アーサー・コナン・ドイルのレビュー一覧

  • シャーロック・ホームズの冒険【深町眞理子訳】

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    世界中でこれだけ人気なのもうなずける。
    イメージよりホームズがおとなしげで紳士。
    個人的には、宝石だの王様だの、ちょっとファンタジックなところが好き。

    ボヘミアの醜聞
    赤毛組合
    花婿の正体
    ボスコム谷の惨劇
    五つのオレンジの種
    くちびるのねじれた男
    青い柘榴石
    まだらの紐
    技師の親指
    独身の貴族
    緑柱石の宝冠
    橅の木屋敷の怪

    個人的にはまだらや橅の木みたいな怪奇趣味のが好き。

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    2017年09月05日
  • バスカヴィル家の犬【深町眞理子訳】

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    ホームズを一切読んだことがないというのが長年の読書におけるコンプレックスだった。一年程前からBBCのドラマ「SHERLOCK」にハマり、そこからこの長年のコンプレックスの解消へと、やっと気持ちが向かった。順を追って読むよりも兎に角原作がどのようなものか知りたかったので本作にした。読後の感想はやはり面白いと言わざるを得ない。翻訳物への苦手意識があったが、本作はたまに元の英文が透けて見えつつ、それでも読める日本語できちんと書かれていた。全体的に舞台となる土地の暗さ、陰惨さが書かれ、思わず後ろを振り返りたくなるような雰囲気。そう考えると少しホラーなのかもしれない。

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    2017年02月02日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    ワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
    「ロマンチックが過ぎる」
    ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!

    エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?

    ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
    ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。

    細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
    「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
    とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!

    シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもん

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    2017年01月13日
  • シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作

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    ネタバレ

    ミステリ。ホームズとワトスンの出会い。
    「ミステリ好きならこれは読んでおかないと!」と思って購入。もとの邦題は『緋色の研究』ですね。
    ホームズの推理が面白い!
    偏ってはいるものの深い知識と、優れた観察力、鋭い直感、素早い行動。130年前に描かれた作品に、ここまで優秀な探偵が登場したら、それは大人気になりますね。
    物語自体も十分に魅力的。適度なボリュームも良い。さすがの良書。
    注釈や年表、解説などはマニアックすぎますが、本当に好きな人には役立つでしょう。

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    2016年10月11日
  • 四つの署名

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     とある婦人の依頼で四人の署名が記された紙片を初めに新聞に掲載された謎の広告、父親の失踪。そして双子の片割れの奇怪な死と推理小説としては申し分無いほどの舞台設定が展開されている。

     『緋色の研究』や他の短編と比べてホームズの推理はそこまで驚くようなものではないけれど、本作ではホームズの謎に対するある種異常とまでいえる姿勢が示されている。事件が無ければ麻薬漬けとなり、一度事件の渦中に入れば眠ることも休憩することすら忘れて精力的に行動する。常識的に考えれば危険なタイプだけれどその姿勢が推理小説ファンからすれば堪らないものがあるのもまた事実。

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    2016年10月10日
  • 緋色の研究

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     やはりシャーロック・ホームズと言う人物は探偵の代名詞と成りうるほどの逸材。エルキュール・ポアロやファイロ・ヴァンスも良いには良いのだが、彼らを探偵の代名詞として紹介しようとした時どうしても違和感が拭えない。やはり名探偵と言ったら、ホームズが地面の痕跡を調べただけで得意げに犯人の特徴を当てると言う姿を思い浮かべてしまうのだ。これは私の思い入れによるものかもしれないが。

     この本を読んで何よりも驚いた事はホームズの事件解決までのスピードである。事件発生から僅か三日ほどで犯人を逮捕している。更に言うならばホームズがこの事件での行動は、まず現場を見る→アメリカに電話をかける→新聞に広告を出す→子供

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    2016年08月31日
  • バスカヴィル家の犬

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     この事件には驚愕の事実や意外な展開というものは無いが、ホームズの推理力とワトスンの行動力などが冴え渡っている。普段はホームズの栄光に隠れて忘れがちだが、ワトスンもホームズシリーズを構成する上で忘れてはならない重要な人物なのだ。ワトスンはホームズならしないような行動が多いが、だからといっていい加減な行動ではなく彼はあくまでも紳士的。それが今回の事件ではホームズが陰に回った為に遺憾なく発揮されているのだ。

     今回の話は解説でも指摘されているように探偵小説というより、冒険・伝奇小説の色合いが濃いな。

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    2016年08月31日
  • シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    これまでの短編と雰囲気が変わったように感じた。毒ガスや仮病などのせいか。極めつけは第一次世界対戦前の外国スパイがいきなり出てくる「最後の挨拶」。「瀕死の探偵」のワトソンのホームズに対する友情が胸を打った

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    2016年07月06日
  • シャーロック・ホームズ全集7 恐怖の谷

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    ホームズの長編四作目にして最後の長編。タイトル通り暗かった。構成は第一部の現代での事件発生と解決、第二部の事件の原因となる背景は、緋色の習作と同じ。第二部の暴力世界が読むのに辛く、またラストもハッピーエンドとは言い難かった。モリアーティ教授一味のせいとのことだったから、突然現れたこの敵役をもっと説明するのかと思ったら肩透かしだった

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    2016年07月06日
  • シャーロック・ホームズの復活

