アーサー・コナン・ドイルのレビュー一覧

  • シャーロック・ホームズの古典事件帖

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    明治から大正期にかけてのホームズ翻訳のセレクト集。日本で初めて翻訳された短編も収録されている。
    古い文体なので読み難く、特に明治期のは内容を理解するのも困難だったが、時代が後になるに連れ段々と慣れてきてスムーズに読める様になった。登場人物を日本人にしていたり、長編を抄訳していたり、あからさまな誤訳があったりと、無茶苦茶な側面もあるのだが、現代ほど翻訳の技能が進んでいない時代のそれぞれの訳者の苦心も垣間見れて面白かった。これに続けて昭和初期の翻訳セレクトも出して欲しいものだ。

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    2018年03月13日
  • シャーロック・ホームズの事件簿(新版)【深町眞理子訳】

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    玉石入り混じる感じ。
    ガリデブでワトスンが撃たれた時のホームズのうろたえぶりとかイイ。
    マザリンの宝石、何か芸風違う。ホントにドイルの書いたもの?

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    2018年03月09日
  • シャーロック・ホームズ全集2 四つのサイン

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    ネタバレ

    当初、創元推理文庫でシリーズを読み始めたが、注釈の多さに惹かれてこちらで揃え直し始めた。どうやら文庫版は単行本より注釈が減っているらしいが、それでも充実している。320ページ中228ページまでが本編で、その後にクリストファー・ドーデンによる注と解説(オックスフォード版)が訳出されて掲載されている。注釈も面白かったが、別のイギリス文学との関係が述べられていた解説が、読みごたえがあった。
    内容的にはとても面白くて、先へ先へと読み進み、あっという間に読み通してしまった。一番面白かったのは、ホームズとワトスンの関わり、かけあいの部分。1作よりさらに関係性が増している感じがする。ワトスンが結婚したことは

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    2018年02月27日
  • 四人の署名【深町眞理子訳】

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    ネタバレ

    コカインの描写ではじまり、コカインの描写でおわります。退屈な世界で、頭脳労働にたずさわっていないと生きていけないというホームズ。人間としてコカインはよくないのかもしれませんが、日常に飽き飽きしてしまうほどの頭脳を持つというホームズの非凡さを感じるようで、名探偵としては魅力的な要素にも思えてしまいました。

    事件は、モースタン嬢がホームズの元に相談にやって来ることではじまります。彼女の父モースタン大尉は、十年前、イギリスに戻ったという電報の後、消息を絶ちました。そして、六年ほど前、≪タイムズ≫にミス・メアリー・モースタンの現住所を知りたいという〈尋ね人〉の広告があってから、毎年おなじ日に真珠が一

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    2018年02月23日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶【深町眞理子訳】

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    収録は、

    ・〈ウィステリア荘〉
    ・ボール箱
    ・赤い輪
    ・ブルース=パーティントン設計書
    ・瀕死の探偵
    ・レイディー・フランシス・カーファクスの失踪
    ・悪魔の足
    ・シャーロック・ホームズ最後の挨拶

    割と小粒かも。
    でも、時々ミステリで使われるネタ多数。
    やっぱすごい。

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    2017年09月11日
  • シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】

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    若干マンネリ化しつつもやはり面白い。

    空家の冒険
    ノーウッドの建築業者
    踊る人形
    ひとりきりの自転車乗り
    プライアリー・スクール
    ブラック・ピーター
    恐喝王ミルヴァ―トン
    六つのナポレオン像
    三人の学生
    金縁の鼻眼鏡
    スリークォーターの失踪
    アビー荘園
    第二の血痕

    個人的にナポレオンのが好き。
    褒められて照れるホームズが可愛い。

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    2017年09月05日
  • シャーロック・ホームズの冒険【深町眞理子訳】

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    世界中でこれだけ人気なのもうなずける。
    イメージよりホームズがおとなしげで紳士。
    個人的には、宝石だの王様だの、ちょっとファンタジックなところが好き。

