近言われている「人新世」。それが地球の自然環境の破壊へとつながる、資本主義の権化であると。それを超えるためには「脱成長」が必要とする書。この本には具体例がたくさん載っている。そして、夢ばかりを語らない。先進資本主義国は、その甘い汁を離さないし(政治家と金持ちが結託しているから)、一般の我々も資本主義の先など考 -
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