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     これに収録されている話はホームズが失踪する話を書いてから十年経ってから執筆された訳だが、そのせいか『冒険』や『回想』とは随分趣の異なる作品が載っていたように思える。
     ホームズが以前よりもワトスンに事件内容を発表されるのを嫌がるようになり、『第二の血痕』を最後に発表を止めてくれと発言しているほど。他にもホームズは事件の真相を見抜いても犯人に十分同情するだけの余地があると、庇い立てするような行動に出ている(数えてみたら13編中6編がそうだった)

     これだけ充分ドラマ性に富んだ物語を当時月刊連載していたという話には本当に驚かされる。

     本作で気に入った短編は『金縁の鼻眼鏡』かな。この事件では

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    2016年06月13日
  • シャーロック・ホームズの回想

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     とても面白い話がたくさん詰っていた。

     ホームズの手法は現代から見れば古臭く感じてしまう時がある。科学捜査が発展した現代ではホームズのような捜査方法が役に立つ場面は少ないかもしれない。しかし、読者は彼の手品のような推理法に感心し感激してしまう。ドイルは読者に対して事件に関しては最低限、人間観察に関してはあまり情報を文中に示さない。だからホームズの突拍子なく見える推理は読者にとって思わず尊敬してしまうものになっているのだと思う。

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    2016年05月27日
  • シャーロック・ホームズ全集2 四つのサイン

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    短編集二作を読んでから長編に戻ったけど、やはり長編の方がミルフィーユのように謎が複雑かな。でも、ワトソンがあっさり未来の妻と愛し合ってしまうのは微妙だった。当時はそんなものだったのかな。

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    2016年05月31日
  • シャーロックホームズの冒険

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     この中に収録されている幾つかは昔に一度読んだことがあるはずなのだが、何故か読んでみるまで思い出せず話の途中で「ああ、これ読んだことあるな」と感じたりもした

     ホームズシリーズは事件の推理過程よりも、事件の特異性や冒険性を優先していると思う。実際、依頼人が長々と自分の体験したことを話し、ホームズが残り数ページで解決法を示すというやり方も珍しくないし。
     この中で気に入った短編は『ボスコム渓谷の謎』かな。この話は推理や物語性、更にはホームズ特有の調べ方「事件現場の床や地面を徹底的に調べ尽くす」という捜査方法も披露されている。冤罪で追いつめられる息子や驚きの真犯人などミステリとして必要な要素をし

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    2016年05月08日
  • 恐怖の谷

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     意外な構成で意外な面白さを見せてくれた事で最高に魅力的な作品になっている。やはり、ホームズシリーズは面白いと再認識させるには充分に力のある作品だった。

     第1部はバールストンで起こった不可思議な殺人事件を推理するという構成。第2部は被害者がどのような理由により殺されるに至ったかという過程をアメリカを舞台に移し繰り広げている。
     第1部で起こる殺人はホームズの真価が発揮されているといって差し支えない。第2部では舞台がアメリカに移り、突然の展開に面食らったのだが、それでも最後のどんでん返しには非常に驚いた。まさかあのような事になろうとは…。

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    2016年02月07日
  • 恐怖の谷

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    事件の推理は全編で終わり、後半は事件の背景が紹介される。しかし、この後半にも大きな推理要素があるところがさすがといったところ。

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    2016年01月02日
  • 四つの署名

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    時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。

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    2015年11月20日
  • 恐怖の谷【深町眞理子訳】

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    ホームズ長編でありがちな、犯人独白が半分を占めるアレ。

    しかし第一部、第二部それぞれの物語いずれも魅力的。登場人物のあまりに怪しすぎる行動が、真相が判明した後では全く別の意味に変わったり、第二部に仕掛けられた大掛かりなトリックも見事。作品の描かれた時代を考慮しても、完璧と言える構成なのではないでしょうか。

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    2015年10月28日
  • バスカヴィル家の犬【深町眞理子訳】

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    20年以上ぶりに読んだことになるのだけど,こんなに面白かったのか,という感想。ストーリーとか無駄のなさとかいった作品の面白さはもちろんだけど,当時の生活状況とか(弁護士いたのかそりゃそうかとか,アメリカの雰囲気とか)が何とも面白く。私も老けたなと思いながら,全シリーズ読み直したくなった。

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    2015年09月28日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    歌謡曲の名作「襟裳岬」の歌詞で、

    通りすぎた 夏のにおい
    想い出して なつかしいね

    という一節があります。

    若い頃から、詩がステキやなあ、と思っていたんですが。
    オジサンになるにつけ、この一節。
    特に、「通りすぎた 夏のにおい」というのは凄い日本語だなあ、と。

    北海道と沖縄の人には申し訳ないですが、春夏秋冬の四季のリズムに体が慣れている日本の風土ならではの、言葉ですね。
    「過ぎ去った」でも「終わった」でもなく、「通りすぎた」というのもステキ。橋の上から川の流れを見ているような。

    無論、何より「夏のにおい」。

    なんかこう、あの暑苦しくて無駄に強烈で、意味も無くエネルギッシュな感じが…

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    2015年08月05日
  • シャーロック・ホームズ全集3 シャーロック・ホームズの冒険

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    「ボヘミアの醜聞」
    アイリーン・アドラー。

    「花婿失踪事件」

    「赤毛組合」

    「ボスコム谷の悲劇」

    「オレンジの種五つ」

    「唇の捩れた男」

    「青いガーネット」

    「まだらの紐」

    「技師の親指」

    「花嫁失踪事件」

    「緑柱石の宝冠」

    「ぶな屋敷」

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    2015年06月24日