    ボヘミアの醜聞
    赤毛組合
    花婿の正体
    ボスコム谷の惨劇
    五つのオレンジの種
    くちびるのねじれた男
    青い柘榴石
    まだらの紐
    技師の親指
    独身の貴族
    緑柱石の宝冠
    橅の木屋敷の怪

    個人的にはまだらや橅の木みたいな怪奇趣味のが好き。

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    2017年09月05日
  • バスカヴィル家の犬【深町眞理子訳】

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    ホームズを一切読んだことがないというのが長年の読書におけるコンプレックスだった。一年程前からBBCのドラマ「SHERLOCK」にハマり、そこからこの長年のコンプレックスの解消へと、やっと気持ちが向かった。順を追って読むよりも兎に角原作がどのようなものか知りたかったので本作にした。読後の感想はやはり面白いと言わざるを得ない。翻訳物への苦手意識があったが、本作はたまに元の英文が透けて見えつつ、それでも読める日本語できちんと書かれていた。全体的に舞台となる土地の暗さ、陰惨さが書かれ、思わず後ろを振り返りたくなるような雰囲気。そう考えると少しホラーなのかもしれない。

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    2017年02月02日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    ワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
    「ロマンチックが過ぎる」
    ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!

    エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?

    ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
    ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。

    細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
    「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
    とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!

    シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもん

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    2017年01月13日
  • シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作

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    ネタバレ

    ミステリ。ホームズとワトスンの出会い。
    「ミステリ好きならこれは読んでおかないと!」と思って購入。もとの邦題は『緋色の研究』ですね。
    ホームズの推理が面白い!
    偏ってはいるものの深い知識と、優れた観察力、鋭い直感、素早い行動。130年前に描かれた作品に、ここまで優秀な探偵が登場したら、それは大人気になりますね。
    物語自体も十分に魅力的。適度なボリュームも良い。さすがの良書。
    注釈や年表、解説などはマニアックすぎますが、本当に好きな人には役立つでしょう。

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    2016年10月11日
  • 四つの署名

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     とある婦人の依頼で四人の署名が記された紙片を初めに新聞に掲載された謎の広告、父親の失踪。そして双子の片割れの奇怪な死と推理小説としては申し分無いほどの舞台設定が展開されている。

     『緋色の研究』や他の短編と比べてホームズの推理はそこまで驚くようなものではないけれど、本作ではホームズの謎に対するある種異常とまでいえる姿勢が示されている。事件が無ければ麻薬漬けとなり、一度事件の渦中に入れば眠ることも休憩することすら忘れて精力的に行動する。常識的に考えれば危険なタイプだけれどその姿勢が推理小説ファンからすれば堪らないものがあるのもまた事実。

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    2016年10月10日
  • 緋色の研究

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     やはりシャーロック・ホームズと言う人物は探偵の代名詞と成りうるほどの逸材。エルキュール・ポアロやファイロ・ヴァンスも良いには良いのだが、彼らを探偵の代名詞として紹介しようとした時どうしても違和感が拭えない。やはり名探偵と言ったら、ホームズが地面の痕跡を調べただけで得意げに犯人の特徴を当てると言う姿を思い浮かべてしまうのだ。これは私の思い入れによるものかもしれないが。

     この本を読んで何よりも驚いた事はホームズの事件解決までのスピードである。事件発生から僅か三日ほどで犯人を逮捕している。更に言うならばホームズがこの事件での行動は、まず現場を見る→アメリカに電話をかける→新聞に広告を出す→子供

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    2016年08月31日
  • バスカヴィル家の犬

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     この事件には驚愕の事実や意外な展開というものは無いが、ホームズの推理力とワトスンの行動力などが冴え渡っている。普段はホームズの栄光に隠れて忘れがちだが、ワトスンもホームズシリーズを構成する上で忘れてはならない重要な人物なのだ。ワトスンはホームズならしないような行動が多いが、だからといっていい加減な行動ではなく彼はあくまでも紳士的。それが今回の事件ではホームズが陰に回った為に遺憾なく発揮されているのだ。

