アーサー・コナン・ドイルのレビュー一覧
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アンソニー・ホロヴィッツによるシャーロック・ホームズ作品『絹の家』を読んで、久しぶりに“正典”を読みたくなりました。
中学、高校の頃、ホームズものは全て読破していたので、それ以来。今回は、有名なシャーロキアンである小林司さん、東山あかねさんによる訳出の作品です。
もともとこの作品は『緋色の研究』と言うタイトルで知られていますが、どうやらその“研究”という翻訳は誤訳であるらしい・・・。“研究”のところは“study”なのですが、絵画の習作と同じ意味だとの事。
それと、文中、当時の世相についての注意書きがあります。注意書きもよみながら本文を読むと、理解が深まります。 -
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ネタバレ当初、創元推理文庫でシリーズを読み始めたが、注釈の多さに惹かれてこちらで揃え直し始めた。どうやら文庫版は単行本より注釈が減っているらしいが、それでも充実している。320ページ中228ページまでが本編で、その後にクリストファー・ドーデンによる注と解説(オックスフォード版)が訳出されて掲載されている。注釈も面白かったが、別のイギリス文学との関係が述べられていた解説が、読みごたえがあった。
内容的にはとても面白くて、先へ先へと読み進み、あっという間に読み通してしまった。一番面白かったのは、ホームズとワトスンの関わり、かけあいの部分。1作よりさらに関係性が増している感じがする。ワトスンが結婚したことは知っていたが、こういうなれそめであったとは。ホームズの描かれ方も、より広がったよう。ヴァイオリンを弾き、料理もできる名探偵、すごーく惹かれる。夫や恋人には荷が重いが。
また、犯人の描き方が良かった。これはネタバレになってしまうかもしれうが、悪人であって悪人でない、法律的に悪いことはしたけれど人間的には筋の通った人間で、好感を感じた。それと犯人追跡の部分も読んでいて面白かった。今回は、変装あり、犬を使った追跡あり、船での追跡もありでスペクタクル感があった。 -
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ネタバレコカインの描写ではじまり、コカインの描写でおわります。退屈な世界で、頭脳労働にたずさわっていないと生きていけないというホームズ。人間としてコカインはよくないのかもしれませんが、日常に飽き飽きしてしまうほどの頭脳を持つというホームズの非凡さを感じるようで、名探偵としては魅力的な要素にも思えてしまいました。
事件は、モースタン嬢がホームズの元に相談にやって来ることではじまります。彼女の父モースタン大尉は、十年前、イギリスに戻ったという電報の後、消息を絶ちました。そして、六年ほど前、≪タイムズ≫にミス・メアリー・モースタンの現住所を知りたいという〈尋ね人〉の広告があってから、毎年おなじ日に真珠が一粒、モースタン嬢に送られてくるようになりますが、けさはライシャム劇場に来てほしいという手紙が届いたのです。友人二名を連れてきてもよいということで、ホームズとワトスンも同行します。
呼び出したのはサディアスという人物で、モースタン大尉の友人ジョン・ショルトー少佐の双子の息子でした。知らされた財宝の存在。そしてサディアスの兄バーソロミューの死。事態は急転直下の展開を見せます。
現在では追跡劇もありつつ、最後に、事件のきっかけとなった過去が犯人の口から詳細に語られます。犯人の言葉ということもあり、仲間を思う犯人の気持ちが強く感じられ、少し同情もしました。それでもやはり、犯人が行ったことは、いけないことだと思います。
また、事件の進行とともに、ワトスンとモースタン嬢の恋愛も進行していきます。途中で“彼女の手は私の手のなかにあった(p66)”とあり驚きましたが、最後の方で“うれしいことに、モースタン嬢がぼくとの結婚を承諾してくれたんだ(p224)”とあり、さらに驚きました。まさか結婚までいくとは思いもよらず、モースタン嬢がどうして承諾したのか不思議に思いました。 -
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ホームズを一切読んだことがないというのが長年の読書におけるコンプレックスだった。一年程前からBBCのドラマ「SHERLOCK」にハマり、そこからこの長年のコンプレックスの解消へと、やっと気持ちが向かった。順を追って読むよりも兎に角原作がどのようなものか知りたかったので本作にした。読後の感想はやはり面白いと言わざるを得ない。翻訳物への苦手意識があったが、本作はたまに元の英文が透けて見えつつ、それでも読める日本語できちんと書かれていた。全体的に舞台となる土地の暗さ、陰惨さが書かれ、思わず後ろを振り返りたくなるような雰囲気。そう考えると少しホラーなのかもしれない。
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ネタバレワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
「ロマンチックが過ぎる」
ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!
エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?
ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。
細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!
シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもんね~。その地位も、うらやましい。
ちなみにそんな「論争テーマのひとつ」に、なっていたのは、ワトスンが負傷したのは肩なのか脚なのかとかホームズが振る舞った料理はどんなやったかとか!
あと、終盤でモースタン嬢との恋愛について報告したワトスンに対してのホームズの回答が
「ぅわああお!」
と、にやつく骨頂のものやったんやけど、何やろうホームズとワトスンって仲良しやねんな!?
(今更?)
そこに注釈はなかったけれど(笑。ないのか!)そのぶん解説で掘り下げられていた。
「(ホームズとワトスンに)恋愛関係的なものをくみとる人もいるようですが」
と、いいきってた!
(逆説で終わっているとおり、恋愛関係的なものは皆無っちゅう解説なんやけどね)
イヤイヤイヤもう、ホームズどんなけツンデレやねんっちゅう話でした。
こういう目線で読んだらあかんし、読むシリーズではないのはわかってるつもりやねんけど、そこはそれ・・・。
いきなり前触れもなく放り込まれたからね・・・。
なんちゅうか、腐ィルターっていうの? 昔でいうところのBLスイッチね、そういうのがオンにもオフにもなってなかった(どういう状態よ)もので、余計びっくりしたわ・・・。
まあそんな調子で、ホームズは事件そっちのけでツンデレる、ワトスンは事件そっちのけでモースタン嬢にデレる、と、意外とデレデレな話で御座いました・・・。
(絶対違う)
話はもちろん面白かった。
財宝を手にする権利がある、と、いうところからここまで過去を掘り下げていくとは・・・。
そら、ロマンチックな色付けもしたくなるで、ただの猟奇的な殺人でもないんやもの。
(だからって犯罪を犯していいわけではないけど)
財宝かー・・・。しかもその秘密を共有することを誓った四人のサインなあ・・・。
そら、その四人から裏切者が出て、その制裁を加えて、ちゅうようなわかりやすい筋を、当時の社会情勢も盛り込んだお話になってるんやもの。
面白かった。
謎解きものやけど、なかなかバックグラウンドが深いよなあ。それが、ホームズの味なんかな。
そう考えると講談社系の謎解きものって、系統はホームズものに似てるかも・・・。やっぱり、謎解き小説のパイオニアなんやなあ。
あと、前回同様、犯人が真相を語るときには水が必要不可欠なのかと思った。
イギリスって乾燥しやすいんかしら? ああそういう感じかな?
(2016.10.29) -
Posted by ブクログ
やはりシャーロック・ホームズと言う人物は探偵の代名詞と成りうるほどの逸材。エルキュール・ポアロやファイロ・ヴァンスも良いには良いのだが、彼らを探偵の代名詞として紹介しようとした時どうしても違和感が拭えない。やはり名探偵と言ったら、ホームズが地面の痕跡を調べただけで得意げに犯人の特徴を当てると言う姿を思い浮かべてしまうのだ。これは私の思い入れによるものかもしれないが。
この本を読んで何よりも驚いた事はホームズの事件解決までのスピードである。事件発生から僅か三日ほどで犯人を逮捕している。更に言うならばホームズがこの事件での行動は、まず現場を見る→アメリカに電話をかける→新聞に広告を出す→子供たちを走らせる。僅かこの程度しかやっていない。解決後にホームズは事件は単純だったと言うが、死体が発見されたばかりの頃や第二の死体が発見された時、挙句の果てにはホームズが突然犯人を検挙した時などは大概の読者があまりに謎な展開に頭を抱え次の展開をワクワクしながら読んだのではないだろうか。私もその一人であった。