     今回の話は解説でも指摘されているように探偵小説というより、冒険・伝奇小説の色合いが濃いな。

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    2016年08月31日
  • シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    これまでの短編と雰囲気が変わったように感じた。毒ガスや仮病などのせいか。極めつけは第一次世界対戦前の外国スパイがいきなり出てくる「最後の挨拶」。「瀕死の探偵」のワトソンのホームズに対する友情が胸を打った

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    2016年07月06日
  • シャーロック・ホームズ全集7 恐怖の谷

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    ホームズの長編四作目にして最後の長編。タイトル通り暗かった。構成は第一部の現代での事件発生と解決、第二部の事件の原因となる背景は、緋色の習作と同じ。第二部の暴力世界が読むのに辛く、またラストもハッピーエンドとは言い難かった。モリアーティ教授一味のせいとのことだったから、突然現れたこの敵役をもっと説明するのかと思ったら肩透かしだった

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    2016年07月06日
  • シャーロック・ホームズの復活

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     これに収録されている話はホームズが失踪する話を書いてから十年経ってから執筆された訳だが、そのせいか『冒険』や『回想』とは随分趣の異なる作品が載っていたように思える。
     ホームズが以前よりもワトスンに事件内容を発表されるのを嫌がるようになり、『第二の血痕』を最後に発表を止めてくれと発言しているほど。他にもホームズは事件の真相を見抜いても犯人に十分同情するだけの余地があると、庇い立てするような行動に出ている(数えてみたら13編中6編がそうだった)

     これだけ充分ドラマ性に富んだ物語を当時月刊連載していたという話には本当に驚かされる。

     本作で気に入った短編は『金縁の鼻眼鏡』かな。この事件では

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    2016年06月13日
  • シャーロック・ホームズの回想

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     とても面白い話がたくさん詰っていた。

     ホームズの手法は現代から見れば古臭く感じてしまう時がある。科学捜査が発展した現代ではホームズのような捜査方法が役に立つ場面は少ないかもしれない。しかし、読者は彼の手品のような推理法に感心し感激してしまう。ドイルは読者に対して事件に関しては最低限、人間観察に関してはあまり情報を文中に示さない。だからホームズの突拍子なく見える推理は読者にとって思わず尊敬してしまうものになっているのだと思う。

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    2016年05月27日
  • シャーロック・ホームズ全集2 四つのサイン

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    短編集二作を読んでから長編に戻ったけど、やはり長編の方がミルフィーユのように謎が複雑かな。でも、ワトソンがあっさり未来の妻と愛し合ってしまうのは微妙だった。当時はそんなものだったのかな。

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    2016年05月31日
  • シャーロックホームズの冒険

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     この中に収録されている幾つかは昔に一度読んだことがあるはずなのだが、何故か読んでみるまで思い出せず話の途中で「ああ、これ読んだことあるな」と感じたりもした

     ホームズシリーズは事件の推理過程よりも、事件の特異性や冒険性を優先していると思う。実際、依頼人が長々と自分の体験したことを話し、ホームズが残り数ページで解決法を示すというやり方も珍しくないし。
     この中で気に入った短編は『ボスコム渓谷の謎』かな。この話は推理や物語性、更にはホームズ特有の調べ方「事件現場の床や地面を徹底的に調べ尽くす」という捜査方法も披露されている。冤罪で追いつめられる息子や驚きの真犯人などミステリとして必要な要素をし

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    2016年05月08日
  • 恐怖の谷

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     意外な構成で意外な面白さを見せてくれた事で最高に魅力的な作品になっている。やはり、ホームズシリーズは面白いと再認識させるには充分に力のある作品だった。

     第1部はバールストンで起こった不可思議な殺人事件を推理するという構成。第2部は被害者がどのような理由により殺されるに至ったかという過程をアメリカを舞台に移し繰り広げている。
     第1部で起こる殺人はホームズの真価が発揮されているといって差し支えない。第2部では舞台がアメリカに移り、突然の展開に面食らったのだが、それでも最後のどんでん返しには非常に驚いた。まさかあのような事になろうとは…。

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    2016年02月07日